最後の医者は桜を見上げて君を想う 二ノ宮敦人

今回紹介するのは、ラジオホンスキー倶楽部で紹介した本です。
4月のテーマは「春」

東京都 ラジオネーム ぶるぼん

二ノ宮敦人 「最後の医者は桜を見上げて君を想う」 TO文庫
①  この本のおすすめどころ

自分の死生観を考えさせられる点がオススメです。
物語は「とある会社員の死」「とある大学生の死」「とある医者の死」の3つで構成されていますが、そのどれもが大変重い病です。

人は誰もが平等に「死」を迎えますが、3人の患者の死の過程はとてもリアルなのです。
その死へ向かっていく過程が本当に自分自身に起こってるのではないか?と錯覚しそうになるほどでした。
病気ととことん闘うか、死を受け入れ自分らしい時間を過ごすか、物語に登場する死から自分の最期をどう迎えたいかと考えさせられました。

その最期を迎えるためには今どう生きるべきかということも。
命を扱う本でとても重いですが、人生を半分過ぎたところで読めたのはとてもよかったと思います。

②  この本との出会い

本屋さんで表紙が見えるような形で置いてあった話題の本のコーナーです。
その時点でおそらく結構人気になっていた本なのだろうと推察しますが、地元のそれほど大きくもない本屋さんで山積みになっていたこと、
表紙絵の桜、散り際の桜に目が奪われたのもあって、思いもかけず手にとりました。

ちょうどその頃、桜が咲くまでもう数週間っていう時期だったのも影響があったかもしれません。

③ 春の思い出
桜を見上げてることですかね~。
春先にはあまりいい思い出がないのですが、桜は毎年とても楽しみにしてます。この本に惹かれたのも、桜を待っていた、その影響があったのかもしれませんね。

TO文庫
416ページ
2016年11月1日第1刷発行
本体価格 650円
電子書籍あり

著者 二ノ宮敦人
1985(昭和60)年東京都生れ。
一橋大学経済学部卒業。
2009(平成21)年に『!ビックリマーク』(アルファポリス)でデビュー。
ユニークな着眼と発想、周到な取材に支えられた数々の小説を世に送り出し人気を博す。

著書
『郵便配達人 花木瞳子が顧り見る』
『占い処・陽仙堂の統計科学』
『一番線に謎が到着します』
『廃校の博物館 Dr.片倉の生物学入門』など著書多数。

内向的な人のためのスタンフォード流ピンポイント人脈術 竹下隆一郎

「内向的な人ほど、物事の本質をつかんでいます」

人脈モンスターたちが活躍する時代はもう終わりを迎えている

人脈モンスター…様々な場所に出かけ名刺を配って人と繋がりをつくりまくる。

◆時代の変化
・TwitterやFacebookなどのSNSの発展で組織や人脈を介さなくても「本当に会いたい人」と個人対個人でつながることが出来るようになった。
→ ここでもみんなと繋がる必要はない。
  限られた自分が好きな人たちとピンポイントで付き合っていくだけで上手くいく。
・インターネットの登場やテクノロジーの進化によって一人でできることが増えた。
 TwitterやFacebookで宣伝ができ、クラウドファンディングで資金集めもできる。
➡ 人脈モンスターにならなくても、大事な少人数の個人と熱量がある深い関係を結んでいた方が、仕事も生活も楽しめて結果がだせる時代になってきた

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最高の組織 大賀康史

「今の会社のマネジメントはおかしい」

就職するとまずはビジネスマナーや組織で働くための作法を叩き込まれる。
上司の指示には従うことが当たり前。
自分の生き方よりも、会社の利益が優先される。
自分は本当に会社の歯車となる人生を望んでいたのだろうか???

自分の人生の目的が会社の売り上げや利益になるということが正しいわけがない


よくある組織の問題点


◆ピラミッド型組織の問題点
・ピラミッドの上層部に能力の無い人や意欲の無い人がいると、下層部に居る人は優秀でも問題の人以上のパフォーマンスが出ない → ボトルネックの問題
・ピラミッド階級を飛び越えることは難しい
 ➡ 対策 ①適切な人材のみ採用
      ②組織長には人の育成や良さを引き出す人材を登用する

◆マトリクス型組織の問題点
・メンバーに高度な判断力が求められる
 ➡ 対策 構成員の自立性を高めるための教育を徹底的に行う

◆文鎮型組織の問題点
・多くのことを把握する必要があり組織長がパンク
・実際にはほとんど見かけない組織でスローガン的に使用される

従業員を束ねている源泉はミッションへの共感

◆ステークホルダーの明確な順位
従業員>顧客>株主・債権者・取引先
従業員が楽しくできることを仕事の中核に据える
→ 質の高いサービス、熱量のあるサービスを作れる
◆理想の組織の一つ「サークル活動」
・理想的な組織形態は輪を描いている
・輪に中心人物はいない
・束ねている源泉はミッションへの共感
・役割はゆるい枠組みが理想
・一人ひとりの好きなことや得意なことを軸として役割分担する
・お互いの幸福を尊重し、促し合う

◆ティール組織(進化型組織) → 形は一つではない
・自己実現の欲求に根差している
3つの特徴 「自主経営」「全体性」「存在目的」
・成功条件
 1.メンバー同士がお互いを信頼し、かつ大切に思っている
 2.全てのメンバーが高い水準で自律的に動けるようなプロフェッショナル
 3.組織のトップはメンバーが動いた結果の責任を取る覚悟があり、そのことをメンバーに伝えている

その人に合った育成方法をカスタマイズする

◆人材の採用基準
◎カルチャーフィット>ポテンシャル>スキル
 ポテンシャル=何か新しいことに取り組んだときにすぐにその勘所を掴み、数か月もすると専門家のようにふるまえる能力
 → 好奇心、ポジティブな感情の動き、地頭の良さ、成果を出す習慣

・カルチャーフィットが合わないと優秀だと思っていた人が、入社後すぐに問題を起こすケースがある
・ポテンシャルがないと、やるべきことが短いサイクルで変わるとスキル以上にポテンシャルが求められ、その人材が力を発揮することが難しくなる
・スキルがないケースは最初の3か月は苦労するが、その後は活躍する
➡ カルチャーフィットとポテンシャルがある人であれば、スキルが多少不足していても採用すべき

◆人材育成法
・一人ひとりに仕事をカスタマイズすれば研修を受けるより効果がある
・「商社出身だから…」「営業出身だから…」「女性だから…」「おじさんだから…」と先入観を持たずにその人を見る
・興味を持ったことに徹底的にチャレンジしてもらう
➡ ①人生の目的の理解→②興味分野の理解→③仕事のアレンジ→④新しいことにチャレンジ  ③と④の繰り返し
◆長時間労働をしない
・時間の制約があると仕事への集中力が高まる
・チームの全員が早く終わるように工夫する
・副業や育児など選択肢が広がる

その会社だけが実現する世界、あるいは人への貢献を会社の掲げるミッションとする

リーダーシップに必要なもの…

◆遠大なミッション
・明確にイメージできたものの多くは実現できる。
・できるだけ高いものを目指すことで到達点が変わる
・参加するメンバーの生きる目的と合致しやすくなる
◆情熱と合理性を同居させる
・合理時な運営を理解するためには、自分を常に高める努力を怠らないことが必要
・感性だけで経営は行えない
・日常的に本や人に触れる機会を持つ
◆人に誇れる組織
人の力✖プラットフォームの力(サービスの力)✖ビジネスモデルの力
・挑戦し続ける

【感想】
冒頭のはじめにの所で、この本の要約を書いているのは
さすが本の要約アプリの会社だと思いました。
要約を読んでなおかつ、本文が読みたいと思わせるのは
筆者の会社に対するミッションと熱量と感じました。

あらためて組織の在り方、よくある組織の問題点を読んで
以前勤めていた会社を思い出しました。
私自身が管理職や人事の部署にいたときにこの本があれば、もっと会社に貢献できたのではないかと感じました。

さらに驚いたのは、理想の組織が「サークル活動」である。
確かに中心人物が居なくて、ミッションの共感があれば
それぞれが自主的に活躍するだろう。
従来通りの組織ではなく、今後は新しい組織作りが求められます。

3人以上になると集団になるので、まずは「家族」がピラミッド型の組織になっていないか、振り返り円になるようにしていきたいと思います。
この本は単純に会社組織に向けての組織論や人材育成法ではなく
最小限の単位「家族」にも応用できる1冊です。

【目次】
はじめに
第1章 あらゆる組織が直面する課題
 1.    世の中に多く存在する残念な組織
 2.       組織が抱える構造問題
第2章 これからの成長組織が向かうべき方向性
 1.    従業員を最優先にすることが正しい理由
 2.       輪を描く組織が理想形
 3.      メンバーに与える影響
 4.      ティール組織(進化型組織)の何が凄いのか
 5.      最小単位の組織規模についての示唆
 6.      主体性の強い組織の成立条件
 7.      理想的な組織の形は1つか
第3章 人材採用と心材育成の心得
 1.      才能のある人がなぜ会社に所属するのか
 2.      人材の採用基準
 3.      フライヤー式の採用プロセス
 4.   初めにトップが会う場合の面談の進め方
 5.      入社したメンバーが伸びる人材育成法
 6.      人は勤務時間が長い方が育つのか、短い方が育つのか
 7.      やりがいがあれば報酬が少なくても良いのか?

 8.      会社の業績と報酬のトレードオフをどう考えるべきか?
第4章 これからのリーダーシップとは
 1.      掲げるべきミッション
 2.      合理的⇔情熱的ではない
 3.      人に誇れる組織とは
 4.      挑戦をしなければ、待っているのは衰退だと心得る
第5章 新しい組織論を適用したフライヤーの運営方針
 1.      創業から一年間のバタバタ
 2.      ミッション・バリューの重要性
 3.      フライヤーの社会的な意義
 4.      己を知るということ
 5.      これからの展開の方向性
第6章 社会への提言
 1.      起業家を増やすための前提
 2.      一掃すべき悪しき習慣と新施策
 3.     働き方改革と解雇規制の緩和
 4.     日本の魅力
 5.     何かをチャレンジすることのリスクは、実はほとんどない
おわりに
謝辞

自由国民社
192ページ
2019年3月1日第1刷発行
本体価格 1500円
電子書籍あり

著者 大河康史
株式会社フライヤー代表取締役CEO。
2001年早稲田大学理工学部機械工学科卒業
2003年早稲田大学大学院理工学研究科機械工学専攻修了。
2003年にアクセンチュア(株)製造流通業本部に入社。
同戦略グループに転属後、フロンティア・マネジメント(株)を経て、
2013年6月に株式会社フライヤーを設立 

大賀康史 ツイッター

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バカとも付き合って 西田二郎・マキタスポーツ

「おじさんたちのブルース」by マキタスポーツ


この本は、堀江貴文・西野亮廣両名の著書「バカとつき合うな」に便乗したものです。
もちろん両名の同意の元です。
西田二郎氏は読売テレビの社員、マキタスポーツ氏は芸人。
サラリーマンとフリーランスの二人がどんなことを語っているのか。
表紙までパクッてしまったこの本に興味を持って読みました。

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なごりの月 日本橋牡丹堂菓子話(二) 中島久枝

「人は何かに一生懸命にならなくちゃだめだ」by お時

【あらすじ】
一年間の約束で江戸、日本橋の和菓子屋「二十一屋」通称牡丹堂で働いた小萩。
実家に戻り旅籠屋を手伝う日々。
本当は牡丹堂に戻りたいのだが、姉の婚礼が近づいていて言い出せない。

悶々とした日を送り、幼馴染のお駒とお里も許嫁が居て早く小萩もいい人を見つけるようにと言う。
小萩は牡丹堂の職人伊佐に惚れていて、他の男性には目もくれない。
そんな小萩に縁談の話が舞い込む。
ある日、小萩は母親のお時が結婚する前は三味線の名手で芸妓だったことを知る。
お時は小萩に自分の過去を語りながら、どうして縁談を断ってください。もう一度日本橋に行かせてくださいと、お願いしないのか問いただす。
実は小萩は父親に気持ちを伝えていた。
「俺は反対だ。そう言われて諦めるくらいなら、やめておけ」
小萩は覚悟を決めて日本橋に戻る。

日本橋では昔、牡丹堂に居た職人鷹一が牡丹堂の目と鼻の先に同じ和菓子の店を出した。
名は「天下無双」
鷹一には吉原で名を馳せ、吉原の外でもアコギな商売をする勝代がバックについていた。
これまで牡丹堂を贔屓にしていた客も新しい、鷹一の店に流れていく。
そんな中で小萩は大きなミスをしてしまう…。

【感想】
先日紹介した「いつかの花」の続編です。
実は「いつかの花」を読んだ後に直ぐにこの本を手に取り、1日のうちに二冊とも読んでしまいました。

前半は小萩が実家に戻り牡丹堂に戻るまでが綴られています。
読んでいて小萩がもどかしくて仕方ありませんでした。
この文章を書きながら、当時の女性は結婚して子ども産み育てるのが幸せとされていて小萩の様に仕事をしたい…と思うのはわずかな女性だったのでは?
母親のお時の後押しがあったとは言え、決断をするのは当時は大変なことだったはず。
現代に生きる自分と比べるのは違うかな…思いつつも読みながら「小萩、言わなくちゃ」と心の中でエールを送っていました。

後半は牡丹堂に戻ってからのエピソードです。
牡丹堂にライバル店が現れます。
ワクワクドキドキしながら最後まで一気に読んでしまいました。
もちろん、今回も美味しい和菓子が出てきますよ。

第三巻が出ているんですよね~。
買うかどうするか…迷っています(笑)

【目次】
初春 祝い菓子は桃きんとん
陽春 白吹雪饅頭の風雲児
初夏 かすていらに心揺れ
盛夏 決戦 ! 涼菓対決

光文社時代小説文庫
295ページ
2018年1月20日第1刷発行
本体価格 640円
電子書籍あり

著者 中島久枝
フードライター、クチコミサイト「和菓子つぶやき処」女将。
「銀座和菓子塾」講師。
新聞などに記事を書く傍ら、家庭で手軽に作れる和菓子、和風のおやつを紹介。

著書
「日乃出が走る 浜風屋菓子話」
「金メダルのケーキ」など