キネマの神様 原田マハ

今回は私のラジオ番組「ホンスキー倶楽部」で紹介した本です。
テーマは「私の号泣本」

インターネットラジオゆめのたね放送局
関西チャンネル
毎週日曜午前11時~11時

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ラジオネーム しまりす

原田マハ キネマの神様 文春文庫


①この本のおすすめどころ
ズバリ、親子愛。
映画の話ももちろん映画好きとしては非常に嬉しかったですが、
号泣するほど感動したのは、深い親子愛でした。

読み終わったとき、「この本に出会えたことが幸運だった」「日本語が読めて良かった」と思ったものです。
そして、ひとつだけ、しかもこの本の中で最も重要な作品として出てきた映画を私は見逃していたので、急いでDVDを借りて観ました。
本来は、映画館で観るべきだとは思いつつ、もうかなり前の映画なのでそれも叶わず、キネマの神様にお許しを乞うた次第です。
映画のタイトルは『ニューシネマパラダイス』。これにも、あったかい涙が流れました。こうして、『キネマの神様』とこの名画が私のなかでゴタマゼになって、なんだかとっても心地いい記憶となっているのです。

② この本との出会い
テレビで男性のタレントさん(お笑い系、名前はど忘れ、顔は覚えているのですが……)が「号泣した!」と言っていて、どんな本かなと興味をもったのがキッカケでした。
原田マハさんの本としては、『カフーを待ちわびて』の次に読んだのがこの本だったと思います。
もう何年も前のことですが、どうしても「号泣した本」となると、この『キネマの神様』が一番に思い浮かびます。

③ 直近の号泣した出来事
最近は号泣した記憶がないのが正直なところ。
なんだか、寂しい話です。
私は生きているのか!?と自分に問いかけてしまいそうになります。
というわけで、直近でも5年以上前のことですが、初めて自力で一冊(1年かけて)本を翻訳して、最後の一文を書き終えたとき。
朝方5時くらいでしたが、ひとり泣きに泣きました。
いや、本当に若かったです。

【あらすじ】
無職の娘とダメな父。ふたりに奇跡が舞い降りた!
39歳独身の歩は突然会社を辞めるが、折しも趣味は映画とギャンブルという父が倒れ、しかも多額の借金が発覚した。
ある日、父が雑誌「映友」に歩の文章を投稿したのをきっかけに歩は編集部に採用され、ひょんなことから父の映画ブログをスタートさせることになった。
〈ゴウ〉のハンドルネームで父が書くコラムは思いがけず好評を博し、借金とギャンブル依存から抜け出せそうになるが、ある時〈ローズ・バッド〉を名乗る覗の人物に反論されて……。
〝映画の神様〟が壊れかけた家族を救う、奇跡の物語。


著者 原田マハ
1962(昭和37)年、東京都小平市生まれ。
関西学院大学文学部日本文学科および早稲田大学第二文学部美術史科卒業。
馬里邑美術館、伊藤忠商事を経て、森ビル森美術館設立準備室在籍時、ニューヨーク近代美術館に派遣され同館にて勤務。
その後2005(平成17)年『カフーを待ちわびて』で日本ラブストーリー大賞を受賞しデビュー。
2012年に発表したアートミステリ『楽園のカンヴァス』は山本周五郎賞、R-40本屋さん大賞、TBS系「王様のブランチ」BOOKアワードなどを受賞、ベストセラーに。
2016年『暗幕のゲルニカ』がR-40本屋さん大賞、2017年『リーチ先生』が新田次郎文学賞を受賞。

著書
『本日は、お日柄もよく』
『ジヴェルニーの食卓』
『デトロイト美術館の奇跡』
『太陽の棘』など多数

美食の報酬 ウィリアム・リンク/リチャード・レビンソン

今回は私のラジオ番組「ホンスキー倶楽部」で紹介した本です。
テーマは「おススメの美味しい本」

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ラジオネーム 京都のよっしー

① この本のオススメどころ
往年の海外ミステリードラマ「刑事コロンボ」の一エピソードのノベライズ版です。
自らのレストランを持つ著名なイタリア人シェフのビットリオが、同様に著名な料理・レストラン評論家ポールによって毒殺された事件の謎をコロンボが解くのですが、まあ全編の半分以上は、誰かが何かを食べてるシーンのオンパレードで、いつ読んでもうまそうです。

物語の冒頭から犯人と被害者が会食していますし、事件直後に臨場したコロンボは、さっそく店のシェフに作ってもらったスープを口にする始末。
物語のクライマックスは、コロンボと犯人が事件現場である被害者のレストランで料理対決をするという徹底ぶりです。

被害者の友人である様々なレストランのシェフたちを、コロンボが訪ねて事情聴取する際も、いく先々のシェフたちが応援の意味を込めていろんな料理をコロンボにご馳走するのです。
このエピソード、幸か不幸かドラマ版は未見なのですが、見れば間違いなく未曾有の「飯テロ」になること間違いなしです。

もちろん料理だけでなく、コロンボの名推理によって犯人が追い詰められ観念する様は、痛快ですしね。

いま、どれだけの方が刑事コロンボをご存知かはわかりませんが、コロンボといえば「倒叙(とうじょ)もの(物語の冒頭もしくは早い段階で、犯人が事件を起こす様が明かされ、探偵役がいかにして犯人を追い詰めるかを楽しむミステリーの一形式、すみません、ホンスキーには釈迦に説法でしたね!)」の名作で、三谷幸喜さんの「古畑任三郎」や大倉崇裕さんの「福家警部補」シリーズは間違いなくコロンボへのオマージュです。

そんなわけですから、先ほど僕があっさりと犯人を言っちゃったのも、ネタバレにはならないというわけです。
ドラマでコロンボを演じたピーター・フォーク、吹き替えの声をアテられていた小池朝雄さんともに故人となり、新作を見ることはかなわなくなりましたが、既存のエピソードでも見ていないものの方が多いので、いつかゆっくり全話を見てみたいです。

② この本との出会い
小学校卒業直後の春休み、信州に春スキーに連れて行ってもらったんですが、スキー中に転倒して右足を複雑骨折してしまい、1ヶ月ほどの入院生活を送りました。
その入院中に親戚の叔父さんが、お見舞いとして持ってきてくれたのがこの本でした。
「歌声の消えた海」と2話がセットになったノヴェルズだったかと思います。

それまでは、ドラマを数話見たことがあるだけでしたが、ノベライズもドラマに劣らず面白く、入院で時間が有り余っていたこともあって、一気に読んでしまったことを覚えています。
このノベライズ版は二見書房から出ていたのですが、同じシリーズの本を続けて何冊か買ってもらって読みましたね。

③ 食べ物に関する思い出
子供のころ、母がよくおにぎりを作ってくれました。
小さな俵形で、具は何も入っていない塩だけのおにぎりに、味付け海苔(関西では味付け海苔が普通ですよね!?)を巻いたものが、時々は朝食に出ましたし、そして遠足や運動会のお弁当には必ず入ってました。

また、家は田舎の農家だったので、稲の刈り入れ時には家族全員で一日中、田んぼに出るのですが、そのお昼ご飯もおにぎりでした。
そんな時はたくあんか梅干し付き!
冷めて、海苔がぴったりご飯に張り付いていても美味しかったし、むしろおにぎりは冷めている方が好きかも。

あっ、でもコンビニのおにぎりを食べた時はパリパリの「焼き海苔」だったのでビックリしたことも覚えてます。
最近は、おにぎりと言えばそのコンビニおにぎりばかりですが、今のマイブームは塩鯖のおにぎりです。外せない定番はやはり梅干しかな。


ぐりとぐら 中川李枝子・山脇百合子



今回は私のラジオ番組「ホンスキー倶楽部」で紹介した本です。
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ラジオネーム 桜

ぐりとぐら 中川李枝子・ 山脇百合子 福音館書店

1 この本のおススメどころ
ぐりとぐらが自分達よりも大きなフライパンを使ってパンケーキを作るところ。
大人になって考えると自分よりも大きな未知なものに挑戦して素晴らしいものを作るって、夢があるな、と改めて感じます

2 この本との出会い
出会いは幼稚園で、再会は息子を生んでからでした

3 食べ物の思い出
大阪の中津にぐりとぐらやスイミーなどの絵本の御飯を再現している絵本カフェがあり、息子に読み聞かせてママ友と子供二人と食べに行きました!
可愛いし、楽しくて良い息抜きの時間になりました!

【あらすじ】
お料理することと食べることが何より好きな野ねずみのぐりとぐらは、森で大きな卵を見つけました。
目玉焼きにしようか卵焼きにしようか考えたすえ、カステラを作ることにしました。
でも、卵があまり大きくて運べません。
そこでフライパンをもってきて、その場で料理することにしました。
カステラを焼くにおいにつられて、森じゅうの動物たちも集まってきます……。

青い帽子と服を着用しているのが「ぐり」、赤い帽子と服を着用しているのが「ぐら」です。

著者 中川李枝子
作家。
1935年札幌生まれ。
東京都立高等保母学院卒業後、「みどり保育園」の主任保母になる。
1972年まで17年間勤めた。
1962年に出版した『いやいやえん』で厚生大臣賞、NHK児童文学奨励賞、サンケイ児童出版文化賞、野間児童文芸賞推奨作品賞を受賞。

翌年『ぐりとぐら』刊行。
『子犬のロクがやってきた』で毎日出版文化賞受賞。
映画「となりのトトロ」の楽曲「さんぽ」の作詞でも知られる。
『ぐりとぐら』は現在まで10カ国語に翻訳されている。

主な著書に
絵本『ぐりとぐら』シリーズ、
『そらいろのたね』
『ももいろのきりん』
童話『かえるのエルタ』
エッセイ『絵本と私』『本・子ども・絵本』。

挿絵 山脇百合子
日本の絵本作家、上智大学外国語学部フランス語科卒。
同校在学中から『いやいやえん』(絵本)の挿絵を手がける。
1967年『ぐりとぐらのおきゃくさま』(福音館書店)で厚生大臣賞受賞。2013年、菊池寛賞受賞。他受賞多数。
『ぐりとぐら』は英訳もされている。中川李枝子は実姉。

桜さんが行った絵本カフェ ペンネンネネム
大阪と神戸にお店があります。

http://nenemu.com/

ペンネンネネムは座席入替制となります。
9時半~16:45
1回105分で7回

お好きな時間帯を指定できますが、
チケットがなくなり次第受付は終了しますので早めにお店に行くことをおススメします。。
チケットの配布は開店時間の9:30からになります。
(チケットの配布の際、ご利用人数をお伺いしますので、受け取りは代表者の方のみで大丈夫です。)

メニュー
「ぐりぐらのホットケーキ」
はらぺああおむしの「はらぺこプレート」
スイミーの「スイミーインクリームソーダ」
「かいじゅうたちのいるごはん」

店内は絵本に絵本に関する雑貨が一杯
可愛い物好き、絵本好きなジョシにはたまりませんよ。

きのう、何食べた? よしながふみ



今回は私のラジオ番組「ホンスキー倶楽部」で紹介した本です。
テーマは「おススメの美味しい本」

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テーマ「おススメの美味しい本」

ラジオネーム エルフィー

よしながふみ 「きのう、何食べた?」講談社

① この本のオススメどころ

ゲイカップルの話なのに、よしながふみらしくもなくそういうシーンが一切ない。
キャラクターの個性のおもしろさ。

ゲイとしては外見も好みもマイノリティーなシロさん。
わかりやすく甘えん坊でヤキモチ焼きだけどおさえるべき所はおさえるケンジ。シロさんの主婦友達の富永家の人々。
弁護士事務所の人々。
美容室の人々。
何よりインパクト強いのは、小日向さんとジルベールのカップル。
ジルベールが登場して以来、この漫画は一段とおもしろくなった。

② この本との出会い
元々よしながふみが好きなので、単行本を見たら買って読む。
ただ、こんなにおもしろいとは思わなかった。
繰り返し繰り返し読んでいます。

③ 食べ物に関する思い出
料理嫌いですが、この漫画を読んでいるといろいろ作ってみたくなる。
シロさんのレシピで、いくつか作りました。
シロさんの野球観戦弁当やお花見弁当は、母の作ってくれた運動会のお弁当を思い出します。

【あらすじ】
几帳面な弁護士・筧史朗と、人当たりの良い美容師・矢吹賢二の2人が2LDKのアパートで暮らす毎日を、食生活メインに展開する物語。
主人公2人はゲイのカップルであり、メインの食生活以外にも、ゲイが抱える諸事情や、筧家を舞台にしてゲイの息子とその両親がどう向き合うかも描かれている。
基本的に毎回一話読み切り。
登場人物たちは実際の年月の進みに合わせて年をとっていく。
キャッチフレーズは「2LDK男2人暮らし 食費、月3万円也。-ちょっと増えました-[」。

ストーリー内に於いて毎回かなりのページを史朗の調理のシーンに費やしており、それが話の本筋と密接に関わっているのが特徴。
料理のシーンもほとんどレシピ本同然の詳細な描写があり、食材や調味料の代用は何がいいかなどのアドバイスなども折り込まれている。
単行本には作品内に登場した料理のレシピも掲載されている。

ドラマも終わりました。
最終回ではお正月、シロさんの家にケンジが行き1日を過ごします。
コミックでは15巻が最新ですが、15巻の最後ではケンジのお母さんがシロさんを家に連れて来るように…というところで終わっています。
あぁ、早く16巻出ないかなぁ。

著者 よしながふみ(よしながふみ)

東京都生まれ。
代表作の『西洋骨董洋菓子店』は2002年、第26回(平成14年度)講談社漫画賞少女部門受賞。
現在、白泉社「月刊メロディ」で『大奥』を連載中。
2006年、第5回(2005年度)センス・オブ・ジェンダー賞特別賞、第10回(平成18年度)文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。

著書
『フラワー・オブ・ライフ』
『愛がなくても喰ってゆけます』
『愛すべき娘たち』
『こどもの体温』など。

ホンスキー倶楽部おすすめのエッセイ10選

インターネットラジオゆめのたね放送局
関西チャンネル毎週日曜日午前11時~11時半放送
「ホンスキー倶楽部」で紹介した本の中からエッセイを10冊紹介します。

タキモトの世界 久住昌之

紹介者 ラジオネーム KON
【この本のおすすめどころ】
知る人ぞ知る妙なカメラマン滝本淳助さんの独特な世界観を孤独のグルメ原作者で、斜め上なエッセイを得意とする久住昌之さんがレポートした妙な一冊。
ハマる人にはたまらない。
一度、絶版になったものの復刊された伝説のサブカル本。

復刊ドットコム
374ページ
2013年3月16日第1刷発行
本体価格 2500円

負け犬の遠吠え 酒井順子

紹介者 ラジオネーム 風呂好きシャンシャン
【この本のおすすめどころ】
酒井順子さんの言う“負け犬”とは、未婚、子供なし、仕事をしている30代以上位の独身女性のことで。
こういう女性は、世間からの無言の圧力や風当たりがある。

なぜか?結婚し家庭を持ち子供がいる女性の方が、世間的には地位が高かったり女性としての価値を認められる傾向がある。
が、そこにあえて逆らわず反旗を翻さず、最初から腹を見せて「私は負け犬ですよ~でも何がいけないの?」と良い意味で開き直る。その方が生きるのが楽チン。
その開き直りや潔さが、読みながら痛快で負け犬の端くれの私としても、ブラボー

読んでいて気持ちがいいです。
でも、酒井さんは最終的には「負け犬だって勝ち犬だって、それぞれその世界で生きるのが大変で頑張っているんだ」と双方を冷静に温かく見ている。
その酒井さんの冷静で公平な姿勢や分析もとてもいいです。

とにかく世の負け犬の女性たちは、この本を読めばもやもやした迷いや悩みは消え、自分に自信を持って胸を張って溌剌と明るく生きていける元気が出ると思います。

講談社文庫
2006年10月14日第1刷発行
本体価格 610円
電子書籍あり

日日是好日 森下典子

紹介者 ラジオネーム かーる
【この本のおすすめどころ】
茶道具、掛け軸、和菓子などの美しい写真からこの本は始まります。
季節の和菓子も芸術的な茶道具も茶道の楽しみの一つです。
なぜお茶を続けるのか?何が面白いのか?
そんな疑問をもつ方に。

余分なものをそぎおとし、自分では見えない自分の成長を実感させてくれるもの。
すぐにはわからない代わりに、ある日を境に突然、視野が広がるその醍醐味を何度も味わうことができるもの。
それがお茶だと森下さんは言います。

その例えとしての雨の話が印象的でした。
まえがきの中に、
『20歳のときには分からなかった季節の移ろいが、毎年お茶をを繰り返すうちに肌で感じられるようになる描写があります。
あるとき、ふと五感が研ぎ澄まされて土の香りや雨の音がダイレクトに感じられるようになるさまは、驚きと喜びに溢れています』

お茶を通しながら四季を感じられるようになった日々のしあわせ。
これを15の観点から伝えてくれます。
特に第13章「雨の日は、雨を聴くこと」は作者の心の揺れと気づきの素晴らしさに心を打たれます。

静かな動きの一つ一つが人生の記憶として積み重なり、ただ今ここにいる喜びに繋がっていくのです。
茶道の奥深さと人生の深みを伝えてくれる美しい描写の一冊

新潮文庫
252頁
2008年10月28日第1刷発行
本体価格 550円

幸福という名の武器 佐藤愛子

紹介者 ラジオネーム うまうま
【この本のおすすめどころ】
さまざまな週刊誌(週刊朝日、サンデー毎日等)や新聞、季刊誌などで、世相や親子の気持ち、世代、友人とどこかに必ず泣きそうになるのやハハハハハと笑いこけるざっくばらんな辛口エッセイ

集英社文庫
240ページ
1988年6月20日第1刷発行
本体価格 400円
電子書籍あり

人生エロエロ みうらじゅん

紹介者 ピロシキ
【この本のオススメどころ】
この本は週刊文春で連載されていたものを文庫シリーズ化にまとめたものです
現在では「されど人生エロエロ」につづき3冊目の「人生エロエロだもの」までまとめられています

僕にとっては同世代(多分同級生)でありDNAの99.9%が一致しているという驚異のシンクロ率になっているに違いない、とひそかにリスペクトしているみうらじゅん師ですが、この本を読んでしまって、ますます親近感を実感、という楽しい気分よりも、まるで自分のドッペルゲンガーがみうらさんの仮面をかぶって存在しているか、自分が別名みうらじゅんとなって存在しているパラレルワールドが隣にあるんじゃないか?
という妄想まで抱いてしまって不気味な気分にさえなってしまいます。

僕が知らないうちにしたためて封印していた恥ずかしいコトノートをみうらじゅん師がかってに開封し世に出したんじゃねえの?って言うくらいです。

旧ルパン三世の第一話の峰不二子ちゃんや時代劇のおんなくノ一にドッキリとしたり、小学校の行き帰りにわざとピンク映画館のポスターのある街角をより道したりといった小さいころの甘酸っぱい思い出からラブラドールレトリバーはラブドールとボーヴォワールはボーボーアールと連呼して袋閉じを切り取るといった現時点での誤読・みうら迷コピーまで、あるある、あったあったネタ満載で付箋を貼りはじめると横に貼り天地に貼り・・と大変な状態になってしまうのであった。

こんな風にハゲドウ:激しく同意したりしているととリスナーの本スキ女史たちは「馬鹿ねえオトコって」とか、コレ盛ってるでしょ?と感じられるかも知れませんが、ソレ全くチガイますよ。

オトコなんて違うのは髪の毛の量とベルト回りのサイズだけで、中身もアタマのなかも全くおんなじ!自明の定理、宇宙の法則、なのです。
というわけで この本は、いつまでたってもオトナになれない困った男子たちにも、その男子を呆れてしまったり、馬鹿ぶりをなかなか理解できない女子たちにも相互理解と「前進的かつ不可逆的な対話と交渉」のためのレジュメとしても、しっかりと自信をもってオススメし指定図書に値するものであります。

文春文庫
275ページ
2016年6月10日第1刷発行
本体価格 700円
電子書籍あり

とにかく散歩いたしましょう   小川洋子

紹介者 ラジオネーム 大乃国のぶお

【この本のおすすめどころ】
毎日新聞に定期連載されたエッセイをまとめられたもの。
これを読むことは、小川作品の源流を辿ったような気分になれます。
小説のこの部分はエッセイのあのエピソードだ、と繋がるのです。

エッセイの中の章「ふと、どこからともなく」は小説「人質の朗読会」。
エッセイ「悲哀はお尻の中に」は小説「いつも彼らはどこかに」。
ベストの理由はもう一つ。私と同時期にこれを購入した友人に毎日1話分ずつ読んだその感想を送ったのでした。

相手は嫌な顔もせず返信をくれるから楽しくて仕方のない毎日でしたが、やがて終わりがやってきます。
寂しくなるなぁと思い始めた時、思いついたのです。そうだ、振り出しに戻ろう!
そして二巡目が始まったのでした。本と深く繋がれただけでなく、本仲間とも絆の強くなった一冊です。

文春文庫
255ページ
2015年7月10日第1刷発行
本体価格 660円
電子書籍あり

変見自在シリーズ 高山正之

紹介者 ラジオネーム ナンさん

【この本のおすすめどころ】

週刊新潮の時事コラムをまとめた本なので短い文章にも関わらず。
圧倒的な情報量と記者の著書ならではの鋭い指摘と辛辣な視点で世の中に蔓延るフェイクニュースをばっさりと切る痛快さ。

また本のタイトルが第一弾の「サダム・フセインは偉かった」や最新刊の「日本よカダフィ大佐に学べ」から分かるようにブラックジョークを交えた語り口の面白さがあり。
このニュースは裏に、こんな事があったのかと目から鱗が落ちます。

新潮文庫

「百年の孤独」を代わりに読む  友田とん

紹介者 ラジオネーム 冷麺マン4世

【この本のおススメどころ】
まず、ラテンアメリカ文学の代表作であり、ノーベル文学賞の世界的な名作『百年の孤独』が登場します。
ああ、聞いたことある。
焼酎でしょ?そっちじゃなくて、小説?
聞いたことはあるけど、読んだことはないんだよなあ。という方。
あるいは、挑戦したものの登場人物の多さに「The 折(挫折)」した方のための本です。
何しろ作者の友田とんさんが、ドリフのコントのような軽快さと、研究者顔負けの探究心で、代わりに読んでくれるのです。
何を?『百年の孤独』を。
もちろん本家の『百年の孤独』と、あわせて読むと楽しさは倍増します。
副読本としても、大笑いエッセイとしてもオススメします。

203ページ
2018年5月6日第1刷発行
本体価格 1200円

にょっ記 穂村弘

紹介者 ラジオネーム ぶるぼん

【この本のおススメどころ】
穂村弘さんの「現実の話なのか、妄想の話なのか、どちらなんだろう?っていう曖昧なところ」がオススメです。
日記でなく「にょっ記」、「にょ」の響きも好きです。
この「にょっ記」は続編の「にょにょっ記」「にょにょにょっ記」と3冊あるのですが、どれもとても面白く穂村弘さんの文章が軽快でスラスラ読めてしまいます。

クスっと笑えるものや爆笑するものもあれば、たまに切実なものも混ざってますが、穂村弘さんの世界観を堪能できる本だと思います。
実は私が購入したものを少しの間放置していたら先に夫が読んでいて、夫がすっかりハマって3冊一気読みしてました。
難しく考えないで読めるのもいいのでしょうね。

文春文庫
179ページ
2009年3月10日第1刷発行
本体価格 600円
電子書籍あり

探しているものはそう遠くないのかもしれない 新井見枝香

さいごは私がおススメするエッセイです。

【この本のおススメどころ】
筆者の新井さんは東京都内の書店員さん。
芥川賞や直木賞と同日に「新井賞」を発表していて
新井賞受賞作品の方が芥川賞・直木賞作品より
売れるという現象さえ起きている
カリスマ書店員さんです。


GLAYが好きで、一人で居ることが好きな新井さん。
そんな新井さんの書店員としての日常や
家での様子が赤裸々に書かれています。

読んでいて楽しいのは新井さん以外の登場人物の設定です。
実名やイニシャルではなく、その人の特徴を捉えてニックネームで
書いてあります。
課長は人気者書店員で「アルパカ課長」
係長は「カンガルー係長」
売れっ子男性作家の「シェパードさん」
名前の後にはわざわざ(仮名)と書いてある。
わかるよ~~(笑)
そして私はそのニックネームからどんな人か妄想しながら読みました。

話は脱線して違う方向に行ったかと思えば
「ミステリーの様に伏線なのだ」としれっと言い
売れ残ったスープを従業員が持ち変えれるとしたら…
と妄想で話が進んでいきます。

文章でも「私は嘘がつけない」と書いてあるように
嫌なことは嫌とバッサリ切り捨てて小気味よく
果てしない妄想は着地点かあったりなかったり。
それでいて一気に読み終わってしまうのは
新井さんの文章力と表現力と妄想力ではないでしょうか。

秀和システム
231ページ
2017年12月16日第1刷発行
本体価格 1000円
電子書籍あり



木星買います   アイザック・アシモフ

今回は私のラジオ番組「ホンスキー倶楽部」で紹介した本です。
テーマは「雨」

インターネットラジオゆめのたね放送局
関西チャンネル
毎週日曜午前11時~11時半
「ホンスキー倶楽部」

試聴はこちらから(紹介した本の放送日です)
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アイザック・アシモフ「木星買います」に収録「雨、雨、向こうへ行け」ハヤカワ文庫
ラジオネーム 京都のよっしー

① この本のオススメどころ
隣家に引っ越してきた家族は、人づきあいが悪く、そしてなぜか雨を極度に怖れて閉じこもりがちな奇妙な人々だった。

少しでもお近づきになりたい主人公の家族は、互いの子供をダシに、なんとか彼らをピクニックに誘い出すが、そのピクニックの最中にも携帯しているアネロイド気圧計の針を気にしながら、しょっちゅう空を見上げてはソワソワと落ち着かない隣家の家族たち。

運悪く今にも雨が降りそうな空模様になってきたため、恐慌状態で逃げるように家路につき、家の前で挨拶もそこそこに車から飛び出して玄関へと走り出す彼ら。
そこにとうとう雨が降り出して…

ショートショートなので、ここまで話すとあとはオチだけなんですが、手軽に読めるボリュームと「あーーーーっ」となる、おかしみと憐れみと悲しみがないまぜになったようなオチがオススメどころです。
個人的には、「世にも奇妙な物語」の一編として映像化してほしいくらいです。

注:私ごとですが、今住んでいる家が狭いことと、読み終えた本でも売ったり人にあげたりせずに持っておきたい派であることから、ほとんどの蔵書は田舎の実家の本棚に置いており、現在すぐ手元にはありません。
なので、前述のストーリーも記憶をたどって書き連ねており、一部不正確かもしれませんがご容赦ください。

あと、ネットでレビューを読んでると、この話を含む短編集の評判、あまりよくなかったのが、ちとショックでした。

② この本との出会い
「わたしはロボット」をはじめとする一連のロボットSFが好きで、アシモフの作品は何冊か買って読みましたが、そのうちの一冊である「木星買います」という短編集(ショートショート集)に収録されている一編でした。

③ 雨の思い出
ズバリ、初めて付き合った彼女との相合傘です。

付き合い出してすぐくらいのデートの帰り道、どしゃ降りではないけれど小雨と言えるほどでもない雨が降り出して、最初は僕が差した傘の下で、彼女が左、僕が右側で肩を並べて歩いてました。

その時、傘を持ってたのは僕の左手です。わかりますか?
つまり、あたかも、いとはんに傘を差し掛ける丁稚どんの姿です。
ハッキリ言ってよそよそしい。

ここから彼女の肩に手を回したかったら、
①右手に傘を持ち替えて、
②左手をフリーにする、
③フリーになった左手を彼女の肩にまわす、
の3ステップが必要なんですが、この一連のステップをどうやったら「さりげなく」できるか、僕の灰色の脳細胞が目まぐるしく回転し始めました。

とはいえ、どう思い悩んだところで、やったこともないことを「さりげなく」「スマート」にこなすことができるわけもなく、結局は「えいやっ!」の思い切りだけで、かなりぎごちなかっと思いますが、彼女の肩に手を回すことに成功。
それからはずっとそのままの体勢で歩きました(肩に手を回したら回したで、今度は離すタイミングがわからんかった笑)。

著者 アイザック・アシモフ
1920.1.2 – 1992.4.6
米国のSF作家,生化学者。
ロシアのスモレンスクに近いペトロビッチ生まれ。
コロンビア大学[’39年]卒。
別名フレンチ ポール。
1923年渡米し、’28年帰化。
ボストン大学で生化学者として核酸の研究に専念する。
また、「ロボット工学の三原則」を提唱し、ロボット・テーマのSF小説を書く。
世界SF大会でヒューゴー賞受賞。
「アイザック・アシモフズ SFマガジン」を創刊して、精力的な活動を続ける。


「ロボット三原則」
第一法則:ロボットは人間に危害を加えてはならない.またその危険を見過ごすことによって,人間に危害を及ぼしてはならない.

第二法則:ロボットは人間に与えられた命令に服従しなくてはならない.ただし,与えられた命令が第一法則に反する場合はこの限りではない.

第三法則:ロボットは前掲の第一法則,第二法則に反するおそれのない限り,自己を守らなければならない.

この三法則(三原則)は,1950年にアシモフが執筆した『われはロボット』の扉に記されている.後にアシモフは,この三法則に先立つものとして第零法則を提示した.すなわち下記のようなものである.

第零法則:ロボットは人類に危害を加えてはならない.またその危険を看過することによって,人間に危害を及ぼしてはならない.

その結果として,第一法則は下記のように変更を受けた.
新しい第一法則:ロボットは人間に危害を加えてはならない.またその危険を看過することによって,人間に危害を及ぼしてはならない.ただし,第零法則に反する場合はこの限りではない。
(コトバンクより引用)