不良という矜持 下重暁子

「体制から、他人から離れて自分の頭でちゃんと考えるの。それが不良になるってこと」

80代の下重暁子氏が自らを「不良老年」と呼び、その生き方や考え方を書いた1冊です。
目次には「老年」とありますが、書いてある内容は老年だけでなく
私の様な壮年にもこれからの人生を歩むに至っての指南書ともなります。

高齢になると皆同じような色合いや柄の服を着ていることを指摘している一文がありました。
年をとってからこそ、若い時よりおしゃれに気を使うべきとあります。
私の勤務先の高齢者施設でも、皆さん同じような色合いの服を来ています。
服だけ置いてあると「これはどなたの服だろうか???」と名前を確認しないとわからないくらい皆さん同じなのです。
服は家族の方が用意してくださっているのに…。

自分を振り返ると20代の頃と余り変わらない服装をしていることに気づきました(今は50代です)
シャツとジーンズ、冬になるとハイネックとネルシャツ。
いつまでもこんな恰好で良いのだろうか???
と少し不安に思っていましたが、この本を読んで周りからどう思われるのか、
ではなく自分がどう思うのか、感じるのかの方が大切だということを受け取りました。


また下重氏は幼少の頃に結核に罹り一人闘病生活を病院で過ごします。
自分と向き合い、妄想や想像の中で遊ぶ。
妄想や想像をしてきたからこそ、様々な発想が浮かんでくる。
自分とは何か?
自分が納得できる生き方をする。
人に決められるのではなく自分で決める人生を歩む。
そういったことが自然と身についてきたのではないでしょうか。

自分を大切にし、周りに惑わされず孤高に生きる。

私もそんな老年期を迎えられる様に今から人に合わせず「孤高」に生きるの準備をしていきます。

おススメ度
★★★★

年齢に関係なく自分探しをしている方におススメです。

【目次】
はじめに
第一章 不良老年は、自分に「汲めども尽きせぬ興味」を持つ
第二章 不良老年は、「世間の枠」にはまらない
第三章 不良老年は、「飛ぶ覚悟」を持っている
第四章 不良老年は、自分だけの「秘め事」を持っている
第五章 不良老年は、「本物」をとことん追求する
第六章 不良老年は、自分の最期を楽しんで演出する

自由国民社
208ページ
2019年10月27日第1刷発行
本体価格 1100円

著者 下重暁子
1936年生まれ。
早稲田大学教育学部国語文学科卒業後、NHKに入局。
アナウンサーとして活躍後フリーとなり、民法キャスターを経て文筆活動に入る。
丹念な取材をもとにしたノンフィクションから家事や生き方をテーマにしたエッセイ、評論、小説まで幅広い作品群がある。

著書
「家族という病」
「極上の孤独」
「年齢は捨てなさい」
「天邪鬼のすすめ」など

孫と私の小さな歴史 佐藤愛子



今回は私のラジオ番組「ホンスキー倶楽部」で紹介した本です。
テーマ「新刊が出るとつい買ってしまう作家」

インターネットラジオゆめのたね放送局
関西チャンネル
毎週日曜午前11時~11時

試聴はこちらから

https://yumepod4.xsrv.jp/wp-content/uploads/2019/09/10-1_honskeyclub_20190918.mp3



 ラジオネーム      空丸恵子
「新刊が出るとつい買ってしまう作家」 佐藤愛子さん

① 佐藤愛子さんのオススメどころ

作品もたくさんあり過ぎるし、長年読み続けてきているので、逆にご存じない方にどうオススメして良いのかわかりません。
とにかく美しくて、カッコ良くて、潔い女性です。
何を読んでも、それが感じられます。

② イチ押しの作品
これも至難の業ですが、愛子さんらしさが溢れているものを一冊。
「孫と私の小さな歴史」

一人娘の響子さんの一人娘の桃子さん。
桃子さんと一緒に毎年、工夫を凝らして作った年賀状用の写真が披露されています。
おもしろいことが大好きな愛子さんらしい歴史です。

③ 今、気になっている作家さん
ごく最近、読み始めてハマっているのは【朝比奈あすか】さん。
もう少し読み続けていきたいです。

「孫と私の小さな歴史」
初孫・桃子の誕生に、「バアさんにはならない、ジイさんになる!」と宣言した著者。
桃子1歳から、二人の扮装で年賀状用の写真を撮り続ける。
お正月早々ドギモを抜かれた、と大評判の秘蔵写真を全公開。
トトロにコギャル、はては生首、葬式まで、「本当は嫌だった!」孫の激白あり、20年分の撮影秘話あり爆笑エッセイです。

佐藤愛子さんプロフィール
1923(大正12)年、大阪市生れ。
甲南高等女学校卒。
小説家・佐藤紅緑を父に、詩人・サトウハチローを兄に持つ。
1950(昭和25)年「文藝首都」同人となり本格的に創作活動を始める。
1969(昭和44)年『戦いすんで日が暮れて』で直木賞、1979(昭和54)年『幸福の絵』で女流文学賞、2000(平成12)年『血脈』の完成により菊池寛賞、2015(平成27)年『晩鐘』で紫式部文学賞を受賞。
ユーモラスなエッセイにもファンが多く2016(平成28)年『九十歳。何がめでたい』が大ベストセラーとなった。2017(平成29)年、旭日小綬章(きょくじつしょうじゅしょう)を受章。

世の中に対して、何か間違っていないか、その考え方はおかしくないかとズバッと言い、愛情を持って怒ってくれるところが、佐藤さんのエッセイの真骨頂。

“何のために生きるのか”なんて考えるのは、数少ない哲学者ですよ。我々凡俗は、朝起きたら朝やること、夜になったら夜やることをして、おなかがすいたらご飯を食べる。
ご飯を食べるために働く。
働くために考える。
単純なことよね。
なぜ生きることに解釈や分析が必要なんですか。
一人ひとり価値観が違うのに、いまは人の考え方と同じでありたいという気持ちの人が多いように思います。
(毎日が発見ネットより引用)…昨年4月 94歳

「朝比奈あすか」
1976年東京都生まれ。
慶應義塾大学文学部卒業。
2000年、大伯母の戦争経験を記録したノンフィクション『光さす故郷へ』を発表。
2006年、「憂鬱なハスビーン」で第49回群像新人文学賞を受賞、同作を表題作とした単行本が刊行され、小説家デビュー。

著書
少女は花の肌をむく(2016年6月 中央公論新社)
人間タワー(2017年10月 文藝春秋)
みなさんの爆弾(2018年4月 中央公論新社)
人生のピース (2018年11月 双葉社)
君たちは今が世界 

孫と私の小さな歴史 佐藤愛子

「お金出して場所借りて、苦労なしに撮るなんて面白くない」

この本は「九十歳。何がめでたい」の著者である佐藤愛子さんが、お孫さんの桃子さんとコスプレして作った年賀状の20年を振り返っているエッセイです。

この年賀状を始めたのが1992年。
愛子さん69歳、桃子さん1歳。
この時は桃子さんがパンダの着ぐるみ
愛子さんは娘の響子さんが買ってあった猫の部屋着。
パンダ桃子さんを膝に抱いて笑っている愛子猫。
何故か前にはごりんが…??

この年賀状の作成場所は愛子さんの別荘がある北海道。
毎年夏に家族で行って撮影するのです。
大トトロに子トトロ
カリブ海賊
コギャル
泥棒
メイドカフェ

愛子さんの「これだ!」という思いつきから
世間の流行まであります。
桃子さんの成長記でもある年賀状。
最初は一緒に立っているだけの桃子さんが
愛子さんと一緒に演技をするようになります。

それぞれの年賀状には撮影時の様子が
響子さんの視点で書かれていたり、
愛子さん自身のエッセイであったり
その後に孫の桃子さんの当時の様子が綴られています。

文春オンラインより引用

【感想】
愛情が詰まった一冊です。
愛子さんから孫の桃子さんへの「愛」
愛子さんの演じることへの「愛」
年賀状を楽しみにしている人たちの「愛」

この年賀状の撮影にかける熱意が文章から伝わってきます。
着ぐるみや小道具を買うこともあるけれど
基本はあるものを利用されています。
時には小道具を徹夜で作ることも…。
だからこそ愛子さんは年賀状の出来不出来にはとても厳しいのです。

私のおススメは「泥棒」
桃子さんの演技が絶妙です。
年賀状に使われなかった写真は爆笑ものでした。

どの年賀状を見ても愛子さんの真剣さが伝わってきます。
何歳になっても新しいことに挑戦するってステキだなぁ。
こんなおばあちゃんになりたい。
周りは大変かもしれませんが…(笑)

おススメ度
★★★★★
ちょっとした時間に読むのにちょうどよい本です。
思わず噴き出してしまうので電車ではご注意ください(笑)

文藝春秋
198ページ
2016年1月10日第1刷発行
本体価格 1400円

著者 佐藤愛子
1923(大正12)年、大阪市生れ。
甲南高等女学校卒。
小説家・佐藤紅緑を父に、詩人・サトウハチローを兄に持つ。
1950(昭和25)年「文藝首都」同人となり本格的に創作活動を始める。
1969(昭和44)年『戦いすんで日が暮れて』で直木賞、1979(昭和54)年『幸福の絵』で女流文学賞、2000(平成12)年『血脈』の完成により菊池寛賞、2015(平成27)年『晩鐘』で紫式部文学賞を受賞。
ユーモラスなエッセイにもファンが多く2016(平成28)年『九十歳。何がめでたい』が大ベストセラーとなった。
2017(平成29)年、旭日小綬章を受章。

著書
「ソクラテスの妻」
「青春はいじわる」
「凪の光景」など多数

最後まで読んで頂きありがとうございます。
当ブログの記事があなたの読書のお役に立てれば幸いです。
また読みに来ていただけると嬉しいです。

育てて、紡ぐ。暮らしの根っこ 小川糸

「自然であること、無理をしないこと」

「食堂かたつむり」や「ツバキ文具店」などの小説を世に送り出している小川糸さんのエッセイです。

彼女の暮らしぶりは、そのまま作品に繋がるような気がしました。
豊かさとは何か?
ドイツと日本に住居を持つ著者だからこそのスローライフを知ることができる一冊です。

おススメ度
★★★★
小川糸さんの作品が好きな人
スローライフに興味がある人
エッセイ好きな人
におススメです。

消費と幸せは直結していないのだと実感でき、どんどん物欲が消えていく

著者の小川糸さんはドイツを旅行して魅せられ、友人の部屋が空くことを知って部屋を借ります。
この本ではドイツでの様子も語られています。

ベルリンの人々にとって、人生最大のテーマは「いかにお金をかけずに、幸せになれるか」と目に映ったようです。
日曜日は殆どのお店が休みになり、日本のお正月の様なのどかな空気に包まれるとか…。
ドイツでは日曜日は家族と過ごす日なのです。
公園や湖でお弁当を持って家族で出かける。

家の前に不要になったモノを箱に入れて、出しておく習慣があります。
「欲しい人はご自由にどうぞ」
使わなくなったモノは人にあげたり、別の使い道を探したり…。
ゴミとして処分するのは本当の最終手段。

小川さんも一つのモノを複数の使い方をしています。
そして、ドイツでは手に入りにくい食べ物を手作り。
味噌、ぬか床は手作りです。
野菜や果物が沢山ある時は、乾燥させたり、はちみつやお酒に漬けたりと工夫して保存食にしています。

ドイツの国民性に触発されてのスローライフ。
お茶の時間を大切にしていて、仕事の前のお茶、午後のひと時のとっておきのお茶など。
お茶で時間の区切りを付け一息ついています。

照明も間接照明を使い、食事時にはたまにキャンドルだけにすることも。
すると薄暗さから他の五感が敏感になり、より料理を美味しく頂けるそうです。
そして料理を食べ終わる頃には、キャンドルの灯りがまぶしく感じられるとありました。

【感想】
時間の使い方やモノ、人との付き合い方も大切にしている小川さんのエッセイは元々、日本人もそんな風に暮らしていたことを思い出させてくれます。
便利すぎることや消費をすることだけが、幸せではない。
そんなことを教えてくれる一冊です。

この本を読んでドイツを訪れてみたくなりました。
スローライフに憧れるだけでなく、一つでも自分の暮らしに取り入れることができることはやってみようと思います。

まずは、キャンドルの灯りだけで過ごす時間を作ります。

【目次】
はじめに
第一章 心のあり方
第二章 体との付き合い方
第三章 私らしい暮らし方
第四章 ドイツに魅せられて
第五章 育て続けるわが家の味
第六章 自分式の着こなし
第七章 人とのつながり
おわりに

扶桑社
159ページ
2019年9月1日第1刷発行
本体価格 1400円
電子書籍あり

著者 小川糸
1973年生まれ。 
デビュー作 『食堂かたつむり』(2008年)以来30冊以上の本を出版。 
作品は英語、韓国語、中国語、フランス語、スペイン語、そしてイタリア語など様々な言語に翻訳され、様々な国で出版されている。 
『食堂かたつむり』は、2011年にイタリアのバンカレッラ賞、2013年にフランスのウジェニー・ブラジエ賞を受賞した。 
またこの作品は、2010年に映画化され、2012年には『つるかめ助産院』が、2017年には『ツバキ文具店』がNHKでテレビドラマ化された。 
『ツバキ文具店』と、その続編となる『キラキラ共和国』は、日本全国の書店員が主催する「本屋大賞」候補となった。

著書 
『ミ・ト・ン』
『キラキラ共和国』
『サーカスの夜に』他多数

小川糸 ホームページ

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また読みに来ていただけると嬉しいです。


ホンスキー倶楽部おすすめのエッセイ10選

インターネットラジオゆめのたね放送局
関西チャンネル毎週日曜日午前11時~11時半放送
「ホンスキー倶楽部」で紹介した本の中からエッセイを10冊紹介します。

タキモトの世界 久住昌之

紹介者 ラジオネーム KON
【この本のおすすめどころ】
知る人ぞ知る妙なカメラマン滝本淳助さんの独特な世界観を孤独のグルメ原作者で、斜め上なエッセイを得意とする久住昌之さんがレポートした妙な一冊。
ハマる人にはたまらない。
一度、絶版になったものの復刊された伝説のサブカル本。

復刊ドットコム
374ページ
2013年3月16日第1刷発行
本体価格 2500円

負け犬の遠吠え 酒井順子

紹介者 ラジオネーム 風呂好きシャンシャン
【この本のおすすめどころ】
酒井順子さんの言う“負け犬”とは、未婚、子供なし、仕事をしている30代以上位の独身女性のことで。
こういう女性は、世間からの無言の圧力や風当たりがある。

なぜか?結婚し家庭を持ち子供がいる女性の方が、世間的には地位が高かったり女性としての価値を認められる傾向がある。
が、そこにあえて逆らわず反旗を翻さず、最初から腹を見せて「私は負け犬ですよ~でも何がいけないの?」と良い意味で開き直る。その方が生きるのが楽チン。
その開き直りや潔さが、読みながら痛快で負け犬の端くれの私としても、ブラボー

読んでいて気持ちがいいです。
でも、酒井さんは最終的には「負け犬だって勝ち犬だって、それぞれその世界で生きるのが大変で頑張っているんだ」と双方を冷静に温かく見ている。
その酒井さんの冷静で公平な姿勢や分析もとてもいいです。

とにかく世の負け犬の女性たちは、この本を読めばもやもやした迷いや悩みは消え、自分に自信を持って胸を張って溌剌と明るく生きていける元気が出ると思います。

講談社文庫
2006年10月14日第1刷発行
本体価格 610円
電子書籍あり

日日是好日 森下典子

紹介者 ラジオネーム かーる
【この本のおすすめどころ】
茶道具、掛け軸、和菓子などの美しい写真からこの本は始まります。
季節の和菓子も芸術的な茶道具も茶道の楽しみの一つです。
なぜお茶を続けるのか?何が面白いのか?
そんな疑問をもつ方に。

余分なものをそぎおとし、自分では見えない自分の成長を実感させてくれるもの。
すぐにはわからない代わりに、ある日を境に突然、視野が広がるその醍醐味を何度も味わうことができるもの。
それがお茶だと森下さんは言います。

その例えとしての雨の話が印象的でした。
まえがきの中に、
『20歳のときには分からなかった季節の移ろいが、毎年お茶をを繰り返すうちに肌で感じられるようになる描写があります。
あるとき、ふと五感が研ぎ澄まされて土の香りや雨の音がダイレクトに感じられるようになるさまは、驚きと喜びに溢れています』

お茶を通しながら四季を感じられるようになった日々のしあわせ。
これを15の観点から伝えてくれます。
特に第13章「雨の日は、雨を聴くこと」は作者の心の揺れと気づきの素晴らしさに心を打たれます。

静かな動きの一つ一つが人生の記憶として積み重なり、ただ今ここにいる喜びに繋がっていくのです。
茶道の奥深さと人生の深みを伝えてくれる美しい描写の一冊

新潮文庫
252頁
2008年10月28日第1刷発行
本体価格 550円

幸福という名の武器 佐藤愛子

紹介者 ラジオネーム うまうま
【この本のおすすめどころ】
さまざまな週刊誌(週刊朝日、サンデー毎日等)や新聞、季刊誌などで、世相や親子の気持ち、世代、友人とどこかに必ず泣きそうになるのやハハハハハと笑いこけるざっくばらんな辛口エッセイ

集英社文庫
240ページ
1988年6月20日第1刷発行
本体価格 400円
電子書籍あり

人生エロエロ みうらじゅん

紹介者 ピロシキ
【この本のオススメどころ】
この本は週刊文春で連載されていたものを文庫シリーズ化にまとめたものです
現在では「されど人生エロエロ」につづき3冊目の「人生エロエロだもの」までまとめられています

僕にとっては同世代(多分同級生)でありDNAの99.9%が一致しているという驚異のシンクロ率になっているに違いない、とひそかにリスペクトしているみうらじゅん師ですが、この本を読んでしまって、ますます親近感を実感、という楽しい気分よりも、まるで自分のドッペルゲンガーがみうらさんの仮面をかぶって存在しているか、自分が別名みうらじゅんとなって存在しているパラレルワールドが隣にあるんじゃないか?
という妄想まで抱いてしまって不気味な気分にさえなってしまいます。

僕が知らないうちにしたためて封印していた恥ずかしいコトノートをみうらじゅん師がかってに開封し世に出したんじゃねえの?って言うくらいです。

旧ルパン三世の第一話の峰不二子ちゃんや時代劇のおんなくノ一にドッキリとしたり、小学校の行き帰りにわざとピンク映画館のポスターのある街角をより道したりといった小さいころの甘酸っぱい思い出からラブラドールレトリバーはラブドールとボーヴォワールはボーボーアールと連呼して袋閉じを切り取るといった現時点での誤読・みうら迷コピーまで、あるある、あったあったネタ満載で付箋を貼りはじめると横に貼り天地に貼り・・と大変な状態になってしまうのであった。

こんな風にハゲドウ:激しく同意したりしているととリスナーの本スキ女史たちは「馬鹿ねえオトコって」とか、コレ盛ってるでしょ?と感じられるかも知れませんが、ソレ全くチガイますよ。

オトコなんて違うのは髪の毛の量とベルト回りのサイズだけで、中身もアタマのなかも全くおんなじ!自明の定理、宇宙の法則、なのです。
というわけで この本は、いつまでたってもオトナになれない困った男子たちにも、その男子を呆れてしまったり、馬鹿ぶりをなかなか理解できない女子たちにも相互理解と「前進的かつ不可逆的な対話と交渉」のためのレジュメとしても、しっかりと自信をもってオススメし指定図書に値するものであります。

文春文庫
275ページ
2016年6月10日第1刷発行
本体価格 700円
電子書籍あり

とにかく散歩いたしましょう   小川洋子

紹介者 ラジオネーム 大乃国のぶお

【この本のおすすめどころ】
毎日新聞に定期連載されたエッセイをまとめられたもの。
これを読むことは、小川作品の源流を辿ったような気分になれます。
小説のこの部分はエッセイのあのエピソードだ、と繋がるのです。

エッセイの中の章「ふと、どこからともなく」は小説「人質の朗読会」。
エッセイ「悲哀はお尻の中に」は小説「いつも彼らはどこかに」。
ベストの理由はもう一つ。私と同時期にこれを購入した友人に毎日1話分ずつ読んだその感想を送ったのでした。

相手は嫌な顔もせず返信をくれるから楽しくて仕方のない毎日でしたが、やがて終わりがやってきます。
寂しくなるなぁと思い始めた時、思いついたのです。そうだ、振り出しに戻ろう!
そして二巡目が始まったのでした。本と深く繋がれただけでなく、本仲間とも絆の強くなった一冊です。

文春文庫
255ページ
2015年7月10日第1刷発行
本体価格 660円
電子書籍あり

変見自在シリーズ 高山正之

紹介者 ラジオネーム ナンさん

【この本のおすすめどころ】

週刊新潮の時事コラムをまとめた本なので短い文章にも関わらず。
圧倒的な情報量と記者の著書ならではの鋭い指摘と辛辣な視点で世の中に蔓延るフェイクニュースをばっさりと切る痛快さ。

また本のタイトルが第一弾の「サダム・フセインは偉かった」や最新刊の「日本よカダフィ大佐に学べ」から分かるようにブラックジョークを交えた語り口の面白さがあり。
このニュースは裏に、こんな事があったのかと目から鱗が落ちます。

新潮文庫

「百年の孤独」を代わりに読む  友田とん

紹介者 ラジオネーム 冷麺マン4世

【この本のおススメどころ】
まず、ラテンアメリカ文学の代表作であり、ノーベル文学賞の世界的な名作『百年の孤独』が登場します。
ああ、聞いたことある。
焼酎でしょ?そっちじゃなくて、小説?
聞いたことはあるけど、読んだことはないんだよなあ。という方。
あるいは、挑戦したものの登場人物の多さに「The 折(挫折)」した方のための本です。
何しろ作者の友田とんさんが、ドリフのコントのような軽快さと、研究者顔負けの探究心で、代わりに読んでくれるのです。
何を?『百年の孤独』を。
もちろん本家の『百年の孤独』と、あわせて読むと楽しさは倍増します。
副読本としても、大笑いエッセイとしてもオススメします。

203ページ
2018年5月6日第1刷発行
本体価格 1200円

にょっ記 穂村弘

紹介者 ラジオネーム ぶるぼん

【この本のおススメどころ】
穂村弘さんの「現実の話なのか、妄想の話なのか、どちらなんだろう?っていう曖昧なところ」がオススメです。
日記でなく「にょっ記」、「にょ」の響きも好きです。
この「にょっ記」は続編の「にょにょっ記」「にょにょにょっ記」と3冊あるのですが、どれもとても面白く穂村弘さんの文章が軽快でスラスラ読めてしまいます。

クスっと笑えるものや爆笑するものもあれば、たまに切実なものも混ざってますが、穂村弘さんの世界観を堪能できる本だと思います。
実は私が購入したものを少しの間放置していたら先に夫が読んでいて、夫がすっかりハマって3冊一気読みしてました。
難しく考えないで読めるのもいいのでしょうね。

文春文庫
179ページ
2009年3月10日第1刷発行
本体価格 600円
電子書籍あり

探しているものはそう遠くないのかもしれない 新井見枝香

さいごは私がおススメするエッセイです。

【この本のおススメどころ】
筆者の新井さんは東京都内の書店員さん。
芥川賞や直木賞と同日に「新井賞」を発表していて
新井賞受賞作品の方が芥川賞・直木賞作品より
売れるという現象さえ起きている
カリスマ書店員さんです。


GLAYが好きで、一人で居ることが好きな新井さん。
そんな新井さんの書店員としての日常や
家での様子が赤裸々に書かれています。

読んでいて楽しいのは新井さん以外の登場人物の設定です。
実名やイニシャルではなく、その人の特徴を捉えてニックネームで
書いてあります。
課長は人気者書店員で「アルパカ課長」
係長は「カンガルー係長」
売れっ子男性作家の「シェパードさん」
名前の後にはわざわざ(仮名)と書いてある。
わかるよ~~(笑)
そして私はそのニックネームからどんな人か妄想しながら読みました。

話は脱線して違う方向に行ったかと思えば
「ミステリーの様に伏線なのだ」としれっと言い
売れ残ったスープを従業員が持ち変えれるとしたら…
と妄想で話が進んでいきます。

文章でも「私は嘘がつけない」と書いてあるように
嫌なことは嫌とバッサリ切り捨てて小気味よく
果てしない妄想は着地点かあったりなかったり。
それでいて一気に読み終わってしまうのは
新井さんの文章力と表現力と妄想力ではないでしょうか。

秀和システム
231ページ
2017年12月16日第1刷発行
本体価格 1000円
電子書籍あり



日日是好日 森下典子

今回は私のラジオ番組「ホンスキー倶楽部」で6月23日放送で紹介した本です。
毎月第二週と第四週にお送りするコーナー。
北海道在住のブックコーディネーター、かーるさんがおススメする本を紹介します。

ホンスキー倶楽部試聴はこちらから(6月23日放送分)

https://yumepod4.xsrv.jp/wp-content/uploads/2019/05/6-4_honsuki-club_20190520.mp3

かおる文庫のおすすめブックコーナー

日々是好日
「お茶」が教えてくれた15のしあわせ
著者:森下典子

内容
お茶のお稽古を25年以上続けてきた著者のお茶にまつわる幸せの記憶を描くエッセイ。
2018年黒木華、樹木希林の出演で映画化。

感想
茶道具、掛け軸、和菓子などの美しい写真からこの本は始まります。
季節の和菓子も芸術的な茶道具も茶道の楽しみの一つです。

なぜお茶を続けるのか?何が面白いのか?
そんな疑問をもつ方に。

余分なものをそぎおとし、自分では見えない自分の成長を実感させてくれるもの。
すぐにはわからない代わりに、ある日を境に突然、視野が広がるその醍醐味を何度も味わうことができるもの。
それがお茶だと森下さんは言います。

その例えとしての雨の話が印象的でした。
まえがきの中に、
『20歳のときには分からなかった季節の移ろいが、毎年お茶をを繰り返すうちに肌で感じられるようになる描写があります。
あるとき、ふと五感が研ぎ澄まされて土の香りや雨の音がダイレクトに感じられるようになるさまは、驚きと喜びに溢れています』

お茶を通しながら四季を感じられるようになった日々のしあわせ。
これを15の観点から伝えてくれます。
特に第13章「雨の日は、雨を聴くこと」は作者の心の揺れと気づきの素晴らしさに心を打たれます。

静かな動きの一つ一つが人生の記憶として積み重なり、ただ今ここにいる喜びに繋がっていくのです。
茶道の奥深さと人生の深みを伝えてくれる美しい描写の一冊。

著者 森下典子
1956年、神奈川県横浜市生まれ
日本女子大学文学部国文科卒業
大学時代から「週刊朝日」連載の人気コラム
「デキゴトロジー」の取材記者として活躍。

著書
「典奴どすえ」
「典奴ペルシャ湾を往く」
「ひとり旅の途中」など