三本足(トリポッド)シリーズ ジョン・クリストファー

今回は5月5日に放送したラジオ番組「ホンスキー倶楽部」で紹介した本です。
テーマは「子ども」

京都府 ラジオネーム 京都のよっしー

ジョン・クリストファー「三本足シリーズ」 ハヤカワ文庫

① この本のオススメどころ
トリポッドと呼ばれる、三本足の巨大な機械兵器を操る異星人の襲来によって地球が征服されてから、100年ほどが経った近未来。
かつて栄華を誇った科学文明は廃れ、人々は中世に戻ったような暮らしを送っていました。

子供たちはある程度の年齢に達すると、「戴帽式(たいぼうしき)」という儀式に参加して「頭の輪(キャップ)」というメッシュ状の金具を頭皮に埋め込まれます。
これにより、何の疑問も抱かず盲目的に異星人に服従するようになってしまうのです。

そんな人類の危機的状況の中、一部の大人たちと、まだ戴帽式を迎えていない少年たちが異星人へのレジスタンスを組織して、人類を救うために立ち上がって戦うというのが大まかなストーリーです。

主人公の少年ウィルとその仲間がレジスタンスとの合流を目指して旅をする、ロードムービー的要素の濃い第一部。

選ばれし少年たちが、異星人が住む巨大なドーム型の都市へ異星人の奴隷として潜入し、過酷な環境の中で異星人の弱点を探ることを主としたスパイ活動をおこなう第二部。

そしてそのスパイ活動によって、また異星人の捕虜から得た情報と、かつての科学文明の遺産である兵器を武器に、人類が異星人との起死回生(きしかいせい)の一大決戦に挑む第三部からなる三部作のジュブナイルSFで、全体を通してはもちろんのこと、一作一作が個別でも面白く、胸を熱くさせてくれるというのがオススメどころです。

初めて読んだ当時は、ウィルと仲間たちとは同い歳とはいかないまでも、そんなに歳が離れていないこともあり、余計に引き込まれ繰り返し繰り返し読み耽りました。

② この本との出会い
小学生の頃に購読していた、学研の「学習」か「科学」のどちらかで、第一部の「鋼鉄の巨人」が紹介されていて、そのあらすじと、トリポッドの触手に捕らえられ逆さ吊りとなった少年を描いたショッキングなカバーイラストに惹かれて、親にねだって三部作を一年ほどかけて買い揃えてもらいました。

当時は学研から「鋼鉄の巨人」、「銀河系の征服者」、「もえる黄金都市」が「三本足シリーズ」として出版されていました。

それが今から15年ほど前に、異星人の襲来当時の状況を描いた新作と、既存の三部作を合わせた「トリポッドシリーズ」四部作として、ハヤカワ文庫から新訳文庫が刊行され、小学生以来20年以上の時を経て、再び買い揃えて読むことができました。
残念ながら、現在では学研版、ハヤカワ文庫版とも絶版となっており、古本屋か図書館で探すしかないようです。

③ 子どもの頃の思い出
小学一年で江戸川乱歩の「怪人二十面相」と出会って以来、今と変わらずミステリーとSFをこよなく愛するホンスキー少年でした。

読み始めた本は途中でやめることができず一気読みする子で、両親からは「あんたは本読んでたら返事もせえへん」、「あんたは、もう人が死ぬ本ばっかり読んで」と半ば呆れられつつも、少し嬉しそうに言われたものです。

スポーツでは、映画「スターウォーズ」のライトセーバーのかっこよさに憧れ、小学三年から中学まで剣道をやってました。
あと野球のリトルリーグはなかったものの、地元に少年ソフトボールのチームがあり、こちらも小学三年から六年まで「4番ファースト(つまりそこそこ打つけど守備はヘタクソ)」でやってました。


著者 ジョン・クリストファー
本名サミュエル・ヨード。
1922年イギリスのランカシャー生まれ。
少年時代は南部ハンプシャーの州都ウィンチェスターですごす。
第二次世界大戦で軍役についたあと、1949年にC・S・ヨード名義で処女長篇を出版。その後、少年時代に熱中していたSFの短篇を、ジョン・クリストファー名義で書きはじめる。
1956年に発表した『草の死』で一躍脚光を浴び、ジョン・ウインダムの後継者と高く評価される。
1960年代の半ばから子ども向けの作品を書きはじめ、カーネギー賞の候補にもなった「トリポッド」シリーズが大評判となり、児童文学作家として第二の名声を得た。
2012年永眠。

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目撃 西村健

「いったいマル対は、何を見てしまったんだろう、犯人からつけ狙われるような、何を」by 足立

【あらすじ】
戸田奈津美は電気の検針員。
娘の満里奈を幼稚園に預け、夫とは別居して離婚調停中である。
検針員の仕事は割り当てられた地区を毎日歩く。
各家に月に一度ほぼ同じ時間にメーターを見て数字を入力した検針票をポストに入れる。

奈津美の担当する地区で強盗殺人事件が起こった。
「ヒルズ」と呼ばれる豪邸が続く一角の笠木夫人が被害者となった。
その前には近くで立てこもり事件もあり、幼稚園のママ友の間でもこの話は持ち切りで、奈津美に「犯人は現場に戻るっていうから気をつけてね」と言うママ友まで居た。
それ以降、奈津美は後ろから見られている気配を感じるようになった。
警察に相談に行き、対応した穂積刑事は奈津美の担当地区や自宅周辺をパトロールすると告げる。

雑誌記者の諏訪部は大きな事件があると周辺を聞きこんで記事を書いている。
実は諏訪部には他人が留守の時に入り、本人が気づかないものを盗む空き巣の習癖があった。
記者という職業を活かし、マークした家を徹底的に調べ上げる。
そのために大きな事件が発生した周辺で住民から聞き込みをして空き巣を繰り返していた。
笠木邸は絶好の家だった。
入って物色していると思いもかけずに夫人が帰ってきた。
諏訪部は用意していた特殊警棒とサバイバルナイフを取り出した。

穂積刑事は今回の事件で容疑者が何も痕跡を残していないことに疑問を抱いていた。
警察署の中では「見立て屋」と呼ばれ、ファイリングから事件を見立てる一匹狼である。
ナイフで突き刺しているので返り血を浴びているはずの犯人が日中にも関わらず、目撃情報一つ無いのである。
犯人はかなり用意周到な人間で笠木邸に入るときから衛生服を着ていたのではないか?
と、見立てていた。

奈津美は相変わらず後ろから視線を感じていた。
ある日、自宅のポストに脅迫状が入っていた。
警察が調べたところ指紋は発見されなかった。
奈津美は何を見たのか何度も思い返すが、思い当たることは何もなかった。
その後、奈津美への脅迫状は仕事で使う自転車に貼られ、ついには自宅にも忍び込まれた。
夫との離婚調停も全く進まず、精神的に追い込まれていく奈津美。

穂積は衛生服から諏訪部にまでたどり着くのか。
奈津美は諏訪部の餌食となるのか。
事件は意外な展開を見せる。

【感想】
この小説では早い段階で犯人が明らかになっています。
刑事の穂積も早い段階で犯人を見立てています。
見立てを確信に変えるために様々な仕掛けをしていることが伏線となっています。
章によって奈津美が主役であったり、諏訪部であったり、穂積になったりと視点が変わるので、早く続きを読みたい気持ちから次々とページをめくっていきました。
同じ場面で奈津美側からの書き方と穂積刑事側からの書き方があり、これも「どうなっていくの?」と思わせます。

事件が真相に近づくにつれ、どうなっていくのか…とワクワクしましたが最後の展開に今一つ納得できませんでした。
あれほど慎重で用意周到な諏訪部が第三者に犯行をいとも簡単に知られるのだろうか?
読み返してみても、何故犯人だと知ったのかというくだりがありませんでした。
伏線の張り方や奈津美の追いつめられ方が丁寧だったので残念でなりません。
ミステリーが大好きなので次の作品を期待しています。

講談社
416ページ
2019年5月21日第1刷発行
本体価格 1800円
電子書籍あり

著者 西村健
1965年、福岡県生まれ。
東京大学工学部卒。
労働省(現厚生労働省)勤務後、フリーライターに転身。
1996年、『ビンゴ』で小説家デビュー。
2005年に『劫火』、2010年に『残火』、2011年に『地の底のヤマ』で3度日本冒険小説協会大賞を受賞。
また『地の底のヤマ』は翌年吉川英治文学新人賞を受賞した。
2014年『ヤマの疾風』で大藪春彦賞を受賞。

著書
「脱出」
「突破」
「バスを待つ男」など多数

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なずな 堀江敏幸

今回は5月12日放送のラジオ番組「ホンスキー倶楽部」で紹介した本です。

兵庫県 ラジオネーム かのんパパ
堀江敏幸「なずな」集英社

① この本のオススメどころこの育児小説は、四十代独身の新聞記者である男性が、生後二ヶ月の赤ん坊の世話をすることになった体験を綴っています。

ミルクを作り、飲ませ、げっぷを出させ、一瞬いっしゅんの成長に感動し、小さな変化に戸惑う。
赤ちゃんに対するすべての描写が味わい深く愛しかったです。

「小さな子どもがひとり身近にやってきただけで、ものごとを見る心の寸法は変わってしまうのだ」とは、その通りだと思いました。

これから子育てをする人も、かつて子育てに奮闘した人にもオススメです。

② この本との出会い
今は閉店してしまった、Futaba+神戸マルイ店の店主さんが、閉店翌日ささやかな打ち上げと称して冷麺屋に来て下さった際、今から3年半前、一週間後に出産を控えたわが娘の誕生を祝ってプレゼントしてくれました。
ちなみに、その店主さんは、今は京都・一乗寺の恵文社さんで、後継ぎをされています。

③ 子どもの頃の思い出
自分の幼少期の記憶があまりないので、娘のカノンの、生まれる前の記憶についてお話します。半年前、娘が3歳になった時に聞いてみました。

「カノンちゃんは、こうやって飛行機みたいに飛んでたんだよ」
「真っ暗な階段に並んでて、ちょっと怖かったの」
「ママのお腹のなかは、お風呂みたいに温かくて何か赤と黒と黄色だった」

3歳の証言。リアルでも創作でも、ビックリですよね。

【あらすじ】
新聞記者の私はやむない事情から弟夫婦の子、なずなを預かることになった。
四十代半ば独身の私にとっては、生後二ヶ月の赤ん坊を相手にミルクをあげるのもおむつを替えるのも未知の体験。
何気ない仕草や発声に様々な発見をしながら、ジンゴロ先生や友栄さんら周囲の温かい人々に見守られて、私はなずなとの暮らしを始める。
生命の瑞々しさに溢れた育児小説。
第23回伊藤整文学賞受賞作。

集英社文庫
464ページ
2014年11月20日第1刷発行
本体価格 740円


著者 堀江敏幸
1964(昭和39)年、岐阜県生れ。
1999(平成11)年『おぱらばん』で三島由紀夫賞、
2001年「熊の敷石」で芥川賞、
2003年「スタンス・ドット」で川端康成文学賞、
2012年『なずな』で伊藤整文学賞、ほか受賞多数。

著書
『郊外へ』
『いつか王子駅で』
『めぐらし屋』
『バン・マリーへの手紙』など多数

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わいたこら 人生を超ポジティブに生きる僕の方法 新庄剛志

「人から信用されるようになれば、何をやってもうまくいくようになる。

新庄剛志…1990年に阪神タイガースに入団
2001年に米大リーグ、ニューヨークメッツに入団
2004年に北海道日本ハムファイターズに入団
2006年に引退
プロ野球ファンならご存知の方も多いと思います。
懐かしの名場面集では対ジャイアンツ戦で敬遠の球を打ってサヨナラ勝ちをした場面が流れることが多い、あの選手です。

この本は新庄剛志氏のエッセイ。
私は退団後の事は何も知らなかったのですが、20億円の金を信用している人に使いこまれるという経験をしています。
この本はその話から始まっています。

倒れてもまた走り出せばいい

プロ野球選手になる前から応援してくれていたA氏にお金の管理を全部任せていた新庄氏。
阪神タイガースで活躍するようになってからもお金の管理はまかせっきり。
ATMでお金をおろす方法もわからず、後輩におろさせていた。
通帳には億単位のお金が入っていた。

使いこみがわかったのは引退してから。
バリ島を本拠地にするためにA氏からお金を受け取ろうとして残額を聞くと「2200万円」
その後、A氏は自己破産をしたためお金は8000万円しか戻ってこなかった。
新庄氏はそのままバリ島で過ごしている。

新庄氏はすぐに人を信用するタイプなのかと思えばそうではない。
新しいスタッフを雇う時には100万円を銀行に振り込みをお願いする。
封筒の中にはわざと1万円を多く入れて渡す。
戻ってきたスタッフが多かった1万円の事を正直に言うかどうかを試す為に。
しかし、一度信用してしまうととことん信じてしまう。

バリ島では新庄氏の事を知っている人は居ないので、自由に楽しく過ごせる。
「これからは毎日楽しく生きるだけ。とにかく楽しく生きることだけを考える」
と決めて自分の人生を自分のために使うことを決意する。

できないことはやらない。できることに集中する。
できないことは笑いに変えてしまえばいい。

 この本で新庄氏は文字が読めないことをオープンにしている。
教科書だけでなく漫画もみんなと同じ様には読めなかった。
読める部分をつなぎ合わせて自分なりに解釈をしていたので、友達とも話が合わなかった。
ここで文字が読みやすいように工夫するのではなく彼は決意する。
「漢字とかカタカナとかもういらない」
「勉強しなくても、野球だけやっていればいいや」

それだけではなく、自分にあるものに目をむけた…とある。

プロになってからも練習には人一倍時間をかけている。
それも人目につかないところで。
練習なんか全然してないふりをして、試合になったらホームランを打つ。
みんなから「天才だ」と言われる。
新庄氏の理想のスターの姿であり、そうなるために努力はしていた。

大事にする3つのこと

1.いつも明るく生きる
2.いつも未来のことを考える
3.自分の人生は、自分で舵を取る

【感想】
 波乱万丈とはこのことだ…と読み終えての感想です。
でも憎めない。
現役当時から知っていましたが、かっこよかった。
ファンからそう思われるための努力をしていたことが綴られています。

本当かな?と思っていた、使っていたグローブはプロ野球選手になってもらった給料で買った7500円で、引退するまで使い続けていた…というエピソードもそのまま載っていて、本当だったんだとびっくりしました。

そこに居るだけで場の雰囲気を明るく変えてしまう。
それは決して天性のものではなく、家族や本人の努力によるものなんだと感じました。
ハンディがあってもそこに捉われず、自分のできることを突き詰めていく。
読んで元気をもらいました。

プロ野球ファンでなくても、自己啓発書として読める本です。

【目次】
プロローグ 僕は見事に、しくじった
第1章 人生のどん底で、僕はこんなことを考えた
第2章 「スター・新庄」ができるまで
第3章 僕が持っていた運と、不思議な力
第4章 家族のこと
第5章 そして、今の僕のこと
エピローグ これからの、僕のサクセスストーリー

学研プラス
265ページ
2018年10月2日第1刷発行
本体価格 1300円
電子書籍あり

著者 新庄剛志
1972年生まれ、福岡県出身。
元プロ野球選手。
1990年阪神タイガースに入団しチーム低迷期を支えた後、2001年メジャーリーグに挑戦。ニューヨークメッツ、サンフランシスコジャイアンツで活躍。
日本人初のメジャー4番、日本人初の満塁本塁打、日本人初のワールドシリーズ出場など、数々の記憶に残るプレーで米国のファンをも魅了した。
2004年に日本球界に復帰、北海道日本ハムファイターズに入団し優勝にも貢献。
プロ野球引退後は数々の話題を振りまきつつ、バラエティー番組やCM等にも多数出演している。

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死神刑事 大倉崇裕

「逃げ得は許さない。それが私のモットーでして」by 儀藤

【あらすじ】
 警視庁の離れ小島と噂される奥多摩の第三駐在所に勤務する榎田悟は警察学校を2年前に卒業した警察官。
毎日事件もなく住人の大半は高齢者。
荷物を持って駐在所の前を通る高齢者が居れば、自宅まで荷物を運ぶのが榎田の仕事である。

上司の小野寺は後2年で定年のベテラン巡査部長。
小野寺は身長187cm体重95kgの榎田に向かって「宝の持ち腐れだよ」と言い放つ。
榎田は練習では無敵だが試合になると勝てない、ガラスのハートの持ち主だった。

前任の所轄で痴漢をした被疑者・正岡を交番にまで連れて行った。
正岡は起訴されたが最後まで否認。
つい最近、再審で無罪が確定した。

ある日、「警視庁の方からきた儀藤堅忍警部補」が榎田を訪ねてくる。
儀藤は警察署員から「死神」と呼ばれる所属が無く、無罪が確定すると真犯人を求めて単独で再捜査を始める。
相棒には事件に関わった警察官を指名するのだ。
「死神」と呼ばれる所以は、警察にとっての黒星である無罪判決の再捜査に協力した警官は組織の中で信頼を失い生きていけない…。
そんな噂がまことしやかに流れているのだ。

儀藤は榎田を連れて、痴漢事件の関係者一人ひとりにあって話を聞いていく。
被害者の由希子、周りに居た小田氏、桶島氏、女性の菅氏と栗林氏。
被害者の弁護士の東氏、由希子の義父。
調べていくうちに他にも小柄な男がいたことが判明する。
あらゆる可能性を考える榎田は自分自身に吐き気がしそうだった。
そんな榎田に儀藤は耐えて正面から向き合うことを伝える。
それができない榎田に欠けているものは「怒り」でという事も。

真相に近づき事態は動き出す。
真犯人は一体誰なのか?
榎田は死神儀藤によって警察を追われるのか?

【感想】
儀藤はどこにも属さない「警視庁の方から」きた警部補です。
いざとなれば「そんな奴はウチには居ない」と一笑される存在。
そのあたりが「死神」と呼ばれる所以なのかもしれません。

地味で小太りで頭髪は薄く、黒縁の丸メガネ―銀行員か保険の外交員の様な風貌で死神らしくありません。
ところが手がけた事件は必ず真犯人を突き止め、相棒に指名した警察官を再生させます。

組織を重んじる警察組織において、珍しい主人公です。
少し「相棒」の右京さんを意識しているのかな?
と思わせる言い回しなどもありました。

重厚な刑事ものやハードボイルド系が好きな方にはちょっと物足りないかもしれません。
短編なので読みやすく、推理の部分が多いので警察小説が初めての人や軽めの推理ものが好きな人にはおススメです。
表紙と内容にはギャップがあります(笑)
著者の紹介を読んで、名探偵コナンの「から紅の恋歌」の脚本を担当と知り納得しました。

【目次】
死神の目
死神の手
死神の顔
死神の背中

幻冬舎
285ページ
2018年9月18日第1刷発行
本体価格 1700円
電子書籍あり

著者 大倉崇裕
1968年、京都府生まれ。
学習院大学法学部卒業。
1997年、「三人目の幽霊」で第4回創元推理短編賞佳作。
1998年、「ツール&ストール」で第20回小説推理新人賞を受賞。
本格ミステリを主戦場に活躍し、「福家警部補」シリーズ、「警視庁いきもの係」シリーズは映像化され人気を博している。
自らも映像に関わり2017年公開の劇場版「名探偵コナン から紅の恋歌」では脚本を執筆、映画は同年の邦画でナンバーワンの興行収入を達成した。

著書
「福家警部補の挨拶」
「やさしい死神」
「オチケン !」など多数

すきなひと 桜庭一樹

「わたしは ひゃくおくねん まった ゆめの ような じかんだった」

【あらすじ】
ある夜、私はもう一人の私に会った。
もう一人の私は好きな人を追いかけて行った。
私は好きな人が居ないのに…。

気になるので、私はもう一人の私を追いかけて行った。
もう一人の私と好きな人を待つ私。
季節はいくつも過ぎて行った。

【感想】
実は桜庭一樹さんの本を読むのはこれが初めてです。
とても不思議な絵本でした。
読む人によって内容の捉え方が変わる
想像がいくらでもできるように書かれた文章に色鮮やかなイラストが印象に残りました。

私ともう一人の私
実在する体の私と心の私
と、捉えました。

ラスト一行は新しい自分に生まれ変わることができた。
そう思って読み終えました。

岩崎書店
32ページ
2019年5月21日第1刷発行
本体価格 1500円

著者 桜庭一樹
1971年鳥取県出身。
1999年「夜空に、満天の星」で第1回ファミ通エンタテインメント大賞佳作入選。『AD2015 隔離都市ロンリネス・ガーディアン』と改題した同作で作家デビュー。
2007年『赤朽葉家の伝説』で第60回日本推理作家協会賞、
2008年『私の男』で第138回直木賞を受賞。

著書
『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』
『少女には向かない職業』
『荒野』
『ファミリーポートレイト』
『伏 贋作・里見八犬伝』
『無花果とムーン』
『GOSICK』シリーズなど多数。

桜庭一樹 ツイッター

絵 嶽まいこ
1985年石川県出身。
金沢美術工芸大学卒業。
書籍の装画などを手がけるほか、個展で作品を発表。
2015年に『なんてことないふつうの夜に』で漫画家デビュー。
児童書の仕事に『緑の霧』(作・キャサリン・ヴァン・クリーヴ/訳・三辺律子)、
漫画に『世にも奇妙なスーパーマーケット』などがある。

嶽まいこ 公式サイト

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