綾瀬まる「あの人は蜘蛛を潰せない」

東京都 みみさん
綾瀬まる「あの人は蜘蛛を潰せない」

「この本を読んでの感想」
少し過保護な母と煩わしいと感じながらも甘えてる娘。
いたって普通の親子のお話。。。
虐待があるわけでもなく、謎めいた事件が起きるのではなく、
ユーモア溢れる和気藹々としたものでもない。
わたしの母は梨枝の母と同じ、もしくはそれ以上かもしれませんが、過干渉です。
反抗すれば良かったのかもしれませんが、
梨枝と同様、「かわいそう」という気持ちが表立ち、、
なかなかわたしも行動に出せませんでした。
梨枝が自分に自信を持てず、どうすれば正解なのか戸惑いながら常に母の言葉が頭によぎり、
嫌なものを嫌という勇気が持てないのも、とても共感しました。
この本を読み続けるのがわたしにとって、とても一苦労な作業でした。。
「母娘」というとても口では説明できない関係性をまざまざと描かれた内容に心苦しくなりました。
しかし、1人の女性の不完全ながらも自立、再生、自覚、挑戦、希望と
不安定な生き様が読み手を魅了していくと思います。
この本は彩瀬まるさんが20歳の時に書いたデビュー作だそうです。。すごいなぁ。。
どこにでもある日常なのに、言葉一つ一つが心に深く突き刺さりました。。
世の女性だけではなく、男性も読んでもらいたいです。

「この本との出会い」

椎名林檎さんの大ファンで、彼女の帯を見て購入しました。不純ですね。
椎名林檎さんの書評。「始末のつけられないあらゆる難題をまえに自ら
“決める”手段を、母は果たして授けてくれたか。
“恥”についてはもういい。“誇り”について知りたい」 という言葉に興味を持ちました。

「みみさんにとって母とは…」

わたしは3人の子供の母親です。
それぞれの個性、性格が全く違うので、毎日がわけわからず過ごしている十数年間です。
わたしが初めて母親になった頃。とても深く感じたのは自分の母親に対しての思いです。
感謝する心ができると聞きますが、わたしは感謝以上に恥ずかしさがありました。。
わたしは幼い頃から祖母にべったりで、祖母を困らせる母を少し毛嫌いしていました。
祖母が亡くなった時に「やっとわたしの娘がもどった」と言われた時、、
正直うんざりもしました。
しかし、わたしが長男を産んだころ、
母がわたしの為に小さい頃から今まで色々と尽くしてくれた事を周りから聞き、
自分の甘ったれさに恥ずかしくなりました。
わたしとは正反対の性格でとても気が強く行動的な母。
わたしもそのDNAを少しは受け継いでいるはずなのに、
どうやら、わたしの子供達はわたし以上にたくさん受け継いでいるようです。
おかげで、子供達にとても鍛えられています。
家族と楽しく過ごせる日々に感謝しています。

湊 かなえ 「母性」

大阪府 kerokeroさん

湊 かなえ 「母性」

「母性」を読んでの感想
女子高生が自宅の庭で倒れているのが発見された。
母親は言葉を詰まらせる。
「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」。
世間は騒ぐ。これは事故か、自殺か。…… というような内容で、
母親から愛される事が至上の喜びの母。
その母の愛を求め続ける娘という関係を「母の手記」「娘の回想」で同じシーンを
「母」と「娘」別の視点で書かれていて、「母の想い」「娘の気持ち」のズレが
湊さん得意の手法で書かれています。
私は自分が親になったのをきっかけに、インナーチャイルドという言葉を知り、
勉強するようになったのですが、
この本には「強い承認欲求」や「自己肯定感の低さ」という
インナーチャイルドの気持ちを台詞などに上手く散りばめられています。
私自身、インナーチャイルドという自覚があり、そして娘であり母親でもあるので、
この本に出てくる「母親」と「娘」の気持ちが痛い程分かりました。

「この本との出会い」

インナーチャイルドの勉強終わりにたまたま行った古本屋で

「母の想い出」

昔から母のような母や大人にはなるまいと頑なに思っていました。
インナーチャイルドの勉強を始めてから母の背景(母の母との関係など)を初めて知り、
昔と比べて軟化してきました。
そんな私の言動をみてか、母も昔とは違ってきたように思います。
1番近いようで遠い、母という存在。
親だからというだけで偉い訳ではなく、親の意にそぐわないからといって
親の思うがままに言う事を聞かせるのではなく、
子の気持ちも尊重出来ればインナーチャイルドにならなくて済むように思います。
が、母は母で子供を想うが故に自分の意見を押し付けがち。
「貴方の事を考えて言うのよ」と考えている親が世間にはまだまだ多いように思います。
私と母の関係もまだ時間はかかりそうですが、
この「母性」という作品を読んで少しでもインナーチャイルドという問題に触れて下されば、
と思います。

「イヤミス」イヤミス=(読んで嫌な気分になるミステリー)の女王と呼ばれる湊かなえ氏
「贖罪」「しらゆき姫殺人事件」「夜行観覧車」

イヤミスの作家を紹介します
真梨 幸子(まり ゆきこ)
『殺人鬼フジコの衝動』「孤虫症」(こちゅうしょう)「女ともだち」「みんな邪魔」
沼田 まほかる
「九月が永遠に続けば」「ユリゴコロ」「痺れる」
深木あきこ(みきあきこ)
「鬼畜の家」
我孫子武丸
「殺戮にいたる病」
根本起男(ねもとたつお)
「さんくすないと」

 

パールバック 「大地」

東京都 佐藤光弘さん
パールバック 「大地」

「この本を読んでの感想」

中国とアメリカの大地を舞台にした壮大なスケール。女性の生き方。
様々なテーマがあり、圧倒されました。
こんなに素晴らしい本を読んでいたのか、と思うと嬉しくて仕方がありませんでした。
「母の本」といえば、このパール・バックの大地です。

「この本との出会い」

27~8年前、大学一年の冬に読みました。
大学に入って本格的な読書をはじめた私は家の本棚の本も読むようになりました。
両親が若い頃読んでいた本です。
ある日、母に聞きました。「これまで読んだなかで面白かった本は」と。
母は、即答しました。 「パール・バックの大地だね」と。
次の日から読み始めました。

「お母さん」との想い出

75歳になった母は目があまりよくなく、最近あまり活字が読めていない、と言っています。
少しでも親孝行したいな、と思います。
そうですね~ やはり、高校・大学で読書をするようになったもので、
家にあった本棚の本を読むことで、母と話が広がりましたね。
「世に棲む日日」(よにすむひび)司馬遼太郎もそんな一冊です
母は、山口の萩の出身です。
小学校四年か五年の時に、三週間ぐらい、母と妹たちと萩の祖母の家に行ったことがあります。
色んなところにつれてってもらいました。
従兄弟だけでなく地元の友達もできて、遊びにいったりしました。
萩は私の第二の故郷になりました。
大学を卒業するとき、祖母の葬式、結婚して長男が生まれたとき、萩に行きました。
この司馬遼太郎の小説には、吉田松陰と高杉晋作をはじめとする弟子たちが
萩の町から日本全国を舞台に活躍します。
「世に棲む日日」自体は先輩からのオススメ本でしたが、母と萩の思い出の本です。
蛇足ですが、私の母校では卒業生が新入生に一冊愛読書をおくるという伝統があり、
わたしはこの本を後輩に贈りました。

この作品でバックはノーベル文学賞を受賞しました。
「ノーベル文学賞」
文学の分野において理念をもって創作し、最も傑出した作品を創作した人物[1]に授与されます
原則として定数1名のみ受賞です

小説だけでなく詩や戯曲で受賞
1953年 イギリス チャーチル首相 伝記 首相で初
2015年 ベラルーシ スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ ノンフィクション
ジャーナリストで初受賞

日本人
1968年 川端康成  1994年 大江健三郎

ピルッコ・ヴァイニーオ作 山川こうや・山川亜希子 訳 「小鳥の贈りもの」~あおぞらに向かって旅立つあなたへ~

母として今、就活中で悩んでいる長女に送りたい本

ピルッコ・ヴァイニーオ作 山川こうや・山川亜希子 訳
「小鳥の贈りもの」~あおぞらに向かって旅立つあなたへ~

訳者 あとがき

「ほかの人を見て、うらやましがったり、
自分と人をくらべたりしても、
なんの役にも立ちません
あなたの才能は
これから大きく花ひらいてゆきます」

 

窪 美澄「ふがいない僕は空をみた」

兵庫県 大乃国信夫

窪 美澄「ふがいない僕は空をみた」

この本の感想

つながりのある短編集ですが、第1章の「ミクマリ」が、
R-18文学賞を取られただけあってキョーレツ。
ここでやめた人も多いかな、と思います。
ここを乗り越えれば、通しのテーマ、母が見えてくる。
母になるかも、母になりたい、母とはこうあるべきなど様々な女性が登場。
でも、どんな母親像を目指そうと、女性は「母なのだ」が私の結論。
子供がいようといまいとね。
読後、女性の大きさに比べておのれの小ささにため息をつき、
地下鉄のホームで読了したのですが、
空の見えない天井を見上げたのでした。

この本との出会い

Facebookの読者グループに参加しており、広島在住の可愛い友人がいます。
本の書評はハラハラドキドキのあらすじ紹介というより、
読後の感想を自分なりの言葉で表す人。
窪美澄さん好きな彼女のこの作品の書評の最後に、
「私もやはり読後思わず空を見上げた」との感想を書かれたのが気になって、
速攻で購入したのです。
先の地下鉄の下りは彼女のパクリです、ごめんなさい。

お母さんとの想い出

おしめが取れない、なかなか歩かないなど、幼き頃から人より劣ったことばかり。
劣等感の塊の思春期もありましたが、いい年していまだにノホホンとしてるのは、
母が幼き頃の私のできないことを嘆かず、否定せず、おおらかに育てていただいたおかげ。
これが思い出と言えるかな。
もちろん大きくなってからは叱られ通しなこともあるし、
いまだ独身な私、母親に子供の老後を心配させる不甲斐なさ。
空を見上げるしかないのです

2009年「ミクマリ」で第8回R-18文学賞大賞を受賞し小説家デビュー。
2011年、受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』(新潮社)で第24回山本周五郎賞受賞、第8回本屋大賞第2位。
同作はタナダユキ監督により映画化され、第37回トロント国際映画祭に出品された。

新潮社が主催する公募新人文学賞である。
女による女のためのR-18文学賞ともいわれる[1]。2002年から
応募者は女性に限られており、また選考委員の作家や下読みにあたる編集者も女性のみとしている。当初は、性について描かれた小説を対象とし、
女性のためのエロティックな小説の発掘を目指していたが、
第11回より「女性が性について書くことは珍しいことではなくなり、
性をテーマにすえた新人賞としては一定の社会的役割を果たした」との理由で、
募集作品を「女性ならではの感性を生かした小説」と改めた
(官能をテーマとした作品も引き続き受け付ける)。
第14回からは、選考委員に友近が加わり、友近賞が新設される[2]。
最終候補作はウェブ上で公開され、選考委員の合議により選出する大賞と、
ウェブ上の投票により選出する読者賞を設ける。
受賞作は、『小説新潮』『yom yom』に掲載されている

かこさとし「からすのパンやさん」

福岡県 ムカえもん

かこさとし「からすのパンやさん」

その本を読んでの感想

からすの親子が一生懸命パンを作るシーンが、本当に大好きで!
親子が作る独創的なパンに影響を受けたのか、
パン屋さんに行ったときには動物などをかたどったパンばかり母にせがんでいた記憶があります。

たくさんのパンの絵が描いてあるあの見開きページは、
何時間見ていても飽きませんでした。
この本が書かれたのは1973年。
もう40年以上も前ですが、仕事と子育てを両立する難しさが
今も昔も変わっていないことに驚きます。
カラスのお父さんお母さんは、子どもたちが泣いているとすぐに飛んで行って世話をするので、パン作りは失敗ばかりだし、お店もちらかったまま。
お客さんもだんだん減って、貧乏になってしまいます。
困難に負けずに子どもたちを精一杯育てる姿は、
共働きで子育てをがんばる若い夫婦を連想させます。
昔は「お父さんお母さんの邪魔をしちゃだめだよ!いい子にしてなきゃ!」と
“子ども側”の目線だったのですが、今読んでみると
「子育てってやっぱり大変だなあ。あれもこれもとがんばりすぎると、
やっぱりどれもうまくいかなくなってしまうものなんだなあ」と
“親側”の目線に変化したことに気付きました。
パンやさんの再開を心待ちにしていたお客さんがお店に殺到するところでは、
「あたしもからすのパンやさんにとんでいって、やきたてのパンがたべたい!」と
思ったものですが、「念願のおいしいパンだ!」「お客さんがいっぱい来てくれた!」と、
画面いっぱいに喜びが満ちあふれています。
この本は、“働くすばらしさ”“美味しいって幸せ”を描いた本でもあるのですね。
ちなみに、当時も今も、一番好きなのはオモチちゃん。
本来のカラスからはかけ離れた真っ白な体で、
末っ子できょうだいの中でも一番小さいあのオモチちゃんが、
2013年に出版されたからすのパンやさんの続きのおはなし(!)では、
お蕎麦やさんになって、なんとお嫁さんまで!!
大きくなったねえ、立派になったねえ、と感動して、思わず涙が出てしまいました。

その本との出会い

母のお友達が私にプレゼントしてくれたそうです。
度重なる引っ越しで手放してしまったのですが、
数年前、母と一緒にいった近所のパン屋さんに置いてあって、
「これ、うちにもあった!大好きだった本だ!」と表紙を見た瞬間に思い出し、
母に「よく覚えているわね」と驚かれました。
どうしてももう一度読みたくていてもたってもいられなくなって、
仕事帰りに本屋さんに寄り道。
からすのパンやさんを目の前に置いて、
「そういえば表紙をめくる瞬間のワクワクする気持ちは子どもの頃とまったく変わっていないな」と、ちょっと笑ってしまいました。
どの絵もかわいくてなつかしくて、
ページをめくるたびにワクワク楽しい気持ちがこみ上げてきます。
きっと当時の私も、ワクワク心を踊らせながら読んでいたのでしょう。

「お母さん」の思い出

通っていた幼稚園には貸し出し図書(幼稚園児にとっては結構な蔵書数でした)
というシステムがあって、そこから毎日のように本を借りてきては
「よんで!」とせがむ私を膝に乗せ、いつもいきいきと楽しそうに読み聞かせてくれました。
からすのパンやさんも、何度読んでもらったことでしょう。
私が今でも本を読むのが好きなのは、
幼い頃に母に本を読んでもらった記憶がどれも絶対的に“楽しかった記憶”
として残っているからだと思います。
たくさんのすてきな本に出会って得た“楽しかった記憶”は、
私にとってかけがえのない大きな財産。本当に感謝しています。

かこさとし
1926年福井県武生市(現在 越前市)に生まれる。
1948年東京大学工学部応用化学科卒業。工学博士。技術士(化学)。
民間化学会社研究所勤務のかたわら、セツルメント運動、児童会活動に従事。
1973年会社を退社した後は、児童文化と児童問題の研究のかたわら、
テレビのニュースキャスター、大学講師、海外での教育実践活動などに従事。
また児童文化の研究者でもある。
作品は、物語絵本、科学・天体・社会関係の知識絵本、童話、紙芝居など多岐にわたり、
500点以上。
主な作品に「かこさとしおはなしのほん」シリーズ『ピラミッド』『うつくしい絵』(偕成社)、
「だるまちゃん」シリーズ『かわ』『海』『とこちゃんはどこ』『万里の長城』(福音館書店)、
「かこさとしからだの本」シリーズ(童心社)、『伝承遊び考』
「こどもの行事しぜんと生活」シリーズ(小峰書店)など
「かこさとし・ほしのほん」「はるのほし」「なつのほし」「あきのほし」「ふゆのほし」

2008年菊池寛賞受賞、 2009年日本化学会より特別功労賞を受賞。

「かこさとし ふるさと絵本館」 福井県越前市
越前市図書館の利用者カードにかこさんの絵(だるまちゃん)が入ってます

「からすのぱんやさん」偕成社 スペシャルインタビューから引用

子どもさんの関係の仕事に携わって、少なくとも描いたりするものは、
子どもさんに与えるものだから、子どもさんたちが活躍する20年後にも通用するものをと、
先をみこして描いています。
それがぼくにとってとても勉強になった。
現代のことはもちろん知らなければいけないけれど、
20年後の世の中、地球上のことがどうなっているか考えねばなりません。
ぼくの計算では2050年、地球上には100億の人間がいる。
でも植物が足りないのです。生きもの由来は全て植物です。
でもみんな人間の場になってしまって、植物を植える場所が足りなくなる。
だから人類はもうこれ以上増えてはいけないという計算になる。
それを考える人はあまりいないですね。
そこらへんも考えていかないと、とても難しい時代になる。
だからそのためには、もっともっと役に立つような、本当に人類に役立つのはなにかと、
いうのを考えた学問、政治、科学をしないと駄目という気がします。
我々の世代では達成できない状況ですから、託すとしたら、
いまの子どもさんがうんとがんばって、よく考えて、我々をこえていって欲しいですね。
昭和20年から思いがけず長生きさせて頂きましたが、生物ですから当然、
目は悪くなるし物忘れはするし、順調に老化鈍化の道をたどっています。
間違った判断をしたつぐないを少しでもしたいと思ってきましたが、
そんなことをしないかしこい子になって、未来をひらいてゆくように祈念しています。
そういうかしこい子を自らの生活と態度で応援する、
かしこい大人になって下さるよう心から願っています。