スケッチブック ちばるりこ、シライシユウコ

「わたしにできることをする」by紗理奈

紗理奈は絵を描くことが大好きな小学生。
母9年前に亡くなっており、美術の教師をしている父と弟の三人家族。
5年生の時にコンクールの最優秀賞に選ばれるが
あることがきっかけで絵を描かなくなってしまう。

6年生の夏休みに祖母が住む遠野に紗理奈は行くことにした。
母の親友だった高木さんに出会い、母の学生時代の事を聞く。
母は美術部で絵を描いていたことを知る紗理奈。
それも亡くなった方が、こんな風に幸せに暮らして欲しいという
願いを込めて描く「供養絵」を描いていた。

紗理奈は母が描いた供養絵の家族に会いに行く。
少しずつ母親のことがわかってきた紗理奈は…。



 

 

 

紗理奈が行く田舎が「遠野」だというのが
ひとつポイントとなっています。
遠野は「遠野物語」にもあるように、少し不思議な空間の様な気がします。
そして「供養絵」
遠野地方には「供養絵額」という本当に
亡くなった方を絵に描いています。

私はこの本で初めて「供養絵」を知りました。
この本にも書かれていますが、大切な人を亡くした家族にとって、
この供養絵は宝物なんだと読んで感じました。

子どもでも大人でも、少し日常から離れて
自分自身を見つめなおすきっかけがある
ということが大切だという事を教えてくれる1冊です。

 

 

 

 

 

 

 

【目次】

一  噂
二  涙
三  出会い
四  時哉
五  スケッチブック
六  遠野
七  西清院
八  手紙
九  告白
十  卯子酉様
十一 供養絵
十二 迷い
十三 知らせ
十四 心

学研プラス
164ページ

著者 ちばるりこ
岩手県盛岡市在住。
日本福祉大学卒。
岩手児童文学の会会員。
「ふろむ」同人。
本作品で第26回小川未明文学賞大賞を受賞。

絵 シライシユウコ

イラストレーター。
挿画を担当した主な作品に『ハーモニー』(伊藤計劃・著/早川書房)
「乙女」シリーズ(折原みと・著/ポプラ社)
「名作転生」シリーズ(学研)など。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

当ブログの記事があなたの読書のお役に立てれば幸いです。
また読みに来ていただけると嬉しいです。

グッドレビュアー

プロフェッショナルな読者

イオンを創った女 東海友和

「決して安易な妥協はしない。安易な妥協は後に禍根を残すからである」

四日市の岡田呉服店を岡田屋、ジャスコ、イオングループと
育てる基礎を築いたのが、小嶋千鶴子氏である。

呉服屋のお嬢さんとして育っていたが
父、母が相次ぎ亡くなる。
店を切り盛りしていた姉も亡くなり
千鶴子氏は弱冠23歳にして社長に就任する。


 

 

 

 

社長になった千鶴子氏は社員の教育…特に躾と知識に力を入れる。
ジャスコ時代には「ジャスコ大学」を作り、実務家教育を目的とした。
その後「ジャスコ大学大学院」まで作りトップマネジメントを育成した。
経営計画、マーケティング、経営学、財務管理、国際情勢などなど
名だたる大学の教授陣が講師として控えている。

千鶴子氏は社長職にこだわらず、弟の卓也氏が20歳になったときに
社長を卓也氏とし、自身は役員として位置づく。
それも60歳で退任、常勤監査役に就任し、65歳では相談役となる。

一環して会社のために先手を打ち、問題があれば真正面から対峙する
その姿勢に驚いた。
社員になにかあると、社員のファイル(個々人で作成)を見て
個人データを確認し本人と話す。
表面化した問題が起こるその原因まで掴み、対策を立てる。

意図的な配置転換を行い、長く同じ部署にとどまらないようにし
派閥も作らないように運営する。

正直、こんな会社があったのだと驚いた。
不正が当たり前のように横行し
世間に公になれば、頭を下げる。
不正がニュースで報道されても「またか…」と思うような時代に
ここまで厳しく運営している会社があるのだと感動した。

驚くことに小嶋千鶴子氏はこの文章を書いている
2018年12月10日現在、102歳でまだ存命である。

この本は会社経営をするにあたり、なにが大切なのかを
書いてある。
それも理想ではなく実際に行ってきたことである。
トップとはどうあるべきなのか。
引き際の見事さ。
厳しさの裏側には優しさがあり、とても愛情深い方だと感じた。

一人の女性としての生き方。
会社運営をするためのノウハウ。
ビジネス書でもあり自己啓発書でもありドキュメンタリーでもある。

 

 

 

 

 

 

 

 

【目次】

はじめに
第1章 小嶋千鶴子を形成したもの その生い立ちと試練
第2章 善く生きるということ 小嶋千鶴子の人生哲学
第3章 トップと幹部に求め続けたもの 小嶋千鶴子の経営哲学
第4章 人が組織をつくる 小嶋千鶴子の人事哲学 

第5章 自立・自律して生きるための処方箋
終章   いま、なぜ「小嶋千鶴子」なのか?

プレジデント社
218ページ

著者 東海友和
三重県生まれ。
岡田屋(現イオン)にて人事教育を中心に
総務・営業・店舗開発・新規事業・経営監査などを経て
創業者小嶋千鶴子氏の私設美術館の設立にかかわる。
現在、(株)東和コンサルティングの代表取締役
モットーは「日計足らず、年計余りあり」
著書
「イオン人本主義の成長経営哲学」
「商業基礎講座」など

最後まで読んで頂きありがとうございます。

当ブログの記事があなたの読書のお役に立てれば幸いです。
また読みに来ていただけると嬉しいです。

グッドレビュアー

プロフェッショナルな読者

超筋トレが最強のソリューションである Testosterone✖久保孝史

「筋力トレーニングには、メンタルヘルスを向上させる働きがあることが、多くの科学的研究によって裏付けられている」

筋トレの効果の科学的裏付けが、最新のスポーツ科学を研究している
久保孝史氏との共著により、対話形式で書いてあり読みやすくなっています。

実際に筋トレを取り組むことによって人生がを切り開いた人たちの
実話が漫画として6ケース紹介されています。

 

 

 

 

 

◆筋トレで大切なのは
・全稼働域で行う
 スクワットを全稼働域で行うと、そうでない場合より
 脚全体の筋肉のバランス良く筋肥大を起こす。
・無理のないフォームで行う
 正しいフォームより、自分のキャパシティーを踏まえて
 無理のないフォームで行う

“超筋トレが最強のソリューションである Testosterone✖久保孝史” の続きを読む

いいね ! 作:筒井ともみ 絵:ヨシタケシンスケ

「鼻の穴ってすごいんだ。なんだか宇宙のブラックホールみたいだ。なんでもかんでも吸い込んで成長していく」

この本には20個の「いいね」が書いてあります。
主人公は小学校のとあるクラスの生徒たち。

よく転ぶ女の子が自分のひざ小僧を
丸めたティッシュが詰まってとれない鼻の穴を
眠れないことを

さらさらヘアを坊主にしたことを
「いいね」と自分で認めています。

読み進んでいくと、それぞれの子ども達のつながりが見えてきます。
そして何故かあらわれる三毛猫の存在も気になります。
実はこの三毛猫がこのお話の「キモ」で
一人ひとりの「いいね」が最後につながっていくのです。


 

 

 

 

“いいね ! 作:筒井ともみ 絵:ヨシタケシンスケ” の続きを読む

ホメ術入門 友利昴

「共感は最も簡単で確実なホメ言葉」

「ホメる」って簡単なようで意外と難しいですよね。
ホメているつもりが、なぜか相手を不機嫌にさせている
ということもあります。

私は友人に「ほめワーク」を教えてもらいました。
2人1組になって相手のことを1分間ホメ続けるのです。
ホメられる方は「ありがとう」しか言ってはいけません。

職場でも何度かこの「ほめワーク」をやった時には
必ず笑顔と笑い声が響き、良い雰囲気になりました。
今回はホメる技術を学ぼうと、この本を選びました。

“ホメ術入門 友利昴” の続きを読む

花だより 高田郁

「どないな形で居の詩が果てるかはわからんけれど、そのまでに互いに慈しみ合うて暮らしたい。それだけだす」

江戸の料理屋「つる屋」の店主、種市はお稲荷さんの前で
有名な占い師水原東西に「来年の花見は見られない」
と告げられる。
これまでも数々の八卦を的中させてきた東西に言われ
落ち込む種市。
つる屋の女料理人だった澪が大阪へ戻って4年。
澪にどうしても会いたくて、戯作者の清右衛門と
版元の坂村堂と共に大阪までの旅に出る。
小田原についたところで夜中まで祝詞をあげる客が居て、
たまりかねた種市がどなりこむとそこには…。


 

 

 

種市が主役の表題花だより
澪のかつての想い人、小野寺数馬とその妻、乙緒の話
澪の幼馴染、野江の恋話
澪の夫、永田源斉のそれぞれの試練の話

10巻のわたる澪の料理人としての成長記
「みをつくし料理帖」の特別巻とされた
この本はいわば、スピンオフ小説です。

最初の種市さんが主役の花だより以外の
3作は「夫婦」について書かれています。
お互いに自分の心の内を言葉や表情に出さない
数馬と乙緒。
亡くなった恩人を忘れられない野江と
その野江を慕う番頭の辰蔵。
澪と江戸から実家との縁を切って大阪にきた源斉。
相手を思うが余りに、自分の気持ちを押し殺してしまい
すれ違ってしまう男と女…。
相手を思うからこそ、素直になることが
大切なんだなぁと読み進めていくうちに
感じました。

また1巻の「八朔の雪」から読み直してみようかな。

 

 

 

 

【目次】

花だより 愛し浅利佃煮
涼風あり その名は岡太夫
秋燕   明日の唐汁
月の船を漕ぐ 病知らず
巻末付録 澪の料理帳
特別付録 みをつくし瓦版
ハルキ文庫
297頁(本文のみ)

著者 高田郁
兵庫県宝塚市生まれ
中央大学法学部卒
1993年集英社レディースコミック誌「YOU」にて
漫画原作者(ペンネーム・川富士立夏)としてデビュー
著書
「出世花」
「みをつくり料理帖」
「銀二貫」
など多数