不良という矜持 下重暁子

「体制から、他人から離れて自分の頭でちゃんと考えるの。それが不良になるってこと」

80代の下重暁子氏が自らを「不良老年」と呼び、その生き方や考え方を書いた1冊です。
目次には「老年」とありますが、書いてある内容は老年だけでなく
私の様な壮年にもこれからの人生を歩むに至っての指南書ともなります。

高齢になると皆同じような色合いや柄の服を着ていることを指摘している一文がありました。
年をとってからこそ、若い時よりおしゃれに気を使うべきとあります。
私の勤務先の高齢者施設でも、皆さん同じような色合いの服を来ています。
服だけ置いてあると「これはどなたの服だろうか???」と名前を確認しないとわからないくらい皆さん同じなのです。
服は家族の方が用意してくださっているのに…。

自分を振り返ると20代の頃と余り変わらない服装をしていることに気づきました(今は50代です)
シャツとジーンズ、冬になるとハイネックとネルシャツ。
いつまでもこんな恰好で良いのだろうか???
と少し不安に思っていましたが、この本を読んで周りからどう思われるのか、
ではなく自分がどう思うのか、感じるのかの方が大切だということを受け取りました。


また下重氏は幼少の頃に結核に罹り一人闘病生活を病院で過ごします。
自分と向き合い、妄想や想像の中で遊ぶ。
妄想や想像をしてきたからこそ、様々な発想が浮かんでくる。
自分とは何か?
自分が納得できる生き方をする。
人に決められるのではなく自分で決める人生を歩む。
そういったことが自然と身についてきたのではないでしょうか。

自分を大切にし、周りに惑わされず孤高に生きる。

私もそんな老年期を迎えられる様に今から人に合わせず「孤高」に生きるの準備をしていきます。

おススメ度
★★★★

年齢に関係なく自分探しをしている方におススメです。

【目次】
はじめに
第一章 不良老年は、自分に「汲めども尽きせぬ興味」を持つ
第二章 不良老年は、「世間の枠」にはまらない
第三章 不良老年は、「飛ぶ覚悟」を持っている
第四章 不良老年は、自分だけの「秘め事」を持っている
第五章 不良老年は、「本物」をとことん追求する
第六章 不良老年は、自分の最期を楽しんで演出する

自由国民社
208ページ
2019年10月27日第1刷発行
本体価格 1100円

著者 下重暁子
1936年生まれ。
早稲田大学教育学部国語文学科卒業後、NHKに入局。
アナウンサーとして活躍後フリーとなり、民法キャスターを経て文筆活動に入る。
丹念な取材をもとにしたノンフィクションから家事や生き方をテーマにしたエッセイ、評論、小説まで幅広い作品群がある。

著書
「家族という病」
「極上の孤独」
「年齢は捨てなさい」
「天邪鬼のすすめ」など

ビンボー病の治し方 しんのすけ

「お金が貯まらない理由は考えずに感情でお金を使うから」

働いてお金を稼ぐより、お金に働いてもらい資産を増やせ!
2億円近い借金を抱え、ビンボーのどん底からお金について必死に学び、経済的自由を手に入れた著者が教えるお金持ちになるための思考法が満載です。
このビンボー病の治し方はお金の入門書としておススメです。

所得家ではなく資産家になる

所得家…一生懸命働に働いて自分の賃金を上げ、お金を生まないものばかり買ってしまう人
資産家…お金を生んでくれる資産を持っている人

ビンボーは病気!?

・金持ち勘違い型…他人からどう見られるかにばかりお金を使っているナルシスト
・夢ばかり追う妄想型…毎週宝くじを買って1等が当たった時の妄想が広がる
・人の話を鵜呑みにする他人任せ型…株、仮想通貨など人のから勧められてよく考えず購入
・学びもせずに使う知識欠如型…電子マネー、クレジットカードでの買い物で請求が来るまでいくら使ったか把握していない
・お金を生まないものを買う負債購入型…住宅や車は個人で買うと資産ではなく負債になる

お金の常識を疑う

◆預けても増えない貯金
・定期預金の金利が0.01% → 100万円預けても利息は100円
・貯金は生活費の3~6か月分くらいで十分
◆保険は手数料ビジネス
・自分が死んだときに必要な金額を計算しているか?
・本当に必要な保険は掛け捨ての死亡保険だけ、医療保険は必要だと感じれば入る。
・おススメは県民共済

お金の本質を知る

◆資産と負債を理解する
・資産…毎月自分のポケットにお金を入れてくれる (例 不動産、株券、債権)
・負債…毎月自分のポケットからお金を奪っていくもの (例 家、車など) 
    ローンを払っていたら負債となる

◆ビンボー病から脱する3つの方法
・支出管理をしっかりする
・利益を上げる
・利率を上げる

◆お金の使い方
・消費…払った金額=価値
・投資…払った金額<価値
・浪費…払った金額>価値
 
浪費の原因はストレス
➡ お金を使うときに「何のために使うのか」を意識する

ビンボー病から抜け出す特効薬

◆自分の毎月の最低生活費を知る
 一か月最低いくらあれば生活できるのか?
 一か月に一度書き直していく
➡ フリーキャッシュフローとしていくら使えるのか把握する
  毎月行うことで1年後には生活が変わる

◆フリーキャッシュフローの作り方
・収入が増えても生活水準を上げない
・固定費を削る

◆ビンボー病から脱出するための5つの習慣
・給料が入ったら使う前に用途に応じて分配する
 最初に仕分けるとムダ使いが防げる
・買い物から帰ったら、レシートを「消費」「浪費」「投資」の箱に分けて入れる
 支出の目的をはっきりさせることでムダが自覚できる
・クレジットカードは使わない
 支出額が25%増になってしまう
・電子マネーは交通費以外に使わない
 いくら使ったかわからなくなる
・ポイントやマイルを貯めようとしない
 貯めることが目的となってしまい不要な買い物をする

投資の真実

◆投資でやってはいけない5つのこと
・よく学ばずに投資する
・短期間で結果を出そうとする
 投資は複利で増やすのが基本なので一定の期間が必要
・専門家の情報に惑わされる
 投資は自分の頭で考えて経験を積みながら上手くなっていくもの
・金額ばかり気にして価値を見ない
 株は価格にフォーカスせず企業の価値にフォーカスする
・何のために投資をしているか理解していない
 投資は生活を豊かにするための手段であり目的ではない

◆株式投資でお金を増やせる7つの条件
・四季報が読める
 四季報は上場企業の株式投資に必要な情報がまとめられている
 四季報を見て銘柄を絞り込む
・チャートを毎日見ない
・他人に思考を奪われない
 人からいわれてする株式投資は持続的なノウハウが蓄積されない
 銘柄の選び方、売買のタイミングなどは自分で考え経験を積まないと身につかない
・感情で取引しない
 株価が上げ下げするのは当たり前なので一喜一憂しない
・自分のルールを守る
 「買う」…毎月のフリーキャッシュフロー(余裕資金)の何%を株式投資に入れるか決める
      感情で買わずにルールの範囲でコツコツ買う
 「待つ」…複利で増やす投資なのでなので、すぐに増えた利益を使わない
 「売る」
・取引の記録をつける
 なぜ、その銘柄をその金額で、そのタイミングで買ったのか、もしくは売ったのかを記録する。
・何があっても続ける
 ある程度の利益が出るまで最低でも1~2年はかかる

まとめ

・自分の最低生活費を書き出しフリーキャッシュフローの金額を知る
・支出が「消費」「投資」「浪費」か目的をはっきりさせる
・収入が増えても生活水準を上げず、投資に回す
・株式投資をするなら四季報が読めるようになって自分で考える
 

【感想】
ビンボーが病気だという発想が面白い!!
ずっぷりと病気になっている自分を認識できました(笑)
・クレカ決済しまくり
・どんぶり勘定で気が付けば家計は火の車
・レシートは貰わない時もある
勿論家計簿はつけていません。

これまでお金の本は気になっていましたが
どの本を読んで(選んで)いいのかずっと迷っていました。
そのうえ自分がどんぶり勘定で家計をやりくりしているのはわかっているので
家計と向き合うのが怖くて見ない振りもしていました。

この本を読んで自分のお金の使い方に向き合うことができました。
ストレスの発散で買い物をする…まさに感情でお金を使っていました。
自分へのご褒美もし放題。
お金が残るはずがありません。

複数の収入を持つ
固定費を削る
最低生活費を知る
お金の入門書としてわかりやすい本です。

・ビンボー病から脱する3つの方法の「利率」を上げるとはどういうことなのか?
・株式投資でマイルールを設けるさいに「売り」に関しての解説が欲しい!!
お金の管理や株式投資に全くの初心者なので、この2点が気になりました。

おススメ度
★★★★

【目次】
はじめに
プロローグ ビンボーは病気だ
第1章 お金の常識を疑え
第2章 お金の本質を学べ
第3章 フリーキャッシュフローで自由なお金を手に入れろ
第4章 日本人の99%が知らない投資の事実
おわりに

あさ出版
216ページ
2019年9月25日第1刷発行
本体価格 1540円
電子書籍あり

著者 しんのすけ
株式会社ビンボー病クリニック 総院長 お金の専門学校 学長
28年間で30種以上の事業経験を持つ起業家であり投資家。
日収100万円の豪遊生活、パチプロ生活、1億7000万円の借金、社員の持ち逃げ、自己破産危機など、お金にまつわる自身の成功・失敗経験からお金の原理原則を学ぶ。
国内外で活躍するビジネスオーナーや投資家から学び、現在はロバート・キヨサキ氏の師匠でもある全米No.1ミリオネアメーカーのロバート・G・アレン氏に師事。
「100年後の子ども達の笑顔」を理念に、子ども達が憧れるかっこいい大人を増やすため「お金の専門学校」を創設し、大人たちへのお金の教育を行う。
現在、中高生に向けてのお金の学びの場を作る活動を準備中。

しんのすけ ブログ

しんのすけ インスタグラム

たぶんそいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。 Jam



今回は私のラジオ番組「ホンスキー倶楽部」で紹介した本です。
テーマ「新刊が出るとつい買ってしまう作家」

インターネットラジオゆめのたね放送局
関西チャンネル
毎週日曜午前11時~11時

試聴はこちらから



https://docs.google.com/document/d/16tYQEzsX76riqN-3FWtc437c5Fegun2IZCzN3u_m1MY/edit#heading=h.n8izfi7mfmtk

かおる文庫のおすすめブックコーナー

第2週、第4週と北海道在住、
ブックコーディネーターのかーるさんが
おススメする本を紹介するコーナーです。

テーマは「新刊が出たら思わず買ってしまう作家」

①Jam

ゲームグラフィックデザイナー、イラストレーター、漫画家。
人間関係のモヤモヤをかいたマンガ「パフェねこシリーズ」はTwitterで大ヒット。

著書:「たぶんそいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。」サンクチュアリ出版社

◎魅力
それあるある、と言いたくなるような身近なテーマと表情豊かなネコに親近感を覚えます。主観と客観がバランスよくて、ツッコミがいい味をだしています。

Soofleで連載中の「まねきねこのうた」も面白いです。
ご主人と人語で話したいばかりにネコマタになったネコの話。

Jam プロフィール
1972年生まれ。
ゲームグラフィックデザイナー。イラストレーター。漫画家。
日常で起こる人間関係の悩みを描いたマンガ「パフェ猫シリーズ」がTwitterで累計50万部以上リツイートされるほど話題になる。Blog:「Jamさんちのマンガいろいろ」

パフェねこ誕生 (サンクチュアリ出版 ウエブマガジンより引用)

フリーになって数年が経った頃、ある自然災害が日本を襲った。
2016年4月に発生した熊本地震である。実はこれが『パフェねこ』シリーズ誕生のきっかけとなった。

「東日本大震災のときは、自分にできることをしたいと思いながらも、なにか発信して叩かれるのが怖くてできなかった。だから今回は勇気を出して発信しようと思ったんです。私のTwitterやWebサイトを楽しみにしてくれている方も熊本にいらっしゃったので、どうにかして元気づけたいと」

そうしてTwitterにアップしたのが、『パフェねこ』のねこが主役の4コママンガだった。
東日本大震災の際、知人のイベント会社がイベントを自粛した末に倒産してしまった出来事を受けて、「日本を元気にするためにも自粛はやめよう」というJamさんなりの思いを綴ったマンガである。反響は想像以上に大きいものだった。

https://mobile.twitter.com/i/moments/824774341409726464

Jamさんが描く猫のイラストは癒されます。
上のリンクから見ることができますよ。

孫と私の小さな歴史 佐藤愛子



今回は私のラジオ番組「ホンスキー倶楽部」で紹介した本です。
テーマ「新刊が出るとつい買ってしまう作家」

インターネットラジオゆめのたね放送局
関西チャンネル
毎週日曜午前11時~11時

試聴はこちらから

https://yumepod4.xsrv.jp/wp-content/uploads/2019/09/10-1_honskeyclub_20190918.mp3



 ラジオネーム      空丸恵子
「新刊が出るとつい買ってしまう作家」 佐藤愛子さん

① 佐藤愛子さんのオススメどころ

作品もたくさんあり過ぎるし、長年読み続けてきているので、逆にご存じない方にどうオススメして良いのかわかりません。
とにかく美しくて、カッコ良くて、潔い女性です。
何を読んでも、それが感じられます。

② イチ押しの作品
これも至難の業ですが、愛子さんらしさが溢れているものを一冊。
「孫と私の小さな歴史」

一人娘の響子さんの一人娘の桃子さん。
桃子さんと一緒に毎年、工夫を凝らして作った年賀状用の写真が披露されています。
おもしろいことが大好きな愛子さんらしい歴史です。

③ 今、気になっている作家さん
ごく最近、読み始めてハマっているのは【朝比奈あすか】さん。
もう少し読み続けていきたいです。

「孫と私の小さな歴史」
初孫・桃子の誕生に、「バアさんにはならない、ジイさんになる!」と宣言した著者。
桃子1歳から、二人の扮装で年賀状用の写真を撮り続ける。
お正月早々ドギモを抜かれた、と大評判の秘蔵写真を全公開。
トトロにコギャル、はては生首、葬式まで、「本当は嫌だった!」孫の激白あり、20年分の撮影秘話あり爆笑エッセイです。

佐藤愛子さんプロフィール
1923(大正12)年、大阪市生れ。
甲南高等女学校卒。
小説家・佐藤紅緑を父に、詩人・サトウハチローを兄に持つ。
1950(昭和25)年「文藝首都」同人となり本格的に創作活動を始める。
1969(昭和44)年『戦いすんで日が暮れて』で直木賞、1979(昭和54)年『幸福の絵』で女流文学賞、2000(平成12)年『血脈』の完成により菊池寛賞、2015(平成27)年『晩鐘』で紫式部文学賞を受賞。
ユーモラスなエッセイにもファンが多く2016(平成28)年『九十歳。何がめでたい』が大ベストセラーとなった。2017(平成29)年、旭日小綬章(きょくじつしょうじゅしょう)を受章。

世の中に対して、何か間違っていないか、その考え方はおかしくないかとズバッと言い、愛情を持って怒ってくれるところが、佐藤さんのエッセイの真骨頂。

“何のために生きるのか”なんて考えるのは、数少ない哲学者ですよ。我々凡俗は、朝起きたら朝やること、夜になったら夜やることをして、おなかがすいたらご飯を食べる。
ご飯を食べるために働く。
働くために考える。
単純なことよね。
なぜ生きることに解釈や分析が必要なんですか。
一人ひとり価値観が違うのに、いまは人の考え方と同じでありたいという気持ちの人が多いように思います。
(毎日が発見ネットより引用)…昨年4月 94歳

「朝比奈あすか」
1976年東京都生まれ。
慶應義塾大学文学部卒業。
2000年、大伯母の戦争経験を記録したノンフィクション『光さす故郷へ』を発表。
2006年、「憂鬱なハスビーン」で第49回群像新人文学賞を受賞、同作を表題作とした単行本が刊行され、小説家デビュー。

著書
少女は花の肌をむく(2016年6月 中央公論新社)
人間タワー(2017年10月 文藝春秋)
みなさんの爆弾(2018年4月 中央公論新社)
人生のピース (2018年11月 双葉社)
君たちは今が世界 

孫と私の小さな歴史 佐藤愛子

「お金出して場所借りて、苦労なしに撮るなんて面白くない」

この本は「九十歳。何がめでたい」の著者である佐藤愛子さんが、お孫さんの桃子さんとコスプレして作った年賀状の20年を振り返っているエッセイです。

この年賀状を始めたのが1992年。
愛子さん69歳、桃子さん1歳。
この時は桃子さんがパンダの着ぐるみ
愛子さんは娘の響子さんが買ってあった猫の部屋着。
パンダ桃子さんを膝に抱いて笑っている愛子猫。
何故か前にはごりんが…??

この年賀状の作成場所は愛子さんの別荘がある北海道。
毎年夏に家族で行って撮影するのです。
大トトロに子トトロ
カリブ海賊
コギャル
泥棒
メイドカフェ

愛子さんの「これだ!」という思いつきから
世間の流行まであります。
桃子さんの成長記でもある年賀状。
最初は一緒に立っているだけの桃子さんが
愛子さんと一緒に演技をするようになります。

それぞれの年賀状には撮影時の様子が
響子さんの視点で書かれていたり、
愛子さん自身のエッセイであったり
その後に孫の桃子さんの当時の様子が綴られています。

文春オンラインより引用

【感想】
愛情が詰まった一冊です。
愛子さんから孫の桃子さんへの「愛」
愛子さんの演じることへの「愛」
年賀状を楽しみにしている人たちの「愛」

この年賀状の撮影にかける熱意が文章から伝わってきます。
着ぐるみや小道具を買うこともあるけれど
基本はあるものを利用されています。
時には小道具を徹夜で作ることも…。
だからこそ愛子さんは年賀状の出来不出来にはとても厳しいのです。

私のおススメは「泥棒」
桃子さんの演技が絶妙です。
年賀状に使われなかった写真は爆笑ものでした。

どの年賀状を見ても愛子さんの真剣さが伝わってきます。
何歳になっても新しいことに挑戦するってステキだなぁ。
こんなおばあちゃんになりたい。
周りは大変かもしれませんが…(笑)

おススメ度
★★★★★
ちょっとした時間に読むのにちょうどよい本です。
思わず噴き出してしまうので電車ではご注意ください(笑)

文藝春秋
198ページ
2016年1月10日第1刷発行
本体価格 1400円

著者 佐藤愛子
1923(大正12)年、大阪市生れ。
甲南高等女学校卒。
小説家・佐藤紅緑を父に、詩人・サトウハチローを兄に持つ。
1950(昭和25)年「文藝首都」同人となり本格的に創作活動を始める。
1969(昭和44)年『戦いすんで日が暮れて』で直木賞、1979(昭和54)年『幸福の絵』で女流文学賞、2000(平成12)年『血脈』の完成により菊池寛賞、2015(平成27)年『晩鐘』で紫式部文学賞を受賞。
ユーモラスなエッセイにもファンが多く2016(平成28)年『九十歳。何がめでたい』が大ベストセラーとなった。
2017(平成29)年、旭日小綬章を受章。

著書
「ソクラテスの妻」
「青春はいじわる」
「凪の光景」など多数

最後まで読んで頂きありがとうございます。
当ブログの記事があなたの読書のお役に立てれば幸いです。
また読みに来ていただけると嬉しいです。

京都祇園もも吉庵のあまから帖 志賀内泰弘

「仕事いうんは、頑張るもんやない。気張るもんや」by もも吉

【あらすじ】
タクシードライバーの美都子はもも也という名前で元祇園の芸奴だった。
母親のもも吉も元芸奴で花街のお茶屋の女将をしていた。
美都子の母親は今はお茶屋を閉め、改装し一見さんお断りの甘味処「もも吉庵」を開いた。

祇園に「仕込みさん」としてお茶屋にする奈々江は、初めて美都子に会った時から叱られたので会うだけで緊張していた。
関西の出ではないのでイントネーションも違い、そのことでも怒られた。

美都子はある日、安井金毘羅さんで奈々江を見かける。
仕事を抜け出して金毘羅さんに行く奈々江に対して美都子は「何サボッてはるの?」と咎められたのだ。
奈々江は美都子に自分を重ねる。
あの日、奈々江は二つ下の妹を強く叱りつけ、妹は泣きながら登校した。
それが、妹との最後の別れだったのだ。

もも吉は美都子に奈々江の話をする。
奈々江が小学校三年生の時に、あの津波はやってきた。
家族で生き残ったのは奈々江と祖父は体育館の避難所から仮設住宅に移った。
奈々江が高校生になって祖父が肺炎で入院し、漁師に戻るのは無理だと医者に言われる。
その日にテレビで京都の舞妓を見、住み込みで働きお金がいらない事を知った奈々江は舞妓になる決意をし、学校を辞めて京都祇園にやってきたのだった。

安井金毘羅さんは一人祇園で仕込みさんとして働き、辛くなったときにお参りをし、自らを励ましていたのだった。
そんなある日、芸奴学校から奈々江が出ると、美都子が待っていた。

k*********************pさんによる写真ACからの写真 

【感想】
連作短編集です。
私は大阪に住んでいるので京都は馴染み深く、出てくる地名も「あぁ」と合点がいきます。

一言でいうと「粋」な小説です。
もも吉や美都子だけでなく、出てくる人たちの言動や振る舞いが「粋」なのです。
現代の話ですが祇園が舞台だからでしょうか、ちょっと時代小説の様な雰囲気が漂います。

花街、会社、一話一話には単なる「粋な話」だけでなくビジネスで必要なことが書かれています。それは「おもてなしの心」だったり「相手を思いやる」ことだったりします。
話に出てくる人は皆、真面目で真っすぐな人達です。
仕事は「頑張る」のではなく「気張る」
京都ならではなの名言です。
作者の人を見る目の温かさが感じられます。

どの話にも毎回もも吉さんが「帯から扇を抜いたかと思うと、小膝をポンッと打った。まるで歌舞伎役者が見得を切るように見えた」というくだりがあります。
水戸黄門の印籠を出すシーンの様で、それ毎回いるのかな??
と思いました。
このシーンがあるから、時代小説のように感じたのかもしれません(笑)

読むと作品に出てくるもも吉さんが作る「麩入りぜんざい」が食べたくなりますよ。
おススメ度
★★★★
「粋」を感じたい人におススメです。

【目次】
第一話 桜舞う 都をどりのせつなくて
第二話 悩み秘め 恵美須神社に願いごと
第三話 寺社めぐり 小春日和の栗ぜんざい
第四話 節分会 粋なお兄さんに恋をして
第五話 葛汁粉 春遠からじ吉田山
エピローグ 春ふたたび

PHP研究所
249ページ
2019年9月6日第1刷発行
本体価格 700円
電子書籍あり

著者 志賀内泰弘
名古屋市在住。
金融機関を2006年8月に退職後、強力な異業種ネットワークをベースに、コラムニスト、俳人、飲食店プロデューサー、経営コンサルタント、ボランティアなどの活動を展開。
その代表格が「プチ紳士・プチ淑女を探せ!」運動。
思いやりでいっぱいの世の中をつくろうと東奔西走中。
月刊紙「プチ紳士からの手紙」を発行し、編集長もつとめる。
また、大学院から小学校、老年大学、異業種交流会、ロータリークラブ、商工会議所、上場企業などで講演会、セミナー、社員研修などを行なっている。

著書
『なぜ「そうじ」をすると人生が変わるのか?』
『「いいこと」を引き寄せるギブ&ギブの法則』
『他人と比べない生き方』など