ぼくと仕事、ぼくと子ども 影山大祐

「たとえば僕が、娘にしてあげていると思っている多くのことは、実は自分自身のためだったりすることもある」

この本には著者を含めて11人の働く父親が出てくる。
それぞれ直接的もしくは間接的に子どもに関する仕事をしている。
著者は子育ての本ではなく、父親と子どもが、大人と子どもが一緒に生きていく本だと書いている。

仕事をはじめたきっかけ、仕事にかける思いが綴られている。
絵本作家のきくちさんは「絵本は、親と子どもが繋げるコミュニケーションツールのひとつだと思う」という。
子ども靴デザイナーの火神さんの作る靴はすべて革靴。
革は有害物質を含まず身体にも環境にも優しい。
それぞれが自分の仕事を通して子どもへの願いがある。
「便利な世の中だからこそ非合理的で時間のかかるものの価値がわかる人間になって欲しい」と言うのは農家の秋庭氏
プランナーの浦谷氏はインターネットやスマートフォンの存在や共働きが増えているなかで、「積極的に子どもと関わってあげないといけない」と語る。
著者もインタビューをするなかで、自分の娘との関わりを書いている。


 

 

 

 

【感想】

それぞれが仕事を通して親子の関わりとして大切なことや
自分の子どもだけでなく関わる子どもたちへの言葉にはっと気づかされることがたくさんありました。
「子どもが親に『関わってくれている』『大事にされている』と認識できるようなコミュニケーションの質やタイミングが大切」という一文に、「自分は親としてどうだっただろう?」と考えさせられました。

この本に載っている人たちの仕事への情熱も伝わってきます。 

目の前のことだけでなく、皆さんがさらに大きな目標を持って仕事に子どもに関わっているのだという事も伝わってきました。
働くお父さんへエールを送る本です。

 

 

 

 

 

 

 

【目次】

はじめに
子どもとつくる物語 きくちちき 絵本作家
子どもと大人が共振できる場所 齋藤紘良 保育園園長
父と子の歩き方 火神政博 子ども靴デザイナー
家族の食卓 冨田ただすけ 料理研究家
自然な人に 長谷部雅一 アウトドアプロデューサー
父と子と絵本の関係 三輪丈太郎 子どもの本専門店
家族をど真ん中に 秋庭覚 農家
子どもたちが大好きな世界を 浦谷和生 プランナー
子どもたちの故郷 佐藤善芳秋 大家
大人の背中、子どもの背中 野村亮太 ランドセル職人
あとがき

トランスビュー
224ページ
2018年2月25日第1刷発行
本体価格1800円

著者 影山大祐
1982年生まれ。
クリエイティブディレクター・デザイナー・文筆家。
デザイン事務所や広告代理店を経て2012年独立。
2014年、株式会社メアリーアンドディーンを設立。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

当ブログの記事があなたの読書のお役に立てれば幸いです。
また読みに来ていただけると嬉しいです。
グッドレビュアー

プロフェッショナルな読者

さざなみのよる 木皿泉

「生きとし生けるものが幸せでありますように」by笑子ばぁちゃん

小国ナスミは三姉妹の次女。
家はコンビニもどきの商店。
物語はナスミが癌の末期で亡くなるところから始まる。
享年43歳。

第2話から第14話まではナスミと関わった人たちのナスミとの話だ。
夫の日出男や姉の鷹子、笑子ばぁちゃん、妹の月美。
東京にしたころの同僚や後輩。
中学の同級生。
それぞれのエピソードで少しずつナスミの人物像が浮かび上がってくる。
ナスミはいつも真っすぐに生きていた。
真っすぐだから許せないことや我慢できないこともたくさんあった。
ぶつかることもあった。

みんなナスミの死を悲しみナスミとの日々を思い出す。
ナスミは夫の日出男に動画を残していた。
その動画でナスミは日出男に結婚すること子どもを作ることを勧めていた。
ナスミと日出男の間に子どもはいなかった。
「責任なんて感じなくていいからね」

日出男はナスミの言う通りにするのだろうか…。

 

 

 

 

 

 

 

【感想】
さらっと読めてしまいました。
主人公の死から始まり、その周りの人たちの回想で
主人公の様子が段々と浮かび上がってきます。

帯には大きな字で「泣ける本」とありますが
泣くどころか泣きそうにもなりませんでした。
肩透かしを食らった感があります。

この本を一言でいうならば
「ナスミが紡いだ縁」
真っすぐなナスミだからこそ惹かれるや影響される人がいます。
若くして亡くなったからこそかもしれません。

細かく章立てされていて、章ごとに主役も変わるので
細切れの時間でも読むことができます。
2019年本屋大賞ノミネート作品の一つです。

 

 

 

 

 

 

 

本屋大賞 サイト

河出書房新社
221ページ
2018年4月30日第1刷発行
本体価格1400円
電子書籍あり

著者 木皿泉
夫婦脚本家。
テレビドラマ「すいか」で向田邦子賞受賞。
他のテレビドラマに、「野ブタ。をプロデュース」、「Q10」など。
初めて手がけた小説『昨夜のカレー、明日のパン』は2014年本屋大賞第2位、山本周五郎賞にもノミネートされ、のちに自身の脚本で連続ドラマ化もされた。
ラジオドラマ、舞台脚本などでも活躍。

著書
『お布団はタイムマシーン 木皿食堂3』
『ダンナの祖母がくれたもの』
『ほんのきもち』他、多数

さざなみの夜 特別サイト

最後まで読んで頂きありがとうございます。

当ブログの記事があなたの読書のお役に立てれば幸いです。
また読みに来ていただけると嬉しいです。
グッドレビュアー

プロフェッショナルな読者

インフルエンス 近藤史恵

「一度も会ったことがなく、恨みもない人を殺す。そんなことができるのだろうか」by 友梨

私は毎週の様に図書館に通っています。
歩いて10分ほどの距離にあり、近くには公園もあって
気候の良い時には借りた本をそのまま公園で読むこともあります。
先日も借りた本を返すついでに、何か面白い本は無いか…と
本棚を眺めているときに、この本に出合いました。

表紙は団地でなんとなく暗いイメージが伝わってきます。
題は「インフルエンス」時期は(これを書いているのは1月末です)
インフルエンザが猛威を振るっている最中。
なので題名にもあまり良い印象はありません。
ただ、フェイスブックの本のグループで書評を見かけたのを思い出し
好きな作家さんなので借りることにしました。

“インフルエンス 近藤史恵” の続きを読む

皇室女子 “鏡”としてのロイヤルファミリー 香山リカ

「多くの人にとって皇室はもはや単に畏敬すべき対象ではなく、自分をそこに写していろいろ考えさせてくれたり、自分を認めりさせてくれる対象」

2019年、4月に平成天皇が退位され5月には皇太子殿下が新しい天皇に即位されます。
一方昨年から眞子内親王の結婚問題でマスメディアが賑わっています。
ある意味、ロイヤルファミリーが身近に感じる昨今でもあります。
そんななか、香山リカ氏が語る皇室女子とはどんなものなのか
興味を持ち本書を読みました。

“皇室女子 “鏡”としてのロイヤルファミリー 香山リカ” の続きを読む

考えない練習 小池龍之介

「まずは、いま自分の心が何をしているかを普段から見張るようにすることです」

考えない練習…この題を見て惹かれて図書館で借りました。
特に副題に「頭で考えずに、もっと五感を使おう。
すると、イライラや不安が消えていく」とあります。
小さい頃から妄想癖がある私は常に考えています。
考えないことって出来るんだろうか???
単純に疑問に思い手に取りました。

“考えない練習 小池龍之介” の続きを読む