相手に「伝わる」話し方 池上彰

話すべき内容があって「伝えたい」という熱い思いがあればそれは相手に伝わる

1対1の話だと自分の伝えたいことが伝わっているかどうかは表情や声のトーンで読み取れます。
会社の会議やPTAでの会合など、複数の前で話をする時に「自分の話した内容は伝わっているのだろうか」と不安になることがありませんか?
難しいことを上手にわかりやすく話しているニュースキャスターの池上彰さんの著書から学びたいと思いました。

会議や朝礼など短い時間で相手に伝わる話し方

☆話す内容は原稿ではなくメモにする
 原稿にすると間違えないようにと読み上げてしまい
 棒読みになってしまいます。
 メモにすると、文章になっていないので話すときに
 頭の中で自分の言葉で文章にすることが必要になり
 自然なしゃべりになります。

☆一方的な報告でなく語りかけるように話す
 間(ま)をとって話すことを心がけましょう。
 具体的な体験談を披露することで相手にイメージが伝わりやすくなります。

1対1での会話で自分の思いを伝える話し方

☆話す間(ま)やリズムを大切にする
 相手と会話のキャッチボールがでるように留意が必要です。

☆ユーモアを交えた会話にする

☆相手の心を傷つけないようにする

☆聞き手に徹して適度に相槌をうち驚いたり笑ったりタイミングのいい質問をなげかける
 人は自分に関心を寄せてくれる人に好意を持ちます。
 自分に関心を持ち、様々な質問を投げかけてくれると
 ついつい喋ってしまいます。

☆常に具体的に伝える

初対面の人、目上の人と話す

初対面の人や上司、妻(夫)の両親など目上の人と話すときは
言葉が詰まってしまい、気まずい雰囲気になってしまうことがありますよね。
そんな時には聞き役に徹することが良いと書いてあります。
☆相手に話してもらうために教えを請う
 謙虚な立場で相手に教えを請う姿勢を見せると大抵の人が口を開くものです。
 その「教え」を共通体験にして会話をすすめることができます。

池上彰氏は新人記者時代に警察担当となり、いろいろな警察官と話をする時に
自分の知らないことを教えを請うと、とても丁寧に説明してもらえたそうです。
もちろん相手が忙しくない時間帯を見計らってです。

プレゼンテーションや結婚式の挨拶などの時

ここでは当日までの準備についての説明です。
☆ひとりブレーンストーミングをする
 「ブレーンストーミング」とは会議の場で参加者全員が気軽にアイデアを
 出し合い検討し、具体的なアイデアをまとめていく手法
 一人で何役も演じながら様々なアイデアを出す
 出したアイデアはメモにする

☆身近な人を相手に「こんなことを言ってみたい」と声を出して語り掛ける
 言葉にすることで言いたいことがまとまっていきます。
 目で読む文章と話す文章は違うので言葉で聞いてもらうことで
 同音異義語など紛らわしい言葉やわかりにくいところをフィードバックしてもらえます。

YouTubeやニコニコ動画などSNSで多くの人に伝える

聞き手が目の前にいない状態で自分の言いたい事を伝えるときのコツです。
☆文章は短くする
 短文の積み重ねで長文にします。
 一つの文章は一つの意味・内容にします。

☆具体的な体験談を披露する
 相手にイメージが伝わりやすくなります。

☆自分の息に合わせて原稿を書く
 書いた原稿を読んでみてスムーズに話せるか確認します。
 息が続かない場合は自分の息に合わせて書き直しましょう。

☆相手に話しかけるように
 実際目の前に相手がいない場合も、相手がいると仮定して
 その人に話しかけるようにしましょう。

【目次】

はじめに
第1章 はじめはカメラの前で気が遠くなった
第2章 サツ回りで途方に暮れた
第3章 現場に出て考えた
第4章 テレビスタジオでも考えた
第5章 「わかりやすい説明」を考えた
第6章 「自分の言葉」を探した
第7章 「言葉にする」ことから始めよう
最後にもう一言

講談社現代新書
216頁

著者 池上彰
1950年長野県松本市生まれ
慶応義塾大学卒業後NHK入局
1994年から2年間「週刊こどもニュース」のお父さん役を務めた
「わかりやすく『伝える』技術」
「伝える力」
「知らないと恥をかく世界の大問題」
など著書多数

最後まで読んで頂きありがとうございます。

当ブログの記事があなたの読書のお役に立てれば幸いです。
また読みに来ていただけると嬉しいです。

「美しく生きる人」1日24時間の”時間割”  浅野裕子

「素敵な朝を迎えるために、今日のあなたは何をしますか?」

この本は「いい女になるには」をテーマに、読書していた時に出会いました。
著者の浅野さんは、作詞家としても活躍していた時期があり
伊藤つかささんの「少女人形」郷ひろみさんの「タブー」などの作品がある方です。

気持ちにゆとりを持つために必要なこと

♡人と違う自分だけのブランドを作る
 これはファッションのことだけではありません。
 例えば仕事で「締め切りは1週間後」と言われたら、翌日に仕上げる。
 多くの人は締め切りギリギリに間に合わせるので、そうではなく一つ抜きんでる
 存在としてブランドする…とあります。
 
♡朝、起きたら窓を明けて朝一番の清澄な空気を全身で吸収する
 「朝をいいかげんに過ごしている人は、人生をいい加減に生きている」
 耳が痛い~~(;^ω^)
 いろんな本に「早起き」が良いと書いてあります。
 チャレンジしてみるものの、夜の過ごし方がいけないのか
 いつもギリギリまで布団の中にいることが至福の時と思ってしまいます。

♡早起きして余裕のある時間を過ごす
 少し前、朝の5時に起きていました。
 確かにゆったりとした時間を過ごすことができました。
 子ども達と自分のお弁当を作り、洗濯物を干してリビングを掃除した後に
 ミルでゴリゴリとコーヒー豆をひいて、コーヒーを入れて本を読みながら飲む
 そんな時間も持ちながら8時半には仕事のために家を出ることができました。
 ただ…1週間しか続きませんでした。

♡相手のポジションに自分をおきかえ「自分ならどうするか」と具体的に考える
 これは常に「自分はどうしたのか」を意識することで可能性の扉を開く
 とあります。

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陸王 池井戸潤

【主な登場人物】

宮沢紘一…「こはぜ屋」の社長
富島玄三…「こはぜ屋」経理担当
坂本太郎…「埼玉中央銀行」こはぜ屋担当
有村融…スポーツショップを営む
飯山晴之…「シルクール」社長
村野尊彦…「アトランティス」シューフィッター

【あらすじ】

足袋製造メーカー「こはぜ屋」は100年続く老舗。
社長の宮沢は従来の足袋だけで無く
新たにランニングシューズを開発することにする。
その名も「陸王」
スポーツショップ経営者の有村
銀行担当の坂本らに押され開発チームを作る。
しかし決定的な弱点があった。
ソールがゴムの為重いのだ。
そんなおり、坂本が転勤になる。
転勤先からソールの材質にと持ってきたのが蚕の繭を素材にした「シルクレイ」
特許を持つ飯村を訪ね「陸王」の開発チームに引き込む。
「陸王」の開発には次から次へと問題が降りかかるが、その度に応援してくれる人の輪が広がっていくことを感じる宮沢。

「陸王」はアスリートに受け入れられるのか。

【感想】

池井戸さんらしい作品です。
そんなに邪魔する?
えっ、都合よく出会う?
と思いながらも
「情熱を持って物作りをすると邪魔する側も支援する側も引き寄せられるんだな」
と、勝手に納得しました。
飯村は泉谷しげるさんかな?
って思ってたらドラマでは寺尾聡さんだったんですね。

集英社
592頁

【こんな人におススメ】

夢をあきらめきれずにいてる人
日々の仕事で疲れている人

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MAZE  恩田陸

【登場人物】

神原恵弥…ウイルスハンター、男だが何故か女言葉を使う
時枝満…恵弥の幼馴染、恵弥に誘われて今回の調査に参加
スコット…恵弥の同僚
セリム…謎の直方体の建物が建つ国のエリート

【あらすじ】

イラクとの国境近いアジアの西の果て
満は恵弥に誘われ
「一度中に入ると戻れない人間が多くいる」
という伝説がある白い直方体の建物の調査に行く。

恵弥以外にもスコット、この国の若者セリムがチームに参加し4人での一週間が始まる。
満以外の3人は作業を、満は恵弥から渡されたレポートを読み込み、
人が消える謎について仮説を考える。
満がある仮説を立てた。
しかし直後にセリムが消える。
満の仮説は正しいのか?
セリムは生きているのか?

【感想】

うーん、満の存在って…??
謎が解き明かされるにつれ、
満がなぜ同行する必要があったのか
わからなかったなぁ。
言うほどミステリーでもないし
ファンタジーでも無く…。
消化不良の感がありますが、友人によると
この話はシリーズ化されていて
次の作品から面白くなるらしいので
次作「クレオパトラの夢」に期待します。

恵弥は何故か私の中では男だけど天海祐希さんだった(笑)

双葉文庫
264頁

【こんな人におススメ】

ミステリー好き
不思議系の小説が好きな人

 

 

ちゃんちゃら 朝井まかて

「人に手を出したのは久しぶりだ」

【主な登場人物】

ちゃら…植木職人、植辰で剪定の修行中
辰蔵… 植辰の親方
お百合…辰蔵の娘
福助… 備前の武家の出の庭師、辰蔵と修行仲間
玄林… 石組に優れる石垣師、穴太衆の末裔
白楊… 嵯峨流正法家元、辰蔵を目の敵にする

【あらすじ】

ちゃらは天涯孤独の身
幼少の頃に養家を転々としていたが、辰蔵と出会い剪定を習う中で「庭つくり」の魅力を知り修行中。
植辰の仕事も安定し毎晩、福助や玄林達との夕飯時が楽しいひと時。
ところが京から嵯峨流を名乗る白楊がやってきて、辰蔵の贔屓客を次々と門下にしていく。
植辰の庭は枯れていくと風評も流れ、辰蔵は追い込まれる。
白楊はちゃらの選定の腕を見込み嵯峨流に来れば名を馳せることができると執拗に誘うが、一蹴するちゃら。
「ならば、そなたは大事な物を失うことになろうの」
不吉な言葉を残して去る白楊。
次々と植辰に災いがふりかかるのを見て自分のせいだと思い込むちゃら。
ちゃらはある決断をする。

【感想】


序盤から中盤にかけて人物関係やちゃらの成長を丁寧に書いていたのに対し、後半があっけなく感じてしまいました。
玄林の行動もいつの間に??って感じだったので、ちょっと消化不良でした。

講談社文庫
本文 371頁
解説 小梛治宣(おなぎはるのぶ)

【こんな人におススメ】

時代小説が好き
青春物が好き

天上の葦 太田愛

10月10日土曜日の正午
渋谷のスクランブル交差点で老人が
何もない空を指して絶命する。
鑓水の探偵事務所に
「老人が指していたものは何か?」
との依頼が服部を通じて磯部から舞い込む。
謝礼は1000万円
因縁のある磯部からの依頼とあり修司は断るように勧めるが
鑓水は依頼を受けなければならない事情があった。

一方、刑事の相馬は停職中。
そんな相馬の元に警視庁公安部課長代理の前島から
同じ公安部の刑事で失踪した山並を見つけるようにと
極秘の任務を受ける。

全く関係のない2つの出来事が繋がっていたと知り
鑓水、修司、相馬の3人は瀬戸内海にある曳舟島に向かう。
そこで得た真実は、遠く70年以上前に起きた太平洋戦争にまで
遡るのだった。

 

毎回、太田さんの小説には社会問題が提起されている。
今回は「報道の自由はあるのか?」
シリーズ前作の「犯罪者」「幻夏」とも事件の解決に欠かせない
ツールとして「メディア」が登場していた。
今回はその「メディア」そのものが事件のカギとなる。

太平洋戦争時では報道がコントロールされた。
戦況を正しく伝えず、人々は逃げることは許されず
焼夷弾が落ちても消火活動をすることを求められた。
そのために各都市での大空襲では多くの命が奪われる。
疎開さえしていれば多くの特に子ども達の命を奪われずに済んだ。
当時の大本営報道に携わった老人は言う。
「火は小さいうちに消さなければ」

今回この小説を読んで2つの事を思った。

1つは、何故この題材なのか。
今、まさに「小さい火」なのだという
著者のメッセージなのではないかと受け取った。
新聞やテレビが報じる内容は本当に真実なのか?
東日本大震災時における原発事故や
沖縄で起こっているオスプレイの事故など
本当に真実が全て報道されているのだろうか?
メディアコントロールの恐ろしさを知ったうえで
真実を見極める目が今、求められているのだと感じた。

もう一つは、戦時中の私の祖母の行動。
当時は隣組でお互いを監視するような状態だった。
祖母は当時神戸で暮らしていて回覧板には
「爆撃があっても家を守り逃げません」という署名が
回ってきて署名したらしい。
神戸も空襲にあい「このままだと死んでしまう」と
思った祖母は幼い母の手を引いて逃げたそうだ。
もちろん家は丸焼け、そのまま残っていたら死んでいたと。
祖母が母と逃げてくれたおかげで今の私が存在する。

次の作品が楽しみだ