白い犬とワルツを テリー・ケイ



今回は私のラジオ番組「ホンスキー倶楽部」で紹介した本です。
テーマは「あなたの号泣本」

インターネットラジオゆめのたね放送局
関西チャンネル
毎週日曜午前11時~11時

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かおる文庫のおすすめブックコーナー

北海道在住、ブックコーディネーターのかーるさんが
おススメする本を紹介します。

白い犬とワルツを
テリー・ケイ
新潮社

◎あらすじ
長年つれそった妻に先立たれたサム。
独り暮らしを始めたとき、どこからかやってきた白い犬。
サム以外の目に見えない犬は彼の暮らしに寄り添っていく。
実直な老人の晩年と愛の形を描く美しい小説。


◎みどころ
物語は主人公サムの妻が亡くなるところから始まります。
愛する人をなくす悲しみにくれながらも、子どもたちが父を心配してくれるさまに感謝を覚えるサム。

それでもできる限り自分の力でやっていこうと決めてぎこちない一人暮らしを始めます。
そしてどこからか現れた白い犬がいつのまにか加わり、一人と一匹は淡々と寄り添います。

足腰を痛めて歩行器なしでは歩けないサム。
子どもたちや知人は、そこに不安を感じますが、本人は今できることに淡々とチャレンジしていきます。

歩行器に寄りかかる白い犬とダンスを踊るさまは、年齢や体の限界に縛られる固定概念を壊してくれます。
年取ることや連れ合いを失くすことの寂しさと、人生で作り上げたもの、今あるものへの感謝を感じさせる名作です。

何よりも素晴らしいのは、サムが亡き妻を愛し、子どもや孫たち、周りの人々に愛されていることです。
いつかくる老後、愛に満たされて良かったと思える人生を過ごしたいですね。

2001年のミリオンセラー作品。
東映で映画化
出演: 仲代達矢, 若村麻由美, 南果歩, 藤村志保



著者 テリー・ケイ 81歳
1938年、米国ジョージア州生れ。ウエスト・ジョージア大学からラグレインジュ大学卒。
地元の雑誌に映画や演劇の批評を寄稿したりしたあと、処女作『明りがついた年』を発表し、『白い犬とワルツを』で全米に知られる作家となった。
エモリー大学で創作の指導も行う。現在ジョージア州アセンズに愛妻と住んでいる。

カシコギ  チョ・チャンイン

今回は私のラジオ番組「ホンスキー倶楽部」で紹介した本です。
テーマは「あなたの号泣本」

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ラジオネーム 冷麺マン4世

チョ・チャンイン「カシコギ」

① この本のオススメどころ

変わった習性を持った、カシコギという魚がいます。
母カシコギは子どもを産むと家族を去り、残った、父カシコギが、食べず眠らずで外敵から子どもを守ります。
やがて子どもが成長すると、父は岩に頭を打ち付け死んでしまうのだそうです。

本書は、それを人間の家族に当てはめた小説です。
作中に出てくる言葉は、折に触れ思い出しては、自分を戒めています。
「あなたが虚しく過ごした今日は
昨日、死んでいったものたちが
あんなにも生きたいと願った明日」

② この本との出会い

大学時代に、「文章演習」の恩師が、この作者の二作目(灯台守)を翻訳した際に、紹介してくださったのが、出会いのきっかけです。

まず、一読して、涙が止まらないどころか、嗚咽からの号泣コース。
告白すれば、映画でも小説でも泣いたことがなかったので、せっかくの涙が勿体ないと思い、もう一度、ラスト付近を読み直し、もう一度、号泣しちゃいました。
ちなみに、再読でも、やはり泣けました。きちんと、泣いたのは、この、1冊だけです。

③ 直近の号泣した出来事

そんなわけで直近というには、あまりに昔の20年前で、「カシコギ」を読んだとき、となりますかね(笑)
普段、泣くことがないので?!
あ。夫婦喧嘩のあとの、仲直りかな。なんちゃって?
号泣する準備ができたら、ハンカチとカシコギを手に、ぜひお試し下さい。

【あらすじ】
白血病で入院中の息子、タウムを必死で看病する詩人のチョン。
彼は幼い時、母親は出奔、その後父親から心中を持ちかけられるという悲惨な過去をもつ。

それだけに家庭と息子への思いは強かったが、妻は現実に目覚め、自らの望みをかなえるために大学の恩師のもとに走り、フランスに発ってしまう。

世間とうまく折り合えず、不況で仕事も失い、それでもひとり、息子のために必死に尽くすチョン。
終わりのない過酷な闘病のなかで、タウムは言う。

「パパ、あとどのくらい苦しめば死ねるの。こんなに苦しんだんだから、もう死んでもいいじゃない」

だが、奇跡的にタウムに適合する骨髄ドナーが見つかった。
絶望に沈む父と子に一筋の光が差す。しかし……


著者 チョ・チャンイン
韓国の中央大学及び同大学院で文学を専攻。
雑誌社、新聞社の記者として勤務した後、作家に転身。
2000年父と息子の愛情をテーマとした「カシコギ」を発表。
200万部のベストセラーとなり、テレビドラマ化され、劇場でもロングラン上演を果たすなど“カシコギ・シンドローム”を巻き起こした。
2011年同作は日本で「グッドライフ」としてテレビドラマ化される。

美食の報酬 ウィリアム・リンク/リチャード・レビンソン

今回は私のラジオ番組「ホンスキー倶楽部」で紹介した本です。
テーマは「おススメの美味しい本」

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ラジオネーム 京都のよっしー

① この本のオススメどころ
往年の海外ミステリードラマ「刑事コロンボ」の一エピソードのノベライズ版です。
自らのレストランを持つ著名なイタリア人シェフのビットリオが、同様に著名な料理・レストラン評論家ポールによって毒殺された事件の謎をコロンボが解くのですが、まあ全編の半分以上は、誰かが何かを食べてるシーンのオンパレードで、いつ読んでもうまそうです。

物語の冒頭から犯人と被害者が会食していますし、事件直後に臨場したコロンボは、さっそく店のシェフに作ってもらったスープを口にする始末。
物語のクライマックスは、コロンボと犯人が事件現場である被害者のレストランで料理対決をするという徹底ぶりです。

被害者の友人である様々なレストランのシェフたちを、コロンボが訪ねて事情聴取する際も、いく先々のシェフたちが応援の意味を込めていろんな料理をコロンボにご馳走するのです。
このエピソード、幸か不幸かドラマ版は未見なのですが、見れば間違いなく未曾有の「飯テロ」になること間違いなしです。

もちろん料理だけでなく、コロンボの名推理によって犯人が追い詰められ観念する様は、痛快ですしね。

いま、どれだけの方が刑事コロンボをご存知かはわかりませんが、コロンボといえば「倒叙(とうじょ)もの(物語の冒頭もしくは早い段階で、犯人が事件を起こす様が明かされ、探偵役がいかにして犯人を追い詰めるかを楽しむミステリーの一形式、すみません、ホンスキーには釈迦に説法でしたね!)」の名作で、三谷幸喜さんの「古畑任三郎」や大倉崇裕さんの「福家警部補」シリーズは間違いなくコロンボへのオマージュです。

そんなわけですから、先ほど僕があっさりと犯人を言っちゃったのも、ネタバレにはならないというわけです。
ドラマでコロンボを演じたピーター・フォーク、吹き替えの声をアテられていた小池朝雄さんともに故人となり、新作を見ることはかなわなくなりましたが、既存のエピソードでも見ていないものの方が多いので、いつかゆっくり全話を見てみたいです。

② この本との出会い
小学校卒業直後の春休み、信州に春スキーに連れて行ってもらったんですが、スキー中に転倒して右足を複雑骨折してしまい、1ヶ月ほどの入院生活を送りました。
その入院中に親戚の叔父さんが、お見舞いとして持ってきてくれたのがこの本でした。
「歌声の消えた海」と2話がセットになったノヴェルズだったかと思います。

それまでは、ドラマを数話見たことがあるだけでしたが、ノベライズもドラマに劣らず面白く、入院で時間が有り余っていたこともあって、一気に読んでしまったことを覚えています。
このノベライズ版は二見書房から出ていたのですが、同じシリーズの本を続けて何冊か買ってもらって読みましたね。

③ 食べ物に関する思い出
子供のころ、母がよくおにぎりを作ってくれました。
小さな俵形で、具は何も入っていない塩だけのおにぎりに、味付け海苔(関西では味付け海苔が普通ですよね!?)を巻いたものが、時々は朝食に出ましたし、そして遠足や運動会のお弁当には必ず入ってました。

また、家は田舎の農家だったので、稲の刈り入れ時には家族全員で一日中、田んぼに出るのですが、そのお昼ご飯もおにぎりでした。
そんな時はたくあんか梅干し付き!
冷めて、海苔がぴったりご飯に張り付いていても美味しかったし、むしろおにぎりは冷めている方が好きかも。

あっ、でもコンビニのおにぎりを食べた時はパリパリの「焼き海苔」だったのでビックリしたことも覚えてます。
最近は、おにぎりと言えばそのコンビニおにぎりばかりですが、今のマイブームは塩鯖のおにぎりです。外せない定番はやはり梅干しかな。


卵をめぐる祖父の戦争 デイヴィッド・ベニオフ



今回は私のラジオ番組「ホンスキー倶楽部」で紹介した本です。
テーマは「上半期に読んだ、私のおススメ本」

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テーマ「上半期おススメの1冊」

ラジオネーム シマリス

デイヴィッド・ベニオフ「卵をめぐる祖父の戦争」

ハヤカワ文庫

469ページ
2011年12月5日第1刷発行
本体価格
電子書籍あり

① この本のおすすめどころ
「ナイフの使い手だった私の祖父は十八歳になるまえにドイツ人をふたり殺している」という1行目に、最初から魅了されまして、読めば読むほど引き込まれ、気がついたら笑ったりハラハラしたりジーンときたり呆れたり。。。
文庫で500ページ近くある長編なんですが、もうひたすら主人公の(腕力も体力もなく、容姿に自信もなく、恋の経験もない)若者と、ひょんなことから出会った脱走兵(文学と下ネタが好きな、碧眼金髪の美青年)が、どうやってナチス包囲化のレニングラードを生き延びていくか、目が離せなくなって一気読みしてしまいました。
読みどころは、この二人のやり取り。
おもしろくて深い、最高の青春小説です。

② この本との出会い
福岡か熊本か、どこかの翻訳ミステリ読書会の課題本になっていたんです。
日程の都合がつかず参加できないとわかっていながらも、課題本はいつか読みたいと思って買ってました。
仕事で疲れて、気分転換にと開いてみたのが読み始めたキッカケです。

③ 今年一番のできごと
悲しいかな、とりたてて言うことは(まだ)起きてないです。(笑)
しいてあげれば、体組成年齢(たいそせい)がちょっぴり若返ったこと。

週1回の卓球で汗をかいているお陰ですね。

映画.comより引用

【あらすじ】
作家のデイヴィッドは、祖父のレフが戦時下に体験した冒険を取材していた。
ときは一九四二年、十七歳の祖父はナチス包囲下のレニングラードに暮らしていた。
軍の大佐の娘の結婚式のために卵の調達を命令された彼は、饒舌な青年兵コーリャを相棒に探索に従事することに。
だが、この飢餓の最中、一体どこに卵なんて?――戦争の愚かさと、逆境に抗ってたくましく生きる若者たちの友情と冒険を描く、歴史エンターテインメントの傑作

著者 デイヴィッド・ベニオフ
1970年、ニューヨーク生まれ。
作家、脚本家。
ダートマス大学を卒業後、アイルランドに留学して、ダブリン大学の大学院でイギリス文学、アイルランド文学を専攻。
邦訳に『25時』『99999(ナインズ)』がある。
映画の脚本家としても著名で、自作『25時』の映画版やブラッド・ピット主演「トロイ」を手がけた 


木星買います   アイザック・アシモフ

今回は私のラジオ番組「ホンスキー倶楽部」で紹介した本です。
テーマは「雨」

インターネットラジオゆめのたね放送局
関西チャンネル
毎週日曜午前11時~11時半
「ホンスキー倶楽部」

試聴はこちらから(紹介した本の放送日です)
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アイザック・アシモフ「木星買います」に収録「雨、雨、向こうへ行け」ハヤカワ文庫
ラジオネーム 京都のよっしー

① この本のオススメどころ
隣家に引っ越してきた家族は、人づきあいが悪く、そしてなぜか雨を極度に怖れて閉じこもりがちな奇妙な人々だった。

少しでもお近づきになりたい主人公の家族は、互いの子供をダシに、なんとか彼らをピクニックに誘い出すが、そのピクニックの最中にも携帯しているアネロイド気圧計の針を気にしながら、しょっちゅう空を見上げてはソワソワと落ち着かない隣家の家族たち。

運悪く今にも雨が降りそうな空模様になってきたため、恐慌状態で逃げるように家路につき、家の前で挨拶もそこそこに車から飛び出して玄関へと走り出す彼ら。
そこにとうとう雨が降り出して…

ショートショートなので、ここまで話すとあとはオチだけなんですが、手軽に読めるボリュームと「あーーーーっ」となる、おかしみと憐れみと悲しみがないまぜになったようなオチがオススメどころです。
個人的には、「世にも奇妙な物語」の一編として映像化してほしいくらいです。

注:私ごとですが、今住んでいる家が狭いことと、読み終えた本でも売ったり人にあげたりせずに持っておきたい派であることから、ほとんどの蔵書は田舎の実家の本棚に置いており、現在すぐ手元にはありません。
なので、前述のストーリーも記憶をたどって書き連ねており、一部不正確かもしれませんがご容赦ください。

あと、ネットでレビューを読んでると、この話を含む短編集の評判、あまりよくなかったのが、ちとショックでした。

② この本との出会い
「わたしはロボット」をはじめとする一連のロボットSFが好きで、アシモフの作品は何冊か買って読みましたが、そのうちの一冊である「木星買います」という短編集(ショートショート集)に収録されている一編でした。

③ 雨の思い出
ズバリ、初めて付き合った彼女との相合傘です。

付き合い出してすぐくらいのデートの帰り道、どしゃ降りではないけれど小雨と言えるほどでもない雨が降り出して、最初は僕が差した傘の下で、彼女が左、僕が右側で肩を並べて歩いてました。

その時、傘を持ってたのは僕の左手です。わかりますか?
つまり、あたかも、いとはんに傘を差し掛ける丁稚どんの姿です。
ハッキリ言ってよそよそしい。

ここから彼女の肩に手を回したかったら、
①右手に傘を持ち替えて、
②左手をフリーにする、
③フリーになった左手を彼女の肩にまわす、
の3ステップが必要なんですが、この一連のステップをどうやったら「さりげなく」できるか、僕の灰色の脳細胞が目まぐるしく回転し始めました。

とはいえ、どう思い悩んだところで、やったこともないことを「さりげなく」「スマート」にこなすことができるわけもなく、結局は「えいやっ!」の思い切りだけで、かなりぎごちなかっと思いますが、彼女の肩に手を回すことに成功。
それからはずっとそのままの体勢で歩きました(肩に手を回したら回したで、今度は離すタイミングがわからんかった笑)。

著者 アイザック・アシモフ
1920.1.2 – 1992.4.6
米国のSF作家,生化学者。
ロシアのスモレンスクに近いペトロビッチ生まれ。
コロンビア大学[’39年]卒。
別名フレンチ ポール。
1923年渡米し、’28年帰化。
ボストン大学で生化学者として核酸の研究に専念する。
また、「ロボット工学の三原則」を提唱し、ロボット・テーマのSF小説を書く。
世界SF大会でヒューゴー賞受賞。
「アイザック・アシモフズ SFマガジン」を創刊して、精力的な活動を続ける。


「ロボット三原則」
第一法則:ロボットは人間に危害を加えてはならない.またその危険を見過ごすことによって,人間に危害を及ぼしてはならない.

第二法則:ロボットは人間に与えられた命令に服従しなくてはならない.ただし,与えられた命令が第一法則に反する場合はこの限りではない.

第三法則:ロボットは前掲の第一法則,第二法則に反するおそれのない限り,自己を守らなければならない.

この三法則(三原則)は,1950年にアシモフが執筆した『われはロボット』の扉に記されている.後にアシモフは,この三法則に先立つものとして第零法則を提示した.すなわち下記のようなものである.

第零法則:ロボットは人類に危害を加えてはならない.またその危険を看過することによって,人間に危害を及ぼしてはならない.

その結果として,第一法則は下記のように変更を受けた.
新しい第一法則:ロボットは人間に危害を加えてはならない.またその危険を看過することによって,人間に危害を及ぼしてはならない.ただし,第零法則に反する場合はこの限りではない。
(コトバンクより引用)