檸檬 梶井基次郎

「その奇妙なたくらみはむしろ私をぎょっとさせた」

梶井基次郎の代表作品と知られる「檸檬」
今回は青空文庫で読みました。

「青空文庫」…青空文庫は、著作権が消滅した作品や著者が許諾した作品のテキストを公開しているインターネット上の電子図書館である(ウィキペディアより引用)

【あらすじ】
主人公の「私」は京都に住む学生。
友人の下宿を転々として暮らしている。
裏通りを歩いている時に一軒の果物屋で檸檬を見つける。
気持ちが欝々としている時に檸檬を持つだけで
身体中が元気になっていく。

私はある時、京都の丸善により画本を城壁の様に積み上げ
そしてそっと檸檬を置いてみたのだった。

【感想】
主人公の私は梶井基次郎氏本人だと思うので
小説というよりはエッセイの様です。
青年期の欝々とした気分の時に檸檬を持つことで
気持ちが元気になっていく。
そんな一コマを丁寧に描いています。

3年ほど前に京都の丸善に行った時のことを思い出しました。
そこには梶井基次郎の「檸檬」の本が積み重なっていて、
その上に檸檬が置いてありました。

その時は「檸檬」を読んでいなかったので
なんでレモンを置いているんだろう???
と思っていたのですが、今回読んで納得しました。

本がなかなか読めない。
文豪が書いた文章を短時間で読んでみたい。
「青空文庫」は電子書籍ですが、
そんな方にピッタリです。

紙の本では「檸檬」をはじめいくつもの小説が一緒に載っていますが
青空文庫は「檸檬」だけで読み切ることができます。

「檸檬」は朗読をしてYouTubeにアップしています。
20分程度なので興味にある方は聞いてみてください。

YouTube はこちらから 
 ↓  ↓  ↓
入眠リラクゼーション朗読「檸檬」


著者 梶井基次郎
(1901-1932)大阪生れ。
少年時代は三重、東京などに転居を繰り返す。
1919年、エンジニアを目指して三高理科に入学するが次第に文学に惹かれ、1924年、東京帝大英文科に入学。
同人誌「青空」で積極的に活動するが、少年時代からの肺結核が悪化し卒業は叶わなかった。
療養のため訪れた伊豆の湯ケ島温泉で川端康成、広津和郎に親近し創作を続けた。
しかし病は次第に重くなり、初めての創作集『檸檬』刊行の翌年、郷里大阪にて逝去。
享年31。

ロジカルに伝える技術 大庭コテイさち子

「結論を先に理由を後に言う」

ロジカル(=論理的)に発言をしたい、文章を書きたい。
と、思っています。
文章は見直すことができますが、話となると
瞬時の判断が必要になり、また感情も入ってきます。

私は感情がすぐに言葉のはしばしに出てしまい
何度も失敗をしてきました。
伝わる話しかたができればいいなと思って読んだ本です。

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料理が苦痛だ 本多理恵子

「手料理だけが家族の健康を担うと思わなくて良い」

私は休日が怖い…。
朝から晩まで「今日のご飯は何にしよう??」
と、一日考えているからです。

特に晩御飯は、おかずは2品、汁ものとご飯。
昨日はメインが魚だったから今日は肉か…。
メニューがすぐに決まるときは良いのですが
なかなか決まらないときは、もうそれだけで憂鬱。

平日も仕事をしながら3時くらいから
「今日の晩御飯は…」と考えています。
そんな時には目にした一冊がこの本です。
題名の「料理が苦痛だ」に惹かれました。

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レイクサイド 東野圭吾

「車はすべて別荘の方を向いて止まっていた」

湖畔の別荘に中学受験を目指す、4人の子どもとその家族が
自主的に合宿を行っていた。
並木家、藤間家、坂崎家、関谷家、塾の講師の津久見。
同じ学校を目指し同じ塾の4家族は「中学受験」という絆で結ばれていた。
並木俊介以外は…。


 

 

 

 

別荘に俊介の会社の映里子が忘れものだと届けに来る。
別荘に興味を示した映里子はそのまま夕食も一緒に過ごす。
俊介は映里子の愛人、妻の美菜子の浮気を疑う俊介は映里子に
美菜子の身辺を調査させていた。
約束の時間に映里子が宿泊するホテルのラウンジに行くが
映里子は現れなかった。

俊介が別荘に戻ると空気が一変していた。
映里子が殺されていた。
妻の美菜子が自分が殺したと自白し、俊介が警察を呼ぼうとすると
藤間に止められる。
美菜子をかばい、事件を隠蔽しようとする。

俊介はなぜ、ここまでして皆が美菜子を庇うのか理解できなかった。
何か違うつながりがあるのか?
この隠蔽は上手くいくのか??



 

 

 

 

 

警察や探偵が全く登場しないミステリーです。
俊介の立場で話は進んでいきます。
中学受験の裏側は「まさか…」と思いながらも
無きにしも非ずか…と思いました。

話の流れで自分は浮気をしてるのに、妻の浮気は許せないのか
と、俊介の行動にはツッコミたくなりました(笑)

文春文庫
278ページ
解説 千街晶之(ミステリ評論家)

著者 東野圭吾
1958年、大阪生まれ
大阪府立大学電気工学科卒業
1985年「放課後」で第31回江戸川乱歩賞受賞
1999年「秘密」で第52回日本推理作家協会賞受賞
2006年「容疑者Xの献身」で第134回直木賞受賞

著書
「さまよう刃」
「白夜行」
「トキオ」など多数

最後まで読んで頂きありがとうございます。

当ブログの記事があなたの読書のお役に立てれば幸いです。
また読みに来ていただけると嬉しいです。

グッドレビュアー

プロフェッショナルな読者

Run ! Run ! Run! 桂望実

「もがくのは格好悪いことじゃない。立ち止まって、戻ったって構わない」

岡崎優は母と父と兄の4人家族。
父は会社を経営し母は専業主婦。
医大生の兄、翼と青山のマンションに住み
何不自由ない生活を送っている。

優は小学生の頃から走ると常に一位でゴールしてきた。
大学生の時に箱根駅伝で華の二区を走るが完走できなかった父と小学生の時から夜に2時間のトレーニングを行っている。
優が箱根駅伝を走る事が父の夢となっているのだ。

 

 

 

 

 

新設校で最先端のスポーツ科学を導入しているS大にスポーツ推薦で入学し陸上部に入った優は先輩や同級生とも全く交流を持たず一人トレーニングをする。

「陸上は個人競技だから仲間は要らない」が優の主張
「走っていて辛くなった時に仲間の声が励みになる」と言われても、その事が理解できないのだ。

周りから嫌がらせをされても意に介さないのは箱根駅伝は途中通過であり、オリンピックでマラソンに出場し金メダルを取ることが優の目標だった。
そんな中でも、同級生の岩本だけは優に憧れていつも優を庇い何かと世話を焼くのだった。

ある日、兄の翼が事故で亡くなる。
翼を溺愛していた母は少しずつ心が壊れていき翼と優の出生の秘密を漏らしてしまう。
翼と優は父と母がそれぞれ自分の望み通りの子どもを産むために体外受精をし遺伝子操作まで行なっていたのだ。

母は頭もルックスも良い男の子。
父は長距離が得意な男の子を望んだのであった。
そのことを知った優は…。

ちょっと変わった箱根駅伝小説です。
超俺様で生意気な優が少しずつ「仲間」や「友情」を知っていくサクセスストーリーか?
と、思いきや遺伝子操作⁉︎
子どもは親の道具では無いよ〜
と、あらためて思った小説です。

走るのが苦手な私はテレビでの観戦や小説を読む事で納得してしまいますが、体力を維持するためにまずは散歩の時間を作ろうかな。
いや、それより主人公の優の様に起きたら脈拍を測るのが先かも(笑)

 

 

 

 

 

 

 

【目次】

プロローグ
第一章
第二章
第三章
エピローグ

文藝春秋
300頁

著者 桂望実
1965年東京都生まれ
大妻女子大学卒業
会社員、フリーターを経て
2003年「死日記」でエクスナレッジ社
「作家への道 !」優秀賞を受賞しデビュー。

著書
「県庁星」
「ボーイズ・ビー」
「総選挙ホテル」など多数

桂望実オフィシャルホームページ

ルビンの壺が割れた 宿野かほる

「思えば、私の人生はすべてがその時からおかしくなったのです」

水谷一馬は結婚式当日に花嫁が現れなかった過去がある。
30年を経てFacebookでかつての花嫁、未帆子を見つけ
メッセンジャーでメッセージを送る。
2年で3通のメッセージを送っても未帆子からの返信は無かった。
ある日、未帆子からのメッセージが届き
二人のやりとりが始まる。


 

 

 

 

水谷は両親が事故で亡くなり叔父に引き取られたことや
大学の演劇部で未帆子と知り合った頃からのことを
綴っていく。
未帆子も当時を懐かしく振り返り、二人の交流は続く。
2人が知り合った当時、水谷には婚約者がいた。
引き取ってくれた叔父の娘、優子だ。
メッセージのやりとりは二人のお互いの知らない事にも
触れることになっていく。
何故、未帆子は結婚式当日現れなかったのか。
そこには衝撃の事実が…。


話はメッセージのやりとりのみで構成されています。
それは湊かなえさんの往復書簡の様です。
読み進めるうちに水谷、未帆子のそれぞれの過去が
鮮明になっていきます。
読んでいるうちに不快感がこみあげてきました。
最後の頁の一行は強烈で読み終わった後
呆然としました。

何故、水谷は未帆子にメッセージを送ろうとしたのだろう?
人生の方向を変えさせられた復讐だったのだろうか…。
そもそもFacebookを始めた理由は
未帆子を探すためだったのではないだろうか、
と思うと怖くなってきました。
この本を読んで「やっぱりFacebookってこわいわ」
と思う人が少なからずいるのではないかと思いました。

私もFacebookを利用していますが
本好きの友達がたくさんできました。
ネット上の友達だったのが、オフ会に参加して
リアルにも友達にもなり、北海道から九州まで
旅行を兼ねて友達に会いに行くようになりました。
本好きのグループに所属し、他の人たちの書評を読むことで
今まで興味を持たなかった種類の本…
恋愛小説やラノベ、時代小説も読むようになりました。
私の読書の幅を広げ、こうやってブログに書評を綴る様に
なったのもFacebookを通じて本の友達ができたからです。

とはいえ、主人公の様に過去の友人を見つけたことはないので
同じ様に急にメッセージがやってきたら…。
今はプロフィール写真も顔出しして名前も本名を漢字で
公表していますが、アカウントを変えるかもしれません。
そんなことを考えさせられた1冊でした。

 

 

 

 

新潮社
156頁

著者 宿野かほる
覆面作家

著書
「はるか」