Run ! Run ! Run! 桂望実

「もがくのは格好悪いことじゃない。立ち止まって、戻ったって構わない」

岡崎優は母と父と兄の4人家族。
父は会社を経営し母は専業主婦。
医大生の兄、翼と青山のマンションに住み
何不自由ない生活を送っている。

優は小学生の頃から走ると常に一位でゴールしてきた。
大学生の時に箱根駅伝で華の二区を走るが完走できなかった父と小学生の時から夜に2時間のトレーニングを行っている。
優が箱根駅伝を走る事が父の夢となっているのだ。

 

 

 

 

 

新設校で最先端のスポーツ科学を導入しているS大にスポーツ推薦で入学し陸上部に入った優は先輩や同級生とも全く交流を持たず一人トレーニングをする。

「陸上は個人競技だから仲間は要らない」が優の主張
「走っていて辛くなった時に仲間の声が励みになる」と言われても、その事が理解できないのだ。

周りから嫌がらせをされても意に介さないのは箱根駅伝は途中通過であり、オリンピックでマラソンに出場し金メダルを取ることが優の目標だった。
そんな中でも、同級生の岩本だけは優に憧れていつも優を庇い何かと世話を焼くのだった。

ある日、兄の翼が事故で亡くなる。
翼を溺愛していた母は少しずつ心が壊れていき翼と優の出生の秘密を漏らしてしまう。
翼と優は父と母がそれぞれ自分の望み通りの子どもを産むために体外受精をし遺伝子操作まで行なっていたのだ。

母は頭もルックスも良い男の子。
父は長距離が得意な男の子を望んだのであった。
そのことを知った優は…。

ちょっと変わった箱根駅伝小説です。
超俺様で生意気な優が少しずつ「仲間」や「友情」を知っていくサクセスストーリーか?
と、思いきや遺伝子操作⁉︎
子どもは親の道具では無いよ〜
と、あらためて思った小説です。

走るのが苦手な私はテレビでの観戦や小説を読む事で納得してしまいますが、体力を維持するためにまずは散歩の時間を作ろうかな。
いや、それより主人公の優の様に起きたら脈拍を測るのが先かも(笑)

 

 

 

 

 

 

 

【目次】

プロローグ
第一章
第二章
第三章
エピローグ

文藝春秋
300頁

著者 桂望実
1965年東京都生まれ
大妻女子大学卒業
会社員、フリーターを経て
2003年「死日記」でエクスナレッジ社
「作家への道 !」優秀賞を受賞しデビュー。

著書
「県庁星」
「ボーイズ・ビー」
「総選挙ホテル」など多数

桂望実オフィシャルホームページ

ルビンの壺が割れた 宿野かほる

「思えば、私の人生はすべてがその時からおかしくなったのです」

水谷一馬は結婚式当日に花嫁が現れなかった過去がある。
30年を経てFacebookでかつての花嫁、未帆子を見つけ
メッセンジャーでメッセージを送る。
2年で3通のメッセージを送っても未帆子からの返信は無かった。
ある日、未帆子からのメッセージが届き
二人のやりとりが始まる。


 

 

 

 

水谷は両親が事故で亡くなり叔父に引き取られたことや
大学の演劇部で未帆子と知り合った頃からのことを
綴っていく。
未帆子も当時を懐かしく振り返り、二人の交流は続く。
2人が知り合った当時、水谷には婚約者がいた。
引き取ってくれた叔父の娘、優子だ。
メッセージのやりとりは二人のお互いの知らない事にも
触れることになっていく。
何故、未帆子は結婚式当日現れなかったのか。
そこには衝撃の事実が…。


話はメッセージのやりとりのみで構成されています。
それは湊かなえさんの往復書簡の様です。
読み進めるうちに水谷、未帆子のそれぞれの過去が
鮮明になっていきます。
読んでいるうちに不快感がこみあげてきました。
最後の頁の一行は強烈で読み終わった後
呆然としました。

何故、水谷は未帆子にメッセージを送ろうとしたのだろう?
人生の方向を変えさせられた復讐だったのだろうか…。
そもそもFacebookを始めた理由は
未帆子を探すためだったのではないだろうか、
と思うと怖くなってきました。
この本を読んで「やっぱりFacebookってこわいわ」
と思う人が少なからずいるのではないかと思いました。

私もFacebookを利用していますが
本好きの友達がたくさんできました。
ネット上の友達だったのが、オフ会に参加して
リアルにも友達にもなり、北海道から九州まで
旅行を兼ねて友達に会いに行くようになりました。
本好きのグループに所属し、他の人たちの書評を読むことで
今まで興味を持たなかった種類の本…
恋愛小説やラノベ、時代小説も読むようになりました。
私の読書の幅を広げ、こうやってブログに書評を綴る様に
なったのもFacebookを通じて本の友達ができたからです。

とはいえ、主人公の様に過去の友人を見つけたことはないので
同じ様に急にメッセージがやってきたら…。
今はプロフィール写真も顔出しして名前も本名を漢字で
公表していますが、アカウントを変えるかもしれません。
そんなことを考えさせられた1冊でした。

 

 

 

 

新潮社
156頁

著者 宿野かほる
覆面作家

著書
「はるか」

LIFE HACKS! ライフハックのつくりかた  小山龍介

「簡単に、単純に考える」

なんとなく過ごしている毎日。
ちょっとした工夫で、仕事や日々の不確実な状況にも
対応ができるようになり、ストレスが減るツール
「ライフハック」を紹介します。

ライフハックってなに?

ライフハックは「経験からくる仮説を元にした
実行可能なシンプルなコツ」です。
例えば…
・遠くの音がよく聞こえたら雨
・夕焼けがきれい日の次の日は晴れ
などです。

私たちも、これまでの経験の中で仕事や生活に使える
自分なりのちょっとしたコツがありますよね。
それがライフハックです。

知らず知らずのうちに使っているものを
今一度自分にはどんなライフハックがあるのか
「自分ハック」を作ると「自分価値」の創造へと
つながっていきます。

「自分ハック」を作るときにのポイントは
効率ではなく効果を求めることです。
今までの経験を元に仮説をたてて実行し
効果があるものを自分ハックにストックしましょう。

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陸王 池井戸潤

【主な登場人物】

宮沢紘一…「こはぜ屋」の社長
富島玄三…「こはぜ屋」経理担当
坂本太郎…「埼玉中央銀行」こはぜ屋担当
有村融…スポーツショップを営む
飯山晴之…「シルクール」社長
村野尊彦…「アトランティス」シューフィッター

【あらすじ】

足袋製造メーカー「こはぜ屋」は100年続く老舗。
社長の宮沢は従来の足袋だけで無く
新たにランニングシューズを開発することにする。
その名も「陸王」
スポーツショップ経営者の有村
銀行担当の坂本らに押され開発チームを作る。
しかし決定的な弱点があった。
ソールがゴムの為重いのだ。
そんなおり、坂本が転勤になる。
転勤先からソールの材質にと持ってきたのが蚕の繭を素材にした「シルクレイ」
特許を持つ飯村を訪ね「陸王」の開発チームに引き込む。
「陸王」の開発には次から次へと問題が降りかかるが、その度に応援してくれる人の輪が広がっていくことを感じる宮沢。

「陸王」はアスリートに受け入れられるのか。

【感想】

池井戸さんらしい作品です。
そんなに邪魔する?
えっ、都合よく出会う?
と思いながらも
「情熱を持って物作りをすると邪魔する側も支援する側も引き寄せられるんだな」
と、勝手に納得しました。
飯村は泉谷しげるさんかな?
って思ってたらドラマでは寺尾聡さんだったんですね。

集英社
592頁

【こんな人におススメ】

夢をあきらめきれずにいてる人
日々の仕事で疲れている人

最後まで読んで頂きありがとうございます。
当ブログの記事があなたの読書のお役に立てれば幸いです。
また読みに来ていただけると嬉しいです。

 

ロスト 呉勝浩

「自分の勘と心中できるようになったら、一人前です」

【主な登場人物】

村瀬梓…コールセンターに勤務、アイドルとして事務所ショーゲキに所属、誘拐される
安住正彦…事務所ショーゲキの社長
真代雄之…県議会議員真代典久の息子
室戸勤…真代典久の秘書
北川留依…ショーゲキの副社長、安住の恋人
下荒地直孝…コールセンター責任者、誘拐犯ピュアイトと直接やり取りをする
ピュアイト…村瀬梓を誘拐した犯人
麻生義治…大阪府警本部捜査一課特殊犯係の主任刑事
三溝…大阪府警捜査一課特殊犯係の刑事、あだ名は軍曹
鍋島道夫…生活安全課の刑事

 

【あらすじ】

テレビ通販のコールセンターに「責任者を出せ」と男から電話がある。
下荒地が変わると「ムラセアズサを預かっている」
誘拐犯は「ピュアイト」と名乗り警察に通報させる。
ピュアイトは一方で梓が所属する芸能事務所「ショーゲキ」の社長安住にも連絡し身代金1億を用意させる。
下荒地とは逆に安住には警察には連絡するなと釘をさす。
1億の身代金は100人の刑事に100万円ずつ分け、ピュアイトが指定する100か所に散らばり写真を撮ってSNSにアップさせる。
遅れたらアズサの耳を切り落とすと脅すことも忘れなかった。
そのために刑事たちにSNSのアカウントを取らせて刑事達に指示を出すのだった。
同時にピュアイトはSNSを使い100万円の場所を拡散する。
SNSを見た人たちは100万円欲しさに指定した場所に集まり操作を攪乱させる。
ピュアイトは身代金を目的に誘拐したのではなかった。
なんのために?
100万円を奪った者を捉えた一人に安住がいた。
その後、梓はバラバラ死体で発見されアリバイの無い安住は容疑者として取り調べを受ける。
一旦解放された安住は刑事の目をくらまし単独で犯人を捜す事に。
一方、三溝と麻生も安住が犯人ではないと刑事ならではの「勘」で独自で捜査を始める。
ピュアイトは誰なのか?
何故、村瀬梓は殺されなければならなかったのか?

【感想】

ひきこまれました。
誘拐犯は所属事務所ではなくコールセンターに脅迫電話をかけてくる。
身代金も100人の刑事に100か所指定して持っていかせる。
設定そのものが突拍子もないうえに、登場人物の一人ひとりの人物の背景を丁寧に書いているので「だから?」「どうなるの?」と、時間を忘れて読みました。
骨太の警察小説です。
最後にピュアイトの犯行の原因となったことも「かもしれない…」感じで書かれているのも読者の創造を掻き立てられます。
他の作品も読んでみたいと思いました。

講談社
468頁


【こんな人におススメ】

ミステリー好き
警察小説好き

「練習ゼロで完走できる非常識フルマラソン完走術」 中村博行

「練習ゼロで完走できる非常識フルマラソン完走術」 中村博行著

この本のどこがうろこでした?

常識で考えたら無理なことだからです。

いつ読みましたか?

去年の3月です。

読んだ後に変化はありましたか?

とりあえずフルマラソンに申し込んだものの、

無理かな~と思っていたのが、この本に書かれていることを読んでいるうちに、

できそうやな~。

と思い、実際にできたこと。

常識を覆す経験をできたことです。

石垣島ウルトラマラソンに参加しただんじろうさん。

スタート 7:00    競技終了 18:00

60kmの部

それまでフルマラソンに登録しても諸事情で参加できず、

練習もさほどすることがないままに当日を迎えたそうです。

そして、見事完走。

一時間で走るペースを決めて、それを崩さずに走り続けたとか。

最初は最後尾だったけど、時間が経つと歩いている人達も出始めて、

少しずつ追い抜かすことに。

著者の中村博行さんは日本テレビのディレクターです。

『24時間テレビ』でマラソンランナー伴走業務につくことになった、

走ることが好きでもなんでもないテレビディレクターが、

100Kmをなんとか完走する経験を10年以上して得てきた、

頭=「理論」と財布=「道具」でフルマラソンを完走する。

まったくもって非常識なマラソン走法の本です。

以下は石垣島ウルトラマラソンのホームページから・・・

第一回石垣島ウルトラマラソン

島はイイ!

「具体的な石垣島ウルトラマラソンの特徴」

コンセプトは、一年の疲れをウルトラで癒す。

3月4月くらいまでが、ランナーのみなさんはフルマラソンのシーズン

レースシーズンを終えて、頑張ってきた脚も気持ちも一度リセット

ランナーなら、レース疲れも走って癒したい。

抜群のロケーションです。わき目もふらず走るのはもったいない。

タイムなんか気にしないで、おしゃべりしながら、写真撮りながら時には、

海で足をつけてみたり、気になるお店でアイスを買い食いしたり

旅するように走りませんか。

「なぜ100キロじゃないの?」

ウルトラマラソンが大好きで走っていた私も、唯一ウルトラがツライことがあり。

それは、5時スタートなど早朝のスタートのために朝が極端に早いこと・・・

2時朝食、3時ホテル出発など、これは朝というより夜中。

もうちょっと寝たいなぁ、が本音でした。

そして、夜の8時9時まで走って、

くたくたになってホテルへ戻ると外に食事にも出れない時間になっている。

「癒すウルトラ」としては、日がな一日走るけれど、

夜中から夜遅くまでかかるような距離にせず、

心地よい疲れで終れる距離に設定しました。

特別、100キロ走り通すトレーニングをしなくても、

フルマラソンの延長で気負わず参加していただけるウルトラマラソンです。

夕暮れが近づく頃には、

シャワーも済ませて芝生の上でビール片手に

島唄のライブ後夜祭まで楽しんでいただけるのが、石垣流。

第2回石垣ウルトラマラソンは2016/5/15ですよ。

Facebookぺーじもあり、第一回の写真を見ていると参加したくなりますよ。

そして、本を紹介してくれた、だんじろうさんも写っていました。