デジタル・タトゥー 河瀬季

ネット上の風評被害対策に強い弁護士

「デジタル・タトゥー」とは…
一旦インターネット上で公開された書き込みや個人情報などが、一度拡散してしまうと、完全に削除するのが不可能であることを、「入れ墨を完全に消すことが不可能」であることに例えた比喩表現 (ウィキペディアより引用)

著者の川瀬弁護士は元々IT企業で働いていて、後に弁護士になっています。
ITの案件が年々増えているのも関わらず、詳しい弁護士はまだまだ少ないことが、この本を読んで分かります。

この本の目的

1.「弁護士の仕事の内容と範囲」を知ってもらう
2.「現代の若い弁護士」の姿を知ってもらう
3.「法律職」というものの面白さをしってもらう

誹謗中傷対策は、ITと法律の組み合わせ

ある人物から紹介されたのは元国会議員の柏田氏。
任務中に秘書が新潟のホテルで変死した。
SNSでは柏田氏が新潟空港で待ち構えていた、柏田氏が雇ったヒットマンに殺されたなどと書き込まれていた。
この事件のために柏田氏は前回の選挙で落選。
事件があった当時柏田氏は新潟に居ないことが証明されている。
それでもこういった書き込みが消えることはない。

柏田氏は自身の公式サイトや公式ブログ、公式ツイッターを持っている。
フルネームで検索すると柏田氏の公式サイトよりも上位に表示されるサイトがある。
【新潟ゼネコン事業の闇と柏田議員秘書変死事件の真相ーGod’s Eye】
「God’s Eye」の管理者を特定する必要がある。
匿名のドメインを使用し、その運営会社はアメリカの業者だった。
柏田氏のお抱え弁護士はこの時点で運営者の特定は不可能であると結論を出した。

川瀬弁護士はアフィリエイト広告業者から当たることにした。
ここで必要なのが「弁護士会照会」という仕組みである。
普通の一般人ならアフィリエイト広告業者に対して「照会」はできない。
弁護士でなおかつ依頼を受けたからこそできることなのである。
数週間後には人物の名前、住所、口座情報が届き、削除申請書を送り記事は削除された。

【感想】
この本には元代議士、モデル、過去に罪を犯した人…それぞれのケースとその対応が小説の形を取って書かれています。
いわれもない誹謗中傷の書き込みに対応できる弁護士が少ないこと、法の力を借りることで迅速に解決できることを読み取ることができます。
私自身も有料ブログを運営しドメインを取得しているので書いてあることがわかりましたが、アメブロの様に無料のブログを活用している人なら、少し解釈するのに難しいのではないかと感じました。

それぞれの話に解決するためにどのような道筋で解決したかが小説とは別に詳細にありますが、ITに詳しくなく読みにくいと感じた人は小説の部分だけでも内容は伝わります。

NHKのドラマにもなっており、興味を持って読むことができる本です。

【目次】
はじめに
第1話 自殺? 変死した政治家秘書と闇サイト
第2話 5年前の痴漢で再就職できない元教員
第3話 ヴィジュアル系ファンの女の闘い
第4話 ブラック企業? 外食経営者の憂鬱
第5話 自業自得? 虚偽投稿で炎上した大学生
第6話 デマに「なりすまし」。モデルの卵の危機
第7話 ランキングで最下位にされたことにもの申す
第8話 増え続ける匿名サイト ! 投資家を狙う闇の正体
あとがき

自由国民社
248ページ
2018年1月12日第1刷発行
本体価格 1300円

著者 河瀬季(かわせとき)
1981年東京生まれ
JAPAN MENSA会員。
元エンジニアの弁護士。
筑波大学駒場中学、高校卒業。東京大学法科大学院を卒業後、司法試験合格。
第二東京弁護士会所属。モノリス法律事務所の代表弁護士。
ITベンチャー等の企業法務から東証一部上場企業まで、約40社の顧問弁護士、執行役員、役員として活動。
10代よりIT関連のフリーランサーとして、ソフトバンククリエイティブ社(当時)をメインクライアントとし、多数のPC関連雑誌への寄稿、書籍執筆を行う

河瀬季 ツイッター

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武田双雲の「書いて」夢をかなえる本 武田双雲

「私の、存在ものものが素晴らしい」

書道家 武田双雲さんのワーク本です。
30のワークがあり、本に書き込めます。
ワークは主に自分自身を知る内容となっています。

正直に書く

ワークの中には「〇〇を10個書く」という形式もありますが、
10個ひねり出せれば良いですが、どうしても書けなければ「書けない」と書きます。
同時に、今どういう気持ちなのか?
何故書けないのか?
それも正直に思ったままに書いてみましょう。
自分の気持ちを吐き出すことでありのままの自分と、一瞬でも向き合うことになります。
それでも書けなかったら…書かなくてもOK。
無理に書くことよりも自分と向き合うことが主です。
書く内容も人に見せるものではないので、格好つけずに正直に書きましょう。

ペンを用意して新しい人生へと一歩踏み出す

ワークのお題に対して、双雲さんのアドバイス、そのワークを何故するのか?
ワークのサンプルが載っています。
各stepの最後には「おさらい」があります。

・普段何気ない日々の行動や習慣に気づき、さらに良い習慣にしていく
・自分をほめるクセをつける
・叶えたい「夢」を「貢献」までイメージして書いてみる。

【感想】
実際にこのワークを全部やってみました。
指定された個数まで書ききれないものもありました。
書き出してみると普段ルーティンで無意識にやっている事が実は「義務」でやっていて気が重くなっていたんだ…と気づきました。

新たに身につけたい習慣では1か月前に書いた内容を振り返ってみると5項目出していたことを全て毎日やっていることに驚きました。
書き出した日に「明日からやるぞ」と思ったわけではありません。
5項目は始めるまでにそれぞれ時差があります。
書き出したことで脳に残っていて、無理が無い設定で始めていました。

冒頭の言葉はラストワークの一つです。
「私の存在そのものが素晴らしい」
この言葉を紙に書くのです。
私は書いて壁に貼っています(*^^*)

何がしたいかわからない…。
自分が好きになれない…。
そんな人にこそ読んでワークに取り組んでみてください。

【目次】
はじめに
なぜ、「書く」ことで夢がかなうのでしょうか?
まずはとにかく書いてみよう ! この本を100倍楽しむ方法
この本の使い方
step1 気づく
step2 自分を知る
step3 夢を知る
総まとめ
おわりに

小学館
2014年2月4日第1刷発行
本体価格 1200円

著者 武田双雲
1975年、熊本県生まれ。
東京理科大学理工学部卒業。
書道家。
3歳より書家である母・武田双葉に師事し、書の道を歩む。
大学卒業後、NTT入社。約3年間の勤務を経て書道家として独立。
音楽家、彫刻家などさまざまなアーティストとのコラボレーション、 斬新な個展など、独自の創作活動で注目を集める。
映画「春の雪」、「北の零年」、NHK大河ドラマ「天地人」をはじめ、世界遺産「平泉」、 スーパーコンピュータ「京」、「美空ひばり」など、数多くの題字、ロゴを手がける。
世界中から依頼を受け、パフォーマンス書道、書道ワークショップを行っている。 2013年には、文化庁より文化交流使の指名を受け、日本大使館主催の文化事業などに参加し、海外に向けて、日本文化の発信を続けている。
書道教室「ふたばの森」主宰。約300名の門下生に指導を行なっている。

著書
「しあわせになれる『はたらきかた』」
「ポジティブの教科書」
「イヤな気分を捨てる技術」など多数

武田双雲 公式ウエブサイト

武田双雲 公式ブログ

武田双雲 ツイッター

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チーズはどこへ消えた? スペンサー・ジョンソン

「物事を簡潔に捉え、柔軟な態度で、すばやく動くこと」

アメリカ合衆国の医学博士・心理学者であるスペンサー・ジョンソンが著した童話、ビジネス書。
日本で400万部、全世界で累計2800万部突破した名著を紹介します。

チーズを手に入れれば幸せになる

登場するのは「スニッフ」「スカリー」の二匹のネズミと「ヘム」「ホー」の二人の小人
食糧が欲しい幸せになりたいと願い、ランニングシューズを履きランニングウエアを着て毎日、迷路に出てチーズを探し回っている。

ある日チーズ・ステーションCで好みのチーズを見つけた。
毎朝、急いでステーションCに通うヘムとホー。
しばらくして二人はゆっくりと起きて歩いてチーズ・ステーションCに向かうようになる。
そこにはチーズがあって当たり前、毎日お腹いっぱい食べて家に帰る様になる。
安心しきっていた。

自分のチーズが大事であればあるほどそれにしがみつきたくなる

ある日、チーズ・ステーションCのチーズが無くなっていた。
スニッフとスカリーは、チーズが段々と少なくなっていっているのに気づいていたので、二匹はすぐにチーズを探しに出かけた。
チーズ・ステーションCの状況が変わったので、自分たちも変わることにしたのだ。

ヘムとホーはいつも通りにやってきてチーズが無いことに驚く。
二人はひどい目にあわされたとわめき散らし、憂鬱になった。

翌日もまた次の日も二人はチーズ・ステーションCに向かった。
どうすれば良いか相談している間、スニッフとスカリーはチーズ・ステーションNを見つけた。

そこには、大量の新しいチーズがあった。
ホーは「出かけよう」とヘムに声をかけるがヘムは動こうとはしなかった。

変わらなければ、破滅することになる

ホーは一人で新しいチーズを求めて迷路に出た。

一歩踏み出すことが不安になり恐怖にも感じたが前に進むことにする。

進む中で今までの不安や恐怖が無くなっていることに気づくホー。
恐怖を乗り越えれば楽な気持ちになる。
恐怖に捕らわれていたのだと悟ったのだ。

ホーは新しいチーズを楽しんでいる自分を想像するようにした。
失ったものではなく、手に入れるものの事を考え続けた。
そしてホーはチーズ・ステーションNを見つけた。
スニッフとスカリーに挨拶をするとホーはチーズにかじりついた。
ホーはヘムを呼びに行こうと思ったが思いとどまった。
ヘムも自分で見つけようとしなければならないからだ。
ここにたどり着くまでに壁に印を書いてきた。

友人はそれをたどってやって来ると信じて…。

【感想】
短い寓話の中にとても興味深いたくさんの人生教訓が書かれていました。
話の中では「チーズ」を見つけてそれがある日無くなります。
この「チーズ」を「パートナー」「仕事」「お金」と置き換えると自分の事として捉えることができます。

自分が見つけた大切なもの(者・物)を失った時にいつまでも、そのものに固執するのか。
それとも次にむけて迷路に進んでいくのか。
あらすじのところでは割愛しましたが、ホーはチーズ・ステーションNで新しいチーズを見つけたときに、これまでのことを思い返します。
一歩進むことができたのはなぜか?
餓死するという恐怖だと気づき、自分自身を笑います。

自分が変わるには、自分の愚かさをあざ笑うこと。
そうすれば見切りをつけて前進できる…とあります。
私はなかなか自分自身を笑うことができません。
この本を読んで、次に進むためには過去に恐怖だと思っていることを笑い飛ばすことが必要なんだと知りました。

登場する二匹と二人はそれぞれの特性があります。
スニッフ…においをかぐ、~をかぎつける
スカリー…急いでいく、素早く動く
ヘム…閉じ込める、取り囲む
ホー…口ごもる、笑う
私はどちらかと言えばホーかな?
新しい提案には直ぐには乗れないけど、しばらく時間が経つと進むことができるから。

ぜひこの本を読んでみて自分は登場人物のどれにあてはまるか考えてみてください。

【目次】
ケネス・ブランチャード博士による裏話
ある集まり シカゴで
物語  チーズはどこへ消えた?
ディスカッション その夜
訳者 あとがき

扶桑社
94ページ
2000年11月30日第1刷発行
本体価格 838円
電子書籍あり

著者 スペンサー・ジョンソン
医学博士・心理学者
心臓のペースメーカー開発にもたずさわる
さまざまな大学や研究機関の顧問をつとめ
シンクタンクに参加する一方
著者活動を続けている
ハーバードビジネススクールの名誉会員著書
「1分間マネジャー」
「1分間意思決定」
「人生の贈り物」他、多数

でーれーガールズ 原田マハ

「痛くて、苦くて、しみるほど甘い。それが、ひとを好きになるってこと、なのかな」by 鮎子

【あらすじ】
佐々岡鮎子は東京在住の人気漫画家。
そんな鮎子に送られてきた一通の手紙からこの物語は始まる。

その手紙は鮎子の母校、岡山白鷺女子高校が創立百二十周年の記念講演の依頼だった。
鮎子の同期の同窓会も開催し退職した恩師も出席すると記されていた。
その後、同窓会の案内が届き、最後の一行に「武美も来る」と書いてあった。

鮎子は東京生まれ。
高校に入るタイミングで父親が転勤となり岡山に引っ越してきた。
当時は「オールナイトニッポン」を聴いて寝不足になる。
ラジカセが一番の宝物。
学校では「ザ・ベストテン」の話題で持ちきり。
鮎子はなかなかクラスに溶け込めずにいた。
そんな鮎子に声をかけてくるのはクラスでも美人の武美。

鮎子には秘密があった。
絵を描くのが好きな鮎子はノートに「ヒデホとあゆの物語」と自分で作ったマンガを描いていた。
ヒデホは鮎子の理想の彼氏。
大学生でロックバンドのボーカルとギターを担当。
ノートは10冊目になっていた。

そのノートの中を武美に知られてしまう。
鞄の中を広げたときには武美の机の下に落としてしまったのだ。
ノートにはご丁寧にも「この物語は実話である」と書いてある。
武美はノートを読んで「面白かった」と言い
「ほんまにおるん? ヒデホ君って」と聞かれて鮎子はうなずく。
武美にその後ヒデホとどうなったか話す鮎子。
武美もヒデホの事が好きになっていった。

クリスマスが近い冬の日。
鮎子はふとしたきっかけで知り合った淳の事が好きになりつき合うようになる。
淳のために手袋を編む鮎子。
武美にはヒデホのためにと偽って…。
クリスマスイブの日、淳に手袋を渡すところを武美に見られてしまう。
そのまま鮎子と武美は仲直りすることなく、武美は春休みに転校してしまった。

岡山につき同窓会が開催されるレストランについた鮎子。
武美と本当に会えるのだろうか…。

【感想】
現在の話と高校生の時との話が交互に混ざります。
40代の女性も高校生も等身大に描かれています。
マハさんと同年代なので、教室で盛り上がる話や鮎子の思いに出てくる人物も「そうそう」とうなずけました。

当時のスマホもSNSも無い時代の女子高生の淡い初恋…。
クリスマスのくだりでは恋をとるのか親友をとるのか選択を迫られる鮎子。
本気で自分が作りだした「ヒデホ」に恋をしていたので、生身の彼氏より親友を取る鮎子がいじらしく思えます。
断る理由が「ヒデホ」なところが鮎子の純情さを物語っています。

「ケータイもMP3プレイヤーもない時代。ウォークマンだって持っている子なんかいない。ラジカセがいちばん大事な宝物だった時代。
それでも私たちは、じゅうぶん豊かだった」
この一文にシビレました。

最後のくだりは予想がつきますが、それでもこの物語は女性の友情を描いた秀作です。

【目次】
#1 鮎子の恋人
#2 欄干ノート
#3 時間を止まれ
#4 ジョージのブローチ
#5 聖夜
#6 リボンの白
最終話 友だちの名前

祥伝社文庫
245ページ
2014年10月20日第1刷発行
本体価格 580円
電子書籍あり

著者 原田マハ
1962(昭和37)年、東京都小平市生まれ。
関西学院大学文学部日本文学科および早稲田大学第二文学部美術史科卒業。
馬里邑美術館、伊藤忠商事を経て、森ビル森美術館設立準備室在籍時、ニューヨーク近代美術館に派遣され同館にて勤務。
その後2005(平成17)年『カフーを待ちわびて』で日本ラブストーリー大賞を受賞しデビュー。
2012年に発表したアートミステリ『楽園のカンヴァス』は山本周五郎賞、R-40本屋さん大賞、TBS系「王様のブランチ」BOOKアワードなどを受賞、ベストセラーに。
2016年『暗幕のゲルニカ』がR-40本屋さん大賞、2017年『リーチ先生』が新田次郎文学賞を受賞。

著書
『本日は、お日柄もよく』
『ジヴェルニーの食卓』
『デトロイト美術館の奇跡』
『太陽の棘』など多数

原田マハ 公式ウエブサイト

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タカラモノ 和田裕美

「あんたな、幸せになりたいんやったら、誰かのせいにしたらあかん」by ママ

【あらすじ】
保美(ほのみ)は、姉と父母との4人家族。
ママは小学校2年生の時から「喫茶&スナック シャレード」を始めて私だけのママじゃなくなった。

ママはちゃんと晩御飯を作ってくれている。
おかずにラップをかけて「今日のごはん」って書いてある。
伝言ノートを作ってママとお姉ちゃんとの交換日記になっている。

ママはいつも真っすぐに生きている。
保美が悩んでいるときもママは励ましてくれる。
「ほのみはママの”タカラモノ”ママは幸せ」

そんなママはモテモテ。
おぎちゃん、りゅうちゃんに宮田。
ママの妹のみっちゃんはママのお店を手伝っていて、ほのみがグレずに真っすぐに育っているのを不思議がる。
ほのみはママの彼氏の宮田が嫌い。

ある日「ママ、しばらくいれへんことになるねん」と言う。
宮田が人に騙されて借金ができて、岡山の知り合いのところに身を寄せることになり、ママもそっちに行く…私は来年高校3年生になるのに。
進路も決まってないのに…。
私はいつしか大学生になっていた。


単行本「ママの人生」の文庫化

【感想】
保美のママはどんなときも正直に生きています。
自分にも家族にもウソは言いません。
全力で物事にぶつかっていきます。
子どもにも彼氏にも。

物語は保美の目線で進んでいきます。
保美の物語の様に見えて実はママの物語となっています。

子どもを置いて彼氏と一緒に家を出るママ。
私の母親と一緒や…。
この物語のママと私の母親との違いは私の母親はそのまま帰ってこなかったこと。
あらすじには書いていませんが、ほなみのママは帰ってきます。
ほなみもお姉ちゃんも泣いて、怒って「勝手すぎるわ」と本音をぶつけ
ママも「ごめんな」と謝ります。
ここのくだりを読んで「よかった」と思う私と「羨ましい」と思う私がいました。

ママの言葉には力があります。
彼氏とご飯代を割り勘にするお姉ちゃんに向かって
「あんたの優しさに甘えている男はあかんようになる。それは同時にあんたがあかんようにしたってことになるねん」
「わざわざむすっとして『あなたが嫌い』という態度をとるのはアホのやること」
「自分の人生は自分だけのもの。世間とか、常識とかまったく及ばないことや」

小説の中に人生の教訓がいくつも隠されています。
前編関西弁で書いているのも親近感を覚えた一つです。
ここに出てくるママは実際に居てそうです。

双葉文庫
280ページ
2019年6月13日第1刷発行
本体価格 620円

著者 和田裕美
作家・ビジネスコンサルタント京都出身。
外資系教育会社での勤務経験から『世界No.2営業ウーマンの「売れる営業」に変わる本』を上梓しデビュー。
著書の累計は 220万部を超え、女性ビジネス書作家の先駆けと呼ばれている。
華々しい経歴の陰にあった家庭環境や自身の 極度な引っ込み思案を背景に書いた絵本『ぼくはちいさくてしろい』は道徳科教科書『いきるちから』に掲載されている。
NHK Eテレ「芸人先生」レギュラー出演などメディアでも活躍中。

著書
『成約率98%の秘訣』
『人に好かれる話し方』
『人生を好転させる新陽転思考』
『和田裕美の営業手帳』など著作多数。

和田裕美オフィシャルブログ

和田裕美ツイッター

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天地ダイアリー ささきあり

「結果を引き受ける覚悟があれば、自由になれる。うまくいかなければ、方向を変えればいいんだ」by 広葉

【あらすじ】
広葉はチチの転勤で転校を繰り返している。
小学生の時に馴染もうとして軽く発した言葉が空回りしてしまう。
それからマスクをつけないと学校へ行けなくなってしまった。

中学1年生になった広葉は、新しい学校へ行く。
知っている人は誰一人居ない。
できるだけ目立たないようにと心がける広葉。

転校した中学は委員会が活発だった。
どれかに入らなければならない。
広葉は栽培委員会に手を挙げた。

委員会は全学年参加で三年生が委員長と副委員長になる。
3つの花壇をまわり、それぞれの説明を受け土を入れ替える天地返しを始めた。
思っていたよりすることが多く、面倒だと思いながらも花や土に少しずつ詳しくなる広葉。

クラスでは後ろの席の工藤とアニメの話が合い仲良くなる。
友達ができたが広葉はマスクを取る勇気がない。

クラスでは体育祭に向けて、ムカデ競争の練習が始まる。
楽しくやろうとする女子チームと1位になるために必死に練習する男子チームとで言い合いになる。
クラスで話し合い棄権することも含めて考えることになる。
このままクラスはバラバラになってしまうんだろうか…。

そんなときに仲が良かった工藤とケンカになる。
工藤がふざけて振り回していた傘が花壇に入り花がつぶれてしまったのだ。
またクラスでの居場所を失った、と感じる広葉。

栽培委員で植えたペチュニアの花壇が水はけが悪く、花がダメになりそうになっている。
雨がバケツをひっくり返したようなどしゃぶりになり、広葉はペチュニアをなんとか助けたくて家にあるブルーシートを持って学校へ走る。

学校へついて花壇にブルーシートをかけようとしていると、同じ栽培委員の生徒や担当の先生もやってきてみんなでシートをかけることができた。
工藤ともお互いに「ごめん」と謝り仲直りができ、シートをかける作業を手伝うことに。
このことがきっかけで広葉はマスクを取って学校に行けるようになった。

体育祭のムカデ競争も男女のリーダーがお互いに認め合い練習を再開する。
当日は1位にはなれなかったが、総合で3位になることができた。
クラスにも馴染み、栽培委員も順調でマスクにも頼らなくなった広葉。

栽培委員の活動が認められて学校説明会で活動紹介をすることになった。
全校生徒や入学希望者の前で発表するプレゼンテーションの編集作業を広葉が自ら立候補した。
果たして上手くプレゼンテーションができるのか?

【感想】
自分の意見をはっきり言える人。
勉強が出来る人。
スポーツが出来る人。
見た目が派手な人。

広葉はこういった人たちが苦手。
1年から3年までの異年齢集団の栽培委員で少しずつ自信が持てるようになる経過は、クラス以外の人間関係の場があることで違う自分を出すことができたのではないかと感じた。

大人も一緒。
仕事と家の往復だけでなく、違う人間関係の場があればもっと楽に生きることができる。
この本は児童書だけど大人が読んでも遜色ない小説です。

ペチュニアや園芸の知識も得ることができます。

【目次】
プロローグ
一、天地返し
二、育ちやすい土
三、生育に適した場所
四、合わない土
五、根が必要とするもの
六、守りたいもの
七、はじめの一歩
八、伸びていく

フレーベル館
216ページ
2018年11月24日第1刷発行
本体価格 1400円

著者 ささきあり
出版社勤務からフリーランスの編集記者を経て、児童文学の創作をはじめる。『おならくらげ』(フレーベル館)にて、第27回ひろすけ童話賞受賞

著書
「ふくろう茶房のライちゃん」
「ぼくらがつくった学校」
「やさしく読めるビジュアル伝記 クララ・シューマン」など多数

ささきあり ホームページ

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