さざなみのよる 木皿泉

「生きとし生けるものが幸せでありますように」by笑子ばぁちゃん

小国ナスミは三姉妹の次女。
家はコンビニもどきの商店。
物語はナスミが癌の末期で亡くなるところから始まる。
享年43歳。

第2話から第14話まではナスミと関わった人たちのナスミとの話だ。
夫の日出男や姉の鷹子、笑子ばぁちゃん、妹の月美。
東京にしたころの同僚や後輩。
中学の同級生。
それぞれのエピソードで少しずつナスミの人物像が浮かび上がってくる。
ナスミはいつも真っすぐに生きていた。
真っすぐだから許せないことや我慢できないこともたくさんあった。
ぶつかることもあった。

みんなナスミの死を悲しみナスミとの日々を思い出す。
ナスミは夫の日出男に動画を残していた。
その動画でナスミは日出男に結婚すること子どもを作ることを勧めていた。
ナスミと日出男の間に子どもはいなかった。
「責任なんて感じなくていいからね」

日出男はナスミの言う通りにするのだろうか…。

 

 

 

 

 

 

 

【感想】
さらっと読めてしまいました。
主人公の死から始まり、その周りの人たちの回想で
主人公の様子が段々と浮かび上がってきます。

帯には大きな字で「泣ける本」とありますが
泣くどころか泣きそうにもなりませんでした。
肩透かしを食らった感があります。

この本を一言でいうならば
「ナスミが紡いだ縁」
真っすぐなナスミだからこそ惹かれるや影響される人がいます。
若くして亡くなったからこそかもしれません。

細かく章立てされていて、章ごとに主役も変わるので
細切れの時間でも読むことができます。
2019年本屋大賞ノミネート作品の一つです。

 

 

 

 

 

 

 

本屋大賞 サイト

河出書房新社
221ページ
2018年4月30日第1刷発行
本体価格1400円
電子書籍あり

著者 木皿泉
夫婦脚本家。
テレビドラマ「すいか」で向田邦子賞受賞。
他のテレビドラマに、「野ブタ。をプロデュース」、「Q10」など。
初めて手がけた小説『昨夜のカレー、明日のパン』は2014年本屋大賞第2位、山本周五郎賞にもノミネートされ、のちに自身の脚本で連続ドラマ化もされた。
ラジオドラマ、舞台脚本などでも活躍。

著書
『お布団はタイムマシーン 木皿食堂3』
『ダンナの祖母がくれたもの』
『ほんのきもち』他、多数

さざなみの夜 特別サイト

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最強船長と最高に愉快な仲間たち 1 宮澤花

「世界をめぐって魔王を倒す。それが私の運命か」by ティンラッド

【あらすじ】

ここはソエル王国
魔術師オウルは路地裏で小さな占いの店を出している。
店じまいをしようとしたときに一人の男が手相を見てほしいと来た。
オウルは面倒くさく適当に「素晴らしい手相で、魔王を倒せるかもしれない」
と伝えると男は本気にし魔王を倒す旅に出るという。
そしてオウルに「言った責任があるから見届けろと」と
一緒に旅をするように強要する。
始めは抵抗していたが、ティンラッドと名乗る男の強引さに負け共に旅をする。

ティンラッドは確かに強く魔物が襲ってきても次々と倒していく
オウルは魔術でティンラッドを護衛する。
そんな二人が魔王を探し旅を続けていくうちに商人のロハス、神官のアベルと
ティンランドは知り合った人物を次々と自分の旅の仲間に引き入れ
オウルはその度に嘆くのだった。

そんな一行がたどり着いたのは、魔術師が居る西の砦だった。

 

 

 

 

 

【感想】

オウル目線で物語は進行します。
ティンラッドは闘い以外は興味がなく
ロハスは商人根性丸出し
アベルはもともと妖怪の様な設定
と、オウルの嘆き満載です(笑)

たぶん、このでこぼこなパーティーが旅をしていく中で
最強のパーティーに変わっていくのだろうな。
という予感がします。

文章で読むよりコミックやアニメにする方が楽しめる作品です。
アニメ化になって欲しいなぁ。

オウルの愚痴っぽさが気になるところではありますが
冒険ものが好きな方におススメです。

講談社レジェンドノベルス
320ページ
2019年2月7日第1刷発行
1200円(本体価格)
電子書籍あり

著者 宮澤花
島根県人の両親を持つ神奈川県育ち。
きなこは青大豆派。
物語が好きで気が付けばいつも何か書いている。
「小説家になろう」に2013年より投稿を開始。
本作がデビュー作となる。
宮澤花 ツイッター

人口論 原作 : マルサス マンガ : Teamバンミカス

「すべての人間は人口の原理によって支配されている」

原作者のトマス=ロバート・マルサスも人口論も全く知らなかったのですが
マンガなら少しは理解して読めるのではないだろうか
という好奇心から読んでみました。

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SWAN 白鳥  愛蔵版 1  有吉京子

「舞台まえのどんなコンディションの不良も本人の実力なのよ」by 小夜子

この漫画は私が小学生の時に週刊マーガレットで連載していました。
当時は友達の中でも流行っていて、絵を見ながらポーズの真似をみんなでしていました。
この本を見かけて、当時の事を思い出し懐かしくなって読みました。

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すきまのおともだち 江國香織 絵/こみねゆら

「旅人っていうのは、反対側の立場から見ると、お客様以外の何物でもないのよ」by 女の子

「私」は新聞記者。
ある経済学者のインタビューのため2泊3日で見知らぬ土地に。
仕事も終えた3日目の午前中。
郵便局まで出かけようとして迷子になる。
道を聞くにも人がいない。
ようやく人の気配を感じて見てみると9歳くらいの女の子だった。

女の子に道を聞くと「郵便局まで連れて行ってあげる」と
準備を始め「私」は部屋で待つことに。
車の運転は女の子の家にある古いお皿。
このお皿はしゃべることもできるのだ。
戸惑いながらも徐々に慣れてくる「私」
お皿の運転で郵便局に行った後、女の子の家でくつろぐのだった。

「私」は自分が居たところに戻れるのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

【感想】
ファンタジーの様な「私」の成長記の様な
不思議な物語でした。
お皿や風呂敷が言葉を話し、豚がレストランのオーナーだったりします。
かなり深読みしてしまい、ここに出てくる女の子と男の子(後半に出てきます)は、実は現実世界に居るのを拒否して、こちらの世界にとどまっているのでは???
なんてことも読みながら考えてしまいました。

突然現れる「私」を受け入れる女の子。
年齢は離れているのに友達の様に楽しく毎日を過ごす様子には、ちょっとうらやましさもあります。

挿絵もとてもかわいくて、この物語にあっています。

 

 

 

 

 

 

 

集英社文庫
174ページ
552円(本体価格)
2008年5月25日第一刷

著者 江國香織

1964年東京都生まれ
小説、童話、詩、エッセイ、翻訳など
幅広い分野で活躍。
2004年「号泣する準備きできていた」で第130回直木賞受賞

著書
「都の子」
「なつのひかり」
「いくつもの週末」他多数

絵 こみねゆら
1956年熊本県生まれ。
東京芸術大学絵画科、同大学大学院修了
1985年フランス政府給費留学生として渡仏。
2005年「さくら子のたんじょう日」で日本絵本賞受賞
著書
「もりのちいさなしたてやさん」
「オルゴールのくるくるちゃん」
「こどもべやのおともだち アンナとビイブ」他
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