君は月夜に光り輝く 佐野徹夜

「世界に二人きりみたいだね」byまみず

岡田卓也は高校一年生。
ある日、クラスに色紙が回ってきた。
月の光を浴びると体が淡く光る「発光病」で
入院している、渡良瀬まみずに贈る色紙だ。

 

 

 

 

担任は先生が行くよりクラスメイトの方が
喜ぶだろうと、病院まで色紙を持っていく生徒を募る。
手を挙げたのは、香山彰。

日曜日、彰から電話で呼び出された卓也。
風邪をひいて熱もあるから病院に代わりに行ってくれと言われ
しぶしぶ、病院に行く卓也。

まみずは初対面の卓也に「アーモンドクラッシュのポッキー」を
次、来るときにと頼む。
「発光病」は不治の病で治療法はない。
死と向き合うまみずは「死ぬまでにやりたいことリスト」を書いている。
卓也はそれを手伝うと言いだし、まみずの代わりにやりたいことを体験し
まみずに報告するようになる。

少しずつ打ち解けていく卓也とまみず。
ほのかな恋心がめばえはじめる。
この恋の行方は…。


久しぶりに、ティーンエイジャーのラブストーリーを読みました。
大人と違ってドロドロしていなくていいわ💕
映画になりそうなストーリー…と思っていたら
映画になるんですね(笑)

主人公の卓也の背景は複雑だからこそ
まっすぐなまみずに惹かれたのではないか…
と、思ってしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

【目次】

桜の季節と、リノリウムの温度
最初で最後の夏休み
君とロミオとジュリエット
そしてもうすぐ、春が来る
あとがき

メディアワークス文庫
315ページ

著者 佐野徹夜
小説家
第23回電撃小説大賞にて大賞を受賞し、デビュー。
受賞作『君は月夜に光り輝く』が実写映画化、2019年公開予定。

著書
『この世界にiをこめて』
『アオハル・ポイント』

佐野徹夜 ツイッター

最後まで読んで頂きありがとうございます。

当ブログの記事があなたの読書のお役に立てれば幸いです。
また読みに来ていただけると嬉しいです。

校閲ガール 宮木あや子

「日本語をより正しく美しく整えていく作業にエクスタシーを感じる」by米岡

河野悦子は総合出版社景凡社に新卒入社して2年目の校閲者。
小学生の頃から、景凡社の少女雑誌が大好き。
年齢を重ねると共に読む雑誌もステップアップし、
夢は景凡社のファッション雑誌の編集者になること。

念願かない景凡社に就職はしたものの配属先は校閲部それも文芸。
いつかは憧れの雑誌「Lassy」の編集部に…。
と思いつつ、小説家の原稿をチェックをする毎日。


 

 

 

 

 

担当編集の貝塚は悦子を見下した物言いをするものの
困ったことがあれば直ぐに悦子を巻き込む。
同僚の米岡は心優しき校閲マン。
可愛いものカッコいい人が大好き。
そんな悦子の給料は洋服や雑貨に消えてしまい
日々はコンビニ弁当で過ごす。

ある日、近くのカフェで見かけた男性に悦子は一目惚れ。
その男性が自分の会社に入っていき、受付嬢の今井に聞くと
なんと自分が今、校閲している作家とわかる。

しかし校閲は一切表にでない超裏方の仕事。
編集者と違い作家の先生とは関わることはまずない。
悦子の恋は実るのか!?

気にはなっていたものの、なかなか読まずにいた校閲ガール。
悦子の口の悪さにはスカッとします。
私の読む本もこうやって何度も校閲されて
手元にあるんだなぁ…と思うと悦子も身近に感じられます。

この校閲ガールはシリーズになってるから続きも読みたいなぁ。


 

 

 

 

 

 

【目次】

第一話 校閲ガール !?
第二話 校閲ガールと編集ウーマン
第三話 校閲ガールとファッショニスタとアフロ
第四話 校閲ガールとワイシャツとうなぎ
第五話 校閲ガール~ロシアと湯葉とその他のうなぎ
エピローグ 愛して校閲ガール
解説 角田光代

角川文庫
200ページ

著者 宮木あや子
1976年11月4日神奈川県生れ。

東京都武蔵野エリア在住。

趣味は着道楽と海外旅行。

著書
「花宵道中」
「校閲ガール ア・ラ・モード」
「群青」など多数

最後まで読んで頂きありがとうございます。

当ブログの記事があなたの読書のお役に立てれば幸いです。
また読みに来ていただけると嬉しいです。

54字の物語 怪 氏田雄介

「『なぜそう思ったのか?』を考える」

超超短編小説です。
2018年2月に刊行された「54文字の物語」の続編です。
それも「怪」に特化しています。


 

 

 

 

表題にある通り「54文字」で構成されています。
ゾッとする話もあれば
怖いけど思わず笑ってしまう話
「おっ !」と思う話などが90話あります。
次のページには、その話の解説もあるので作者の意図がわかります。
元々児童書なので全ページの漢字にはふりがながついています。
大人でも十分楽しめますよ。

巻末には「54文字の物語をつくってみよう !」
と、方法やコツが載っています。

1.物語のシチュエーションを決める
2.そのシチュエーションの「普通の物語」を考える
3.「普通じゃない物語」になる状況を考える
4.3について「なぜそうなったのか?」「何が起こったのか?」を考える
5.文字数を気にせず書いてみる
6.54字に調整する

本書では6つの項目それぞれに細かく説明があります。
挑戦すると脳トレにもなりそうですね。

 

 

 

 

 

 

 

PHP研究所
191ページ

著者 氏田雄介
1989年生まれ、 愛知県出身

早稲田大学文化構想学部卒業

面白法人カヤック 企画部ディレクター
面接でなぞかけを披露してカヤックに入社
非公式で行われた、TENGA iroha川柳大会で優勝

著書
「54文字の物語」
「あたりまえポエム 君の前で息を止めると呼吸ができなくなってしまうよ」

氏田雄介 Facebook

#54字の物語怪
#NetGalleyJP

最後まで読んで頂きありがとうございます。

当ブログの記事があなたの読書のお役に立てれば幸いです。
また読みに来ていただけると嬉しいです。

ことぶき酒店御用聞き物語 桑島かおり

「無理とわかっていても行くのが営業だ」

石川県と福井県の県境にあるあしわら湖。
そのふもとに湖鳥温泉がある。
その温泉街の旅館に毎日、御用聞きにまわる
ことぶき酒店のミツル。

ミツルは小さい時から父に連れられて
御用聞きに回っていた。
兄が2人いるのだが、父は娘のミツルだけを連れて行った。

旅館には旅館を守る屋敷神がいる。
それが見えるのは3人の子どもの中でミツルだけだった。
御用聞きに行くと屋敷神がやってきて
その旅館のことをいろいろ話してくれる。

その湖鳥温泉にサクラリゾートのホテルがオープンすることになった。
元は20年前につぶれた「二葉亭」
屋敷神の双葉はつぶれて以来、喪服を着て泣いている。
社長の有賀は霊やスピリチュアルは大嫌い。
よってミツルにも御用聞きはせずメールで注文をする。

昔、この辺に住んでいたという女性客が
見たいという湖を探したり
若女将の悩みの相談に乗ったりとミツルは温泉街のために
今日も御用聞きにまわる。



 

 

 

ちょっとひなびた温泉街の旅館と酒屋の御用聞き
ミツルの話です。
無茶な注文にも断らずお酒を配達するミツル。
この本を読むと旅行に行って温泉に入り
美味しい地酒が飲みたくなります。

ミツルと匠の関係は上手くいくのかなぁ。
続編を期待します。

 

 

 

 

 

 

 

光文社
266ページ
2018/12/7発売

著者 桑島かおり
1987年、福井県生まれ
アミューズメントメディア総合学院ノベル ス学科卒業

著書
「口入れ屋お千恵繁盛記」
「花嫁衣裳」など

最後まで読んで頂きありがとうございます。

当ブログの記事があなたの読書のお役に立てれば幸いです。
また読みに来ていただけると嬉しいです。

 #ことぶき酒店御用聞き物語
#NetGalleyJP

 

教場 長岡弘樹

「人を傷つけた経験のある者ほど、よく人を守れる。そういうものだよ」

教場…ここは単なる教室ではない。
警察官を目指す者たちが篩(ふるい)にかけられる場である。

宮坂は大学生の時にスキーからの帰り道に吹雪にあい
ハンドルを切り損ねて崖から落ちた。
雪の重みでドアは開かない。
携帯電話は圏外。
いつしか意識が遠のいていった。

吹雪の時こそ受け持ちを丹念に回る警察官に
命を助けられた。
宮坂は教員生活を2年経験したのち警察官を目指す。


 

 

 

 

偶然にもそこには命の恩人の息子が平田が同期で居た。
平田と宮坂はクラスでも落ちこぼれでよくつるんでいた。
一期上の学生からはどちらが先に辞めるか賭けの対象にまでなっていた。

宮下はある日担当教官の風間に
「なぜ、わざと下手なふりをした」と聞かれる。
職務質問の授業の事だ。
気づかれている…宮下はそう思った。

事件は唐突にやってきた。
平田から手錠のかけ方を練習したいと言われ応じた宮下は
平田の部屋のベッドに繋がれてしまった。

平田は気づいていた。
宮坂がわざとできが悪いふりをしているのを。
平田は硫黄入りの入浴剤と酸性のトイレの洗剤を混ぜて
有毒ガスを発生させて無理心中を図ろうとしているのだ。
平田が洗剤のキャップを外しにかかったその時…。


警察学校を舞台にした小説です。
宮下をはじめ6名の生徒の教場での生活が
書かれています。

警察学校ってこんなにドロドロしてるのか???
キツイ訓練と規則。
閉鎖的な空間に閉じ込められると
人はこんなにも残酷になれるのか…。
疑心暗鬼になりながら読み進めていくと
冒頭の言葉があり、そのためにドロドロを描いたのか…
と納得しました。

高校3年生の時、一人の同級生の男子が
卒業後の進路を警察学校に行き警官になるって
言ってたなぁ。
彼は希望通りに警官になったんだろうか…。
本を読んだ後、ふと、そんなことを思い出しました。

 

 

 

 

 

 

 

【目次】

第一話 職質
第二話 牢問
第三話 蟻穴
第四話 調達
第五話 異物
第六話 背水
エピローグ

小学館 294頁

著者 長岡弘樹
1969年山形県生まれ
筑波大学卒業
団体職員を経て、2003年「真夏の車輪」で
第25回小説推理新人賞を受賞

著書
「傍聞き」
「白衣の嘘」
「教場2」他多数

幹事のアッコちゃん 柚木麻子

「若くも器用でもないのだからこそ、個人の時間をもっと優先しよう」

国内商品を扱う営業二課の久瀬涼平は三人の姉と母との
五人家族。
コンビニおでんは埃が入っているから買わない
鍋など大勢で一つの容器をつつくのも苦手な新人。

職場の飲み会にも参加しない。
プライベートをさいてまで社内の人間と過ごしたくないと思っている。
そんな涼平に今年の忘年会の幹事が回ってきた。
先輩の澤田三智子におでん屋に誘われたものの
忘年会の店を聞かれ仕事が終わってからの飲み会のくだらなさを
三智子にぶつけていた。


 

 

 

 

三智子が酔いつぶれたときに現れたのが
「アッコちゃん」こと黒川敦子。
三智子が涼平を連れてきた店はアッコがプロデュースした店だった。
アッコちゃんに意見を支持されて嬉しくなった涼平は
飲みつぶれて気が付けばアッコちゃんのトレーラーハウス。

そこから4日間、涼平はアッコちゃんが幹事の忘年会に参加することに。
毎日、店もメンバーも雰囲気も違う忘年会に参加して
涼平が感じたのは…。

アッコちゃんシリーズの第三弾です。
今回は、アンチアッコちゃんが出てきたり
小学生を「師匠」と呼ぶアッコちゃんがいたり
と、楽しませてくれます。

この本でアッコちゃんが実は同年代と知り
更に親近感が湧きました。
小学生でも自分よりできると「師匠」と呼んで
お稽古に没頭するアッコちゃんを見習いたいわあ。

ちなみにお稽古はけん玉なんですが
私は随分前に学童保育の指導員をしていたことがあります。
その時に「竹馬・コマ・けん玉」を子ども達と一緒に練習しました。
けん玉の玉を顔にぶつけることはありませんでしたが
手や腕にはあたり、青あざがあちこちにできたのを覚えています。
あの頃にできた技「宇宙一周」「灯台」「ひこうき」…。
今でもできるかなぁ。
娘が持っているけん玉(娘も学童っ子)を借りてやってみよう。

 

 

 

 

 

 

 

【目次】

第1話 幹事のアッコちゃん
第2話 アンチ・アッコちゃん
第3話 ケイコのアッコちゃん
第4話 祭りとアッコちゃん

双葉社
181頁

著者 柚木麻子

1981年東京都生まれ
立教大学文学部卒業
2008年「フォーゲットミー、ノットブルー」で
第88回オール読物新人賞を受賞。
受賞作を含む連作短編集「終点のあの子」でデビュー

著書
「あまからカルテット」
「嘆きの美女」
「その手をにぎりたい」
「ランチのアッコちゃん」など多数

柚木麻子お知らせ ツイッター

最後まで読んで頂きありがとうございます。

当ブログの記事があなたの読書のお役に立てれば幸いです。
また読みに来ていただけると嬉しいです。