生きづらいでしたか? 細川貂々

「てんてんさんのネガティブ大事にしてくださいね」

この本の紹介文に「当事者研究」という言葉がありました。
「当事者研究って何だろう?」
単純にこの言葉に惹かれたのと、コミックなのでわかりやすいのでは?
と思い読み始めました。

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インフルエンス 近藤史恵

「一度も会ったことがなく、恨みもない人を殺す。そんなことができるのだろうか」by 友梨

私は毎週の様に図書館に通っています。
歩いて10分ほどの距離にあり、近くには公園もあって
気候の良い時には借りた本をそのまま公園で読むこともあります。
先日も借りた本を返すついでに、何か面白い本は無いか…と
本棚を眺めているときに、この本に出合いました。

表紙は団地でなんとなく暗いイメージが伝わってきます。
題は「インフルエンス」時期は(これを書いているのは1月末です)
インフルエンザが猛威を振るっている最中。
なので題名にもあまり良い印象はありません。
ただ、フェイスブックの本のグループで書評を見かけたのを思い出し
好きな作家さんなので借りることにしました。

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生きているうちに、さよならを 吉村達也

「人に対しても、場所に対しても、すべてが『きょうでさよなら』になっているのかもしれない。そんな気持ちで、毎日を過ごしているんです」by大塚

この小説は2時間くらいで読める本はないかなぁ…と
我が家の本棚を眺めていて、ふと目に入った本です。
そういえば、まだ読んでなかったなぁ。
ペラペラとめくると九章に分かれていて読みやすそうだと思ったのと
吉村達也氏の著書は初読みだったので手に取りました。

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イニシエーション・ラブ 乾くるみ

「俺とあいつの関係は、結局はその――イニシエーションラブってやつだったんだろうな」by 鈴木

イニシエーション…ある集団や社会で、正式な成員として承認されるための儀式

裏表紙に「最後から二行目で、本書は全く違った読物に変貌する。
『必ず二回読みたくなる』と絶賛された傑作ミステリー」
と書いてあったので、どんなどんでん返しがあるのだろうかと
想像しながら読みました。

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1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365 デイヴィッド・S・キダー ノア・D・オッペンハイム

「イデアとは抽象的・非物質的なもので、現実世界の事物は、このイデアを模倣しているのだ」by プラトン

1日1ページでまとめられて365日分を
月 歴史
火 文学
水 視覚・芸術
木 科学
金 音楽
土 哲学
日 宗教
と分けてあり読みやすくなっています。

自分の興味のあるところだけを読むのもOK
全部読みましたが、順にページを追っていくと
月~土までは時代も紀元前や中世が続く中
急に科学で「温室効果」と出てきて現代に引き戻されるという
不思議な体験ができます。

文学では西洋の古典文学が紹介されていて
あらためて読んでみたいと思いました。
音楽で作曲家が紹介されると、YouTubeで検索して調べを聞いたり
芸術では画家の名前があるとググって絵画を確認したり
検索しながら読むと面白いですよ。

文学でジョン・ミルトンの叙事詩「失楽園」では、
日本版の「失楽園」を思い出し
「ルネサンス」と出てくれば、
「ルネッサ~ンス」のフレーズが頭で鳴り響き
科学で「超新星」と出てくるとK-POPのグループを
連想するという、かなり日本文化に毒されていることも
自覚できる本です(笑)

全体的に西洋文化が中心にまとめられているので
歴史~宗教まで西洋文化に興味がある人にはおすすめの本です。

 

 

 

 

 

 

 

文響社
384ページ

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アリバイ崩し承ります 大山誠一郎

「時を戻すことができました。―平根さんのアリバイは、崩れました」by 時乃


刑事になって1年目の僕は腕時計の電池を交換するために
駅前の小さな商店街にある時計屋
「美谷時計店」に入った。
そこには20代半ばと思われる女性が居た。
名前は美谷時乃。

電池交換を待っている間に店をぐるりと見てみると
「時計修理承ります」
「電池交換承ります」
「アリバイ崩し承ります」
「アリバイ探し承ります」
と、貼り紙があった。

この店は先代から、時計にまつわる依頼は
何でも行う方針だという。
小学生の頃から祖父である先代の店主から
アリバイ崩しを仕込まれた…と説明してくれた。

僕はちょうど今、調べている事件の容疑者のアリバイが
崩せなくて、困っていたのところだった。
事件の詳細を話をすると時乃は
「時を戻すことができました。アリバイは崩れました」
と、トリックを説明し始めた。

 

 

 

 

【感想】
発想は面白いなぁと思いながら読みました。
アリバイの設定は「おぉ」と感心しました。
そんな手があるのか…。
ただ、ミステリー+人間模様も絡んだ
骨太な警察小説が好きな私にとっては

ちょっと物足りない感があります。

時乃は刑事から話を聞くだけでアリバイを崩す。
それもその場で即座に。
そこに刑事の苦悩や刑事同士の競争など
地道な捜査や人間模様がなく
スラリとアリバイを崩す時乃に
「操作をなめんじゃねぇよ」という
私の好きな足で事件を解決する刑事たちの
罵声が聞こえてきました(笑)

なので「ミステリーは読んでみたいんだけど
ちょっととっつきにくいなぁ」
と思っている人には楽しく読める本だと思います。
久しぶりに図が載っているミステリーでした。

そんななかでも第5話の時乃のお祖父さんの話は
なんだか微笑ましくて素敵な話だと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

【目次】

第1話 時計屋探偵とストーカーのアリバイ
第2話 時計屋探偵と凶器のアリバイ
第3話 時計屋探偵と死者のアリバイ
第4話 時計屋探偵と失われたアリバイ
第5話 時計屋探偵とお祖父さんのアリバイ
第6話 時計屋探偵と山荘のアリバイ
第7話 時計屋探偵とダウンロードのアリバイ

実業之日本社
252ページ

著者 大山誠一郎
1971年、埼玉県生まれ
推理作家、翻訳家
京都大学在学中は推理小説研究会に所属
本格ミステリ作家クラブ会員

著書
赤い博物館」
「密室蒐集家」
「仮面幻双曲」など

大山誠一郎 ツイッター

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