荒神 宮部みゆき

「あれは、ここらのお山の悪気を集めたもののけだ」

【あらすじ】

時は元禄、徳川五代将軍家光の時代。
東北の山間の仁谷村が一夜にして壊滅状態となる。
隣村の永津野の朱音により
かろうじて命を取り留めた少年蓑吉。
実は、仁谷村を擁する香山藩と永津野藩は
関ケ原の戦い時からの因縁があり
互いに牽制しあっている。
奇異な風土病を巡る騒動…
不穏さをはらむこの香山藩に
「怪物」は現れた。
その後永津野藩の領地に現れる。
香山藩では病みついた小姓・小日向直弥や少年・蓑吉らが
香山と反目する永津野藩では
専横な藩主側近の曽谷弾正や
心優しきその妹・朱音らが
山での凶事に巻き込まれていく

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『むなしさの正体 正しい幸せの求め方』 武田双雲

目標を達成した後に何故だか「むなしい」気持ちになることがありませんか?

書道家の武田双雲さんは自ら発達障害であることをオープンにして講演活動も行っている書道家です。
この本は誰もが抱える「むなしさ」についての正体とその付き合い方を書いています。

双雲さん自身も子どもの頃にむなしさを感じたそうです。
家にいても学校にいても、気が休まらない。
言いたい事が伝わらず何をやっても上手くいかず、
心の中にはもやもやしたものが、ずっと溜まっている状態。

そうそう私もそうだった。
仕事で任されたイベントを成功させたのに、達成感は一瞬だけで後はなんだかもやもや…
そのうえやる気もでなくなった時がありました。

いろいろなむなしい状態を経験しての共通項は
「受動的な人生だった」


「むなしさ」の原因は未来志向・成長主義が原因

 

 

え?何故?
未来志向って前向きでいいんじゃないの?

目標設定が具体的であればあるほど、
目標が達成された時にやってくる「むなしさ」
それは、燃え尽き症候群とも似ているかもしれません。

じゃあ、むなしくならない為にはどうすればいいの??

「成長にこだわり過ぎない(拘らないではないですよ)
そして、今、目の前のことを楽しむ!!
目標を数値化せず、目標達成に拘らず「ビジョン」を描くことを習慣づける」

と、あります。

「目標」と「ビジョン」の違いは???

「世界中の人々が楽しく暮らす、そんな夢を描きながら、それを忘れるくらい自分が瞬間瞬間を楽しむ。
出会う人、目の前の人を楽しませる」

具体的な目標ではなく、その先にあるもの…と私は捉えました。

「過去は変えられる」
「感情が事実を呼びこむ」
「自分をチューニングする」
「あるものリスト」
「トラウマに苦しまない方法」

など、むなしさと付き合い自分をコントロールする、
すぐにでもできる具体的な方法も書いてあります。

実際私も自転車通勤で、細い道で前を歩いている人が真ん中を歩いていたりすると
「もうっ、行かれへんやん(関西人です)」と心の中で毒づいてました…が
この本を読んだ後は、擦れ違う人全員に心の中で「おはよう~」と呟いていたら、
なんだか気持ちがご機嫌さんに(^^♪

少しはチューニングできたかも

そして、書道家ならではの文字の説明もこの本の魅力です。
「頑張る」…「頑なに張る」
「嘘」…「口に虚しい」
「儚い」…「人の夢」

 

ちょっと不思議でなんだか元気がもらえる双雲ワールドに浸ってみませんか

おススメの一冊です

【目次】

まえがき
・むなしさを考えるきっかけ
・僕も子どものころは、むなしさに苦しんだ
・受動的な人生はむなしい
・武田双雲がむなしさについて語る意味

第1章 むなしさの正体を解く
●未来志向・成長主義がむなしさの原因
●むなしさの方程式を解いていく
●虚実のバランス
●期待しない。明確な目標をもたない
●むなしさを消してくれる脳内物質がある?

第2章 むなしさいろいろ
●つかみ系の人は自分のむなしさに気付かない?
●競争で勝つことに意味はない
●なぜ名誉を得てもむなしいのか
●外的要因に影響されると燃え尽き症候群になりやすい
●トラウマにとらわれるむなしさ
●むなしいときこそ満たされるチャンス

第3章 僕がいま、むなしくならない理由
●むなしさとのバランスの取り方
●世間の評価にとらわれすぎない
●感情が目の前の事実を呼びこんでくれる
●我慢するよりも大事なのはチューニング

第4章 むなしさとの付き合い方
――上手にチューニングする実践法
●むなしさは消せないけれどチューニングは可能
●自分に噓をつくむなしさ
●むなしさを減らしていくには人称を上げる
●自分のほうから満たされ続ける効果的なコツ
●仕事を楽しむにはまず通勤を楽しんでみる
●むなしさシステムが発動するクセはコントロールできる
●承認欲求を満たされなくてもむなしくない生き方
●カリスマに学ぶビジョンの持ち方
●選択肢の多いなかからベストを選ぶコツ
●むなしさを消すには、まず形から入ってみる
●思いきって競争をやめたら成績は伸びる
●SNSがコミュニケーションのむなしさを助長している
●無理をせず感覚に任せる
●究極のむなしさは死の直前に訪れる?

【こんな人におススメ】

なんだか胸のうちがモヤモヤする
最近仕事が面白くない
人生や仕事で大きなイベントを経験した

 

 

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当ブログの記事があなたの読書のお役に立てれば幸いです。
また読みに来ていただけると嬉しいです。

 

 

紙つなげ彼らが本の紙を造っている 佐々涼子

「工場の復旧は自分たちの力で唯一手に入れることのできる未来」

【あらすじ】

2011年3月11日、未曾有の災害が日本で起こった。
「東日本大震災」
宮城県石巻市にある日本製紙の工場。
津波に呑みこまれ、完全に機能停止した状態から、わずか半年で「8号抄紙機」を復活させたノンフィクション。

 

 

何気なく読んでいる本に込められている思いがひしひしと伝わります。

☆ 文庫本

講談社は若干の黄色

新潮社はめっちゃ赤

角川の赤は角川オレンジ

☆ 教科書

毎日めくっても見ずに浸かっても破れないように丈夫

☆ コミック

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陸王 池井戸潤

【主な登場人物】

宮沢紘一…「こはぜ屋」の社長
富島玄三…「こはぜ屋」経理担当
坂本太郎…「埼玉中央銀行」こはぜ屋担当
有村融…スポーツショップを営む
飯山晴之…「シルクール」社長
村野尊彦…「アトランティス」シューフィッター

【あらすじ】

足袋製造メーカー「こはぜ屋」は100年続く老舗。
社長の宮沢は従来の足袋だけで無く
新たにランニングシューズを開発することにする。
その名も「陸王」
スポーツショップ経営者の有村
銀行担当の坂本らに押され開発チームを作る。
しかし決定的な弱点があった。
ソールがゴムの為重いのだ。
そんなおり、坂本が転勤になる。
転勤先からソールの材質にと持ってきたのが蚕の繭を素材にした「シルクレイ」
特許を持つ飯村を訪ね「陸王」の開発チームに引き込む。
「陸王」の開発には次から次へと問題が降りかかるが、その度に応援してくれる人の輪が広がっていくことを感じる宮沢。

「陸王」はアスリートに受け入れられるのか。

【感想】

池井戸さんらしい作品です。
そんなに邪魔する?
えっ、都合よく出会う?
と思いながらも
「情熱を持って物作りをすると邪魔する側も支援する側も引き寄せられるんだな」
と、勝手に納得しました。
飯村は泉谷しげるさんかな?
って思ってたらドラマでは寺尾聡さんだったんですね。

集英社
592頁

【こんな人におススメ】

夢をあきらめきれずにいてる人
日々の仕事で疲れている人

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ロスト 呉勝浩

「自分の勘と心中できるようになったら、一人前です」

【主な登場人物】

村瀬梓…コールセンターに勤務、アイドルとして事務所ショーゲキに所属、誘拐される
安住正彦…事務所ショーゲキの社長
真代雄之…県議会議員真代典久の息子
室戸勤…真代典久の秘書
北川留依…ショーゲキの副社長、安住の恋人
下荒地直孝…コールセンター責任者、誘拐犯ピュアイトと直接やり取りをする
ピュアイト…村瀬梓を誘拐した犯人
麻生義治…大阪府警本部捜査一課特殊犯係の主任刑事
三溝…大阪府警捜査一課特殊犯係の刑事、あだ名は軍曹
鍋島道夫…生活安全課の刑事

 

【あらすじ】

テレビ通販のコールセンターに「責任者を出せ」と男から電話がある。
下荒地が変わると「ムラセアズサを預かっている」
誘拐犯は「ピュアイト」と名乗り警察に通報させる。
ピュアイトは一方で梓が所属する芸能事務所「ショーゲキ」の社長安住にも連絡し身代金1億を用意させる。
下荒地とは逆に安住には警察には連絡するなと釘をさす。
1億の身代金は100人の刑事に100万円ずつ分け、ピュアイトが指定する100か所に散らばり写真を撮ってSNSにアップさせる。
遅れたらアズサの耳を切り落とすと脅すことも忘れなかった。
そのために刑事たちにSNSのアカウントを取らせて刑事達に指示を出すのだった。
同時にピュアイトはSNSを使い100万円の場所を拡散する。
SNSを見た人たちは100万円欲しさに指定した場所に集まり操作を攪乱させる。
ピュアイトは身代金を目的に誘拐したのではなかった。
なんのために?
100万円を奪った者を捉えた一人に安住がいた。
その後、梓はバラバラ死体で発見されアリバイの無い安住は容疑者として取り調べを受ける。
一旦解放された安住は刑事の目をくらまし単独で犯人を捜す事に。
一方、三溝と麻生も安住が犯人ではないと刑事ならではの「勘」で独自で捜査を始める。
ピュアイトは誰なのか?
何故、村瀬梓は殺されなければならなかったのか?

【感想】

ひきこまれました。
誘拐犯は所属事務所ではなくコールセンターに脅迫電話をかけてくる。
身代金も100人の刑事に100か所指定して持っていかせる。
設定そのものが突拍子もないうえに、登場人物の一人ひとりの人物の背景を丁寧に書いているので「だから?」「どうなるの?」と、時間を忘れて読みました。
骨太の警察小説です。
最後にピュアイトの犯行の原因となったことも「かもしれない…」感じで書かれているのも読者の創造を掻き立てられます。
他の作品も読んでみたいと思いました。

講談社
468頁


【こんな人におススメ】

ミステリー好き
警察小説好き

MAZE  恩田陸

【登場人物】

神原恵弥…ウイルスハンター、男だが何故か女言葉を使う
時枝満…恵弥の幼馴染、恵弥に誘われて今回の調査に参加
スコット…恵弥の同僚
セリム…謎の直方体の建物が建つ国のエリート

【あらすじ】

イラクとの国境近いアジアの西の果て
満は恵弥に誘われ
「一度中に入ると戻れない人間が多くいる」
という伝説がある白い直方体の建物の調査に行く。

恵弥以外にもスコット、この国の若者セリムがチームに参加し4人での一週間が始まる。
満以外の3人は作業を、満は恵弥から渡されたレポートを読み込み、
人が消える謎について仮説を考える。
満がある仮説を立てた。
しかし直後にセリムが消える。
満の仮説は正しいのか?
セリムは生きているのか?

【感想】

うーん、満の存在って…??
謎が解き明かされるにつれ、
満がなぜ同行する必要があったのか
わからなかったなぁ。
言うほどミステリーでもないし
ファンタジーでも無く…。
消化不良の感がありますが、友人によると
この話はシリーズ化されていて
次の作品から面白くなるらしいので
次作「クレオパトラの夢」に期待します。

恵弥は何故か私の中では男だけど天海祐希さんだった(笑)

双葉文庫
264頁

【こんな人におススメ】

ミステリー好き
不思議系の小説が好きな人