ファーストエンジン 未須本有生

「最大のネックがよりによってプロジェクトのトップですから」

エンジンメーカーの岩見沢原動機は
超音速エンジンプロジェクトが始動していた。
プロジェクトリーダーに本城を筆頭に
サブリーダーの城内、三宅、新人の中河が配属され
日夜、エンジンの課題を一つずつクリアしながら
勧めていた。


 

 

 

 

国産初のアフターバーナーエンジンは
最終の燃焼試験を迎える。
その試験終了間際に爆発が起き
中河が命を落とす。

責任を問われる形で本城と三宅が左遷され
プロジェクトは中止となる。
プロジェクトマネージャーの阪下は新規開発には
消極的で、これまで本城が様々な要求を上げてきても
却下してきた。
事故の原因も追究せず責任を本城に押し付ける。

本城は中河家を訪れ、父親に事故までの経過を説明し
責任を取って退職する意向を伝えるが
中河の父親はそうではなく、事故の原因を解明し
アフターバーナーエンジンを完成させて欲しい
それが息子も望むことだと懇願した。

一方城内はライバル会社からエンジンの共同研究の
話を持ち掛けられる。
城内はこれをチャンスと捉え、自己究明のとっかかりに
しようと根回しを始める。
事故解明はできるのか?
エンジンの開発は再開するのか?
エンジニアたちの闘いが始まる。

ストーリーはとても面白くお仕事小説としても
楽しめますが、著者が航空機の設計に携わってたこともあり
エンジンの詳しい説明がかなりのページを占めています。
もうここはチンプンカンプン…。
エンジン系統に詳しくない方は
説明の部分をさらっと流す程度にして本筋を読み進めないと
挫折しそうな小説です。

実はこの小説松本清張賞を受賞した「推定脅威」の
スピンオフ小説だというのが解説を読んで判明しました。
今、推定脅威を読むかどうか思案中です。

 

 

 

 

【目次】

第一章 競合開発の行方
第二章 技術者の矜持
第三章 再起への挑戦
解説 小森陽一

集英社文庫
244頁(解説を含む)

著者 未須本有生
1963年、長崎県生まれ
東京大学工学部航空学科卒業
大手メーカーで航空機の設計に携わる
2014年第21回松本清張賞受賞

著書
「推定脅威」
「リヴィジョンA」
「ドローン・スクランブル」など

娘役 中山可穂

「おまえは何のために俺のところにやってきたんだい?」

一亀会の片桐は大鰐組の組長ムッシュこと大鰐健太郎の命を狙い
三か月間尾行を続けていた。
片桐にチャンスが巡り、きらびやかな建物に入っていく
ムッシュの後に続くとそこは宝塚大劇場だった。
なんとかムッシュの真後ろの席を手に入れて
その細い首に手をかけようとしたときに
舞台からラインダンスの靴が片桐を目掛けて飛んできた。
ここから片桐の人生が変わっていく。


 

 

 

 

これだけだと単なる極道の話ですよね。
物語はやくざの片桐のパートと雪組娘役のび太こと
野火ほたるのパートで構成されています。
片桐はほたるの靴が縁でほたるを陰ながら応援することにします。
極道もんなので表には迷惑をかけない
ある縁で一瞬、ほたると片桐が言葉を交わす
場面があるのですが、それがまた片桐に負い目となる
出来事も起こり
最後は昔のフランス映画を思い出すような演出でした。
若かりし頃のアランドロンが私の脳内で再生され
本を閉じた時には「FIN」と浮かびました。

私が小学生の頃はちょうど「ベルサイユのばら」が全盛期でした。
安奈淳さんや麻実れいさんの頃です。
祖母に「見たい」とせがんだのですが、チケットは取れませんでしたが
宝塚大劇場までは連れていってもらえました。

それから40年も経ち、とあるご縁で娘と宝塚大劇場に
足を運びました。
初めて生で見る舞台に感動し圧倒され何度か観劇し
宝塚そのものに興味を持ちこの本にたどり着きました。
また、舞台に足を運びたいなぁ。

 

 

 

 

KADOKAWA
211頁

著者 中山可穂
1960年生まれ
早稲田大学教育学部英語英文科卒
1993年「猫背の王子」でデビュー
1995年「天使の骨」で朝日新人文学賞、
2001年「白い薔薇の淵まで」で山本周五郎賞を受賞
著書
「マラケシュ心中」
「男役」
「ケッヘル」など多数

スマイリング !  土橋章宏

「俊太 ! トレインを組むぞ !

関口俊太は函館市に住む中学生
自転車が好きで友達と一緒に函館山を登る。
昨年、行われたロードバイクレース、ツール・ド・函館を
間近で見て俊太を含めてクラスメイト達は熱狂。
海外ブランドの自転車を買ってもらったが
俊太は母と二人暮らしのためママチャリで
友人達の後ろを必死でついていっていた。

今年のツール・ド・函館はジュニア部門があると知り
色めき立つ友人たち。
レースに向けて練習を始めるが俊太はそこには居なかった。

自転車を買ってとは母に言えず
でもロードバイクを諦めきれず
近くにある「岩熊自転車」で自転車を眺める毎日。
最初は俊太を邪険に扱っていた店主の岩熊だったが
俊太の家の事情や自転車への思いを知り
俊太の自転車をチューンアップする。
岩熊は実はロードバイクチームのメカニックだった。
俊太と岩熊、二人三脚の練習が始まる。


私の住んでいる町は坂が多いので
街乗り用のロードバイクに乗っています。
知人会うとたまに「カッコイイね」と言われ
嬉しくなります。
俊太と岩熊の練習の中で、坂の上り方や
下りのカーブの曲がり方なども書いてあって
フムフムと思いながら読みました。
自転車物は近藤史恵さんの「サクリファイス」以来です。
読んでいると自分もレースに挑戦してみたいなぁ
と思ってしまいます。
沖縄で開催される大会には、のんびり海岸線70kmを走る
小学生から参加できるファミリーコースがあるので
そこから参加できればと思っています。
来年には!!

 

 

 

 

【目次】

第一章 はみ出し者
第二章 強さの証明
第三章 決戦

著者 土橋章宏
1969年、大阪府豊中市生まれ
関西大学工学部卒業
「超高速 ! 参勤交代」で作家デビュー
同名映画で第38回アカデミー賞最優秀賞脚本賞を受賞
著書
「幕末マラソン侍」
「天国の一歩前」
「引っ越し大名三千里」など

土橋章宏ツイッター

人生がときめく片づけの魔法 近藤麻理恵

「片づけとはモノを通して自分との対話する作業」

娘の部屋と私の部屋を入れ替えることにしました。
片づけを通り越して模様替え
プチ引っ越しです。

この際、片づけも済ましてしまおうと
断捨離に続き、こんまりさんの本を読みました。
物を捨てる順番や物別の片づけの方法が載っていて
参考になりました。

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人生が変わる! フルマラソン完走法 坂本雄次

頑張らないことが長続きの秘訣

私は走ることが苦手です。
マラソンや駅伝を見るのは好きなのですが
自分が走ることは無いと思っていました。

そんな私が1年半前に友人に誘われて
始めてマラソン大会に参加しました。
それも60kmのウルトラマラソンです。

準備は靴や靴下、テーピングを購入し
当日の1か月前に15kmほど歩くだけ。
結果は途中リタイヤ(当たり前ですよね)

準備をしていなかったのに
途中リタイヤは悔しくて()
走るいや早歩きでした。
何時間も一人で歩き、汗をかくのが
気持ちよかったこと
この時間が自分と向き合う時間になったこと
もう一度マラソン大会に出てみたい
と思うようになりこの本を手に取りました。

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子は親を救うために「心の病」になる  高橋和巳

親の生き方が、子を苦しめている」

文庫本の帯に書かれている一文です。
強烈な題名にも惹かれたこと
私の娘が不登校だったので
この本を手に取りました。

著者の高橋和巳さんは精神科医
福島医科大学卒業後、
東京医科歯科大学の神経精神科に入局
都立松沢病院精神科医長を退職後
都内でクリニックを開業し、診療を続けています。

この本に書かれてあるケースは実際に高橋先生の患者さんです。
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