もものかんづめ さくらももこ

「アンタの話はウソ八百」

さくらももこさんの初エッセイです。
高校生の時に水虫になった話
短大生の時のバイトは健康食品店
OL時代の話と様々。
語り口調はいつものちびまる子ちゃん


水虫になった時には姉から
「トイレのスリッパは使うな」
「部屋を裸足で歩くな」と掟を作り
父からは「水虫女」と言われ
母からは「私も昔、水虫になったことがある」
と、カミングアウトされる。
さくら家は、なんだかんだ言っても家族の仲がいいなぁ。

エッセイを読んでいて思ったのは
観察力が優れていて、文章にすると
ちょっと卑下するところもあるけど、
「そんな言い回しがあるのか~」と引き込まれてしまいました。

私はももこさんと同世代なので
文章にちりばめられているちょっとした昭和なフレーズも
メロディ付きで頭の中に流れてきました。

この本は発売された年に買って27年振りに読みました。
自分の失敗や家族の失敗をここまで赤裸々に
書いてあり、大笑いしながらも、また明日がんばろうと
思える本でした。

若くして亡くなられたのがとても残念でなりません。
さくらももこさんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

【目次】

奇跡の水虫治療
極楽通い
健康食品三昧
明け方のつぶやき
メルヘン爺
恐怖との直面
サルになった日
無意味な合宿
乙女のバカ心
宴会用の女
意図のない話
スズムシ算
底なし銭湯
金持ちの友人
週刊誌のオナラ
結婚することになった
その後の話
あとがき

集英社
235ページ

著者 さくらももこ
1965年、静岡県生まれ
静岡英和学院大学短期大学部卒
漫画家、エッセイスト、作詞家

著書
「ちびまる子ちゃん」
「さるのこしかけ」
「たいのおかしら」など多数

さくらプロダクション さくらももこ公式情報

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探しているものはそう遠くないのかもしれない 新井見枝香

「会社は学校と違って、知らないことを教えてくれはしないんだよ。自分で知ろうとしないと、知らないままなんだよ」

筆者の新井さんは東京都内の書店員さん。
芥川賞や直木賞と同日に「新井賞」を発表していて
新井賞受賞作品の方が芥川賞・直木賞作品より
売れるという現象さえ起きている
カリスマ書店員さんです。

 

 

 

 

 

 

 

本書は新井さんのエッセイ。
GLAYが好きで、一人で居ることが好きな新井さん。
そんな新井さんの書店員としての日常や
家での様子が赤裸々に書かれています。

読んでいて楽しいのは新井さん以外の登場人物の設定です。
実名やイニシャルではなく、その人の特徴を捉えてニックネームで
書いてあります。
課長は人気者書店員で「アルパカ課長」
係長は「カンガルー係長」
売れっ子男性作家の「シェパードさん」
名前の後にはわざわざ(仮名)と書いてある。
わかるよ~~(笑)
そして私はそのニックネームからどんな人か妄想しながら読みました。

話は脱線して違う方向に行ったかと思えば
「ミステリーの様に伏線なのだ」としれっと言い
売れ残ったスープを従業員が持ち変えれるとしたら…
と妄想で話が進んでいきます。

文章でも「私は嘘がつけない」と書いてあるように
嫌なことは嫌とバッサリ切り捨てて小気味よく
果てしない妄想は着地点かあったりなかったり。
それでいて一気に読み終わってしまうのは
新井さんの文章力と表現力と妄想力ではないでしょうか。

一書店員の生態が綴られていてとても面白く読めました。
ちなみに「新井賞」は「文学賞の世界」という文学賞を紹介する
サイトに表示されています。
新井賞受賞作品を読んでみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

【目次】

はじめに
#01 会社に向いていない
#02 結婚に向いていない
#03 大人に向いていない
#04 たまに向いてることもある
#05 生きるのに向いてない
おわりに

秀和システム
231ページ

著者 新井見枝香
1980年東京都生まれ
アルバイトで書店に入社し、契約社員数年を経て
現在は正社員として営業本部に勤める成り上がり書店員
開催したイベントは300回を超える
文庫解説や帯コメントなどの依頼も多い。

著書
「本屋の新井」

 

新井賞

新井見枝香 note

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日日是好日 森下典子

「決まりごとを離れたとっさのアドリブこそが、人としての実力の見せどころなのだ」

森下典子さんのエッセイです。
副題に「『お茶』が教えてくれた15のしあわせ」とあるように
森下さん自身が二十歳から習い始めた
茶道の二十五年間を綴ったものです。


 

 

 

先生との関係や二十歳のころからの
疑問に思ったことや習った一つひとつを
丁寧に描いています。

森下さん自身はまず「お茶の心得」を
学ぶところから始まるのでは…
と思っていましたが、実際は
帛紗(ふくさ)の使い方でした。

只々、お茶のたてかた…お点前の作法を習うだけ。
森下さんは「なぜ、手首をくるりとやるんですか?」
「なんで?」と動作の意味を先生に尋ねますが
先生は「意味なんかわからなくても、そうするの」
というだけです。

学校教育では「わからないことはその都度、わかるまで聞きなさい」
と言われてきたのに、ここでは
「わけなんか、どうでもいいから、とにかくこうするの。
お茶ってそういうものなの」
森下さんは戸惑います。

このことを理解するのに十年以上の月日を要するのでした。
「先生は、私たちの内面が成長して、自分で気づき、
発見するようになるのを、根気よくじっと待っているのだった」

学校とお茶との違いも書かれています。
「学校もお茶も、目指しているのは人の成長だ。
けれど、一つ、大きくちがう。
それは、学校はいつも『他人』と比べ、
お茶は『きのうまでの自分』と比べることだった」

「個性を重んじる学校教育の中に、
人を競争に追い立てる制約と不自由があり、
厳格な約束事に縛られた窮屈な茶道の中に、
個人のあるがままを受け入れる大きな自由がある」

掛け軸や美しい和菓子、床の間に飾られる今朝つんだばかりの花
茶碗や道具など、どれ一つとってもそこに季節があり
その日のテーマと調和がある。
それがお茶のもてなし。

季節のサイクルに沿った日本人の
暮らしの美学と哲学を、自分の体に経験させながら
知ること…。

森下さん自身の生活の変化とお茶のお稽古の関わりなども
書かれています。

私自身、お茶を習ったことが無いので
このエッセイを読むことで
若き日の森下さんと一緒にお茶のお勉強をしているようでした。

「心を入れる」
「自分と人と比べない」
「今の気持ちを集中させる」
「学びとは自分を育てること」

お茶を通して自分と向き合う時間を作ることの
大切さをこの本から学びました。

 

 

 

 

【目次】

まえがき
序 章  茶人という生きもの
第一章  「自分は何も知らない」ということを知る
第二章  頭で考えようとしないこと
第三章  「今」に気持ちを集中すること
第四章  見て感じること
第五章  たくさんの「本物」を見ること
第六章  季節を味わうこと
第七章  五感で自然とつながること
第八章  今、ここにいること
第九章  自然に身を任せ、時を過ごすこと
第十章  このままでよい、ということ
第十一章 別れは必ずやってくること
第十二章 自分の内側に耳をすますこと
第十三章 雨の日は、雨を聴くこと
第十四章 成長を待つこと
第十五章 長い目で今を生きること
あとがき
文庫本あとがき
解説   柳家小三治

 

新潮文庫
252頁
著者 森下典子
1956年、神奈川県横浜市生まれ
日本女子大学文学部国文科卒業
大学時代から「週刊朝日」連載の人気コラム
「デキゴトロジー」の取材記者として活躍。
著書
「典奴どすえ」
「典奴ペルシャ湾を往く」
「ひとり旅の途中」など

『むなしさの正体 正しい幸せの求め方』 武田双雲

目標を達成した後に何故だか「むなしい」気持ちになることがありませんか?

書道家の武田双雲さんは自ら発達障害であることをオープンにして講演活動も行っている書道家です。
この本は誰もが抱える「むなしさ」についての正体とその付き合い方を書いています。

双雲さん自身も子どもの頃にむなしさを感じたそうです。
家にいても学校にいても、気が休まらない。
言いたい事が伝わらず何をやっても上手くいかず、
心の中にはもやもやしたものが、ずっと溜まっている状態。

そうそう私もそうだった。
仕事で任されたイベントを成功させたのに、達成感は一瞬だけで後はなんだかもやもや…
そのうえやる気もでなくなった時がありました。

いろいろなむなしい状態を経験しての共通項は
「受動的な人生だった」


「むなしさ」の原因は未来志向・成長主義が原因

 

 

え?何故?
未来志向って前向きでいいんじゃないの?

目標設定が具体的であればあるほど、
目標が達成された時にやってくる「むなしさ」
それは、燃え尽き症候群とも似ているかもしれません。

じゃあ、むなしくならない為にはどうすればいいの??

「成長にこだわり過ぎない(拘らないではないですよ)
そして、今、目の前のことを楽しむ!!
目標を数値化せず、目標達成に拘らず「ビジョン」を描くことを習慣づける」

と、あります。

「目標」と「ビジョン」の違いは???

「世界中の人々が楽しく暮らす、そんな夢を描きながら、それを忘れるくらい自分が瞬間瞬間を楽しむ。
出会う人、目の前の人を楽しませる」

具体的な目標ではなく、その先にあるもの…と私は捉えました。

「過去は変えられる」
「感情が事実を呼びこむ」
「自分をチューニングする」
「あるものリスト」
「トラウマに苦しまない方法」

など、むなしさと付き合い自分をコントロールする、
すぐにでもできる具体的な方法も書いてあります。

実際私も自転車通勤で、細い道で前を歩いている人が真ん中を歩いていたりすると
「もうっ、行かれへんやん(関西人です)」と心の中で毒づいてました…が
この本を読んだ後は、擦れ違う人全員に心の中で「おはよう~」と呟いていたら、
なんだか気持ちがご機嫌さんに(^^♪

少しはチューニングできたかも

そして、書道家ならではの文字の説明もこの本の魅力です。
「頑張る」…「頑なに張る」
「嘘」…「口に虚しい」
「儚い」…「人の夢」

 

ちょっと不思議でなんだか元気がもらえる双雲ワールドに浸ってみませんか

おススメの一冊です

【目次】

まえがき
・むなしさを考えるきっかけ
・僕も子どものころは、むなしさに苦しんだ
・受動的な人生はむなしい
・武田双雲がむなしさについて語る意味

第1章 むなしさの正体を解く
●未来志向・成長主義がむなしさの原因
●むなしさの方程式を解いていく
●虚実のバランス
●期待しない。明確な目標をもたない
●むなしさを消してくれる脳内物質がある?

第2章 むなしさいろいろ
●つかみ系の人は自分のむなしさに気付かない?
●競争で勝つことに意味はない
●なぜ名誉を得てもむなしいのか
●外的要因に影響されると燃え尽き症候群になりやすい
●トラウマにとらわれるむなしさ
●むなしいときこそ満たされるチャンス

第3章 僕がいま、むなしくならない理由
●むなしさとのバランスの取り方
●世間の評価にとらわれすぎない
●感情が目の前の事実を呼びこんでくれる
●我慢するよりも大事なのはチューニング

第4章 むなしさとの付き合い方
――上手にチューニングする実践法
●むなしさは消せないけれどチューニングは可能
●自分に噓をつくむなしさ
●むなしさを減らしていくには人称を上げる
●自分のほうから満たされ続ける効果的なコツ
●仕事を楽しむにはまず通勤を楽しんでみる
●むなしさシステムが発動するクセはコントロールできる
●承認欲求を満たされなくてもむなしくない生き方
●カリスマに学ぶビジョンの持ち方
●選択肢の多いなかからベストを選ぶコツ
●むなしさを消すには、まず形から入ってみる
●思いきって競争をやめたら成績は伸びる
●SNSがコミュニケーションのむなしさを助長している
●無理をせず感覚に任せる
●究極のむなしさは死の直前に訪れる?

【こんな人におススメ】

なんだか胸のうちがモヤモヤする
最近仕事が面白くない
人生や仕事で大きなイベントを経験した

 

 

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