この夏のこともどうせ忘れる 深沢仁

「必要なのは『ちょうどいい人』だ」by 梨奈

【あらすじ】
市井梨奈は高校三年生。
一か月前に別れた彼氏は大学生。
高校生活最後の彼氏を誰にしようか迷っている。
制服でデートしたいので同じ学年の男子を探している。
友達のアッコは「フツーの受験生はそんなヒマないよ」という。
だから梨奈は「ちょうどいい人」を探している。
白羽の矢を立てたのは「生き残り」と呼ばれている篠晃弘。

野球部に入った篠は、先輩からのいじめや超体育会系の練習で他の一年生が辞めたなか唯一残った。
熱中症事件が起こった死のロードワークでも、二年生が全滅になったが篠だけは倒れずに職員室に駆け込み救急車を呼んでもらった…まさしく「生き残り」なのだ。
このことがきっかけで野球部は廃部。
そんなエピソードを聞き、梨奈は篠のことが好きになる。

篠のバイト先に行き、告白するとすんなりOK。
デートをしても篠は口数が少なく梨奈が喋りっぱなし。
それでも梨奈は篠との恋愛を楽しんでいた。

夏休みのある日、私服でデートをしていると篠の両親と妹達の四人とバッタリ出会った。
その日から梨奈がメールをしても電話をしても連絡が取れなくなった。
数日後、篠のバイト先に行くと同僚が携帯が壊れて梨奈と連絡が取れなくなったこと。
篠は風邪でしばらくバイトを休むこと。
連絡先を教えてくれたら後で連絡すること。

篠から連絡があり梨奈は「会いたい」とせがむ。
梨奈の家に来た篠の顔は殴られた痕があり、左腕も腫れあがっていた。
篠は家の状況を少しずつ語り始めた…。

【感想】
どの話も妙に心に引っかかってしまうストーリーです。
特にあらすじを紹介した「生き残り」は胸キュンでした。
梨奈ちゃんが可愛らしいし、篠くんのキャラはど真ん中💕
切ないラブストーリーにやられました。

どの話も主役は高校生。
高校生の夏って子どもでもなく、大人でもない
感受性は豊かで怖いもの知らず。
自分の高校生の夏を振り返っていました。

夜遅くまで友達の家で喋ってたこと。
初めて外泊したのも高校生だった。
バイト先の友達と近所の駐車場で夜中まで遊んだこと。
あれもこれも全部、夏の出来事だったなぁ。
懐かしくてちょっぴり照れくさいあの日の事を思い出させてくれる本です。

【目次】
空と窒息
昆虫標本
宵闇の山
生き残り
夏の直線
あとがき

ポプラ社
268ページ
2019年7月4日第1刷発行
640円

著者 深沢仁
都内在住の物書き。
極度な方向音痴。
気分屋の浪費家。
夜型の嘘吐き。
飽きっぽい。
忘れっぽい。
第2回「このライトノベルがすごい!」大賞優秀賞受賞作『R.I.P. 天使は鏡と弾丸を抱く』でデビュー

著書
「狼少女は羊を逃がす」
「英国幻視の少年たち」など

深沢仁 ブログ

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罪の声 塩田武士

今回は私のラジオ番組「ホンスキー倶楽部」で紹介した本です。
テーマは「上半期に読んだ、私のおススメ本」


インターネットラジオゆめのたね放送局
関西チャンネル
毎週日曜午前11時~11時

試聴はこちらからできます。

https://yumepod4.xsrv.jp/wp-content/uploads/2019/06/7-2_honsukiiclub_20190613.mp3


ラジオネーム  ひろさん
塩田武士 「罪の声」 講談社

① この本のおすすめどころ
自分が学生時代にニュースで見ていたグリコ森永事件(作品のなかでは「ギンガ萬堂事件」)
結局犯人が分からず時効になってしまいました。
色んな犯人説があるなかで、これが真相かも?!と、思ってしまうくらいのリアリティな所です。

②  この本との出会い
この本が新刊で出た頃からずっと読みたくて、でも、古本屋派の僕は新品で買う勇気もなくて…。
たまたま行った古本屋で108円で売ってました!
読んだ後は、めちゃくちゃ面白かったので新品でも買う価値あり!と思いました。

⓷  今年一番の出来事
北海道に来て2年半。初めて「札幌雪まつり」に行きました。

【あらすじ】
「これは、自分の声だ」
京都でテーラーを営む曽根俊也は、ある日父の遺品の中からカセットテープと黒革のノートを見つける。
ノートには英文に混じって製菓メーカーの「ギンガ」と「萬堂」の文字。
テープを再生すると、自分の幼いころの声が聞こえてくる。
それは、31年前に発生して未解決のままの「ギン萬事件」で恐喝に使われた録音テープの音声とまったく同じものだった。

未解決事件の闇には、犯人も、その家族も存在する。
昭和最大の未解決事件―「ギンガ萬堂事件」の真相を追う新聞記者と「男」がたどり着いた果てとは――。気鋭作家が挑んだ渾身の長編小説。

【感想】
元々新聞記者だった塩田武士さんは、この小説が書きたかったのですが、なかなか編集者からOKが出なかったそうです。
自分が書く前に誰が他の人が小説にしたらどうしよう…と思っていたくらい。
そもそも、この事件に興味を持ったのは、学生時代に読んだ本に脅迫電話に子どもの声が使われたと知り、事件当時の年代から自分と同年代では?
どこかですれ違っていたかもしれない…。
と思ったそうです。

この話は2年前に森ノ宮にある「まちライブラリー」でのイベントで塩田武士さんのインタビューがあり、直接聞きました。

事件は未解決ですが、自分の声が使われたと知った犯人の子ども…今は大人ですが、どんな心境なのか…。
事件が解決していたとしたら犯罪者の子どもとしての人生…。
未解決なら罪の意識に捕らわれた人生なのでしょうか?

加害者の家族…という視点から、この事件を見ることができる1冊です。

小栗旬さん、星野源さんが出演 で映画にもなり2020年に公開予定です。
観てから読むか、読んでから観るか…(角川映画の宣伝でしたね)

著者 塩田武士
1979年兵庫県生まれ。
関西学院大学社会学部卒業後、神戸新聞社に入社。
2010年『盤上のアルファ』で第5回小説現代長編新人賞を受賞し、小説家としてデビュー。
同作は第23回将棋ペンクラブ大賞文芸部門大賞も受賞。
2012年神戸新聞社を退社。
専業作家となる。

著書
『女神のタクト』
『ともにがんばりましょう』
『歪んだ波紋』など多数

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新・魔法のコンパス 西野亮廣

「挑戦してください」

この本は書店でもよく見かけていました。
「あぁ、西野さんまた新刊だしたんだなぁ」と気にはなっていました。
Facebookの「本が好き!倶楽部」の管理人、久木田裕常氏が主催でZOOMで6月に読んだおススメの本を紹介するイベントがあり参加しました。
そこで、久木田氏がフリーランスになりたての人におススメしていたのがこの本でした。

◆お金は「他者に提供した価値の対価」
・お金は他者に提供した「労働」の対価ではなく「価値」の対価
 山の上の缶ジュースが高いのは何故?
 ✖ 山頂へ運ぶコスト
  〇 地上にいる時よりも汗を流して山を登った後のほうがジュースを欲しているから
  → 山の上の缶ジュースは高くしても売れるから高い
◆収入を増やすには、自分自身の希少価値を上げる
・一つの分野に1万時間費やすと「100人に一人の人材になれる」
・「100万人に一人の人材になる」ためには?
→ 職業を掛け合わせる
→「100人に一人の人材の分野 A」✖「100人に一人の人材の分野B」
→ AとBは離れたものにする
  例 西野亮廣氏 A=お笑い B=絵本 ★漫才ができる絵本作家

◆人は相談「する」よりも「される」ほうが気持ち良い
・広告の方法で困ったら相談する。
→ 自分が必要とされて、嬉しくない人間はいない
→ アドバイスを貰うと、相手はお客さん第一号になる
◆集客したければ「お客さんの一日」をコーディネートする
・一つのコンテンツではなく、複数のコンテンツが堪能できる「一日」をコーディネートする
→ A:ライブのチケット
  B:ライブのチケット+終演後の交流会の参加チケット
  BのチケットがAより高いにもかかわらず、よく売れた。

◆自分をブランド化して「ファン」を作る
・「機能検索」の時代が終わり「人検索」の時代が始まった
・機能や品質、値段で他との差別化が図れなくなっている
・同じ味、同じ値段、同じ内装の店が並んでいるときに店を選ぶ理由
→「誰が働いているか?」
◆ファンは「理念」を支持してくれる人
・姿勢や理念に共感し、変化していくことも支持してくれる人
・ファンの線引きはハッキリしておく
・「にわかファン」を否定する「コアファン」がコミュニティーを破壊する

まとめ

1.お金は提供した価値の対価
2.複数のコンテンツが堪能できる一日をコーディネイトする
3.「人検索」の時代、自分をブランド化してファンを作る

【感想】
話し言葉で書いてあり、ページに余白もあるのでとても読みやすい本です。
「働く=労働」の概念が変わります。
本の中盤には近畿大学平成30年度卒業式スピーチが「特別付録」として掲載されています。
スピーチの中で一番印象に残った言葉が冒頭の「挑戦してください」でした。
人は何歳になっても「挑戦」することが大切なんだと身に染みました。

私は若い頃に勇気が無かった為に諦めてきた事が山の様にあります。
50代半ばを迎え、今からでも「やってみたい事」に諦めず挑戦しようと思います。
その一つが富士登山であり、コミュニティー作りです。
自分一人では無理なことも、周りの人を巻き込むことで実現します。

自分には無理かも…
前に挑戦してダメだった…
諦めかけていたことをやってみようと思う気持ちを後押ししてくれる本です。

【目次】
はじめに
第1章 お金
第2章 広告
特別付録 この世界に失敗など存在しない
第3章 ファン
『夢を追いかけているキミへ』

角川文庫
285ページ
2019年5月25日第1刷発行
電子書籍あり

著者 西野亮廣
1980年生まれ。
芸人、絵本作家etc
1999年に梶原雄太と「キングコング」を結成。
人気絶頂の2005年、「世界一面白い芸人になる」夢を叶えるため、テレビから軸足を抜いた結果「炎上芸人」などとパッシングを受けるが、絵本やビジネス書執筆など結果を出し続け、熱狂的支持を得る。
オンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」は国内最大で2019年4月現在、会員数2万3000人超。

著書
「新世界」
「魔法のコンパス」
「革命のファンファーレ」など

西野亮廣 ブログ

西野亮廣エンタメ研究所

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密室を開ける手 KZ Upper File 藤本ひとみ

「天国はおまえの心の中にある。死んだ人間が天国に住めるかどうかは、おまえ次第なんだ」by 黒木

【あらすじ】
上杉和典は医者の家系に生まれ数学が得意な高校二年生。
祖父が亡くなったが通夜、葬式には出席せず学校に通っていた。
母より父のシャツをクリーニング店から取って来るように言われる。
クリーニングに出したシャツとズボンには染み抜きをしており、調べると血であることが分かった。
ズボンのポケットには飛行機の搭乗券が入っていた。

不定期で長崎に行く父、普通では考えられない血痕が服についていたことを疑問に思う和典。
母は父が長崎に女が居ると思っている。
それは本当なのか?
葬式の間に父の部屋に入り黒いファイルを見つける。
そこにはこれまでの長崎行きの搭乗券と古い写真が1枚挟んであった。

父の長崎行きは何のためなのか?
祖母を訪ねた和典は写真が祖父であることを知る。
祖父の実家は長崎だった。
その家はもう売却してしまった事を知り、なお長崎行きの謎が深まる。
何度か祖母と会ううちに祖母から和典に依頼があった。

祖父は仲の良い幼なじみが居た。
名前は山下野江。
祖母と結婚してから野江が祖父を訪ねてきた。
その日の日記を見て欲しいと言うのだ。
祖父は毎日日記を書いていた。
祖母は祖父と野江との関係を疑っていたが自分で日記を読む勇気が無いので和典に頼んだのだった。

祖父の日記に何かヒントがあるかもしれない。
そう思った和典は祖父の日記を見る。
祖母が伝えた日付のページはきれいに切り取られていた…。
八方ふさがりになった和典は祖父の持ち物から手がかりを得ようとして、祖母が通院日に合わせて訪ねて行き、祖母には日記を丹念に見たいと申し出ていた。
祖母が出かけ一人になって調べていると、家の鍵が開く音がする。
父が誰かと一緒に祖父の部屋に入っていった…。
一体なぜ???

【感想】
設定が面白く最後の展開も驚きでした。
祖父・父・和典が共にする秘密。
それは壮大で切なく悲しいラブストーリーです。
和典の父が隠している秘密は何なのか?
長崎に何があるのか?
著者の筆力に魅了されて瞬く間に最後まで読み切りました。

主人公の和典の知識量の多さや行動力と友人たちとの連携は、高校生というより大学生の設定の方が良かったように感じました。
チームKZの今後の活躍を期待します。

【目次】
序章  鍵のない密室
第一章 黒いファイル
第二章 記憶
第三章 計画
第四章 法律スレスレ
第五章 パンドラの匣
終章  エッジエフェクト

講談社
258ページ
2019年7月9日第1刷発行
本体価格 1400円
電子書籍あり

著者 藤本 ひとみ

長野県生まれ。
西洋史への深い造詣と綿密な取材に基づく歴史小説で脚光を浴びる。
フランス政府観光局親善大使を務め、現在AF(フランス観光開発機構)名誉委員。
パリに本部を置くフランス・ナポレオン史研究学会の日本人初会員。

著書
『皇妃エリザベート』
『シャネル』
『アンジェリク 緋色の旗』
『ハプスブルクの宝剣』
『失楽園のイヴ』など多数。

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「ペンギンは空を見上げる」八重野統摩

今回は私のラジオ番組「ホンスキー倶楽部」で紹介した本です。
テーマは「上半期に読んだ、私のおすすめ本」

インターネットラジオゆめのたね放送局
関西チャンネル
毎週日曜午前11時~11時半
「ホンスキー倶楽部」

試聴はこちらからできます。

https://yumepod4.xsrv.jp/wp-content/uploads/2019/06/7-1_honsukiiclub_20190613.mp3

ラジオネーム ぶるぼん
八重野統摩「ペンギンは空を見上げる」ミステリ・フロンティア

① この本のおススメどころ
自分の手によって成功も失敗もきちんと糧にして成長していくところがオススメです。
物語は宇宙に憧れ、自作で風船ロケットを作る小学6年佐倉ハルくん。
夢に近づくために手作りロケットで成層圏からの写真撮影を試みています。
もし私だったら、きっとネットで検索をしてすぐ答えを見つけてしまうと思うのです。
失敗をしないために・・・。

パソコンやスマホの普及によって、答えをすぐ探してしまうようになってから、私は失敗という言葉をとても恐れるようになった気がします。
しかしハルくんはネットの答えに頼らず、自分で考え実践し失敗から何がダメだったのかを考え次に活かします。

こういう学習の仕方は本来あるべき姿だと思うのに、私はいつのまにそのことを忘れてしまったのだろう・・・と気がつくきっかけになりました。
主人公が小学生ではありますが、大人が読んでもたくさんの気づきを得ることができ、また子供にも「失敗を恐れずチャレンジする」ことを伝えることができる良作だと思います。

② この本との出会い
SNSで紹介されていたのがきっかけです。
ペンギンが好きでペンギンの文字に心惹かれて読んでみました。
本の表紙の写真もとても素敵だったのも印象に残ったきっかけかもしれません。

③ 今年(上半期)1番の出来事
生まれて初めて北陸に行ったことです。
今年の10連休に富山、石川、福井とまわってきました。
趣味の1つに日本100名城というスタンプを集めているのですが、東京在住の私には西日本や北陸はなかなか行く機会に恵まれませんでした。

今回のゴールデンウィークで富山、石川、福井のスタンプが全部押せたので、歴史に触れたり、その土地のおいしいものを食べたり、他の観光施設を見ることができたりと、とても充実した旅行になりました。

日本三名園の1つ兼六園にも初めて行ってみたのですが、ちょうど虹が出ててとてもきれいな庭園を見ることができました。

【あらすじ】
将来、NASAのエンジニアになりたい小学六年生の佐倉ハルくんは、風船宇宙撮影を目指しています。
できる限り大人の力を借りず、自分だけの力で。
そんなことくらいできないようでは、NASAのエンジニアになんて到底なれないから、と。意地っ張りな性格もあってクラスでは孤立、家に帰っても両親とぎくしゃくし、それでもひたすらひとりで壮大な目標と向き合い続けるハルくんの前にある日、金髪の転校生の女の子が現れて…。ハルくんの、夢と努力の物語。
奮闘するこの少年を、きっと応援したくなるはずです―読み終えたあとは、もっと。

著者 八重野/統摩
1988年生まれ、北海道札幌市出身。
立命館大学経営学部卒業。
電撃小説大賞への応募作が編集者の目に留まり、2012年に書き下ろし長編『還りの会で言ってやる』でデビュー

余命3年 社長の夢 小澤輝真

「元受刑者にせよ、中卒者にせよ、障害者にせよ、仕事があるということは、とても重要なのだ。そして、どのような人でも、必ず能力を発揮できる仕事はある」

著者の小澤輝真氏は父親の会社、北洋建設株式会社の代表取締役社長である。
父親から譲り受けたのは会社だけではなく、「脊髄小脳変性症」という病もだった。
この病気は親が原因となっている遺伝子を持つと子供には半分の確率でその遺伝子の変化が伝わる。
小澤氏の父親もこの病気で亡くなっている。

小脳などの神経細胞が少しずつ萎縮していく進行性の病気で、言語や運動の機能に障害が起こる。
小澤氏は表紙にもあるように車いすを利用している。
医者から「余命はおよそ10年でしょう」と宣告されてから7年経った。
なので、「余命3年」なのである。

小澤氏の会社は父親の代から、元受刑者を受け入れている。
仕事だけではなく、居場所づくりである。

人は仕事さえあれば再犯しない

元受刑者は出所しても仕事が直ぐには見つからず
元受刑者だという事がわかって首になるケースもある。
住む場所がなく、出所時にまとまったお金も無く、結局は三度の食事と雨風をしのげる場所を求めて、あえて微罪を犯して刑務所に戻るケースも多い。

会社では過去をオープンにする。
先輩から過去を話し、アドバイスもし安心感が生まれる。
初めからオープンにすることで隠し事は無くなり嘘もつかなくてよくなる。

北洋建設だけが元受刑者の働きやすい場所では根本的な解決にはならない。
小澤氏は少しでも元受刑者が仕事につけることができるように国へも働きかけている。
再犯で刑務所に戻れば、その費用は税金で賄われている。
元受刑者達が自立できることが、節税にもなるのである。

人生で一番大事なものは自分

一番大切なものはと聞かれて小澤氏は
「家族や友達を大切に思うのも、お金を使うのも自分です。
だから自分を大切にしてください。
将来、いやなことがあっても自分を守ってください」
と答えている。
全ての人へのメッセージだ。

「脊髄小脳変性症になったからこそできたこと、実現したことがたくさんある」
どこまでも前向きな小澤氏の人生と未来がここに記されている。


【感想】
病気を発症し余命が宣告された後に小澤氏が残りの命をどう使いたいか考えた。
でてきたのは「元受刑者らの就労支援をより進めてていこうと思った」
この一文に痺れた。

これまで自分がやりたくてできなかった事をする…のではなく
家族と残された時間を密に過ごす…ではないのだ。

私が余命を宣告されたならどうするだろう??
自分や家族、友人以外の誰かのために生きるという選択肢は今の所無い。
社長であれば、社長職を譲り家族や友人たちと過ごし
自分の為に残された時間を使う。

小澤氏に残された時間は後3年。
私が小澤氏に出来ることはないだろうか…と考えた。
まずは、この本を買い、レビューを書き、拡散しよう。

【目次】
はじめに
第1章 余命宣告
第2章 経営者になる
第3章 仕事と再犯
第4章 霞が関
第5章 大切なもの

あさ出版
200ページ
2019年7月12日第1刷発行
本体価格 1400円
電子書籍あり

著者 小澤輝真
北洋建設株式会社代表取締役社長
1974年、北海道札幌市生まれ。
1991年、創業者である父の死に伴い、17歳で北洋建設入社。
2012年、父と同じく進行性の難病である「脊髄小脳変性症」を発症し、余命10年と告げられる。
2013年より現職。北洋建設は、創業以来500人以上の元受刑者を雇用。
「人は仕事があれば再犯をしない」という信念のもと、余命宣告以降、より積極的に受け入れを進めると同時に、大学院へ進学し「犯罪者雇用学」を専攻。
企業が元受刑者を雇用しやすい環境づくりを訴えている。
2009年、放送大学教養学部卒業。
2012年、日本大学経済学部卒業。2015年、放送大学大学院修士課程修了。
東久邇宮文化褒賞、法務大臣感謝状など受賞・表彰多数。