ランドルトの環 八幡橙

「難しいですね。大事なもとの適切な距離というのは」by 那知

表題の「ランドルトの環」は視力検査の時に用いる「C」の黒色の円環です。
年の差の恋愛小説に興味を持って読みました。

【あらすじ】
白砂瞬は父が数店舗経営する眼鏡屋の息子。
母は読書モデルで表紙を飾るほど人気が出てきた。
瞬には妹の愛子が居る。
父が瞬に店番を任せて他の店に行っている間に、一人の女性が入ってきた。

眼鏡を作りに来た女性は眼鏡を作った後に、
従業員募集のポスターを見て「働かせて欲しい」と唐突に言い出す。
女性の名は一村那知 38歳。

父が他店の新店長のフォローに行くため
那知に仕事を教えるのは瞬の役割となった。
那知は瞬のことを「店長代理」と呼ぶ。

瞬の妹、愛子に彼氏ができた。
相手は瞬と同じ学年の畠山。
ある日畠山が瞬に声をかけてきた。
「母が、白砂君家でお世話になっているみたいで」
那知は畠山の生みの母だった。

瞬には昔に流行った漫画にハマっていた。
「マカロニほうれん荘」「コロネ学園ねぎミソ組」
勿論、同年代とは話が合わない。
しかし、那知は漫画家のアシスタントをしていたとあって
マカロニほうれん荘の話で盛り上がるどころか
幻の本まで貸してくれたのだ。

瞬はようやく自分が興味を持っていることに
通じ合えている人に出会ったのだ。
急速に那知に惹かれる瞬。
瞬は那知にある提案をする…。

【感想】
自分の好きなものが周りには通じなくて、
ようやく通じた相手が20歳上の女性だった。
その設定はわかりますが、その内容が「マカロニほうれん荘」って。
「えっ??」と意外過ぎて、引いてしまいました。

瞬と那知が通じ合えたのが「マカロニほうれん荘」ではなく、もっとどの世代でも通じる内容の方が、ぐっとのめり込んで話に入れると感じました。
果たして最初から息子の同級生とわかっていて、それも職場の社長の息子と一線を超えることってありえるのかな?
最後までモヤモヤした小説でした。

おススメ度
★★

【目次】
第一章 〇.〇八、〇.〇六
第二章 〇もしくはC
第三章 遥かなる道程(DT)
第四章 真夏の夜の「弱」→「強」
第五章 眼鏡✖眼鏡=〇.〇三
第六章 水底の藻のごとく
最終章 Cの向く先へ

双葉社
234ページ
2019年3月24日第1刷発行
本体価格 1400円
電子書籍あり著者 八幡橙(やはたとう)
1967年東京都生まれ
早稲田大学第一文学部卒業。
出版社に勤め、教科書や雑誌の編集に携わった後、
25年間フリーライターとして活躍
本作が初の小説