孫と私の小さな歴史 佐藤愛子

「お金出して場所借りて、苦労なしに撮るなんて面白くない」

この本は「九十歳。何がめでたい」の著者である佐藤愛子さんが、お孫さんの桃子さんとコスプレして作った年賀状の20年を振り返っているエッセイです。

この年賀状を始めたのが1992年。
愛子さん69歳、桃子さん1歳。
この時は桃子さんがパンダの着ぐるみ
愛子さんは娘の響子さんが買ってあった猫の部屋着。
パンダ桃子さんを膝に抱いて笑っている愛子猫。
何故か前にはごりんが…??

この年賀状の作成場所は愛子さんの別荘がある北海道。
毎年夏に家族で行って撮影するのです。
大トトロに子トトロ
カリブ海賊
コギャル
泥棒
メイドカフェ

愛子さんの「これだ!」という思いつきから
世間の流行まであります。
桃子さんの成長記でもある年賀状。
最初は一緒に立っているだけの桃子さんが
愛子さんと一緒に演技をするようになります。

それぞれの年賀状には撮影時の様子が
響子さんの視点で書かれていたり、
愛子さん自身のエッセイであったり
その後に孫の桃子さんの当時の様子が綴られています。

文春オンラインより引用

【感想】
愛情が詰まった一冊です。
愛子さんから孫の桃子さんへの「愛」
愛子さんの演じることへの「愛」
年賀状を楽しみにしている人たちの「愛」

この年賀状の撮影にかける熱意が文章から伝わってきます。
着ぐるみや小道具を買うこともあるけれど
基本はあるものを利用されています。
時には小道具を徹夜で作ることも…。
だからこそ愛子さんは年賀状の出来不出来にはとても厳しいのです。

私のおススメは「泥棒」
桃子さんの演技が絶妙です。
年賀状に使われなかった写真は爆笑ものでした。

どの年賀状を見ても愛子さんの真剣さが伝わってきます。
何歳になっても新しいことに挑戦するってステキだなぁ。
こんなおばあちゃんになりたい。
周りは大変かもしれませんが…(笑)

おススメ度
★★★★★
ちょっとした時間に読むのにちょうどよい本です。
思わず噴き出してしまうので電車ではご注意ください(笑)

文藝春秋
198ページ
2016年1月10日第1刷発行
本体価格 1400円

著者 佐藤愛子
1923(大正12)年、大阪市生れ。
甲南高等女学校卒。
小説家・佐藤紅緑を父に、詩人・サトウハチローを兄に持つ。
1950(昭和25)年「文藝首都」同人となり本格的に創作活動を始める。
1969(昭和44)年『戦いすんで日が暮れて』で直木賞、1979(昭和54)年『幸福の絵』で女流文学賞、2000(平成12)年『血脈』の完成により菊池寛賞、2015(平成27)年『晩鐘』で紫式部文学賞を受賞。
ユーモラスなエッセイにもファンが多く2016(平成28)年『九十歳。何がめでたい』が大ベストセラーとなった。
2017(平成29)年、旭日小綬章を受章。

著書
「ソクラテスの妻」
「青春はいじわる」
「凪の光景」など多数

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