空は逃げない まはら三桃

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「森羅万象の呼吸を味方につける」by 光徳

とある大学の陸上部。
棒高跳びの練習をするA太郎とB太郎。
A太郎こと佐藤倫太郎とB太郎こと佐藤林太郎。
AとBは血液型に由来している。

B太郎は高校の時から棒高跳びで好記録を出していて陸上界でも注目の的。
そんなB太郎を羨む気持ちもあるA太郎だが、二人は仲がいい。
芸術学部の絵怜奈が、いつもスケッチブックを持ち二人の跳ぶ姿を描いている。

時は現代。
リンタロウは車いす生活になり写真家として修行中。
もう一人のリンタロウは母校の大学で陸上部、それも棒高跳びの鬼コーチ。
絵怜奈はメキシコで日本人観光客を観光案内して暮らしている。

大学時代のある日、絵怜奈は「自分も棒高跳びをする」と言い出す。
全くの初心者で鉄棒で逆上がりすらできない絵怜奈には無理とA太郎もB太郎も諭すが、絵怜奈はじゃあ…と逆上がりの練習から始める。

陸上競技大会でB太郎は空に吸い込まれる様な跳躍をする。
見ていた絵怜奈は思わずB太郎が心配になり駈け出そうとするがA太郎に止められる。
B太郎は無事に着地したのだ。
絵怜奈は落ち着きA太郎に小学生の頃に友達が自ら命を絶った話を始める。
B太郎の跳躍と過去の出来事が絵怜奈の中でリンクしてしまったのだ。

写真家のリンタロウはアシスタントのコウがマラソン大会に出るのに誘われる。
車いす部門もあるのだ。
リンタロウは選手として登録するよりランナーを撮影することにした。
大会にはリンタロウの大学の後輩が出場することを知り、被写体になってもらうために母校を訪れる。
コーチのリンタロウとも久しぶりに再会。

大学時代にB太郎は久しぶりに師匠に会いに行く。
有名な陶芸家である光徳は滅多に人前には出ない。
光徳は竹のポールで刑務所の壁を飛び越えた逸話があるのだ。
B太郎はA太郎を誘い、その話を聞いた絵怜奈も着いてくる。
3人は光徳の話を聞き、帰りには絵怜奈がどうしてもと欲しがり竹のポールを持って帰ることになった。
A太郎は竹のポールで練習を始め手ごたえを感じ、新しい練習方法を思いついた。

リンタロウが撮った写真は写真家の間では有名な賞を受賞する。
そこで大学時代から初めてA太郎B太郎絵怜奈が揃って顔を合わすこととなった。

Wikipediaより引用

【感想】
最近、よくある技法?ですが、過去の話と現代の話が行き来します。
A太郎とB太郎、車いすの写真家になったのは?
陸上部のコーチになったのは?
読者にどちらがA太郎かB太郎か想像して読ませる設定になっています。
著者も「漫画や映像ではできそうにない仕掛けをしました」とウエブサイトで言っていました。


小説丸 この本私が書きました まはら三桃



いつも一緒だった3人が自分たちの道を大学在学中から進んで行くきっかけになったのは、光徳との出会いです。
人生には「自分の人生の進む方向が決まる」出会いがあります。
小説の3人は大学生の時。
その時には気付かなくても、後になって振り返ると「あの時!!」と思えます。

私自身も「自分の人生の進む方向が決まる」出会いがありました。
それも50歳目前で(笑)
それまでは、ただただ目の前の仕事や家事をこなす毎日でした。
「定年になったら犬を飼って、散歩したいなぁ」ぐらいしか思っていなかったのです。

49歳で次々と新しい出会いがあり、小学生の頃に思っていた夢が実現しました。
「ラジオのDJになりたい」「記者になりたい」
40年の歳月でテクノロジーが発達し、その頃だと「DJ」も「記者」も一握りの人しか慣れませんでしたが、今はネットを通じて可能となりました。

人生の先輩、一歩先を進んでいる人、何事か成し遂げている人、自分より先を行っている人との出会いによって自分の人生を切り開くことができる可能性があります。
人生100年時代も到来します。
何歳になっても夢を持ち続けること。
一歩踏み出す勇気を持つこと。
この小説を読んで、そんな事を思いました。

おススメ度
★★★★

小学館
226ページ
2019年9月11日第1刷発行
本体価格 1400円
電子書籍あり

著者 まはら三桃(まはらみと)
1966年、福岡県北九州市生まれ。
2005年、講談社児童文学新人賞佳作を受賞。
『鉄のしぶきがはねる』(講談社)で2011年度坪田譲治文学賞、第四回JBBY賞を受賞。

著書
『白をつなぐ』 など

最後まで読んで頂きありがとうございます。
当ブログの記事があなたの読書のお役に立てれば幸いです。
また読みに来ていただけると嬉しいです。

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