警視庁特殺 使徒の刻印 吉田恭教

「なぁ、頼むよ。お前にしか頼めないんだ」by 有働

【あらすじ】
主人公の佐倉智孝は捜査一課第四強行犯捜査第八係の来生班、特殊殺人捜査班、略して「特殺」に所属している刑事。
通常刑事は二人一組で行動するが、佐倉は単独行動の常習犯。
これまで何度も手柄をたてるが処分もされている。

早朝に班長の来生から電話がかかる。
現場に行くと真っ黒になった焼死体があった。
左手首に手錠がはめられ、左手はセメントで固められていた。
右手のそばには鋸。

検死の結果、上下の唇は針金で縫い合わされ、口の中には布が押し込められているこ
とがわかった。
犯人は被害者が完全に声が出ないようにしていたのだ。

一匹狼の佐倉は元同僚で犯罪ジャーナリストの有働と連絡を取り合い、事件の詳細を伝えていた。

事件から約2週間後。
火事現場から火だるまになった男が出てきた。
左手首が無く口を針金で縫い合わされていた。
現場にはセメントで固められた左手と手錠、鋸が発見される。
被害者は自分で左手首を鋸で切り落とし出てきたのだ。
背中には「APOSTLE」の文字が刻印されていた。

二人目の被害者のDNAが10年前に行方不明になった佐倉の妹の車から検出された体液と一致する。
この時点で佐倉は捜査から外され資料室への出勤となった。
ここから佐倉と有働とで捜査が始まる。

【感想】
プロローグに佐倉の妹がライフセーバーとして一人の少年を助ける場面があります。
読み始めると、このプロローグは何?
と、思うのですが実はこの一件が事件と大きく関わっていることが徐々に明らかになります。

実際には刑事の単独行動プラス元刑事でジャーナリストとのコンビはあり得ないのですが、そのあり得なさがストーリーを面白く引き立てています。
あらすじには書いていませんが、もう一人元刑事の木下が出てきます。
木下の甥っ子でパチンコ(ワンピースのウソップ愛用)が得意な優斗。
この4人で「サイコパス課シリーズ」になるのでは???

佐倉の妹の件はちょっとこじつけてるなぁ…といった感がぬぐえませんでした。

おススメ度
★★★

KADOKAWA
346ページ
2019年5月25日第1刷発行
本体価格 680円
電子書籍あり

著者 吉田恭教
1960年佐賀県生まれ
作家。
島根県在住。
漁師のかたわら執筆活動を行う。
2011年 「変若水」で島田荘司選第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作を受賞しデビュー。

著書
「背律」
「可視える」
「ネメシスの契約」
「堕天使の秤」など

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