食堂メッシタ 山口恵以子

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「正確に言うとね『イタリア料理』というのはないの」by 薫

「食堂のおばちゃん」シリーズの著者、山口恵以子さんが書いた、イタリアンに人生をかけた料理人とそれを愛する人々のお話です。
少し調べてみると「メッシタ」という店は本当にあり閉店していました。

シェフのプロフィールを見ると小説のお話がそのままです。
ノンフィクションとしても楽しめる作品です。

おススメ度
★★★★

女性が頑張る話が好き
料理が出てくる話が好き
連作短編集が好き
ノンフィクションが好き
な人におススメです。

【あらすじ】
ライターの笙子は目黒の元競馬場前のバス停から少し離れたところにある、イタリア料理店「メッシタ」にオープン当時から通い今は週に二回は晩御飯代わりに店を愛用している。
そのメッシタが閉店することを知り、店のことをオーナー兼シェフの満希のことを書き残したいと申し出る。

話は満希が大学生の頃に遡る。
中学からの友人の父親が経営するチェーン店のレストラン「ロマーノ」でバイトをすることになった。
この店で募集をしていたのは厨房スタッフ。
洗い場には専属スタッフがいるので、満希は初日からサラダ用の下ごしらえから始まった。
この日に満希は調理人になる決意をする。

折しもオーナーと話す機会があり大学を卒業したら正式に店に来て欲しいと言われた満希はある疑問を口にする。
「お店に出している料理は、イタリアの人が普通に食べているんですか?」
答えの代わりに満希は「ロマーノ」の名誉顧問の柳瀬薫を紹介される。
薫は満希にイタリアにある外国人のための料理学校「ICIF」に入学することを勧める。
費用は全部薫が持つという条件で。
満希は大学を辞めて本場イタリアの料理を習う為に旅だった。

食べログ、メッシタから引用

【感想】
読んでいてイタリアでの修行やお店での様子がリアルだなぁと感じていました。
この文章を書くために「メッシタ」で調べると本当に目黒区にもう閉店したお店「メッシタ」が紹介されていました。

紹介文はこの小説の内容通りで驚きです。
著者の山口さんは「メッシタ」に通っていた笙子さんでした(予想です)
イタリアから戻ってきて、日本のイタリア料理店で働き、またイタリアに修行にに行く。
どこまでも真摯にイタリアの料理に向かう瑞希さんが書かれています。

日本人の口に合わせたイタリア料理ではなく、本場のイタリア料理がどんなものなのか。
この小説を読むと食べたくなります。
今は「メッシタ」は閉店し、新たにお店は出しているそうですが、電話・住所はオープンにせず、紹介だけのお客さんにしているそうです。

【目次】
第一章 すっぴん料理
第二章 初めてのアルデンテ
第三章 クチーナ・イタリアーナ
第四章 注文の多い料理店
第五章 アモーレ・マンジャーレ
第六章 再戦
第七章 また逢う日まで

ハルキ文庫
222ページ
2019年4月18日第1刷発行
本体価格 600円

著者 山口恵以子
1958年東京生まれ。
早稲田大学卒。
会社勤めのかたわらドラマ脚本のプロット作成を手掛ける。
2007年『邪剣始末』で作家デビュー。
2013年『月下上海』で第20回松本清張賞受賞。
丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤めながら執筆したことから「食堂のおばちゃんが受賞」と話題になる。
2017年10月現在は専業作家。

著書
『あなたも眠れない』
『恋形見』
『あしたの朝子』
『風待心中』
『トコとミコ』
「食堂のおばちゃん」シリーズなどがある。

山口恵以子 ツイッター

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