かぼちゃを塩で煮る 牧野伊三夫

インターネットラジオゆめのたね放送局関西チャンネル
ホンスキー倶楽部で偶数週にお送りしているコーナー
「かおる文庫のおすすめブックコーナー」からの紹介本です。
このコーナーは北海道在住のブックコーディネーター、かーるさんがおススメする本を紹介しています。
テーマは「おススメの美味しい本」

タイトル:かぼちゃを塩で煮る
著者:牧野伊三夫(まきのいさお)
出版社:幻冬舎

◎あらすじ
寝ても覚めても頭のなかは食べることばかり!美味しいものを食べたい欲求から料理に情熱を傾ける食いしん坊画家のエッセイ。

◎みどころ
タイトルから本当に食べるのが好きなのだと情熱を感じ、手に取った一冊。
そして期待を裏切りませんでした。
著者の牧野伊三夫さんは、暮しの手帖、かもめ食堂など雑誌や本の装丁・挿絵を多く手掛ける画家です。

子ども時代から食べることに関心が高く、
絵を描き始めて収入がなくなってもうまいものを食べたい欲求が高まり、本格的に料理を始めたそうです。

料理のおかげで心が救われ、のめりこんでいくエピソードは人間らしさがにじみ出ています。
たくさんある料理の中であえて「かぼちゃの塩煮」をタイトルに選んだ著者。
苦手だったかぼちゃの調理法を変えただけで好物になった喜びを書いています。本当に嬉しかったのでしょう。

実は私もかぼちゃの塩煮が大好物。
わが家のかぼちゃといえば塩煮です。
塩がかぼちゃの甘味を引き出して、ほくほくとした味がたまりません。
このエッセイは、家庭でつくれる手軽で美味しそうな料理を調理法と一緒に紹介してくれます。

ゆで卵を美しくむく、野菜を塩でもむなど
ちょっとしたコツものっています。
料理が苦手でも気軽に作れそうな、気取らないメニューがシンプルな文章で紹介されます。

やさしい野菜スープの作り方、三分で作れるおつまみ帳、いわしの酢じめ、様々な鍋。
巻頭の美しい写真と著者の味のあるイラストが食欲をそそります。

個人的に素晴らしいと思うのは
「ノートのまんなかに線を引いて献立を考える」という発想です。
右側は豚肉や豆腐など、たんぱく質群食材のウサギさんチーム、左側はほうれん草や玉ねぎなど野菜群食材のカメさんチームと名付けます。
そして家の冷蔵庫をのぞき、両側の食材を組み合わせてフライパンで炒めればいいそうです!

献立に困ったらウサギとカメ。
このシンプルさは参考になりますね。
料理が苦手な方、献立に困っている方へ。
料理愛とユーモアあふれる語り口のエッセイをどうぞお楽しみください。

【補足】
幻冬舎プラス…サイトで会員に登録(無料)
この本の試し読みができます。

カレーライスについての話では…。
飲んだ後に食べる ✖
食べた後に飲む  ✖  
どちらも中途半端になるんだそうです。
著者は飲みながらカレーライスを食べる方法を編み出します。
玉ねぎと多めの豚肉、水も多めでシャパシャバ
豚肉をつまみにしながらお酒を飲む
このカレーに合うお酒はホッピー、レモン酎ハイだとか…。
気になった方はお試しあれ!!

著者 牧野伊三夫
1964年福岡県生まれ。
多摩美術大学卒業。
画家。
鎌倉の出版社港の人と「四月と十月文庫」創設。
北九州市情報誌「雲のうえ」、飛騨産業機関紙「飛騨」の編集委員。
アトリエヌーボーコンペ日比野賞、東京ADC賞受賞。