滴水古書堂の名状しがたき事件簿 1  黒崎 江治

「血の繋がりより、気持ちの繋がりの方が大事だと思うからよ」by あとり

密林では扱っておらず、神保町でも見つからない。弔堂にも京極堂にも置いていない本が――あります。
 京極夏彦
そんな一文が添えられている本書
ちょっと変わったミステリー小説です。

おすすめ度
★★★
単純なミステリー小説ではありません。
不思議な世界に迷い込みます。
摩訶不思議な世界が好きな人におススメです。

楠田由宇子は大学生。
ある日、後ろから暴漢に襲われ、二段の腕前の空手で反対に息の根を止めそうになったところを、古戸時久に声をかけられた。
気持ちを落ち着けるために古戸が営む「滴水古書堂」で一休みし、そのままアルバイトをすることになった。

古戸の古書の師匠でもある藤から電話があり、由宇子と古戸は藤が営む古書店「薄命堂」へ向かう。
藤からの依頼は「カルナマゴスの遺言」という本が盗まれたから探して欲しいというものだった。
時間と死についての真理がかかれた本「カルナマゴスの遺言」は読むと死ぬと言われている。
本があったところには金属製のオイルライターが落ちていた。

六文字という老人がこの本を購入することになっていたのだ。
二人は六文字を訪ねる。
六文字は以前に「カルナマゴスの遺言」を読んだことを話し始めた。
六文字には知識があったので死ぬことはなく、反対に死と時間を捨てることになった。
そう、六文字は死ぬために「カルナマゴスの遺言」を読もうとしているのだ。

由宇子はオイルライターに刻まれている模様から犯人を割り出そうとしていた。
一方、古戸は幽体離脱を試みていた。
二人は犯人に辿りつけるのか…。

【感想】
ミステリーだけど、魔術やしきたりなどの風習に囚われている人々が巻き込まれる事件が怒る、摩訶不思議な世界に引き込まれました。
日本ならではの「しきたり」「風習」が上手く取り入れられています。
読んでいてテレビドラマの「トリック」を彷彿とさせました。
朴訥な古戸の身体に現れる不思議な現象が気になります。
由宇子と古戸の凸凹コンビの今後の活躍に期待します。
無骨な警察小説が好きなかたは肩透かしをくらいますのでご注意を!!

【目次】
プロローグ 滴水古書堂
エピソード1 愚者が求めし
エピソード2 肉塊
エピソード3 錆に鳴く猫
エピソード4 エリー
エピソード5 鎖に縛られて

講談社
320ページ
2019年8月7日第1刷発行
本体価格 1200円
電子書籍あり

著者 黒崎江治
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