キャラがすべて! メディアを使いこなして、自分自身を売り続ける方法 大内優

「割り切って、演じてしまえ」

この本との出会いは「実践読書会」です。
この読書会での課題本が「キャラがすべて!」でした。
読書会ではワークやダイアログが主体で本を読むことは無かったので、あらためて読んでみました。

おススメ度 ★★★★
起業している人
これから起業しようとしている人
自営業の人
などなど自分を売り出そうとしている人におススメです。

キャラ作りで大切なことは?

◆キャラは演じるもの
・必ずしも自分が100%そうである必要はない
・他人の目は気にしない
・割り切って演じる
◆キャラ説明書を作る
・「名前がどう広まって欲しいか?」を言語化する
・自分のキャラをSNSで主張する
◆とんがってとんがってとんがる
・専門性にとんがることは他を排除することではない
・とんがるにも根拠が必要
◆「自分にはできる」とハッキリ宣言する
・自分でこれをやると決めたら徹底的に主張する
・キャラこうと決めたら貫く

自分のキャラの見つけ方

◆好きなことにこだわって追及する
・人生を棚卸しして、自分のキャラを見つける
・自分で自分をプロデュースする
・好きなモノ✖一貫性
◆ターゲットを絞る
・「誰の」「何を」解決する専門家なのかを表明する
◆起承転結の自己紹介ストーリーをつくる

キャラクター化して売り出す方法

◆ビジネスの設計図を準備する
◆LP(ランディングページ)を作ってSNSと連携させる
◆SNSはメルマガへの導入手段にする
・登録者数より開封率が大事

【感想】
まず決めるということが大切なんだと感じました。
私は「読書の家庭教師」という肩書きで活躍したいと思っていましたが、じゃあどうするか…というところで止まっていました。

友人からのアドバイスとこの本を読んだこともあり、まずは「読書の家庭教師」となることを決めてFacebookのアカウントに「読書の家庭教師」を追記しました。
この一文を入れるだけで、投稿も「読書の家庭教師」を意識することになります。

この本はキャラのつくり方だけではなく、どう売り出していくか?
効果的なプレリリース作りやオンラインサロン運営法まで載っています。

「私には無理だわ~」「何も特技ないし…」と思う人も多いかもしれません。
「自分の好きなことで豊かになる」そんな生活に一歩踏み出すために、まずこの本を読んでみて、自分のキャラを作ってみてはいかがですか?

【目次】
はじめに すべてはあなたが”人を惹きつけるキャラ”を持っているかどうか
第1章 なぜ、いま個人がメディア戦略を考えなければならないか?
第2章 自分をキャラクター化して、影響力を最大化する方法
第3章 メディアへ出ていくうえで、最初に考えるべきこと
第4章 テレビを味方にして、一気に有名になる
第5章 自分にファンクラブをつける、オンラインサロン運営法
おわりに キャラでチャンスをつかみ取れ!


きずな出版
229ページ
2018年10月1日第1刷発行
本体価格 1500円
電子書籍あり

著者 大内優

メディア活用研究所代表。1978年福島県郡山市生まれ。
慶應義塾大学卒業後、福島テレビ株式会社で報道記者として4年間勤務。
取材ネタの選定・番組制作には定評があり、テレビ番組コンクールでの受賞歴もある。
記者時代に目を通したプレスリリースは40,000件以上。その経験から、プレスリリースの良し悪しを3秒で判断することができる。
独立後はメディア活用研究所代表として、テレビを効果的に活用し、ビジネスを拡大するためのノウハウを伝えるセミナーを全国各地で開催。
また、メディア活用に関する活きた情報を手に入れるために、現在もテレビ番組MCやラジオパーソナリティとして活動を続けている。

著書
『小さなお店・会社、フリーランスの「テレビ活用」7つの成功ルール』

大内優 公式ホームページ

大内優 ツイッター

ノースライト 横山秀夫

「いるんだよ。世の中には。言葉でぐたぐた説明しなくても、通電するみたいに心がシンクロする相手が」by 岡嶋

横山秀夫さんは私が好きな作家さんの一人。
単行本になっている小説はほぼ読んでいます。
前作「64」も上下巻になっているのも関わらず一気に読みました。
今回は最新作。
ワクワクしながら読みました。

おススメ度
★★★★
ミステリー小説ですが刑事が活躍する話ではありません。
新聞記者も出てきません。
横山さんのこれまでの小説と比べるとちょっと変わったミステリーでした。
意外な結末に驚きです。

【あらすじ】
主人公は一級建築士の青瀬。
結婚していたが離婚し、元同僚が経営する建築事務所で働き、一人娘とは月に一度会っている。

青瀬の元に家を建てて欲しいという夫婦がやってきた。
夫婦は大手出版社が出した「平成住まい二〇〇選」に青瀬が建てた「Y邸」が載ったのだ。
その本を見て現地まで行き実際に信濃追分のY邸を見て、青瀬に依頼をしたのだった。
その夫婦は青瀬にとって気になることを言った。
「誰も住んでいないみたいだった」

「Y邸」の依頼者の吉野家は夫婦と子供が3人の5人家族。
今、住んでいるところを引っ越して新しく建てた家に引っ越す予定だったのだ。
吉野は4000万円の予算で建てる家に対しては「すべてお任せします。あなた自身が住みたい家を建ててください」だった。
青瀬は渾身の思いで「北向きの家」を建てた。

気になった青瀬は電話をかけてみたが留守番電話。
携帯電話にも繋がらなかった。
「Y邸」を見に行く青瀬。
玄関はこじ開けられた跡があった。
中に入るとそこは何も無かった。
ただ2階にある10畳の部屋にはひじ掛けのついた簡素な木製の椅子が一脚あった。
この家に持ち込まれたのはこの椅子だけだった。
青瀬と一緒に来た社長の岡嶋の一言「この椅子はタウトじゃないか?」で青瀬はこれまで関心が無かったブルーノ・タウトについて調べていく。
タウトを調べていくうちに新聞記者と懇意になり、タウトが住んでいた場所へも案内されそこで、色々話を聞くうちに「吉野」という言葉が出てくる。
依頼者の吉野は見つかるのか?
北向きの家が空き家になっているのは何故なのか?

同時期に青瀬の会社には地元の画家でもう亡くなっている「藤宮春子」のメモワール館を市が建てるコンペに参加するために準備を進めていた。
社長の岡嶋はコンペに参加できるようになったと報告。
弱小建築設計会社がコンペで勝ち抜くことはできるのか?

【感想】
う~ん…これまでの横山作品とは、ひと味もふた味も違うミステリーでした。
冒頭にも書いたように、この小説はミステリーなのに刑事も新聞記者も主役ではありません。

北向きの家「ノースライト」の家を建てた建築士の青瀬が主役。
それも日本に数年間居た「ブルーノ・タウト」の事が詳細に書かれていて、まるで原田マハさんの「楽園のカンヴァス」や「暗幕のゲルニカ」の様でした。

この小説では「吉野一家はどこへ行ったのか」そして「メモワール館のコンペは上手くいくのか」の二本立てになっていて、この二本立ての中に青瀬の家族、岡嶋の家族が織り込まれていきます。
夫婦とは、父と子の関係など「家族」がキーワードの小説です。

建築には全く興味がない私ですが、ブルーノ・タウトが建てた熱海にある日向邸には行ってみたいと思いました。

横山秀夫氏か「ノースライト」について語っているインタビュー記事があったので紹介します。

BookBang 横山秀夫インタビュー 

新潮社
426ページ
2019年2月28日第1刷発行
本体価格 1800円
電子書籍あり

著者 横山秀夫
1957年東京生まれ。
新聞記者、フリーライターを経て、1998年「陰の季節」で松本清張賞を受賞し、作家デビュー。
2000年「動機」で日本推理作家協会賞受賞。
2012年刊行の『64』は各種ベストテンを席巻し、英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガー最終候補やドイツ・ミステリー大賞海外部門第1位にも選ばれた。
『ノースライト』は作家生活21年目の新たな一歩となる長編ミステリー。著書
『半落ち』
『第三の時効』
『クライマーズ・ハイ』
『看守眼』など

モリー先生との火曜日 ミッチ・アルボム

今回は私のラジオ番組「ホンスキー倶楽部」で紹介した本です。
テーマは「あなたの号泣本」

インターネットラジオゆめのたね放送局
関西チャンネル
毎週日曜午前11時~11時

試聴はこちらからできます。

https://yumepod4.xsrv.jp/wp-content/uploads/2019/07/8-2_honsuki-club_20190711.mp3

ラジオネーム ぶるぼん
ミッチ・アルボム「モリ―先生との火曜日」です。

① この本のオススメどころ
生きていると遭遇する問題を深く掘り下げて考えさせられる点がオススメです。それは愛であったり、許しであったり、家族であったり、結婚であったり、老いることや死ぬことであったり。

舞台はボストンの郊外。
ミッチは大学卒業後疎遠になっていた恩師のモリ―を久々に見たのはなんとテレビ。
モリ―はALS(筋萎縮性そくさく硬化症)を発症し、死につつある状態。
16年ぶりに訪れた恩師のもとで、ミッチはモリ―と毎週火曜日に様々なテーマについて話し合うという内容。

それはモリ―が亡くなるまで続きます。
その内容は多くの人にとって身近な問題なので、読んでいる私にも悩んだことがある問題だったり、恐れている問題だったりすることが多いです。

毎日の生活の中で、日々生きることに一杯いっぱいになってるけど、ふとした時に恐怖が襲ってくることってありませんか?
もし私が死んだら残された家族はどうなるだろう?とか。

私はこの本を読むまでそのことがとてもとても怖かったのですが、この本を読み、モリ―の状況や語ることを読むことで自分の考え方、見方、物事の捉え方が変わっていきました。
自分なりに深く考えたからだろうなと今は思っています。

② この本との出会い
好きな舞台俳優さんがこの本の朗読劇に出演することになったのがきっかけです。
観る前に読んでみようと思って手にとりました。

③ 直近の号泣した出来事
まさに見ようとしてたテレビが壊れた時ですね。
結局友人が録画してたので、それを見せてもらったのですが、「なぜ!今!このタイミングで!」って突っ込みながらテレビにむかって号泣してました。


【あらすじ】
スポーツコラムニストとして活躍するミッチ・アルボムは、偶然テレビで大学時代の恩師の姿を見かける。
モリー先生は、難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)に侵されていた。
16年ぶりの再会。モリーは幸せそうだった。
動かなくなった体で人とふれあうことを楽しんでいる。
「憐れむより、君が抱えている問題を話してくれないか」モリーは、ミッチに毎週火曜日をくれた。死の床で行われる授業に教科書はない。
テーマは「人生の意味」について。


著者 アルボム,ミッチ
フィラデルフィア出身。
1970年代後半、ブランダイス大学の学生時代に、社会学教授のモリー・シュワルツと出会う。
卒業後、プロミュージシャンを目指すが、挫折。
コロンビア大学でジャーナリズムの修士号を取得し、デトロイト・フリープレス紙のスポーツコラムニストとして活躍。
鋭い洞察と軽妙なタッチのコラムは高い評価を受け、AP通信によって全米No.1スポーツコラムニストに過去13回選ばれている。
2003年9月に発表した初のフィクション『The Five Poeple You Meet in Heaven』(邦訳『天国の五人』、NHK出版)は全米ベストセラー1位を獲得。現在、妻ジャニーンとミシガン州フランクリンに在住 

美食の報酬 ウィリアム・リンク/リチャード・レビンソン

今回は私のラジオ番組「ホンスキー倶楽部」で紹介した本です。
テーマは「おススメの美味しい本」

インターネットラジオゆめのたね放送局
関西チャンネル
毎週日曜午前11時~11時

試聴はこちらからできます。

https://yumepod4.xsrv.jp/wp-content/uploads/2019/07/8-3_honsuki-club_20190720.mp3


ラジオネーム 京都のよっしー

① この本のオススメどころ
往年の海外ミステリードラマ「刑事コロンボ」の一エピソードのノベライズ版です。
自らのレストランを持つ著名なイタリア人シェフのビットリオが、同様に著名な料理・レストラン評論家ポールによって毒殺された事件の謎をコロンボが解くのですが、まあ全編の半分以上は、誰かが何かを食べてるシーンのオンパレードで、いつ読んでもうまそうです。

物語の冒頭から犯人と被害者が会食していますし、事件直後に臨場したコロンボは、さっそく店のシェフに作ってもらったスープを口にする始末。
物語のクライマックスは、コロンボと犯人が事件現場である被害者のレストランで料理対決をするという徹底ぶりです。

被害者の友人である様々なレストランのシェフたちを、コロンボが訪ねて事情聴取する際も、いく先々のシェフたちが応援の意味を込めていろんな料理をコロンボにご馳走するのです。
このエピソード、幸か不幸かドラマ版は未見なのですが、見れば間違いなく未曾有の「飯テロ」になること間違いなしです。

もちろん料理だけでなく、コロンボの名推理によって犯人が追い詰められ観念する様は、痛快ですしね。

いま、どれだけの方が刑事コロンボをご存知かはわかりませんが、コロンボといえば「倒叙(とうじょ)もの(物語の冒頭もしくは早い段階で、犯人が事件を起こす様が明かされ、探偵役がいかにして犯人を追い詰めるかを楽しむミステリーの一形式、すみません、ホンスキーには釈迦に説法でしたね!)」の名作で、三谷幸喜さんの「古畑任三郎」や大倉崇裕さんの「福家警部補」シリーズは間違いなくコロンボへのオマージュです。

そんなわけですから、先ほど僕があっさりと犯人を言っちゃったのも、ネタバレにはならないというわけです。
ドラマでコロンボを演じたピーター・フォーク、吹き替えの声をアテられていた小池朝雄さんともに故人となり、新作を見ることはかなわなくなりましたが、既存のエピソードでも見ていないものの方が多いので、いつかゆっくり全話を見てみたいです。

② この本との出会い
小学校卒業直後の春休み、信州に春スキーに連れて行ってもらったんですが、スキー中に転倒して右足を複雑骨折してしまい、1ヶ月ほどの入院生活を送りました。
その入院中に親戚の叔父さんが、お見舞いとして持ってきてくれたのがこの本でした。
「歌声の消えた海」と2話がセットになったノヴェルズだったかと思います。

それまでは、ドラマを数話見たことがあるだけでしたが、ノベライズもドラマに劣らず面白く、入院で時間が有り余っていたこともあって、一気に読んでしまったことを覚えています。
このノベライズ版は二見書房から出ていたのですが、同じシリーズの本を続けて何冊か買ってもらって読みましたね。

③ 食べ物に関する思い出
子供のころ、母がよくおにぎりを作ってくれました。
小さな俵形で、具は何も入っていない塩だけのおにぎりに、味付け海苔(関西では味付け海苔が普通ですよね!?)を巻いたものが、時々は朝食に出ましたし、そして遠足や運動会のお弁当には必ず入ってました。

また、家は田舎の農家だったので、稲の刈り入れ時には家族全員で一日中、田んぼに出るのですが、そのお昼ご飯もおにぎりでした。
そんな時はたくあんか梅干し付き!
冷めて、海苔がぴったりご飯に張り付いていても美味しかったし、むしろおにぎりは冷めている方が好きかも。

あっ、でもコンビニのおにぎりを食べた時はパリパリの「焼き海苔」だったのでビックリしたことも覚えてます。
最近は、おにぎりと言えばそのコンビニおにぎりばかりですが、今のマイブームは塩鯖のおにぎりです。外せない定番はやはり梅干しかな。


兎の目 灰谷健次郎



今回は私のラジオ番組「ホンスキー倶楽部」で紹介した本です。
テーマは「私の号泣本」

インターネットラジオゆめのたね放送局
関西チャンネル
毎週日曜午前11時~11時

試聴はこちらからできます。

https://yumepod4.xsrv.jp/wp-content/uploads/2019/07/8-2_honsuki-club_20190711.mp3



ラジオネーム たま

灰谷健次郎 兎の目 角川文庫

またまた読み返しました!すぐに読みたかったのでKindleにしましたが、この本はやはり紙で読みたいですね。

①この本のオススメどころ
新米教師と子どもたちが心を通わせていくところ。
子どもたちが、大人が見守るなかで、自分の力で成長していくところ。
そして、それが灰谷さんの暖かい眼差しを通して描かれているところが魅力です。

②この本との出会い
はじめは小学校の図書室で。
二度目は高校の図書室で。
三度目は今回お題を頂いたことがきっかけで、Kindleで読み直しました。

はじめて読んだときは、生徒の気持ちに、
次に読んだときは、先生の気持ちに、
三度目は、先生もですが、親の気持ちに、より、寄り添った読み方になった気がします。

二度目に読んだときは、下校中の電車のなかで、思わず吹き出し、その後号泣しました。
作文のシーンです。

③ 直近の号泣した出来事
故中村勘三郎さんの(勘九郎時代の)DVD「森の石松」で号泣。
見直しなのに…。

実生活では、ないです。実生活で泣けなくなったから、余計に小説や映画が”必要”なのかもしれないと思いました。

【あらすじ】
大学を出たばかりの新任教師・小谷芙美先生が受け持ったのは、学校では一言も口をきこうとしない一年生・鉄三。
決して心を開かない鉄三に打ちのめされる小谷先生だったが、鉄三の祖父・バクじいさんや同僚の「教員ヤクザ」足立先生、そして学校の子どもたちとのふれ合いの中で、苦しみながらも鉄三と向き合おうと決意する。
そして小谷先生は次第に、鉄三の中に隠された可能性の豊かさに気付いていくのだった…。学校と家庭の荒廃が叫ばれる現在、真の教育の意味を改めて問いかける。
すべての人の魂に、生涯消えない圧倒的な感動を刻みつける、灰谷健次郎の代表作。


灰谷健次郎
[1934~2006]小説家・児童文学作家。兵庫の生まれ。
小学校教諭を経て昭和49年(1974)に「兎の眼」を発表。
人権や社会問題などについての発言も積極的に行った。
他に「太陽の子」「ひとりぼっちの動物園」など。

注文をまちがえる料理店 小国士朗

「認知症である前に、人なんだよな」

「注文をまちがえる料理店」は期間限定のお店です。
ここで注文を取り料理を運ぶのは、認知症がある方達です。
なので、注文を間違えたり忘れたり、お水を2つ持ってきたりします。
でもお客さんは誰一人怒りません。
それどころか、間違えずに持ってくると残念がったりするのです。
そんなお店ができるまで、そしてそこであった一人ひとりのものがたりが語られている1冊です。

おススメ度
★★★★★
ノンフィクションやドキュメンタリーが好きな人
モノづくりに興味がある人
高齢者の介護に興味がある人
特におススメです。

認知症になっても最期まで自分らしく生きていく姿を支える

著者の小国氏はテレビ局のディレクターです。
2012年ある認知症のグループホームを取材していました。
ここに入居している認知症の方々は、買い物から料理・掃除・洗濯も自分でできることはできる範囲でやっています。

ある日の午後、お昼ご飯の献立はハンバーグ。
でも食卓に並んでいるのはなんと餃子。
小国氏は「あれ?今日はハンバーグでしたよね?」という言葉を飲み込みました。
食べた餃子は美味しかった。
そのときに「注文をまちがえる料理店」というワードが浮かんだのです。

仲間になってもらいたい人の「三つの条件」

「注文をまちがえる料理店」のプロジェクトを進めるにあたって小国氏は仲間を集めます。
認知症の方が働くレストラン。
ともすれば、認知症の人を見世物にする…そんな意見だってでてきます。

今回、小国氏は仕事ではなくてプライベートのプロジェクトとして進めていくことにしました。
仲間を集めるにあたっては三つの条件をまとめました。
① 100%おもしろがってくれる人
  「不謹慎だけど面白そう」と「ニヤリ」と笑ってくれる人
② 僕にできないことができる人
  ミッションを一人で背負わない
  自分が不得意なことを書き出していく
③ 自分の利益を捨てられる人
  「最後は目的のためにその利益を捨てられるよ、こんちきしょう」という粋な人

大事にしようと決めた「二つのルール」

メンバーが集まり、実行委員会形式で中身を具体的に考えていくことになり、ルールを決めました。
◆料理店としてクオリティにこだわる(オシャレであること、料理がおいしいこと)
 ・どうやったらみんなが「行ってみたい」と思うお店になるのか
 ・どうやったらお客様が心からワクワクできる空間を作れるのか
 ・料理の料金は均一にする
 ・お客様の期待を超える料理を提供する

◆間違えることが目的ではない。だからわざと間違えるような仕掛けはやらない
 ・お客様の中には間違えることを期待する人もいる
 ・エンターテイメントとしての料理店
 ・喧々諤々の議論をかわし「やっばり認知症の方が間違えるような設計をするのは本町転倒」と意見が一致
 ・認知症の家族の方に意見を聞く
  「間違えちゃうかもしれないけど、許してねっていうコンセプトはとてもいいと思う。でも妻にとって、間違えるということは、とてもつらいことなんですよね」
 ➡ 間違えないように最善の対応を取りながらそれでも間違えちゃったら許してね(てへぺろ)という設計にしようとメンバーで一致

間違えることを受け入れて、間違えることを一緒に楽しむ

実際に「注文をまちがえる料理店」で働いた認知症の当事者の様子から
◆元美容師のヨシ子さん
 ・接客業の経験があるので言葉遣いも丁寧でとても慣れた様子。
 ・料理を持って行くテーブルを間違えることもありました。
 ・ヨシ子さんにとって重要なのは「仕事ができる」という事実
 ・後日、ヨシ子さんはいつもは行かない近所のコンビニに行き、働いた謝礼金の封筒からお金を出してお買い物。
 → 自分で稼いだお金で、なんでも好きに買える。それができることがヨシ子さんにとって大事なことだったのではないでしょうか。
◆飲食店で働いていたテツさん
 ・オーダーを間違えないか心配している仲間に「これを渡してお客様に書いてもらおう」と素晴らしい解決策を出しました
 ・飲み物を出すタイミングをお客様の食事の様子を見ながらはかっているテツさん
 ・初日の帰りに「私一人だったら何も役に立てなかったね。仲間がいっぱいいてくれたからできたのよ」
 ・「みんながいたからがんばれた」「仲間ってほんとに大切よね」と繰り返してスタッフに話すテツさん
 → いつも明るくて、冗談もよくいうテツさんですが、深い話を聞かせてくれたてのも、教え諭すように話す様子を見たのもはじめてでした。

♥ 開店の前の朝、みんなで確認しあったこと
「働く人も、お客様も、僕たち裏方も、『やってよかったね』と笑って帰れるようなレストランにしよう」

注文をまちがえる料理店 公式ホームページ

【感想】
読んでいて「こんなレストランいいな」から「こんな地域がいいな」「こんな日本がいいな」と思いました。
「間違えること」が✖(ペケ)の風潮が強い日本。
レストランで注文と違うものが出てきたらクレームものですよね。
でもここは違う。
「間違っても大丈夫な空気がありました」…当日のアンケートの言葉です。
誰だって間違えたくて間違う訳じゃない。
心のゆとりが必要です。

これまで「認知症」というと「ご飯を食べたことを忘れる」など大変だなぁというイメージでした。
この本を読んで周りの支えがあれば認知症でも普通の暮らしができる。
そして「人の役に立っている(=仕事がある)」ことが生きていく上でどれだけ重要なことなのかを、あらためて感じました。
それは認知症の方だけでなく、全ての人にとってです。

【目次】
Prologue 「注文をまちがえる料理店」ができるまで
第Ⅰ部  「注文をまちがえる料理店」で本当にあったものがたり
第Ⅱ部  「注文をまちがえる料理店」のつくりかた
Epilogue 「注文をまちがえる料理店」のこれから

あさ出版
239ページ
2017年11月9日第1刷発行
本体価格 1400円
電子書籍あり著者 小国士朗
2003年テレビ局入局。
情報系のドキュメンタリー番組を中心に制作。2013年に9か月間、社外研修制度を利用し大手広告代理店で勤務。
その後、番組のプロモーションやブランディング、デジタル施策を企画立案する部署で、ディレクターなのに番組を作らない“一人広告代理店”的な働き方を始める。
スマホアプリやSNS向けのサービスの企画開発の他、個人的プロジェクトとして、認知症の人がホールスタッフをつとめる「注文をまちがえる料理店」などをてがける。

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