蘇我の娘の古事記 周防柳

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今回は私のラジオ番組「ホンスキー倶楽部」で紹介した本です。
テーマは「上半期に読んだ、私のおススメ本」

インターネットラジオゆめのたね放送局
関西チャンネル
毎週日曜午前11時~11時

試聴はこちらからできます。

https://yumepod4.xsrv.jp/wp-content/uploads/2019/06/7-4_honsuki-club_20190619.mp3

テーマ「上半期おススメの1冊」

ラジオネーム 四十路の働き蜂

周防柳「蘇我の娘の古事記(ふることぶみ)」

①この本のおすすめどころ
本書は国史編纂(こくしへんさん)や古事記へと繋がる壮大な奇伝小説です。
物語は乙巳の変(いっしのへん)に始まり、白村江の戦い(はくすきのえのたたかい)や壬申の乱(じんしんのらん)を経て持統天皇の世までの激動の約40年。
奈良の飛鳥や、7月に世界遺産登録に登録される大阪の百舌鳥・古市古墳群が舞台となっています。

乙巳の変(いっしのへん)で、蘇我蝦夷(そがのえみし)の自害の場にいたとされる船恵尺(ふねの えさか)や、息子の道照(どうしょう)といった実在の人物に、道照の弟・ヤマドリ、蘇我入鹿の隠し子である盲目の娘のコダマなどの架空の人物がうまく重なっています。

恵尺(えさか)は蘇我氏のもとで国史編纂にも携わっていたという、当時としては読み書きに精通した人物。
そんな恵尺が家族と穏やかな日々を過ごす一方で、繰り広げられる血生臭い政争とのコントラストが面白いのです。

また、この小説は、様々な語り部がコダマに日本神話や言い伝えを語る部分と、恵尺(えさか)一族の日常部分の二層仕立てになってて、ラストに向けてうまく連鎖していきます。

語り部の部分は『◯◯天皇』ではなく、『カム ヤマト イハレビコ(=神武天皇)』のような長い名前が出てくるので、ちょっと難しいところもありますが…。

小説もそろそろ読み終えるか、という頃。もう少しこの世界観を楽しみたくて、語り部の部分で何度か出てきたホムダワケノミコト(応神天皇おうじんてんのう)の陵墓(りょうぼ)に行ってきました。
応神天皇陵のあたり、作中では恵尺やコダマたちが暮らした所になっています。

陵墓から東に見える山。
恵尺一家もここに身を置き、この景色を眺めていたのでしょうか。

②この本との出会い
書店でなんとなく手にした本。
これぞ運命の出会い。

③上半期いちばんの出来事
いちばんの出来事がふたつもあります。
ひとつは元号が変わる日に誕生日を迎えました。

もうひとつは『蘇我の娘の古事記(ふることぶみ)』を読み終えた直後に『百舌鳥・古市古墳群、世界遺産に登録へ』とニュース速報があったこと。深夜に流れた速報でしたが、読んだばかりの小説とふるさと堺のビッグニュースの偶然の重なりに驚きました。

角川春樹事務所
420ページ
2017年2月10日第1刷発行
本体価格 1700円


著者 周防/柳
1964年東京都生まれ。
早稲田大学第一文学部卒業。編集者、ライターを経て、『八月の青い蝶』で第26回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。
第五回広島本大賞を受賞


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