まどのそと    佐野史郎・ハダタカヒト

「まどが かたかた なっている」

小説家であり妖怪研究家の京極夏彦と親交もあり、小泉八雲の熱烈なファンである、俳優佐野史郎氏が原作の怪談えほんです。


かた かた かた
かた かた かた

まどが かたかた なっている

夜になって母親から言われ
寝ようとするが、窓のなる音が気になって眠れない。

窓の外を見ても風は無い
怖くて大声で泣き出した
パパもママも来ない
妹は眠っている

かた かた かた
かた かた かた

まどが かたかた なっている

【感想】
文章を読んでいるだけでは、そんなに怖くないのですが
絵がこの文章の怖さを引き立てています。

絵だけ見てもそんなに怖くはありません。
ハダタカヒト氏の絵と佐野史郎氏の文章が相乗効果となって
怖さが何倍にも何十倍にも感じるのです。

主人公の男の子は違う世界に迷っているのではないか…。
全部男の子の夢なのではないか…。
パパもママも妹も実はもうこの世に居ないのではないか…。
絵と文章からいろいろと妄想してしまいます。

かた かた かた
まどが かたかた なっている
このフレーズから私は
子どもの頃、台風がやってきて
窓がかたかたなるのが、とても怖くて
なかなか眠れずに夜を過ごしたことを思い出しました。

岩崎書店
32ページ
2019年7月13日第1刷発行
本体価格 1500円

著者
佐野史郎 (さの・しろう)

1955年生まれ、島根県出身。俳優。
1975年劇団シェイクスピアシアターの創立に参加。
1979年退団後、唐十郎が主宰する状況劇場を経て、1986年「夢みるように眠りたい」(林海象監督)で映画デビュー。
その後、数多くの映画・TV・舞台に出演するほか、映画監督、執筆、音楽、写真とその活動は多岐にわたっている。
少年時代から幻想怪奇の世界に親しみ、出身地の松江市ゆかりの小泉八雲に強い関心を持ち、八雲作品の朗読はライフワークとなっている。

絵・ハダタカヒト(はだ・たかひと)

1988年生まれ、兵庫県出身。
神戸芸術工科大学卒業。
水曜えほん塾、Gallery Vie「絵本塾」で絵本を学ぶ。
個展を中心に作品を発表。
『さよならぼくのあかいパンツ』で第13回ピンポイント絵本コンペ優秀賞、『いいあな』で第1回有田川絵本コンクール優秀賞を受賞。
絵本に『ろじうらの伝説』(柳家喬太郎作、ばばけんいち編 あかね書房)などがある。

怪談えほん
岩崎書店が「怪談」を通じて豊かな想像力を養い強い心を育んでほしいという願いをこめて創作した絵本シリーズ
原作は第一線で活躍中の作家、そこに絵が加わり大人も「怖い」と思わせる絵本になっています。

怪談えほん 特設サイト


第一期
「悪い本」
宮部みゆきと吉田尚令のこの世で一番悪い本
宮部みゆき 作
吉田尚令 絵
東 雅夫 編

「いるの いないの」
京極夏彦と町田尚子が描く空間の「こわさ」
京極夏彦 作
町田尚子 絵
東 雅夫 編

他3冊

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