亥子ころころ 西條奈加

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「親方、南星屋には、給金以上の値打ちがありやすよ」by雲平

江戸の麹町の裏通りにある「南星屋(なんぼしや)」は治兵衛が営む菓子屋。
治兵衛は武家の出だが、若い頃に全国を旅して歩きそこで食した菓子を書き記し店を開いた。
南星屋には治兵衛と出戻り娘のお永、お永の娘のお君の三人で営んでいる。
味はよく値段は手頃なので評判の菓子屋だった。
治兵衛が手首を痛め思うように菓子が作れずにいた。

ある日、南星屋の前に行き倒れの男が居た。
京都から江戸を目指して来たが小田原で盗難にあって飲まず食わずでどうにか江戸についたのだった。
名は雲平。
京都では南星屋と同業で菓子を作っていたと言う。
雲平はしばらく南星屋で治兵衛を手伝い菓子を作る様になった。
そんな雲平に惹かれるお永…。

雲平が江戸にやってきたのは天涯孤独な雲平が奉公先で弟の様に仲が良かった亥之吉を探しに来たのだった。
雲平は亥之吉を探し出すことはできるのか?
そしてこのまま南星屋の菓子職人となるのか?

【感想】
時代小説によくある菓子屋のお話です。
小さい菓子屋ながらも、いろいろ問題が起こります。
そこには江戸ならではの人情味あふれる話が連作短編集として書かれています。

主の治兵衛は旅をしながら出会った菓子を丁寧に記しています。
これが菓子帳となって物語の菓子作りに一役かっています。
雲平が江戸に来たいきさつや日々の南星屋の菓子作りが読みどころです。
西條奈加さんは時代小説でシリーズ化になっている作品もあるので、
この本もシリーズ化になるのを期待しています。

【目次】
夏ひすい
吹き寄せる雲
つやぶくさ
みめより関の戸
竹の春
亥子ころころ

講談社
247ページ
2019年6月24日第1刷発行
本体価格 1450円
電子書籍あり

著者 西條奈加
1964(昭和39)年北海道生れ。
都内英語専門学校卒業。
2005(平成17)年、『金春屋ゴメス』で「日本ファンタジーノベル大賞」大賞を受賞。2012年『涅槃の雪』で中山義秀文学賞、2015年『まるまるの毬』で吉川英治文学新人賞を受賞。著書
『金春屋ゴメス 異人村阿片奇譚』
『烏金』
『善人長屋』
『恋細工』などがある。

最後まで読んで頂きありがとうございます。
当ブログの記事があなたの読書のお役に立てれば幸いです。
また読みに来ていただけると嬉しいです。

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