平場の月 朝倉かすみ

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「おれら、ひらたい地面でもぞもぞ動くザッツ・庶民」

 この本はFacebookの本のレビューを紹介するイベント「みんなで10000冊読めるかな」で紹介されていた本です。
何人かが紹介していたので興味を持ち、ネットギャリーでリクエストすることができたので読んでみました。

第161回直木賞にもノミネートされ
「田村はまだか」の著者 朝倉かすみさんの最新作です。

【あらすじ】

青砥健將は妻と別れ子ども達は成人して独立。
施設に入った母を毎週日曜に会いに行っている。
地元で暮らす50歳。
体調が悪く通院すると「念のため」と検査を勧められ生検をすることに。
検査が終わって病院の売店に行くと、そこに中学の同級生、須藤葉子がレジ打ちをしていた。

須藤は青砥の初恋の相手。
中学の時に告白するもフラれる。
そんな須藤と青砥が久しぶりだと近くの居酒屋で飲みに行く。
須藤も今は一人で暮らし検査中。
二人は互いに「青砥」「須藤」と苗字で呼び合い
定期的に須藤の家で「家飲み」をするようになる。

検査の結果は青砥が異常なし。
須藤は大腸ガンだった。
手術をしてストーマを付け治療を始める。
お互いの家を行き来する二人。

須藤は自分のことは自分で決める。
むやみに相手に頼らない。
それが唯一の肉親の妹であっても
唯一愛する相手であっても。

青砥は自分の気持ちを相手に押し付けない。
なんとなくその場の空気を読んで卒なく場をやり過ごす。
職場であっても
唯一愛する相手であっても。

自分の我を押し通すが
自分の気持ちは押しとどめてしまう二人の結末は…。

【感想】
静かな静かな大人の恋愛小説です。
相手を思いやり自分の気持ちを押さえてしまう。
読んでいてもどかしくなり切なくもなります。

もう50歳にもなると若い頃の様に
「いつも一緒に居たい」
「イチャイチャしたい」
「結婚したい」
というよりは
「自分の心のよりどころ」であったり
「一人だと持て余してしまう時間を共有する相手」だったり…。
文中にある青砥の思い
「べつに結婚という形にこだわらなくてもいい気がしてきた」
という一文に納得。

私自身、今はシングルで子ども達も大きくなり50代。
青砥と同じような環境です。
人生を同じ方向を向いて高め合うパートナーの存在は必要ですが、結婚はしたいとは思いません。
毎日会いたい…とも思うことありません。
週に1回程度、連絡を取り合い
月に1~2回程度、会って食事をしながら話す。
お互いの行きたい所と時間が合えば出かける。

20代の頃は彼氏ができると「毎日会いたい」「ずっと一緒にいたい」
と、結婚願望も強かったのですが…。
なので、とても興味深く共感しながら読み終えました。

著者が語る「平場の月」創作裏話

光文社
248ページ
2018年12月14日第1刷発行
本体価格 1600円
電子書籍あり

著者 朝倉かすみ
1960年北海道生まれ。
2003年「コマドリさんのこと」で第37回北海道新聞文学賞を、04年「肝、焼ける」で第72回小説現代新人賞を受賞し作家デビュー。
09年『田村はまだか』で吉川英治文学新人賞を受賞。

著書
『ロコモーション』
『恋に焦がれて吉田の上京』
『静かにしなさい、でないと』
『満潮』など多数。

朝倉かすみ ツイッター

最後まで読んで頂きありがとうございます。
当ブログの記事があなたの読書のお役に立てれば幸いです。
また読みに来ていただけると嬉しいです。


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