「魔法を召し上がれ」瀬名秀明

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「何事も変えるには、自分を変える以外に方法はないんだ」by ジェフ

【あらすじ】
時は大阪万博が開催されている2025年。
主人公ヒカルはレストラン「ハーバーズ」のレストラン・マジシャン。

レストランで各テーブルをまわりマジックを披露して料理が出てくる間にお客様に楽しんでもらう、テーブルホッピングを行っている。
「ハーバーズ」は地元の客だけではなく、旅行客も居た。
お客様の特別な日であれば、その内容に合わせたマジックを披露する。
ヒカルは高校生の時に大切な人…美波が目の前で自殺し心の傷となっていた。

ある男性グループのテーブルでマジックをしていると客の一人が「ハトを出してみせてよ」と無理を承知で要望した。
ヒカルは断ることなく影絵のハトとカードでハトを表現する。
テーブルに居た日高という男がヒカルに声をかけ、自分がショップの写真を手かげていることを話、ヒカルの写真を撮りたいと申し出た。
その様子を見ていた店の従業員美幸はヒカルに「美波を殺したのは、あいつよ」と告げられる。

ある日、海外からの観光客と思われる老齢のジェフ夫婦が「ハーバーズ」に来店する。
夫婦の前でカードマジックを披露するがジェフは盲目だった。
しかしながら見事なカードさばきを見てヒカルはジェフに弟子入りを懇願するが断られる。
あらためて夫妻が「ハーバーズ」に来店したときに子どものロボット「ミチル」を連れていた。
ヒカルにミチルを託すジェフ。
そこからヒカルとミチルの生活が始まった。
ミチルはヒカルからけん玉やマジックを習う。

ミチルとの生活に慣れてきたある日、ミチルが居なくなった。
右腕を残して…。
ヒカルはミチルを探すために大阪に向かう。

【感想】
デビュー作の「パラサイト・イヴ」以来の瀬名作品を読みました。
2025年ということで近未来の設定です。
ミチルとヒカルの会話はロボットと人間というより、兄と年の離れた弟との会話の様に聞こえます。

美波の死によりヒカルの中で時間が止まっていますが、ミチルと出会い一緒に過ごすことで癒されていきます。
美波の死も乗り越え新しいヒカルの旅立ち。
「人は一人では生きていけないけど、ロボットと共に生きていく選択が今後はあるのだ」と感じさせる小説です。

マジックの場面がいくつも出てくるのですが、どれも詳しく描かれているのですが、私の脳内では再生が不可能でした(笑)
映像化を望みます。

講談社
546ページ
2019年5月14日第1刷発行
本体価格 2700円
電子書籍あり

著者 瀬名秀明
1968(昭和43)年、静岡県生れ。
東北大学大学院薬学研究科修了。
薬学博士。
在学中の1995(平成7)年、『パラサイト・イヴ』で日本ホラー小説大賞を受賞し、作家としてデビューする。
1998年、『BRAIN VALLEY』で日本SF大賞を受賞。
2006年1月より東北大学・機械系特任教授。著書
『八月の博物館』
『デカルトの密室』
『おとぎの国の科学』
『境界知のダイナミズム』(共著)など著書多数。

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