わが家は幽世の貸本屋さん 忍丸

「あやかしはね、想いを繋ぐの…大切なことは忘れないよ」by はつ

 ホラー小説は苦手ですが、あやかしが出てくる話は好きです。
きっかけは、高田郁さんの「しゃばけ」シリーズ。
若旦那とあやかし達の話に夢中になりました。
コミックでは「夏目友人帳」💕
親子でハマり3年前には娘が私の誕生日に夏目友人帳を大人買いでプレゼントしてくれました。
そんなあやかし好きの私が「ネットギャリー」で目に留まったのがこの本でした。

ネットギャリーとは…
出版社が提供する発売前の作品のゲラ・原稿に「読みたい!」
というリクエストを出すことができるサイト 


https://www.netgalley.jp/

【あらすじ】
 主人公、村本夏織はあやかしの世界で生きている。
幼少の頃にこちらの世界に迷い込み、貸本屋を営んでいる「東雲」に育てられた。
夏織は人間の世界であやかしが営む雑貨店で仕事をし、黒猫の「にゃあ」と東雲との生活。
小さい頃から一緒に育った近所の烏のあやかし「金目」「銀目」がよく遊びに来る。

あやかしの世界でも人間界と同じ様に商店があり、あやかし達はつつましく暮らしている。
東雲の貸本屋もこの世で唯一の本屋なので客も多い。
山奥からやってきた小鬼には面白い話と引き換えに童話を貸す。
東雲は心優しいあやかしなのである。

ある日、平和(?)なあやかしの世界に人間が一人舞い込んできた。
名は白井水明、夏織と同年代の青年はあやかしを退治する祓い屋。
水明を助けた夏織だが、さっさと人間界に帰るように言う。
あやかし界にとって人間は招かれざる客なのだ。
夏織や金目、銀目と触れ合ううちに少しずつ心を開く水明。
彼はある目的でこのあやかしの世界にやってきたのだった。

水明の目的とは?
あやかし界のもののけと夏織とのエピソードが綴られる連作短編集

【感想】
 設定が面白い!!
本好きにはたまらないあやかしの世界にある貸本屋、
あやかしの世界にも商店があり人情がある設定。

異世界であやかしの皆から大切に育てられた夏織。
真っすぐに育った夏織は純情で優しくてちょっと天然な女性。
あやかし達は幼い夏織と触れ合う中で孤独から解放され町内会のアイドルの様な存在。
そこに祓い屋の水明がやってきたからあやかし界は大騒動。
恋の予感に心温まるあやかし達とのエピソード。
読みだしたらとまりませんでした。

設定があやかしでなかったら、商店街の物語になりそうです。
それぞれの章に出てくるあやかし達も愛嬌があって憎めません。

私が特に好きなのは「閑話 あやかしは幽世の夏に夢を見る」です。
ちょっぴり切ないけれど、希望があるお話。
それは冒頭の言葉にもつながります。
この後、夏織や水明はどんな生活を送るのか…
続編を期待します。

【目次】
序章 あやかし世界と稀人な私
一章 大歩危の爺
二章 富士の大あやかし
閑話 あやかしは幽世の夏に夢を見る
三章 シロツメクサの想い
四章 賢淵のヌシ

マイクロマガジン社
280ページ
2019年6月22日第1刷発行
本体価格 690円

著者 忍丸
好きな系統はわんこ系、ヤンデレ系、無表情メガネ(純情)。
キラッキライケメンより地味系、三枚目が好き。
他には人外と人間の恋愛譚が好きです。
お話を書いていると自然とダックスフンドがでてくる愛犬家、そんな人間です。
異世界おもてなしご飯が、カドカワBOOKS様より9/8発売、コミカライズ企画も進行中です!


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