すきっていわなきゃだめ? 辻村深月・今日マチ子

「いわなくても、この きもちを だいじに おもっちゃだめなの?」

辻村深月さんというと、「かがみの孤城」で2018年本屋大賞を受賞し、ドラえもん映画の脚本も手掛ける人気作家さんです。
その辻村深月さんが書いた絵本、それもテーマは「恋」
読まずにはいられませんでした。

「すき」っていうのが はやってる

主人公が通う小学校のクラスでは
好きな人に「好き」っていうのが流行っている。

のんちゃんがたっくんに
あーちゃんがかずくんに
「すき」って言った。

あっちゃんに好きな人に好きって言わないのか聞かれた。
「わかんない」と答えたら
「じゃあ、それは本当の好きじゃないんだよ」って言われた。

本当はこうくんが好き。
でも「好き」っていって拒絶されたらどうしよう。
いろいろ考えていたら、りなちゃんがこうくんに「好き」っていった。

こうくんもりなちゃんが好きななったらどうしよう…。

【感想】
絵本の中で相手に「好き」って言うのは女の子です。
小学校の高学年は、男の子より女の子の方が大人っぽいですよね。

あっちゃんに言われて自分の気持ちは本当に「好き」なのか?
好きを相手に伝えないと本当の好きではないのか?
思うだけはだめなのか?
主人公の気持ちが痛いほど伝わってきます。

主人公が悩んでしまうのには、ある理由があるからなんですが…。

人は恋をします。
相手を「好き」と思う気持ちはとても大切で
気持ちが募ると相手に伝えたくもなります。

不思議と自分の気持ちを伝えるだけでは満足できません。
相手が自分のことをどう思っているのか、が気になります。

「好き」って伝えることでせっかく雰囲気が良い今の関係が壊れたらどうしよう。
嫌われたらどうしよう。
そんな切ない気持ちが伝わってくる絵本です。

恋をしている人もこれから恋をする人も
かつて恋をしていた人にも
読んで欲しい絵本です。

下記の特設サイトには辻村深月さんがこの絵本に込めた想いが掲載されています。

恋の絵本 特設サイト

岩崎書店
32ページ
2019年5月21日第1刷発行
本体価格 1500円

著者 辻村深月
1980年山梨県出身。
2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。
2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、
2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、
2018年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。

著書
「家族シアター」
「ツナグ」
「朝が来る」など多数絵 今日マチ子
漫画家。
1P漫画ブログ「今日マチ子のセンネン画報」の書籍化が話題に。
4度文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品に選出。
戦争を描いた『cocoon』は「マームとジプシー」によって舞台化。
2014年に手塚治虫文化賞新生賞、
2015年に日本漫画家協会賞大賞カーツーン部門を受賞。
短編アニメ化された『みつあみの神様』は海外で23部門賞受賞。

著書
『センネン画報 +10years』
『もものききかじり』
『ときめきさがし』など。

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