「あしたのジョー」心理学概論  SUPER SYRINGSサーフライダー21編

「人がほんとうに動機づけられているとこには、意識的な努力はしない状態になる」

この本は一箱古本市に参加したときに、他のブースで売っていた本です。
ビブリオバトルで発表した本らしいのですが、
表題に惹かれて即買いでした。
私は小学生の頃に「あしたのジョー」全20巻と出会い
何度も読み返しては最終ページで号泣していたのです。
どのように心理学的に解説されているのか興味津々で読みました。

幼児期の「見捨てられ体験」から生じる「依存欲求」と「攻撃衝動」

矢吹丈は両親に捨てられ孤児院(現、養護施設)で育つ。
ドヤ街と呼ばれる日雇い労働者が住む町で非行を繰り返して少年院に入れられる。
少年院でも問題を何度も起こす。

ジョーは人間の愛情をまともに信じることができない環境で育ち、非行と暴力行為を繰り返し、衝動的でせつな的な生活を送り、自己中心的で打算的な人間だった。
➡ 利己的、自己中心的、計算高い、自尊心が強い、他人の善意を信じない、

プロボクシングの世界でも、対戦相手を殺したり再起不能に陥れた。
ジョー自身も無茶な減量や非常識な練習によって肉体を痛めつけている。
自分の身体が著しく傷つけられても戦うのをやめない。
ボクシングを通してしか、他者と深く関われない。
➡ 衝動的、暴力的

ジョーは親に捨てられ、満足な愛情を受けずに成長し社会のなかで孤立し、自己中心的な生き方をするようになった
             ↓
    現代社会の1つの病理現象の表れ

ジョーは「強い敵」に対して依存と攻撃を発揮することによって内面が安定していた
➡ 次々と強い敵を求めざるを得ないため最後は世界チャンピオンとの闘いとなった。

【感想】
前項で紹介したのは1つ目の項目です。
この様に専門的な医者や研究者達が、ジョーや丹下段平を分析しています。
この本を読んで矢吹丈はボクシングがあったから救われていた。
そうでなければ連続猟奇殺人を犯していたかもしれない…。
なんてことを考えました。

私が「あしたのジョー」にハマっていたのは小学生の頃。
アニメにもなり「カッコイイ💕」と憧れ、白木葉子は「なんやこの女」と思い、
林食品の紀子と上手くいけばいいのに…と勝手に思い、
マンモス西と結婚するとなって「紀子 ! 本当にそれでいいの!?」と心の中で呼びかけてました。

大人になった今、紀子の気持ちはわかります。
ジョーは結婚する相手ではないと…。
大人になってから「あしたのジョー」を読んでいないから
今、読んだらどんなことを感じるんだろう???
と再読してみたくなりました。

「あしたのジョー」にハマった人にはおススメです。


【目次】
はじめに
「症例」矢吹丈
幼児期の「捨て子」という特異な体験が生んだ「依存欲求」と「攻撃衝動」
「サイコセラピスト」としてのジョー
 日常から疎外された者同士のコミュニケーション
ボディ・ランゲージとしての「両手ぶらり戦法」
 「両手ぶらり戦法」に作用している心的機制についての考察
“地下足袋を捨てた”丹下段平
 丹下氏の自我状態変遷に関する交渉分析的アプローチ
死闘の続く世界で見せたジョーの人間らしさ
 
帰属的理論からの行動理解
丹下氏のコーチングは成功したのか
 
丹下段平氏の「構成主義的」教育方法の分析
見果てぬ両親を求めて
 
「対象喪失」体験の共有
心理判定」
 ジョーの少年院送致は正当だったのか
ジョーの「ボクシング行動」の生起確率を高めたもの、行動分析学的考察
 
なぜボクシングを始め、そして続けたのか
ペルソナ(仮面)をつけた白木葉子
 
「性アイデンティティー」の混乱
矢吹丈、もう一つの心の側面
 
とくに、紀子との関係について
ジョーをめぐる人間模様
 
「生涯発達」の中の矢吹丈
矢吹丈の戦歴

中公文庫
257ページ
1995年1月3日第1刷発行
本体価格 580円

編著者 SUPER SYRINGSサーフライダー21
1986年、人工知能(AI)研究者を中心に発足した無目的な集団
ファジーなネットワークを模索
「妄想から科学へ」をモットーに「虚構解析学」を提唱。著書
『ウルトラマン研究序説』
『ゴジラ生物学序説ー妄想から科学へ』
『経営は「鬼平」に学べー長谷川平蔵にみるリーダーシップの条件』など

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