「やられっぱなしはつまんねえよ」byタカト
舞台はとある島。
その島は過疎化が進んでいたが、日本初のカジノがやってきて
観光客やカジノ目当ての客で島は賑わうようになった。
勿論、ヤクザ、島の権力者、カジノの元締め、役所、警察と利権が渦巻く。
ヤバイ出来事は歪曲されて報道される。
真実は闇の中。
ワタルとタカトはある取引を任された。
取引場所に行くとそこには3つの死体が…。
オールバックの男とジャージの男に襲われ逃げる2人。
取引は失敗。
ワタルは兄貴分の連に連絡を取る。
相手の物が無くなりワタルとタカトは追われる身に。
連の指示を受けワタルとタカトは無実を証明するために自分たちを襲った二人は探す。
老舗のパブ「honey bunny」のオーナー魔女と呼ばれる白髪のジーナは
島で周りから一目置かれている。
ワタルはジーナにすべてを話して島の権力者、敷島とつないで欲しいと助けを乞う。
事はヤクザ、半グレ、マフィア、警察、島の権力者を巻き込んでいく。
ワタルとタカトは生きて自分たちを襲った相手を見つけられるのか?

【感想】
頭が切れるワタル、ファイターのタカトのコンビの物語です。
小賢しいワタルに天真爛漫のタカト。
かみ合わない会話にクスッと笑えます。
人生の早い段階からドロップアウトした二人が
成りあがるために必死で手持ちのコマを使って目の前の状況を打破していきます。
物語は後半に大どんでん返しが待っていて
「そうきたか~」と唸りました。
私は大阪に住んでいるので、カジノに関しては他人事ではなく
島の状況が全て当てはまるとは思いませんが
大きな金額が動くところには利権を求めて人がうごめく…。
大阪に出来るであろう日本初のカジノやその周りの環境も
似たようなものになるのだろうか?
という視点でも読んでしまいました。
講談社
362ページ
2019年3月28日第1刷発行
本体価格 1650円
電子書籍あり
著者 呉勝浩
1981年青森県生まれ。
大阪芸術大学映像学科卒。
2015年『道徳の時間』で第61回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。
『白い衝動』で第20回大藪春彦賞受賞。
尖ったテーマをエンタメミステリに落とし込み、一気に読ませる筆力が魅力の気鋭作家。
著書
『マトリョーシカ・ブラッド』
『ロスト』
『ライオン・ブルー』など。
呉勝浩 ブログ
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