「練習ハ不可能ヲ可能ニス」
広島カープにドラフト4位で入団し、正捕手として活躍した達川さんの自伝の様なエッセイです。
達川さんが喋った内容を構成の赤坂英一さんが文章にしています。
なので、広島弁があちこちに出てきているので
目の前で達川さんが喋っているような錯覚を起こします。
広島商業高校時代に甲子園の選抜に出場し、当時怪物と言われていた
江川卓氏が居る作新学院との闘いや大学に進み松沼兄弟との出会いや
ドラフトで指名を受けたときの様子が優しい語り口調で書かれています。
プロ野球時代では新人で入って江夏豊投手から「10万球受けたら、俺の球を受けてもいい」と洗礼を浴びます。
今は亡き名プレイヤー、鉄人こと衣笠祥雄氏との思い出や
星野監督が阪神の監督時にバッテリーコーチを務めているので
星野監督に怒られ、当時のキャッチャー矢野に星野野球について
教えられた経過も載っています。
北別府、大野など広島ファンではなくても
プロ野球ファンなら懐かしいと唸ってしまう選手とのエピソードが満載です。
特にソフトバンクホークスでヘッドコーチを受ける時の星野監督の助言、
その年のキャンプの紅白戦後にかかってきた衣笠氏からの電話は
胸にぐっとくるものがありました。
お二人がまだ71歳の若さで他界されたのは残念でなりません。
昨シーズンまでソフトバンクホークスで一軍ヘッドコーチをしていたので
同じ広島商業出身の柳田選手とのやり取りや甲斐キャノンで有名な
甲斐選手が正捕手になるまでの経過もあり、
この本を読んで今シーズンが本当に楽しみです。
【目次】
はじめに 私、初めて自分の本をだします。
第1章 広商野球の原点は精神力
第2章 カープで受け継がれる人間力
第3章 怪物・江川を倒した育成力
第4章 甲子園で優勝した突破力
第5章 ただひたする「見る」カープのスカウト力
第6章 江夏さん、衣笠さんに鍛えられた捕手力
第7章 敵に教えられて身についた勝つ力
第8章 甲斐キャノンに注いだ指導力
構成者 : 赤坂英一によるあとがき
著者 達川光男
1955年広島県生まれ
広島商業高等学校で73年春の選抜で準優勝
同年夏の選手権では全国制覇を果たす
東洋大学では76年秋に東都大学リーグで初優勝を飾る
1978年ドラフト4位で広島カープに入団
1992年現役を引退
福岡ダイエーホークス・阪神タイガース・中日ドラゴンズのコーチを歴任している。
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