さらば国分寺書店のオババ 椎名誠

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制服人間粉砕同盟人民戦線

椎名誠さんのエッセイには惹かれて何度かチャレンジしものの
いつも途中で挫折し最後まで読めたことがありません。
今回は「最後まで読む !」と決意して手に取った1冊です。

この本はシーナさんが初めて出版した本です。
制服を着た国家権力を横柄さに怒り妄想します。
その妄想が読んでいると現実なのか?
それともこれは小説なのか?
と思える文体で「エッセイ」という枠を超えています。

ある夜、自転車で自宅に向かっていると細い路地から
警官が出てきて言うのです。
「無灯火ですね」
止められて「この自転車はあなたのですか?」
シーナさんは自分の自転車に乗っているのに
ちょっとドギマギし「え、えーと」と言葉につまずきながら
「自分の自転車です」と答えます。

後であんな細いところで獲物を捕まえるかのように
待ち構えている卑怯な制服国家権力に怒りを覚え
そこからまた壮大なシーナ妄想が展開します。

この制服国家権力に怒りを覚えるのは、一度や二度
いやもっと日々感じることなので、読んでいて「そうそう」
と思うことも多いのです。

この警官に止められたのは実は国分寺書店に古本を売ろうとして
意を決して行ったものの、店主のオババに相手にされず
違う古書店で本を売って帰る途中の話なのです。

国分寺書店という古本屋には名物店主、シーナさんの言う
「オババ」がいます。
本の扱いが雑だと怒り、全集のところどころを売りにきても文句を言い
本の上に段ボールを置くと怒るオババ。

ところがある日、国分寺に行くと国分寺書店を無く陶器屋に代わっています。
そこでシーナさんはオババのことを考えると
当たり前のことを怒ってくれていたオババだったなぁ。
となるわけです。

そんな妄想爆裂なシーナさん独自の心の動きが綴られた
この一冊はあっという間に読み終わったのでした。

 

 

 

 

 

 

 

新潮文庫
253ページ
1996年9月2日第1刷発行
555円
電子書籍あり

著者 椎名誠
1944年東京生まれ。
作家。
純文学からSF小説、紀行文、エッセイ、写真集など、幅広い作品を手がける。
大の科学好き。
1990年、『アド・バード』で日本SF大賞を受賞。
『犬の系譜』(吉川英治文学新人賞)

著書
『岳物語』
『家族のあしあと』
『そらをみてますないてます』
『すばらしい黄金の暗闇世界』
『水惑星の旅』など多数

最後まで読んで頂きありがとうございます。

当ブログの記事があなたの読書のお役に立てれば幸いです。
また読みに来ていただけると嬉しいです。

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