「最大のテーマは愛」
今回は3月3日に放送した私がパーソナリティを務めるラジオ番組
「ホンスキー倶楽部」でリスナーさんから紹介して頂いた本です。
福岡県 ラジオネーム おかき
『ある男』平野啓一郎
幼い二歳の次男を脳腫瘍で亡くし、離婚し、実父を亡くして宮崎の実家に帰ってきた里枝。不運は続き、再婚した優しい夫・大佑\(だいすけ)を事故で失うのです。
死後にわかったのは、夫が全くの別人であったという事実。
大佑はいったい誰だったのか?里枝に相談された城戸は事実を調べると、、、
人を愛するとは、生きるとは、人にとっての過去とは、血縁とは。
そして、犯罪加害者家族の苦悩、在日問題、死刑廃止論、夫婦の距離。
読みながら、ずっと考えされられました。
誰だかわからない男・大佑を調べるうちに現れる数々の事実に揺れながら自らの人生を見直す城戸。
里枝の為ではなく自らの為に調べ続けていたのですよね。
里枝の子ども達、悠人の賢さと花の朗らかさが、これからの明るくなっていくだろう未来を感じさせられて、気持ち良く読了しました。
平野啓一郎さんの公式サイトには「ある男」の特設サイトがあります。
読者へのメッセージ
小説家としてデビューしてから、今年で二十年となりますが、『ある男』は、今僕が感じ、考えていることが、最もよく表現出来た作品になったと思っています。
例によって、「私とは何か?」という問いがあり、死生観が掘り下げられていますが、最大のテーマは愛です。
それも、前作『マチネの終わりに』とは、まったく違ったアプローチで、今回はどちらかというと、城戸という主人公を通して、美よりも、人間的な〝優しさ〟の有り様を模索しました。
「ある男」とは、一体誰なのか?なぜ彼の存在が重要なのか? 是非、ゆっくりこの物語を楽しんで下さい。
(特設サイトより引用)
【感想】
この本はまだ読んでいないので特設サイトを検索してみました。
特設サイトでは「ある男」が試し読みできます。
読んでみたら…ラストシーンでした。
なんか微妙です(;^ω^)
特にネタバレの様なラストではないのですが
ラストの雰囲気だけを知って
最初から読むって…
特に、この小説はいろいろ複雑そうな内容なのに。
と、戸惑いました。
文藝春秋
351ページ
2018年9月28日第1刷発行
本体価格1600円
電子書籍あり
著者 平野啓一郎
1975年愛知県生。北九州市出身。
京都大学法学部卒。
1999年在学中に文芸誌「新潮」に投稿した『日蝕』により第120回芥川賞を受賞。
2004年には、文化庁の「文化交流使」として一年間、パリに滞在。
2008年からは、三島由紀夫文学賞選考委員、東川写真賞審査員を務める。
美術、音楽にも造詣が深く、幅広いジャンルで批評を執筆。
2009年以降、日本経済新聞の「アートレビュー」欄を担当している。
2014年、フランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章。
著書
『滴り落ちる時計たちの波紋』
『ドーン』
『かたちだけの愛』
『空白を満たしなさい』など多数
平野啓一郎 note
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