こいしいたべもの 森下典子

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「ずっとその物語の中に浸っていたい気持ちになった」

以前、私のラジオ番組「ホンスキー倶楽部」で、
ブックコーディネーターのかーるさんが
森下典子さんの「いとしいたべもの」を紹介してくれました。
この本はその続編です。
表紙がなんとも美味しそう。
森下さんの「日日是好日」も好きだったので図書館で借りました。

22の食べ物にまつわるエッセイです。
森下さんは「日日是好日」で茶道との出会い、
茶道を通して学んだこと、気づいたことをエッセイとして書いています。
このエッセイも読みやすく、ファンになってしまいました。

茶道ではお茶菓子が必ず出てきます。
それも季節にあったお茶菓子です。
この本にも和菓子についてのエッセイがいくつかあります。
その中には森下さんのお菓子選びの失敗談も…。

家族の思い出、父親との思い出、幼少の頃の記憶…。
いずれも食べ物に関してです。
停電になってご飯が作れず、家族でロウソクの灯りで食べた缶詰の話。
父親が大好きだったビーフンは、実は戦争体験が元にあった。
単にたべものとの思い出だけでなく、時代背景も描かれています。


 

 

 

 

 

 

一番好きなのには、森下さんが小学生の頃に本を読みながら食べたおやつの事です。
学校から帰ってきて、すぐに「少年少女世界の文学全集」とおやつを持って
縁側で腹ばいになっておやつを食べながら本を読む。
「それが私の午後の楽園だった」と記されています。
おやつはクッペというパンをバターを挟んで焼いて食べていたのを
ある日、頂き物の缶入りの「柿の種」を食べ、
その日から本のお供は柿の種に。

そんなちょっとした事柄と食べ物が森下さん自身のイラストで表されていて
読みながら何か食べたくなります。

 

 

 

 

 

 

 

【感想】
「少年少女世界の文学全集」のくだりは私も全く同じことをしていました。
本も同じです。
おやつは違いましたが(笑)

「日日是好日」を読んだ時も思ったのですが
何十年も前のことをまるで昨日の事の様に書いてあるのが
とても不思議です。
記憶力が良いのか?
それともそれぐらい強烈な出来事だったのか?
普段の何気ないことを昨日のことの様に書いているのが
森下さんの魅力なのかもしれません。
絵もとても写実的で表紙のホットケーキは
作って食べたくなるくらいです。

読むときはおやつ持参か空腹でない時が無難ですよ。

 

 

 

 

 

 

 

【目次】
はじめに
読書のおとも
「かっくらま」の鳩サブレー
一筋の梅の香り
桃饅頭と中国の恋の物語
日常の手触り
潮干狩りでアースする
四月、桜の木の下で
九歳の夏、岩手へ行く
小さなものにこそ、心を籠める
父と焼きビーフン
カレーライス、混ぜる派? 混ぜない派?
コロッケパンは自由の味
停電の夜の缶詰
身も心もほどけるクリーム白玉あんみつ
夜明けのペヤング
駅弁の沢村貞子
シュウちゃんの芋きん
前世と熟柿とブランデー
横川駅の峠の釜めし
ワッフルとスカーレット
中学受験、合格発表の日
ちびくろサンボのホットケーキ
おわりに

文春文庫
189ページ
2017年7月10日第1刷発行
本体価格700円
電子書籍あり

著者 森下典子
1956年、神奈川県横浜市生まれ
日本女子大学文学部国文科卒業
大学時代から「週刊朝日」連載の人気コラム
「デキゴトロジー」の取材記者として活躍。
著書
「典奴どすえ」
「典奴ペルシャ湾を往く」
「ひとり旅の途中」など

最後まで読んで頂きありがとうございます。

当ブログの記事があなたの読書のお役に立てれば幸いです。
また読みに来ていただけると嬉しいです
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