あと少し、もう少し 瀬尾まいこ

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「まだまだ走れる。もっと行ける。走りたいと身体中が言っている」by 渡部

この本は友人が瀬尾まいこさんの「そして、バトンは渡された」のレビューで紹介していた本です。
スポーツ小説は好き、特に駅伝は大好きなので
図書館で借りて読んでみました。

市野中学陸上部は駅伝に出場し毎年6位以内に入って県大会まで進んでいる。
顧問の体育教師の満田先生が転勤になり美術の上原先生が新しく顧問になった。
駅伝どころか陸上を全く知らない先生なので部長の桝井が取り仕切っていた。

中学校駅伝は男子6名で18キロ走る。
陸上部で長距離を走れるのは3年生の桝井、設楽と2年生の俊介。
以前は顧問の満田先生が他の運動部から足の速い生徒を助っ人として探してきていた。
今年はそれも部長の桝井があたりをつけて説得にあたっていた。

桝井の人選は髪の毛が金色のヤンキー大田、吹奏楽部の渡部、バスケ部のジロー。
大田のところに粘り強く頼みに行く。
大田は小学校の時の駅伝大会に選ばれたくらい実は走るのが好き。
ところが少しでも上手くいかなそうだと判断すると投げ出してしまう。
なんとか大田を説得した。

渡部は手ごわい。
2年生の俊介も途中から勧誘に加わったがなかなか「走る」とは言わない。
俊介の提案で顧問に上原先生から声をかけてもらうことにすると次の日練習に来た。


 

 

 

 

ジローは頼まれごとは断らないのに担任の小野田先生から駅伝の話が来たが今回は断った。
走っても貢献できないと判断したからだ。
これまで断ったことがないジローは断ったことで胸がモヤモヤと後味が悪い思いをしていた。
担任から母親に伝わり断ったことを怒っていた。
「頼まれたら断るな」これが母親の教えだからだ。
ジローも走る。

陸上部の設楽は駅伝が近づいてきて記録が伸びてきた。
2年生の俊介も力強い走りになっている。
助っ人の3人は素人なのでコツがつかめるとタイムは縮んできた。
部長の桝井だけが記録が伸びないどころか本来の走りができずに悩んでいた。

そしていよいよ駅伝の前日の壮行会。
体育館で全校生徒の前に駅伝選手が並び、校長先生の話や生徒代表の話が続く。
駅伝は全校あげての行事なのだ。
大田はイライラし、我慢ができなくなり全てを投げ出して体育館から出て行った。

 

 

 

 

 

【感想】
この本の構成は、はじめに全体をざっくり説明する「0」があり
後は1区から6区となっている。
それぞれを走るメンバーの駅伝までの経過が本人の目線で書いてある。
誰もが悩みを持ち人に打ち明けられずに悶々としている。
それが駅伝の練習をするうちに少しずつお互いに関わるようになる。
陸上競技は個人の闘いがほとんどだが、駅伝は「襷」が思いをつないでいく。

私は4区を走った渡部くんに感情移入してしまった。
自分の境遇と似ていたからだ。

これまでは箱根駅伝の小説をいくつか読んできたが
中学駅伝もいいな。
いやスポーツ小説が好きなんだと再確認した小説です。

 

 

 

 

 

 

 

新潮社
278ページ
2012年10月20日第1刷発行
本体価格 1500円
文庫本あり
電子書籍あり

著者 瀬尾まいこ
1974年大阪府生まれ
大谷女子大学国文科卒
2001(平成13)年、「卵の緒」で坊っちゃん文学賞大賞を受賞。
翌年単行本『卵の緒』で作家デビュー。
2005年『幸福な食卓』で吉川英治文学新人賞受賞。
2008年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞を受賞。

著書
『図書館の神様』
『優しい音楽』
『温室デイズ』など多数。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

当ブログの記事があなたの読書のお役に立てれば幸いです。
また読みに来ていただけると嬉しいです。
グッドレビュアー

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