ひとつむぎの手 知念実希人

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「私たちはただ、血管を紡ぎ合わせているんじゃない。患者の人生を、ひいては『人』そのものを紡いでいるんだ」by 赤石

2019年本屋大賞ノミネート作品である
知念実希人さんのひとつむぎの手。
実は知念実希人さんは苦手な作家さんです。
2018年本屋大賞ノミネート作品の「崩れる脳を抱きしめて」も最後まで読めなかったんですよね。
今回はラジオで紹介することもあり
「この本は最後まで読む」と決意しながら読みました(笑)

平良祐介は純正会医科大学付属病院の心臓外科医。
医者になって8年目になりそろそろ出向の時期に来ていた。

ある日、赤石教授に呼ばれて医局長の肥後太郎と共に教授室に入る。
赤石は明日から入る3人の研修医の担当医を平良に命じる。
このうち2人が心臓外科医に希望を出したなら
平良を出向の希望である富士第一総合病院への選考への考慮しようとのことだった。
富士第一総合病院は関連病院の中でも開胸手術が多く、心臓外科医として経験を積むには最高の環境である。
反対に1人以下の場合は開胸手術などほとんどない沖縄の病院への出向となる。
医局には後輩でありライバルである針谷がいる。
富士第一総合病院に行くのは針谷なのか平良なのか…。



 

 

 

心臓外科医は過酷な現場のため、入局した医師は耐えきれず他科に移っていく。
平良も3日家に帰っておらず、家事と子育ては妻に任せっきりだった。
研修医に心臓外科医の現実を知ってもらうのがいいのか、
反対に実態を悟らせないのがいいのか悩む平良。

郷野、牧、宇佐美の3人の研修医に対して、平良は実態を悟らせないことにした。
しかし、心臓外科医のハードな実態を知っていた3人は平良に距離を取り始める。
焦る平良。
そんななか、各医局にFAXで怪文書が送られてくる。
「心臓外科医の赤石教授が論文のデータを改ざんし、その見返りとして賄賂をもらっている」という内容のものだった。
またしても赤石教授に呼び出された平良は教授自ら怪文書を作ったのが誰なのか調査するように言われる。
「信頼できるのは君しかいない」
赤石教授に言われて断ることができない平良であった。

研修医との信頼関係は築けるのか?
怪文書の目的は?
平良は希望通りに出向できるのか?

 

 

 

 

 

【感想】

「最後まで読むぞ」と気合を入れなくても引き込まれて読み切ることができました。
現役のお医者さんが書いているので

手術など医療的な場面は具体的かつわかりやすく書いてあります。
読んでいる途中、怪文書が出てくるあたりで
うわ~っ、白い巨塔の様になるのかな~
と、思いきやあくまでも平良と3人の研修医たちの話でした。

具体的な場面が多いので
映像化にはもってこいの小説です。
読みながら私の脳内には映像化して読めました。
実はこの本を買うのに何件か本屋さんに行ったのですが
どこでも店頭には無く「取り寄せになります…」
と、売れている1冊です。

 

 

 

 

 

 

 

【目次】

第一章 選択の温度
第二章 外科医の決断
第三章 追憶の傷痕
第四章 命を縫う
エピローグ

新潮社
298ページ
2018年9月20日第1刷発行
本体価格1400円
電子書籍あり

著者 知念実希人
1978年、沖縄生まれ
東京慈恵会医科大学卒業
日本内科学会認定医
2004年から医師として勤務
2011年「レゾン・デートル」で島田荘司選、ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞
2012年、同作を「誰がための刃」と改題し、デビュー。

著書
「あなたのための誘拐」
「仮面病棟」
「時限病棟」
「崩れる脳を抱きしめて」など

最後まで読んで頂きありがとうございます。

当ブログの記事があなたの読書のお役に立てれば幸いです。
また読みに来ていただけると嬉しいです。
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