「すべての人間は人口の原理によって支配されている」
原作者のトマス=ロバート・マルサスも人口論も全く知らなかったのですが
マンガなら少しは理解して読めるのではないだろうか
という好奇心から読んでみました。
貧困問題は人口増加による食料問題
◆産業革命真っただ中のイギリス
・爆発的な人口増加
・貧富の格差は広がる一方
・政府は救貧法(今の生活保護法)を発布するが問題は解決せず
・貧困問題は社会制度では解決しない
人口の原理とは
◆前提条件
・食糧は人間が生存するために必要
・男女の性欲は必然で将来も変わらない
➡人口はネズミ算式に増えるが、食糧は足し算でしか増えない
◆貧困問題を解決するには?
・弱者救済をやめる
・人口が減る
・国内の食糧に余裕ができる
➡最大多数の幸福のために弱者を切り捨てる厳しさが必要
【感想】
人口論そのものをこの本で初めて知りました。
イギリスが産業革命後の人口増加を分析した本ですが、
人口が増えていることをわかりやすくマンガで解説するのに
ねずみ算を用い、説明している主人公がねずみの形をとっているのはシュールだと感じました。
人口はネズミ算式に増えるが食糧は足し算でしか増えない。
弱者救済を止めればすぐに人口が減り
人口が減れば国内の食料に余裕ができ、物乞いはこない。
理論としては成り立ちますが感情としては受け入れがたいものがあります。
人口増加と食糧の確保、
これが当時のイギリスの抱える問題だったのかと
本書を読んで知りました。
マンガでないと読まなかった本だと思います。
【目次】
第1章 マルサス先生[人口の原理]
第2章 孤児オリバー[救貧院]
第3章 料理人ソワイエ[人口の妨げ]
第4章 クリミアの天使[必要は発明の母]
講談社
192ページ
2019年1月11日第1刷発行
700円(本体価格)
文庫版
電子書籍あり
著者 トマス=ロバート・マルサス
1766年イギリス生まれ
1834年没(68歳)
古典派経済学を代表する経済学者
過少消費説、有効需要論を唱えた人物として知られる。
マンガ Teamバンミカス
漫画専門の制作チーム。
名著の漫画化シリーズ『まんがで読破』(イーストプレス)を 企画・制作。
前身のバラエティ・アートワークス時代から139作品を乱造
著書
『まんがで学ぶ成功企業の仕事術』シリーズ(朝日新聞出版)
『歴史秘話ヒストリア』
『タイムスクープハンター』
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