1%の富裕層のお金でみんなが幸せになる方法 クリス・ヒューズ

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「保証所得は不安定な経済生活を安定させ、自分や家族に投資する原資になる」

クリス・ヒューズ氏はフェイスブックの共同創業者で、
2007年にバラク・オバマ氏の選挙キャンペーンで
オンライン戦略の指揮を執った人物です。
彼がこの本で提唱している保証所得とはどんな制度か
知りたくて読みました。

クリス・ヒューズが提唱する保証所得とは

◆年収5万ドル未満の世帯で、何らかのかたちで働いている成人一人につき、月500ドルの保証所得を支給する
・これ以上は下がらない下限として、人々の生活を支える土台になる。
・幼い子供の父母、高齢の親を介護する人、大学生は地域社会に貢献しているので働いていなくても最低所得が支給される仕組みにする
➡ 農家などは天候不順の時にあてにできる
  大学生は学業に専念することができる
  家事と子育てをしている主婦(主夫)も労働に従事しているとみなす
  高齢者の介護も同様で、介護者は個人的犠牲を強いられる
・保証所得は不安定な経済生活を安定させ、自分や家族に投資する原資になる

◆年収25万ドルを超える最富裕層が全面的に費用を負担する
◆ノーベル賞経済学者も保証所得を提唱
◆アラスカ州ではすでに導入
・住民全員に年約1400ドル、アラスカ恒久基金から支給される
・家計のやりくりに役立っている

 

なぜ現金給付なのか

◆ヒューズ氏が実際にケニアにユニセフが支援した村を見学
・子ども達が学校に居てる間、寝泊まりする寮
・新しい校舎
➡ そこには人の気配が無く、生活感も無かった
  寄付されたパソコンにはネットに接続されることはなく盗難にあう
☆善意と最も賢明な専門家による介入だけでは、人々の暮らしを改善することはできないことを実感する
受益者の意思決定能力を尊重し、直接投資する方法を模索
◆実際にある団体を通じてケニアの村に私財を寄付
・1日1ドル未満で生活する家庭に無条件で1000ドルずつ配る
・現地に行きお金の使い道を当人に聞き取る
 ♪ 家の修繕や食料品の購入、子ども達へのプレゼント
 ♪ 子どもが夜に宿題が出来る様に小屋に太陽光電球を設置
 ♪ 新しく事業を興し、独立した収入を得ることができた
➡ 生活の向上や起業などに使われている
➡ 助けを必要とする人たち自身にお金の使い道を任せる

 

 

 

 

 

【感想】

ここではヒューズ氏が提唱する保証所得に特化して記載しましたが
著書では貧困・中間層と言われる家庭の現状や男女間の給与の差など
アメリカの実態についても細かく書いてあります。
また仕事をすることによって人は充足すること、失業がどれだけストレスになるか
なども様々な文献からのデータも載せながら解説しています。

そもそもアメリカでは日常的に「寄付をする」という習慣があるので
保証所得の様な考え方が出てくるのではないでしょうか。
日本においては「働かざる者食うべからず」的な風潮があるなか
保証所得やベーシックインカムどころか
生活保護においては申請すらハードルが高い状況です。

国が違うので状況や取り組み方も変わるとは思いますが
アメリカを知ることもでき、保証所得という考え方も学べる本です。

経済や社会保障に興味がある方におススメです。

 

 

 

 

 

 

 

【目次】

はじめに
第1章 富はどのようにして生み出されるか
第2章 アメリカンドリームの解体
第3章 鍵のかかったパソコン
第4章 生活不安定層の出現
第5章 ベーシックインカムではなく保証所得を
第6章 どんな仕事でもいいのか
第7章 やみくもな理想主義
第8章 知られざる優良制度「EITC」
第9章 「上位1%」のお金を有効使うには
あとがき

プレジデント社
256ページ
2019年1月29日第1刷発行
1700円(本体価格)

著者 クリス・ヒューズ
1983年アメリカ
ハーバード大学卒業
ハーバード大学でマーク・ザッカーバーグと出会いFacebookを共同創設。
2008年アメリカ合衆国大統領選挙でバラク・オバマのソーシャルネットワークキャンペーンのオーガナイザーを務め、当選に導く。
2016年Economic Security Project(ESP)を立ち上げる。
現金給付の研究者と活動家のネットワークづくり、関連する会議やワークショップの開催している。

訳者 櫻井祐子
京都大学経済学部卒。
オックスフォード大学大学院で経営学修士号を取得。
訳書
「CRISPR 究極の遺伝子編集技術の発見」
「選択の科学」
「イノベーション・オブ・ライフ」他

櫻井祐子 ツイッター

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