雪わたり 宮沢賢治 絵 : 方緒良

「だまされたという人は大抵お酒に酔ったり、臆病でくるくるしたりした人です」by 紺三郎

雪が凍って大理石よりも固くなる、そんな冬の日。
四郎とかん子のきょうだいは子ぎつねを呼ぶ歌を歌って遊んでいると
森の中から子ぎつねが出てきました。
名前は紺三郎。
紺三郎は二人にきびだんごをあげようと言いますが
二人はウサギの糞でできてるのでは?
と疑います。
紺三郎は人をだますなんて無実の罪をきせられていると訴えます。

紺三郎は二人を幻燈会に誘います。
幻燈会がある夜、四郎とかん子は出かけます。
兄達に「行きたい」と言われますが
11歳以上はキツネの学校の父兄以外は入れない決まりのため
仕方なく鏡餅を土産に持たせ二人を見送るのでした。

幻燈会は林の中で行われていました。
キツネの子ども達がたくさんいます。
紺三郎の司会で幻燈会は始まりました…。

 

 

 

 

 

【感想】

この絵本を読むときに音読してみました。
途中で歌もあり、適当な節をつけて歌いました。
とても素朴で穏やかな言葉が並んでいます。

子どもと子ぎつねとの交流を書いていて
「きつねは人をだますもの」という固定観念を取り除き
子どもも子ぎつねも一緒で、お互いに認め合える存在として
描かれています。
それもまた宮沢賢治が理想郷とした、イーハトーブなのでしょうか。

絵も白と黒の濃淡で表現で、それがとても柔らかく
優しい絵となっています。
最後に四郎とかん子を迎えに来た兄達の姿にホッとします。

現代なら小さな子ども2人だけで夜に出かける…という事は
まず無いでしょうが、絵本の世界に自分たちを投影させて冒険ができる。
これが読書の醍醐味だと思います。
私も小さい頃に本の中に書かれてある世界に自分も一緒に入り込み
ワクワクドキドキしました。
ちょっとした時間に絵本を読むと心が和むのでおススメです。

 

 

 

 

 

 

 

mik ihouse
1500円(本体価格)

著者 宮沢賢治
(1896-1933)明治29年、岩手県花巻生れ。
盛岡高等農林学校卒。
1921(大正10)年から5年間、花巻農学校教諭。
中学時代からの山野跋渉が、彼の文学の礎となった。
教え子との交流を通じ岩手県農民の現実を知り、羅須地人協会を設立。
農業技術指導、レコードコンサートの開催など、農民の生活向上をめざし粉骨砕身するが、理想かなわぬまま過労で肺結核が悪化。
最後の5年は病床で、作品の創作や改稿を行った。
(新潮社の著者プロフィールより引用)

著書
「注文の多い料理店」
「セロ弾きのゴーシュ」
「銀河鉄道の夜」
「風の又三郎」など多数

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