箱庭図書館 乙一

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「こちら くつあと しか みえない」by近藤

雪が降り積もったお正月。
大学院生の近藤は一人アパートで迎えていた。
コンビニまで食糧を買い出しに行き
誰もいない公園のベンチで食べていると
雪をふみならす音がした。
近藤が自宅に戻ろうとして立ち上がったときに気づいた。
誰もいない公園についていなかった足跡がついている。



高校生のほのかは祖父母と一緒に暮らし始めた。
母親が事故で亡くなったのだ。
母子家庭だった母の実家にひきとられた。
郵便局に向かっていたが慣れない土地で場所がわからなくなった。
ふいにキュッと雪を踏みしめる音を聞く。
周りを見渡したが誰も居なかった。

近藤は次の日も外に出かけた。
そしてふいにまた雪道に靴跡ができるのを見つける。
声をかけたり、手を振ってみたが反応はない。
靴跡を追いかけると大きな丸い跡ができた。

ほのかが尻もちをついて立ち上がった後に
自分の後ろにスニーカーの足跡があるのに気が付いた。
雪面に指先ほどの小さな穴ができる。
その穴が横にずれていき線になった。
その線は文字となる。
「だいじょうぶ?」
言葉が出現した。

近藤が「だいじょうぶ」と文字を書くと
「おしりが いたかった です」と返事が返ってきた。
文字のやりとりをしていると
同じ町で日付も同じだった。
近藤とほのかは姿を見ることができるのだろうか…。
(ホワイトステップ)

 

 

 

 

 

 

 

【感想】
連作短編集です。
あとがきを読んで知ったのですが、
「読者の方にボツ原稿をおくってもらって、
それを僕が自由にリメイクさせてもらうという企画でした」
(あとがきより引用)
なので、原作者は他にいます。

ところが上手く他の話と繋がっていて
読者にいろいろと想像(妄想?)させます。
あらすじを紹介した「ホワイトステップ」の様に
パラレルワールドを題材にしたものもあれば、
最初の「小説家のつくり方」は、はじめ乙一さんの
エッセイかと思うほどリアルです。

題名の「箱庭図書館」もWEBでの応募であると知り
小説も含めて、そういうつくり方もあるんだと驚きました。

ミステリーありほのぼのとした話あり、青春もあります。
乙一さんの小説は初めて読んだのですが、
今度は完全オリジナル作品を読んで、
今回との違いを確かめたいな。

☆読者投稿作品が読めるサイトも掲載されています☆

 

 

 

 

 

 

 

 

【目次】

小説家のつくり方
コンビニ日和
青春絶縁体
ワンダーランド
王国の旗
ホワイトステップ
あとがき、あるいは「箱庭図書館」ができるまで

集英社
301ページ
1300円(本体価格)
文庫本 600円(本体価格)

 

著者 乙一
1978年福岡県生まれ。
16歳のときに「夏と花火と私の死体」で
ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞し、翌年デビュー。
2003年「GOTH リストカット事件」で本格ミステリ大賞受賞。
現在複数の名で活躍中

著書 
「ZOO」
「銃とチョコレート」
「百瀬、こっちを向いて。」他多数

中田永一(乙一 別名義) ツイッター

最後まで読んで頂きありがとうございます。

当ブログの記事があなたの読書のお役に立てれば幸いです。
また読みに来ていただけると嬉しいです。
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