イニシエーション・ラブ 乾くるみ

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「俺とあいつの関係は、結局はその――イニシエーションラブってやつだったんだろうな」by 鈴木

イニシエーション…ある集団や社会で、正式な成員として承認されるための儀式

裏表紙に「最後から二行目で、本書は全く違った読物に変貌する。
『必ず二回読みたくなる』と絶賛された傑作ミステリー」
と書いてあったので、どんなどんでん返しがあるのだろうかと
想像しながら読みました。


side-A

大学生の鈴木は友人の望月から4対4の合コンの穴埋めで呼ばれる。
彼女はいないが、特に彼女が欲しいとも思っていない鈴木は
軽いノリでOKする。


 

 

 

 

合コンの場で鈴木は一人の女の子に惹かれる。
「ナルオカマユコ」
合コンの後に同じメンバーで海に行き
そこで鈴木はマユコから6桁の番号を暗記させられる。
6桁の番号…それはマユコの家の電話番号だった。

鈴木が電話をかけて週に1度会う様になり
二人は付き合い始める。
初めてのクリスマスには奇跡的にキャンセルがあったホテルに
部屋とディナーを予約し、プレゼントを交換する二人。
誰がみても幸せなカップルだった。

side-B
鈴木は静岡から東京に転勤になる。
マユコに会いに行くために車を走らせる鈴木。
毎週、静岡に帰っていたが仕事が忙しくなり隔週に。
マユコは「無理をしないでね」と言ってくれる。
東京では同じ部署で同期入社の石丸美弥子が鈴木にアプローチ。
彼女が居ることを伝えても美弥子はあきらめた風ではなかった。
美弥子に誘われるまま、鈴木は美弥子とも関係を持ってしまう。

そんなある日、マユコから生理が遅れていることを伝えられる。
「結婚しよう」の鈴木の言葉にマユコは子供ができたから結婚するのは
嫌だという。
結局中絶することになり鈴木とマユコは別れてしまう。
鈴木は美弥子と付き合うようになる。

 

 

 

 

 

【感想】

良い意味で裏切られました。
読み終わった後に私の中で主人公が鈴木からマユコに変わりました。

1980年代後半の設定なので
スマホどころか携帯電話もなく電話は固定電話の時代。
出来ちゃった婚は一般的ではなく「恥ずかしい事」の時代。
懐かしいあの頃のヒットソングがそれぞれの表題になっています。
side-A、side-Bはレコード。
表題にも時代背景もとても懐かしく感じます。

裏表紙に書かれていた通り、全く違った読物になり
2回目を飛ばし飛ばしですが読みました。
その感想を言うとネタバレになるので、気になった方は
ぜひ読んでみてください。

 

 

 

 

 

 

 

【目次】

side-A
1.揺れるまなざし
2.君は1000%
3.YES-NO
4.Lucky Chanceをもう一度
5.愛のメモリー
6.君だけに

side-B
1.木綿のハンカチーフ
2.DANCE
3.夏をあきらめて
4.心の色
5.ルビーの指輪
6.SHOW ME

文春文庫
255ページ

著者 乾くるみ
1963年、静岡県生まれ
静岡大学理学部数学科卒業。
1998年「Jの神話」で第4回メフィスト賞を受賞しデビュー。

著書
「塔の断章」
「マリオネット症候群」
「スリープ」
「北乃杜高校探偵部」など多数

最後まで読んで頂きありがとうございます。

当ブログの記事があなたの読書のお役に立てれば幸いです。
また読みに来ていただけると嬉しいです。
グッドレビュアー

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