猫女房 小宮孝泰

「『またね』と言ったお手軽な約束が実現することは少ない。だから、今できることや、してあげられることは、今実行した方がいいんだ」

小宮孝泰さん…コント赤信号のメンバーの一人です。
小宮さんの愛妻、佳江さんとの出会いから闘病の末
天に召されるまでのことを綴ったエッセイです。

佳江さんは猫が大好きで、小宮さんと結婚されてから
カメラ教室にも通って猫を撮り続けていました。
お子さんが居なかったので、お二人で「猫旅」
と称して日本だけでなく海外にも行き、
猫をカメラに収めています。
佳江さんが撮った猫写真も掲載されています。


 

 

 

 

お二人がとても仲のよいご夫婦だったこと。
小宮さんが佳江さんに支えられ、コントだけでなく
俳優業や落語の会など活動を広げていったことが
読んでいて伝わります。

佳江さんが乳がんだとわかった後も
「病気のことを誰に伝えるのかは個人情報だから
自分で決める。それ以外の人には言わないで」
といった決断には、「ああ、そういう選択があるんだ」
と驚きにも似た感じを受けました。

佳江さんは病気に関することや介護に必要なものなど、
よりよく生きるためにどうすればよいのかを
自分で調べて選択し実現していきます。

痛みや体の状況を一番よく知っているのは自分だから
病気と真摯に向き合い自分にとってベストな方法を
選択していく、その生き方には学ぶことがたくさんあります。

本にも掲載されていますが、佳江さんが残した
がんのメモは時には質問であったり、主治医の言葉だったり
その時の気持ちが綴られています。
このメモを書くことで自分を客観視してがんと向き合って
こられたのではないかと思いました。

私は今は健康ですが、病にかかったときには
医療関係の人も含めて、人任せにせず
自分で納得いく生きかたのために
病気と向き合っていこうと思いました。

たんたんと文章が綴られているので
感情が揺さぶられることはなかったですが
それだけに小宮さん、佳江さんの人物像が
心に残る一冊でした。

 

 

 

 

 

 

【目次】

プロローグ
第1章 妻のこと
第2章 猫旅
第3章 告知
第4章 ちょっとずつ、ちょっとずつ、
猫女房写真館
妻が残した、がんのメモ
妻からの手紙
特別対談 落語家 春風亭昇太VS小宮孝泰
     「芸と人生、結婚…を語る」
おひとりさまの季節 ~エピローグにかえて~

秀和システム
222ぺーじ

著者 小宮孝泰
1956年、神奈川県生まれ。
明治大学卒業。
1980年に渡辺正行、ラサール石井とともに
「コント赤信号」としてTVデビュー
30代からは俳優として活躍中。
2004年に文化庁文化交流使として
ロンドンに演劇留学。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

当ブログの記事があなたの読書のお役に立てれば幸いです。
また読みに来ていただけると嬉しいです。

グッドレビュアー

プロフェッショナルな読者