教場 長岡弘樹

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「人を傷つけた経験のある者ほど、よく人を守れる。そういうものだよ」

教場…ここは単なる教室ではない。
警察官を目指す者たちが篩(ふるい)にかけられる場である。

宮坂は大学生の時にスキーからの帰り道に吹雪にあい
ハンドルを切り損ねて崖から落ちた。
雪の重みでドアは開かない。
携帯電話は圏外。
いつしか意識が遠のいていった。

吹雪の時こそ受け持ちを丹念に回る警察官に
命を助けられた。
宮坂は教員生活を2年経験したのち警察官を目指す。


 

 

 

 

偶然にもそこには命の恩人の息子が平田が同期で居た。
平田と宮坂はクラスでも落ちこぼれでよくつるんでいた。
一期上の学生からはどちらが先に辞めるか賭けの対象にまでなっていた。

宮下はある日担当教官の風間に
「なぜ、わざと下手なふりをした」と聞かれる。
職務質問の授業の事だ。
気づかれている…宮下はそう思った。

事件は唐突にやってきた。
平田から手錠のかけ方を練習したいと言われ応じた宮下は
平田の部屋のベッドに繋がれてしまった。

平田は気づいていた。
宮坂がわざとできが悪いふりをしているのを。
平田は硫黄入りの入浴剤と酸性のトイレの洗剤を混ぜて
有毒ガスを発生させて無理心中を図ろうとしているのだ。
平田が洗剤のキャップを外しにかかったその時…。


警察学校を舞台にした小説です。
宮下をはじめ6名の生徒の教場での生活が
書かれています。

警察学校ってこんなにドロドロしてるのか???
キツイ訓練と規則。
閉鎖的な空間に閉じ込められると
人はこんなにも残酷になれるのか…。
疑心暗鬼になりながら読み進めていくと
冒頭の言葉があり、そのためにドロドロを描いたのか…
と納得しました。

高校3年生の時、一人の同級生の男子が
卒業後の進路を警察学校に行き警官になるって
言ってたなぁ。
彼は希望通りに警官になったんだろうか…。
本を読んだ後、ふと、そんなことを思い出しました。

 

 

 

 

 

 

 

【目次】

第一話 職質
第二話 牢問
第三話 蟻穴
第四話 調達
第五話 異物
第六話 背水
エピローグ

小学館 294頁

著者 長岡弘樹
1969年山形県生まれ
筑波大学卒業
団体職員を経て、2003年「真夏の車輪」で
第25回小説推理新人賞を受賞

著書
「傍聞き」
「白衣の嘘」
「教場2」他多数

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