3時のアッコちゃん 柚木麻子

「これでわかったでしょ? 目的地は一つでもルートは一つじゃない」

黒川敦子、通称アッコは脱サラして
「株式会社 東京ポトフ&スムージー」を立ち上げて
冬はポトフ、夏はスムージーを販売している。

元部下の澤田三智子は物産会社でフランスの
人気シャンパンの販促会議が上手く進まず
アッコに相談する。
「ただの雑用係、会議室押さえて、進行役して、つまむお菓子を用意して、お茶を配って」
と愚痴る三智子にアッコは
「すごいじゃないの」と言われる。
「お茶を用意することは、場の主導権を握ることなの」
アッコは週明けから5日間、三智子の会社に会議に出す
アフタヌーンティーを用意して給仕をするという。
アッコからは会議は30分で終わらすことを提案。

 

 

 

 



初日は三智子以外の出席者はアフタヌーンティーに文句を言っていたが
日が経つにつれ時間内に集まるようになり
アフタヌーンティーを心待ちにするようになる。
それだけではなく、シャンパンを売り出す企画を
雑談の中で提案していく。
あとは部長の決断となり…。

アッコちゃんシリーズに第二弾です。
悩める働く女子を応援し
時には厳しく時には優しく接するアッコちゃん。
元部下の三智子に地下鉄で出会った明海。
アッコちゃんの行動力を疎ましく思うけど
変わっていく自分を確認してしまう。

今回はアッコちゃんが登場しない話もあるけど
どの話も日常に疲れた女子を元気にしていきます。
そして食べることの大切さを何気なく書いてある本でもあります。
私は猪のベティの話がよかったなぁ。
最後の2つは神戸や梅田といった馴染み深い
場所の話なので、場所を思い浮かべながら読みました。

 

 

 

 

【目次】

第1話 3時のアッコちゃん
第2話 メトロのアッコちゃん
第3話 シュシュと猪
第4話 梅田駅アンダーワールド

双葉社
166頁

著者 柚木麻子

1981年東京都生まれ
立教大学文学部卒業
2008年「フォーゲットミー、ノットブルー」で
第88回オール読物新人賞を受賞。
受賞作を含む連作短編集「終点のあの子」でデビュー

著書
「あまからカルテット」
「嘆きの美女」
「その手をにぎりたい」
「ランチのアッコちゃん」など多数

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